1月13日〜1月19日のオーストリアのニュース



1月13日(月)

     国外ニュース

北朝鮮の核問題 方針転換

北朝鮮は、核兵器拡散阻止条約からの撤退を、ある条件を満たせば
取り下げ、外国の武器査察団を同国に入国させる用意がある、との
方向性を示した。しかしまず米国が敵対的な政策と、核兵器を北朝
鮮に使用するとの脅しを撤回しなければならない、とモスクワ駐在
大使パクが述べたとロシア国営通信社が伝えた。これより前米国政
府は北朝鮮に譲歩して、石油輸出の再開を視野に入れている、とし
ていた。

     国内ニュース

ウィーン市長 大連立に賛成

新聞のインタヴューの中で、ウィーン市長ミヒャエル ホイプル
は、社会民主党の政権参加に賛成の姿勢を示唆した。「社会民主党
が国民党と建設的に交渉を行なう方針である」ことが見て取れる、
と述べた。社会民主党は党首アルフレート グーセンバオアーが行
なった野党に留まるとの発言から、立場を変えており、どの方面か
らも支持を受けていないとは思えないし、国民党内部の多くが連立
を望んでいるというのは誤認でないだろう、と述べた。




1月14日(火)

     国外ニュース

チェコ国会 ハヴェルの後継者を決定

チェコ国会の両議員は、大統領ヴァクラフ ハヴェルの後継者を選
ぶ初めての試みを開始する。彼はすでに大統領を2期務めたため、
これ以上は再選されない。各政党はす共通の候補者で合意していな
いため、選挙の行方は全く不透明である。大統領選は国民の直接投
票ではなく、議会によって選ばれる。政治の専門家は、最大3回の
投票を行なう今回の大統領選びでは必要な議会の過半数に達する候
補者はいない、と見ている。与党社会民主党は、元法務大臣ヤロス
ラフ ブレスを候補に立てている。彼は共産党の要人であったた
め、異論が多い。保守的な民主国民党は元首相ヴァクラフ クラウ
スを候補にしている。キリスト教民主党は元反体制派の憲章77の
ペトリ ピトハルトを立てている。

     国内ニュース

フィシュラー ブレナー峠通過で特別規定を検討

EU委員フランツ フィシュラーは、オーストリアとEUが対立してい
る国境通過問題で、ブレナー峠を通過する路線に暫定的な特別規定
を作ることが可能であると見ている、と新聞のインタヴューで語っ
た。彼はオーストリアはブレナー峠に関して要請されているこの暫
定的解決を受け入れれば、集めた通行料の使いみちを変え、鉄道建
設に投資できる可能性があると思う、と述べた。この通行料の使途
変更で、オーストリアが予想しているとおり、かなり高額な自動車
通行料を徴収し、それによってトラックの通行量を押さえることが
できる、とも述べた。




1月15日(水)

     国外ニュース

チェコ 大統領決まらず

チェコの新大統領選挙は水曜午後行なわれたが、結局大統領は決ま
らなかった。3回目の投票でもプラハ王宮にあるチェコ議会は、ヴ
ァクラフ ハヴェルの後継者を選ぶことができなかった。ヴァクラ
フ クラウスとペトリ ピトハルトは必要な出席議員の過半数をと
ることができなかった。下院議長ルボミール ツァオラレクは、3
回目の投票で、113人の上下院議員がクラウスに、84人がピトハ
ルトに投票した、と発表した。同国の下院議員は200名、上院議員
は81名なので、必要なのは141人の賛成であった。

     国内ニュース

自由党国会議員の秘密会議で 意向を話し合う

自由党の国会議員は木曜日、非公開会議をウィーンの国会内で開
き、国民党との意向打診会談および国家機構改革および健康保険問
題について話し合う。この会議は水曜日に、新たに選ばれた国会議
員を議会内の仕事に迎え入れることで始まった。この日公開会議は
金曜まで続く。同党議員団は内容的に難しい問題に招待講演者を呼
んだ。木曜日は会計検査院長フランツ フィードラーと健康保険問
題の専門家ウォルフガング フーバーが呼ばれている。金曜日は年
金問題と1月23日に始まる次回国民議会について話し合う。このほ
か、人事の決定を行ない、担当と委員会の代表が決定される。




1月16日(木)

     国外ニュース

EU委員会 EU改革提案を批判

ドイツとフランスは、EUに2つの最高首脳を作るとの提案を行なっ
たが、EU委員会はこれを混乱のもとであり、官僚主義的であると
して退けた。「EUには、結局は対立しあうことになる、2つの官僚
制度を持つ2つの官庁を作る必要があるとは思えない」と同委員会
主席報道官ジョナサン フォールは語った。フランスとドイツは、
5年後までにEU評議会議長の新たな職を作りEU委員会議長と二頭
体制を作る、との提案を行なっていた。

     国内ニュース

年金問題で社民党と国民党 歩み寄り

国民党と社会民主党が連立を目指す上で、会談を決裂させる原因に
なると見られていた、年金制度の共通化の問題で、両党の立場が近
づいた模様である。すでに職についている公務員に対してもの規定
は適用されることになる。社会民主党党首アルフレート グーセン
バオアーは新聞で、2004年から被雇用者のASVG法は35歳以下の
全ての人に適用されることになる、と語った。国民党もこの予定を
確認し、公務員に公平に適用する方針である。同党は早期年金の廃
止を求めていたが、これは一時中断する。




1月17日(金)

     国外ニュース

米軍艦隊 さらに湾岸地域に出発

米国の軍艦の艦隊がさらに一つ、ペルシャ湾に針路を向けた。昨日
2隻の上陸用の艦艇が護衛艦をともない、あわせて1万人の兵士と
乗組員を乗せて、カリフォルニアのサン ディエゴを出発した。上
陸用攻撃艦「ボノム リチャード」と「ボクサー」は、部隊の上陸
と上空からの支援をする船である。さらにもう一つの部隊が水曜日
に東部のヴァージニアから出港することになっている。

     国内ニュース

グーセンバオアー「連立には両党からの支援が必要」

国民党と社会民主党の間の連立協議を開始する前に、両党の首脳か
らの支援が欠かせない、と社会民主党党首アルフレート グーセン
バオアーは新聞のインタヴューで答えた。彼は今まで作業班が相手
の意向を打診する集中協議があげてきた成果を評価して、次のよう
に述べた。産業面は良い成果をあげている、年金改革はまあまあ、
健康保険はどちらとも言えない、国家機構改革では疑問が残る、教
育もどちらとも言えない。交渉相手個人についても評価し、国民議
会議長アンドレアス クホールは筋金入りだ、ティロール州首相エ
リサベト ツァーノン ツア ネッデンは良い提案をする、と外交
辞令を述べた。




1月18日(土)

     国外ニュース

EU 海洋汚染により厳しい処罰を課す方針

スペイン沿岸での石油による海洋汚染が発生したため、EU委員会
は海洋汚染に対する処罰をより厳しいものへと変えていく。EU委
員会議長ロマーノ プロディは昨日EU加盟各国の政府に、EU執行
部は新たな法案づくりを検討している、と伝えた。それによれば、
今後海洋汚染を引き起こしたものは刑罰の対象となり、責任のある
運搬業者とその船の所有者が罰せられることになる。現在のとこ
ろ、海洋汚染を引き起こした責任あるものに罰金を科すだけの国も
ある。外交筋によればEUの海洋国ギリシャ、英国、オランダはこ
の禁止の実施を延期しているが、EU委員会は実施を求めていく方
針である。

     国内ニュース

クホール「社民党は変化しなければならない」

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、国民党との連
立政権結成に楽観的な態度を示しているが、新聞報道によれば国民
党はこの大連立が成立する可能性は少ないと見ている。社会民主党
はたぶん、意向打診会談の異議を十分に理解していない、と国民党
議員団長アンドレアス クホールは新聞に語った。はっきりしてい
る問題の一覧を交換するだけでは、あまりに意味がない、社会民主
党は変化しなければならない、そうでなければ連立の基盤はきわめ
て脆弱になってしまう、と述べた。




1月19日(日)

     国外ニュース

シラク 米国にイラク問題で独断を謹むよう警告

フランス大統領ジャック シラクは米国に対し、国連の支持なくイ
ラクを攻撃することがないよう、警告した。「米国が独断で攻撃す
るとの決定を下すのであれば、それは国際社会で起こってはならな
いことだ、と言わねばならない」とシラクはフランスの新聞のイン
タヴューで語った。イラクの武装解除のための攻撃は、国連安保理
の支持がなければ、適法的ではない、国連武器査察団の報告を土台
としてその決定は下さなければならない、とも述べた。また彼は、
フランスが望んでいるのは、イラクが大量殺戮兵器を保有していた
場合には武装解除することであると述べた。さらにイラク大統領サ
ッダーム フセインに、国連武器査察団に協力するよう呼びかけ
た。

     国内ニュース

国民党と社民党 掘り下げた会談を終える

掘り下げた会談を行なっている国民党と社会民主党は、月曜日に事
実上その会談を終える。この交渉に引き続き、年金、雇用、基盤整
備に関し小人数による話し合いを行なう。内閣をどのように構成す
るかに関する仮決定は、火曜に行なわれる模様である。国民党所属
の首相ウォルフガング シュッセルとの会談後、社会民主党党首ア
ルフレート グーセンバオアーは午後、同党の幹部にこの意向打診
会議の結果を委ねることにしている。正式の決定は水曜日の予定で
ある。最後の意向打診会議の後、社会民主党の幹部と議員は、正式
の連立協議を開始するかどうかを決めるため、集まることになって
いる。その結果がどう出ても、国民党は幹部会議を今週行なう予定
である。



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