12月30日〜12月31日のドイツのニュース



12月30日(月)

シュレーダー 中国の人権に言及

(上海)連邦首相ゲアハルト シュレーダーは中国政府が人権保護を進めるように
要請した。上海のトンジ大学での演説で彼は、個人の基本的な義務と権利は国家に
よって与えられるものではなく、また譲り渡すこともできないものである、と述べ
た。シュレーダーはさらに、イラクとの紛争では軍事的な介入が行なわれない可能
性がある、との期待を強く述べ、国際社会が戦争を行なわず、国連決議を実行する
ことができるように期待する、と述べた。これに先立つ中国共産党の新党首胡錦濤
との話し合いでは、国連安保理では密接に意見調整を行なうことで合意していた。
火曜日には、中国首相朱鎔基とともに、トランスラピードの最初の商業路線である
上海空港と市中心部を結ぶ区間の開通式を行なう。

     その他のニュース

ボンバルディール社 上海の地下鉄建設落札

(上海)鉄道建設会社ボンバルディールは、上海の地下鉄新路線の
建設を行なう、と連邦交通相シュトルペは上海で発表した。彼は首
相シュレーダーの使節の一員として同行している。上海は12ない
し15の地下鉄の新路線を建設する方針で、2010年までのは3百キ
ロを完成させたいとしている。

北朝鮮をめぐる外交上の対立 激化

(モスクワ)北朝鮮の核計画に対する各国の対立で、ロシアは北朝
鮮政府の強硬な態度を批判した。外相イワノフは、国際原発機構の
監視人の国外追放と、北朝鮮が国際監視を拒否していることを批判
した。一方中国は、北朝鮮首脳が核戦略を明確に発表するよう働き
かけを強める、と約束した。韓国大統領金は、この紛争を力の政治
で解決することがないように警告した。つまり北朝鮮を政治的・経
済的な手段で屈伏させるとの米国の計画に反対した。北朝鮮外務省
は、ただちに核兵器禁輸条約から脱退すると脅した。

安保理 イラクへの輸出禁止を拡大

(ニュー ヨーク)国連安保理は、イラクへの輸出を禁止している
物資を増やした。今後は、一定の飛行機、船、電気部品、医薬品、
化学物質をイラクへ輸出することが禁止される。この禁止で、イラ
ク政府は軍事的に使用可能な物資の輸入ができないことになる。安
保理15ヶ国は秘密会議を行ない、米国が提案していた新たな一覧
について投票した。ロシアとシリアは棄権した。




12月31日(火)

ドイツ 平和への働きかけを強める

(ベルリン)連邦外務大臣ヨシュカ フィッシャーは、まもなくドイツが国連安保
理の非常任理事国になることは大きな機会である、と述べた。連邦政府は国連で最
高の委員会の中で、責任をもって、世界平和を守るために活動する、と彼はベルリ
ンで述べた。緑の党に属する彼は、ドイツがEU加盟各国と密接な協力関係を築く
よう尽力する、とも述べた。連邦政府は「意識して親ヨーロッパ的に」安保理の仕
事を進めていく、とも述べた。
元日にはドイツは、1973年から4度めの安保理のいわゆる非常任理事国となる。
2月には同理事会の議長職を引き継ぐ。

     その他のニュース

アナン イラクが協力体勢を取っていることを確認

(ニュー ヨーク)国連事務総長アナンは、今のところイラクに対
する軍事攻撃を行なう理由はない、と見ている。国連によるイラク
の武器査察団は今のところ、妨害を受けずに仕事を進められてい
る、と述べた。アナンは米国に対して、攻撃を行なうにしても、い
かなる場合にも事前に国連査察団の報告が出るのを待つように、と
訴えた。報告書は1月下旬に出ることになっている。イラク通商大
臣モハメド メーディ サレーは、イラクは戦争の準備を進めてお
り、イラク人はみなあらかじめ食料を確保した、と述べた。国連安
保理はイラクに対する国連の制裁措置を強化している。

中国 トランスラピート延長を約束

(上海)初めて商業用に利用されるトランスラピートの予定線が開
通したが、中国はさらにこの線路を建設する方針である。これは中
国首相朱が連邦首相シュレーダーに約束したものである。今のとこ
ろわずか30キロの長さであるが、3百キロ延長し、百万都市上海と
南西の杭州を結ぶことになっている。シュレーダーは中国訪問を、
ドイツの企業団が建設したリニアモーターカーの処女運転に朱と同
乗することで締めくくった。トランスラピートは最高時速430キロ
に達した。現在建設された区間は2004年には、定時運転が行なわ
れる予定で、毎年1千万人の乗客が見込まれている。

トルコの政権交代の道 開かれる

(アンカラ)トルコでは大統領セゼルは、政府の幹部の交代の道を
開いた。大統領府の情報では、彼は国会が決議した憲法改正を承認
した、とのことである。これにより、宗教政党AKP党首エルドアン
が、国会議員となり、引き続き新首相に選ばれることが可能にな
る。今までエルドアンは、民衆扇動を行なった前科があるため、首
相への道が閉ざされていた。大統領セゼルは最初は、拒否権を行使
して憲法改正を阻止しようとしていたが、この拒否権は国会に却下
された。



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