1月6日〜1月12日のオーストリアのニュース



1月6日(月)

     国外ニュース

「プレスティージ」事故 スペインで大規模デモ

月曜日、約10万人がスペイン北部の港町ヴィゴで、大型石油輸送
船プレスティージによる石油汚染に抗議して路上に出てデモを行な
った。デモ隊は政府が、この事故の対策を十分取らなかったことを
非難し、担当の政治家の辞任を要求している、とテレヴィでは報道
された。このデモを呼びかけたのはガリシア語で「繰り返すな」を
あらわす「ヌンカ マイス」という市民団体で、これはスペインの
大西洋岸の環境が汚染されたことで結成された組織である。このデ
モで衝突は報告されていない。

     国内ニュース

EUの特許法 実施遅滞のためオーストリア訴えられる

オーストリア政府が国内法をEU特許法に即した形に期限内に改正
しなかったため、EU委員会は、欧州法廷にオーストリアを訴える。
これは図版や日用品の形態などを保護するためのものである、と
EU委員会は発表した。オーストリアのほか、ドイツ、ベルギー、
スペイン、ルクセンブルク、オランダ、ポルトガルが欧州法廷に訴
えられた。この方針は1998年に採択され、EU加盟国は遅くとも
2001年10月28日までに国内法でも実施することで合意していた。




1月7日(火)

     国外ニュース

米国防省 攻撃計画の立案者を湾岸に派遣

米国防省はイラク攻撃計画を立てる参謀の一部をペルシャ湾岸の基
地に配置する、と昨日発表した。カタールのアス・サイリヤ基地
に、陸海空の戦闘の調整を行なう機関を置かれる。信頼できる筋の
情報によれば、これは戦争が避けられなくなったことを意味するわ
けではなく、大統領ジョージ W. ブッシュがイラクの武装解除のた
めに戦争が必要である、と決断した場合に備えて、軍が出撃体勢を
取る決定をしたということだ、とのことである。

     国内ニュース

国民党 健康保険の控除の割合を全員同じにする方針

国民党の健康問題の専門家エルウィン ラシンガーは、全員がおな
じだけ要求を抑えるのに賛成である、と述べた。これはすでに東方
三王来朝の記念日の同党の連立綱領で報告したことと同じ内容であ
る。彼はテレヴィ番組で、鉄道関係者、公務員、自営業者の健康保
険制度の今後の方針を調整することができると考えている、と述べ
た。「もし全員が同じ割合の控除、20%の予定であるが、この控除
を受けるのであれば、これはうまく行くだろう」と述べた。




1月8日(水)

     国外ニュース

国連武器査察団 中間報告を提出

イラク武器査察団団長は木曜日、ニュー ヨークの国連安保理に、
査察の今までの状況に関する中間報告を提出する方針である。団長
ハンス ブリックスと国際原子力発電機構の会長モハメド アル 
バラダイは、国連安保理の理事国に対し、非公開の場で、イラクの
首脳部が1月前に国連に提出した広範囲にわたる武器にかんする報
告書の具体的な評価を伝えることになっている。国連決議1441に
基づく国連査察団は1月27日までにその成果に関する完全な報告の
第1回目を行なわなければならない。その後米国大統領ジョージ
W. ブッシュは、国民にむけた演説を行なうことになっている。査
察団の専門家は、イラク政府の報告書には欠落がある、と非難して
いる。一方ロシアは、サッダーム フセインの亡命先を探してい
る、との報道を否定した。

     国内ニュース

国民党と自由党 相手の意向を打診

国民党は、社会民主党に続いて自由党の意向を聞く3度めの話し合
いを首相府で行なう。内閣人事を行なうにあたって予備的な決定は
行なわれない。この話し合いでは、国民党と自由党の協力関係には
さしあたり期限を設けないことになっている、と自由党の執行部の
カール シュワイツァーは語った。一方国民党は来週、社会民主党
との分科会に分かれての会議に集中したい、との方針である。自由
党とは12月初めからこのような会議を行なっている。




1月9日(木)

     国外ニュース

ドイツ 公勤務のストを回避できるか?

ドイツでは公勤務のストが回避できそうな見通しになってきた。約
3百万人の被雇用者の賃上げ交渉で妥協が見られた。ただしこれに
は賃上げ委員会の賛成が必要である。ポツダムで開かれている決着
を着ける交渉は木曜夜までが正念場であった。妥協案によれば、
2003年1月1日から2.4%、1年後さらに1%、来年5月1日にさらに
1%の賃上げが含まれている。一方一時払い金は185オイロ減額さ
れる。新聞報道によれば、この契約は2005年1月31日までの27ヶ
月間のものになる。また2年ごとに自動的に引き上げられる基礎報
酬の増額は、2003年と4年には半分に減額される。

     国内ニュース

首相 連立決定をあせるべきではない

連邦首相で国民党党首ウォルフガング シュッセルは木曜日、連立
相手としては社会民主党がやや望ましいとの態度を示した。彼はテ
レヴィ番組で、「大連立を新たに組むことがやや優勢である」かど
うかという問に答えて、もしうまく機能し、必要な改革の意志が示
されるのであれば、そうなるだろうが、それぞれの政党がそれをは
っきりさせなければならないし、自分としてはどの党も排除しな
い、と述べた。連立政権をつくる交渉に性急に結論を出すよう圧力
をかけることはしない、と彼は述べた。「あせるべきではない。重
要なのは2週間前後の時間ではなく、交渉内容の質である」とも語
った。




1月10日(金)

     国外ニュース

北朝鮮の核条約からの脱退に厳しい批判

北朝鮮が核兵器拡散禁止条約から撤退したことに、世界各国から激
しい批判が行なわれた。米国大統領ジョージ W. ブッシュと中国大
統領江は情勢について話し合い、北朝鮮の態度は不安をあおるもの
だ、と見ていると米国大統領府は昨日発表した。米国外相コリン 
パウエルは、国連安保理の会議開催を要請した。韓国外務相は、平
和に対するもっとも憂慮するべき危機である、と述べた。北朝鮮国
連大使パクは、同国は国連の経済制裁を宣戦布告とみなす、と述べ
た。

     国内ニュース

オーストリア連邦鉄道総裁 「分割は高くつく」

オーストリア連邦鉄道総裁リュディガー フォルム ワルデは、国
民党が目指している連邦鉄道をいくつかの会社に分割する計画に、
費用がかかりすぎることを理由に反対した。この計画を実施する
と、現在よりも間違いなく費用がかかる、と彼は金曜日に述べた。
重要なのは鉄道の施設全体を利用することであり、税金にかかわる
問題であるため、費用がより多くかかるのは悪い選択だ、と述べ
た。また彼は、同社は2億オイロの支出削減を行なう方針だ、とも
語った。




1月11日(土)

     国外ニュース

アムネスティ グアンタナーモの捕虜に関して米国を批判

アムネスティ インターナショナルは米国に対し、キューバのグア
ンタナーモ基地にいるテロの容疑者を起訴するか釈放するか、いず
れかの措置を取るよう要請した。この人権擁護団体はロンドンで、
逮捕者が初めてこの基地に到着してから1年となる土曜日に、この
訴えを発表した。情報によれば、同基地には約6百人のイスラムテ
ロ組織アル カイダの隊員が拘留されているが、アムネスティ イ
ンターナショナルはこれは違法である、と批判している。「この法
的に中途半端な状態は、国際社会が見過ごしてはならない人権侵害
である」と述べている。

     国内ニュース

国民党副党首 連立問題で改革の用意があると発言

国民党副党首ウィルヘルム モルテラーは、社会民主党との大連立
が成立した場合にそなえて、自分の周囲にも影響力を行使する準備
を進めている。その度ごとに関係者に配慮せずに、必要な改革を取
らねばならない、これは私たちにあてはまるだけでなく、社会民主
党にもあてはまる、と述べた。国民党は、たとえば年金受給権を公
務員の負担に合わせたものに変えたり、国民党が政権を持っている
州や地方自治体にかかわる税制改革などの問題では、自分たちの支
持者に不利になることをする準備ができている、と述べた。




1月12日(日)

     国外ニュース

近東の暴力事件で11人死亡

日曜日にパレスチナ人居住地区およびイスラエルでいくつかの突発
事件が発生し、少なくともパレスチナ人9人、イスラエル人2人が
死亡した。パレスチナ人と見られる犯人が昨日午後、北イスラエル
のモシャウ ガディッシュに進入し、同地の見張り番1人を殺害し
た。その前にはイスラエルがガザ地区で大規模な攻勢に出て、ミサ
イル攻撃で15歳少年2人を含め、4人を殺害していた。

     国内ニュース

年金制度に対する信頼 低下

オーストリア人は、現在の年金制度に対する信頼感を失っているよ
うだ。新聞の世論調査によれば、78%が長期的には現在の形態での
年金制度を財政的に維持することができないと見ている。69%は、
現在より年金受給年齢があと送りになる、と見ている。65%は疑い
の気持ちを持っていることから、国による年金に加えて、個人的に
対策を立てておかねばならない、との結論を引き出している。「こ
の世論調査の解答者が若くなればなるほど、疑いの気持ちは強くな
っている」と、調査主任は述べている。50歳以上では19%である
のに対し18歳から29歳では8%だけが長期的に現在の年金制度が維
持できる、と見ている、とのことである。



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