2月3日〜2月9日のドイツのニュース



2月3日(月)

シュレーダー 選挙の敗北の責任を認める

(ベルリン)連邦首相ゲアハルト シュレーダーは、ニーダーザクセン州とヘッセ
ン州の選挙で、社会民主党が敗北した責任は自分にあるが、辞任することはない、
と述べた。党首である彼は、自分の政治家としての半生の中でもっとも手痛い敗北
であると語り、選挙結果に対する責任として改革を加速すると予告し、雇うキリス
ト教民主、社会同盟に協力を呼びかけた。また、連立与党の社会民主党と緑の党
が、連立を解消することはない、とも述べた。キリスト教民主同盟と自由民主党
は、政府に対しはっきりした方針転換をするように求めたが、協力的な態度も示し
た。キリスト教民主同盟党首アンゲラ メルケルは、連立与党が多数の賛成を得ら
れるような政治的な構想がないのは残念だが、同党としては有権者の投票に注意深
く対処していく方針であり、連邦参議院で政策を阻止する戦術は取らない、と述べ
た。

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CDU ヘッセン州とニーダーザクセン州で勝利

(ハノーファー、ヴィースバーデン)ニーダーザクセン州州議会で
は、ヴルフを擁するキリスト教民主同盟が、13年ぶりに政権の座
に就く。同党は絶対多数にわずか1議席足りないだけである。ヘッ
セン州では、戦後最高の結果を残し、絶対多数を獲得している。両
州では社会民主党は過去最低の結果であった。ニーダーザクセン州
州首相ガブリエルは33.4%の得票で、キリスト教民主同盟は48.3%
であった。自由民主党は票を伸ばし8.1%、緑の党は7.6%であった。
ヘッセン州では州首相コッホ率いるキリスト教民主同盟が48.6%
で、半数を取った。社会民主党の対立候補ベーケルは29.1%しか集
められず、党首および会派長を辞任した。緑の党は票を伸ばして
10.1%、自由民主党は7.9%であった。

CDU/CSUとFDP 連邦集会で過半数を獲得

(ベルリン)キリスト教民主同盟がヘッセン州とニーダーザクセン
州の選挙で勝利したため、連邦大統領ラオは2期目を務められそう
になくなった。連邦統計庁は、キリスト教民主、社会同盟と自由民
主党は、連邦集会の1206議席のうち610議席、つまり過半数を獲
得した。このまま行けば、両会派は来年5月の大統領選に独自の候
補者を立てることができる。

ドイツ産業界 理性的な連合を呼びかける

(ベルリン)ドイツ産業界は与野党に対し、理性的に協力しあうよ
う呼びかけた。国民お支持を受ける政党は、景気と労働市場の利益
になるよう協力しあい、ともに改革を着手しなければならない、と
産業界幹部連合は強調した。労働組合は社会民主党が、産業および
社会福祉政策で、キリスト教民主同盟の方針に追随しないようにと
警告した。そのような場合に備えてドイツ労働組合連合会長ゾマー
は、断固として社会全体で抵抗する、と述べた。




2月4日(火)

仏 米国の戦争路線になお反対

(パリ)イラク危機解決のための会議を翌日に控えてなお、フランスは米国の開戦
の方針に反対している。フランス大統領ジャック シラクは英国首相トニー ブレ
アと会談した後、武器査察団に必要な時間を与えないまま、対イラク戦を開始する
ことには今なお反対である、と述べた。フランス政府は当面、米国外務大臣コリン
 パウエルが水曜日に、その後国連武器査察団長ハンス ブリックスが2月14日に
国連安保理にどんな報告をするかを待つ方針である、と強調した。イラクの武装解
除にあたっては、平和的な手段で多くの成果を上げられる可能性がある、と彼は強
調した。ブレアはイラク問題で意見の違いがあることを認めた。彼は、シラクが武
力の行使を正当化する2回目の決議に賛成票を投ずるように説得するつもりであっ
た、とも述べた。両国は国連安保理で常任理事国として、拒否権を持っている。

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ブリックス 査察団の仕事は終わりではない

(ベルリン)イラクに派遣されている国連武器査察団は、まだ使命
を終えていない、と団長ブリックスは見ている。査察団は、イラク
が原因となる危険を効果的に予防しており、なかでも炭疽菌および
スカッドミサイルを保有しているかどうかとの質問にイラクが答え
を出さねばならない、 と彼はドイッチェ ヴェレのインタヴュー
に答えた。米国が予告している秘密情報部の情報の呈示をにらん
で、米外相パウエルは大量殺戮兵器が隠されていると見られる場所
の名前を挙げる可能性はないだろう、と述べた。パウエルは水曜
日、武装解除に関する国連決議にイラクが違反していることを示す
文書を安保理に提出する方針である。一方国連武器査察団は、バグ
ダッド北部の火薬工場を緊急に調査し、空の化学兵器を搭載する弾
頭を再び発見した。

ブッシュ 「コロンビア」乗員の勇気と業績をたたえる

(ヒューストン)米大統領ブッシュは追悼式で、スペースシャトル
「コロンビア」の事故で死亡した宇宙飛行士の業績と勇気をたたえ
た。この7人は危険を顧みず、自分の任務をわきまえ、研究業務に
進んで取り組んだ、と彼は述べた。また米国のスペースシャトル計
画は続行する、とも約束した。ヒューストンの宇宙飛行基地で行な
われた追悼式には犠牲者の同僚、遺族ら数千人が出席した。「コロ
ンビア」は土曜日、着陸直前におそらく主翼の破損が原因で分解
し、墜落した。

ロシア無人宇宙船 宇宙基地とドッキング

(モスクワ)スペースシャトル「コロンビア」墜落から3日、ロシ
アの無人宇宙カプセル「プログレスM47」が国際宇宙基地ISSに到
着した。ドッキングには問題がなかった、とロシア当局は発表し
た。ソユーズ型ロケットで宇宙に運ばれたこのカプセルは、3人乗
りのこの基地に燃料、食料、装置を運ぶ。一方ロシアは宇宙観光飛
行計画を凍結した。当局は、国際宇宙基地の補給に資産を集中しな
ければならない、と発表した。




2月5日(水)

米国 安保理に反イラクの態度を取るように要求

(ニュー ヨーク)米国外務大臣コリン パウエルは、国連安全保障理事会に、イ
ラクが原因となって発生している危機に断固とした措置を取るよう呼びかけた。彼
はこの国連の最重要の委員会で、イラクが秘密で武器計画を進めていることを示
す、と彼が考える衛星写真、会話の録音テープ、スライドを呈示した。イラク政府
は、大量殺戮兵器を製造しようとしており、国連査察団を計画的に欺き、テロ組織
アル カイダと連絡を取っており、それゆえ安保理はこの報告をを今や急いで真剣
に調査しなければならない、とパウエルは語った。英国外務大臣ジャック ストロ
ーは、パウエルの要求を支持した。拒否権を持つフランス、ロシア、中国は、ドイ
ツ同様に、武器査察団の派遣延長に賛成である。安保理の会議の議長を務めるドイ
ツ外務大臣ヨシュカ フィッシャーは、イラクの武器査察の強化を支持し、この紛
争は平和的に解決しなければならず、米国の証拠の評価は専門家が行なわなければ
ならない、と述べた。

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パウエルの演説にさまざまな評価

(ベルリン)米外相パウエルの演説は、ドイツではさまざまな評価
を引き起こした。野党キリスト教民主、社会同盟と自由民主党側
は、改めて政府の政策の批判を行なった。与党社会民主党と緑の党
は、今までの路線を正しいことが確認された、と見ている。安保理
の会議前にすでに、政府報道官アンダは、首相シュレーダーは反戦
の方針を堅持している、と強調した。ベルリンには教会の代表が集
まり、紛争を平和的に解決するよう求めた。東および南東のヨーロ
ッパ10ヶ国は、米国のイラク政府との連帯を表明した。

政府 統合の方針を堅持

(ベルリン)連邦産業相クレメントは、政府が統合の方針および欧
州の安定協定を撤回する、との推測を否定した。安定協定を維持し
なければならない、ドイツは現在景気後退の入り口に立っている
が、イラク戦争が起こらない限り、景気後退に陥るとは考えられな
い、と彼は強調した。また1月の失業率上昇は、すみやかに構造改
革を進めよとの最後の警報である、と述べた。連邦労働施設の情報
では1月下旬には462万人が失業中であり、過去5年で最悪の水準
である。

米国攻撃の容疑者に拘留15年を要求

(ハンブルク)2001年9月11日の米国のテロ攻撃に関する裁判と
しては世界で初めて、ハンザ都市高等裁判所で連邦検事局は、訴え
られていたモロッコ人モウニール エル モタサデク(28歳)に
対し15年間の拘留を求めた。彼は3千人以上が死んだこの事件を協
力し、テロ組織に属していた責任がある、との理由である。彼は、
死亡した操縦士モハメド アタ周辺のハンブルクのテロ組織の一員
で、この攻撃を準備が進んでいたことを知っていた、と検事局は述
べた。




2月6日(木)

ブッシュ 第2回イラク決議を要請

(ワシントン)米国大統領ジョージ W. ブッシュは、国連安保理に対し、イラクに
武装解除を再び求めるよう、呼びかけた。彼は、第2回のイラク決議を行なうこと
に賛成し、それを支持する、と述べた。
米国外務大臣コリン パウエルは、イラク紛争の解決を何らかの形で来週行なう、
との見込みを述べた。週末に近づいている国連武器査察団のハンス ブリックスと
モハメド エル バラダイのバグダッド訪問が、決定的な意味を持つかもしれな
い、とパウエルは米国上院で述べた。ブリックスとバラダイは、イラクが態度を前
面的に変え、査察団に100%協力することが必要だ、と強調した。
イラク政府は、査察の主な要求に妥協し、イラク政府の監視がないところで、武器
の専門家が尋問することをようやくみとめた。

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トルコ議会 米軍基地の拡大に賛成

(アンカラ)NATO加盟国であるトルコの国会は、米国が今後予想
されるイラク戦に備えて、基地を拡大することを認めた。イスラム
穏健派の同国政府は、米国が求めていた空軍基地と港の軍備改善お
よび専門家の上陸要求を認めるよう提案していたが、国民議会はこ
れを承認した。イスラムの断食月が終わる2月中旬後に、米軍の駐
屯について決定を行なう方針である。トルコの論説委員は新政府は
「方針転換した」と述べている。米国は最大8万人の兵士をトルコ
に派遣する、との有力な情報がある。NATOは戦争になった場合の
トルコの防衛に関する決定を来週まで延期した。

フィッシャー 米国との対立を小さく見積もる

(ベルリン)米国国防相ラムズフェルドは、イラク危機に関するド
イツの態度を批判しているが、外相フィッシャーは、これを小さく
見積もろうとしている。イタリア訪問中のフィッシャーは、ラムズ
フェルドの発言は米国政府の態度を表現したものであるとは思って
いない、と述べた。彼はドイツを、リビアやキューバと同等に扱っ
ていた。この国々は、イラク紛争で米国を支持するのを拒否した。
1月にもラムズフェルドは、独仏の反イラク戦争の態度を厳しく批
判していた。ドイツ政府は、米外相パウエルが水曜日に提出した国
連安保理の役割を承認するイラク報告を歓迎し、この紛争の平和的
解決に賛成である、と強調した。

米朝関係 緊迫

(ピョンヤン)原子力発電所ヨンビョンを稼働させ、米軍への先制
攻撃を行なうと脅すことで、共産主義の北朝鮮は、両国間の緊張を
さらに高めた。米国が韓国への配備を増強するなら、侵攻ないしは
攻撃を検討すると北朝鮮外務省高官リは発表した。党の機関紙は、
いかなる米軍攻撃にも容赦なく報復する、と論評した。同時に政府
は、同国の唯一の原発は最高出力で稼働している、と述べた。米国
はいかなる事態にも備えており、この紛争は外交的に解決可能だ、
との情報を北朝鮮政府筋から得ている、と米国大統領府は述べた。




2月7日(金)

ドイツ 米国の国連新決議要求を拒否

(ベルリン)ドイツ政府は今のところ、国連安全保障理事会が2回目の決議を行な
う必要性がある、とは見ていない。国連武器査察団が増強されたばかりなので、決
議を行なう理由が今のところない、今は武器査察団がイラクで仕事を続けなければ
ならないときだ、と政府副報道官ハンス ランググートは述べた。ロシア外務大臣
イゴール イワノフも同様のことをモスクワで発表していたフランス大統領ジャッ
ク シラクは、イラク紛争で米国が独断でことを行なうことがないように警告し、
戦争以外に選ぶべき道は今なおある、と述べた。米国大統領ジョージ W. ブッシュ
は木曜日に、国連安保理の2回目の決議を求め、それが受け入れられなければイラ
ク政府に対する軍事攻撃を独力で行なう可能性がある、と脅していた。

     その他のニュース

フィッシャーと教皇 イラク戦争の危険性に警告

(ローマ)独外相フィッシャーと教皇ヨハネ パウロ2世は共に、
イラク紛争の平和的解決を訴えた。フィッシャーはヴァティカンで
ヨハネ パウロ2世との会談を行ない、戦争そのものの危険性と、
その人類およびこの地域の安定に対する危険性に心を向けるべき
だ、と訴えた。教皇の報道官は、戦争を回避するためにあらゆるこ
とを行わなければならない、とのヴァティカンの方針を強調した。
教皇は年始に、米国によるイラク攻撃を異例の強い調子で批判して
いた。

シュレーダー イラク紛争に関する政府声明発表

(ベルリン)連邦首相シュレーダーは、来週木曜日に連邦議会で、
ドイツのイラク政策に関する政府声明を発表することにしている。
政府報道官はこのように予告して、新聞報道を認めた。キリスト教
民主同盟党首メルケルは、シュレーダーに宛てた公開書簡の中で、
イラク政策について議会で態度を明らかにするように求めていた。

ラムズフェルド 失態回復に努力

(ローマ)ドイツをキューバやリビアになぞらえ、激怒を買った米
国防相ラムズフェルドは、失態を回復する努力を行なった。彼がド
イツをドイツを侮辱し用とした発言は間違いである、と彼はローマ
で語った。ドイツ政府はラムズフェルドの発言を批判した。ドイツ
の世界の中での実質的な役割を正当に評価していない、と政府副報
道官ランググートは述べ、テロとの戦いでドイツは重要な役割をに
なっている、と指摘した。イタリア訪問中のラムズフェルドは、イ
ラク紛争の平和的解決を目指す外交努力は失敗に終わった、との声
明を出した。また彼は国際安全保障会議に参加するため、ミュンヘ
ン入りし、独国防相シュトゥルックとの会談も予定されている。




2月8日(土)

独米 イラク紛争で立場の違いを強調

(ミュンヘン)イラク紛争に関する対立で、米国とドイツの立場の違いはさらに激
化した。ドイツ外務大臣ヨシュカ フィッシャーはミュンヘンで開かれた安全保障
会議で、軍事攻撃を早期に開始しないよう警告した。さらに、当面すべての外交手
段を尽くし、武器査察団にさらに多くの時間を与えることが必要である、と述べ
た。米国国防大臣ドナルド ラムズフェルドは、イラクに対し何も行なわない場合
には危険な状態になる、と述べた。NATO事務長ジョージ ロバートソンはイラク
紛争により、NATOが危険にさらされることはない、と見ており、戦争は最後の手
段である、と述べた。EU外務委員ハヴィエル ソラナは、米国とヨーロッパの交
渉が一方通行であってはならない、と述べた。
この交渉が行なわれている間、ミュンヘンでは約2万人が、今後予想されるイラク
戦争に反対するデモを平和的に行なった。

     その他のニュース

ドイツ 地対空ミサイルをトルコに提供

(ミュンヘン)イラクの攻撃が起きた場合の防衛のため、トルコは
ドイツとオランダからペイトリオット型ミサイルを入手する、と独
国防相シュトゥルックは発表した。このミサイルは今週末までにト
ルコに送られることになる。また彼は、オランダはこのミサイル発
射装置のほかに熟練兵士を、ドイツはミサイルを提供する、とも語
った。独、仏、ベルギーはイラク紛争を平和的に解決するあらゆる
手段を尽くすため、今までトルコを軍事的に支援しないようにして
いた。

独仏 イラク提案を検討

(ベルリン)ドイツ側の情報によれば、ドイツとフランスは、イラ
ク戦争を回避するための共同提案を検討している。これは連邦政府
が認めたもので、詳細は発表されなかった。雑誌報道では、この提
案は、イラク武器査察団の拡大とドイツ軍も含む国連軍の投入によ
り、監視を強めることを目標とするもので、いかなる違反行為もイ
ラクを実質的に国連の保護下に置くといった処罰を受けることにな
る、といった内容である。

アナン 米国に安保理に配慮した行動を取るよう要請

(ワシントン、バグダッド)イラク危機での妥協をめぐるやりとり
で、国連事務長アナンは、米国が国連安保理に配慮するよう求めた
。武器行使を含めた国連決議を行なうかどうかの決定は、単独の国
家の案件ではなく、国際社会全体で決める問題だ、と彼はヴァージ
ニア州で語った。イラクを武装解除するために他のあらゆる措置が
失敗に終わり、それ以外の選択肢が明らかに効果がないものである
場合にのみ、戦争を行なうことが許される、とも述べた。国連武器
査察団長ブリックスとエル バラダイは、再びバグダッドを訪問
し、イラク政府に改めて大量殺戮兵器の捜査へのさらなる協力を迫
った。ブリックスはこの初めての会談を、実質的かつ有益であっ
た、と述べた。




2月9日(日)

イラク 国連武器査察団に協力の姿勢

(バグダッド)国連武器査察団は、バグダッドで2日間の会議を行ない、イラク側
から良い反応が示された、と見ているが、協力に完全に満足はしていない。イラク
側は査察団長ハンス ブリックスとモハメド エル バラダイに、化学、生物兵器
の状況に関する文書を提出した。これはイラク政府の考え方が変化したことを示し
ていると思う、とエル バラダイは述べた。査察団はイラクのミサイルいくつかの
開発に関する情報も得た。今までのところU2偵察機の問題では、合意が成り立っ
ていない。イラク政府は金曜日までにこの問題に最終的な態度を表明することにし
ている。金曜日には、ブリックスとエル バラダイは国連安全保障理事会に新たな
報告書を提出することにしている。米国大統領ジョージ W. ブッシュは、新たな会
談の成果には何ら印象を持っていない、権力者サッダーム フセインはあいかわら
ず引き伸ばしを行なっている、と語った。

     その他のニュース

ロシア イラクの平和的武装解除に賛成

(ベルリン)ロシアとドイツは、イラクを平和的に武装解除する方
針を確認した。露大統領プーチンは連邦首相シュレーダーとベルリ
ンで会談し、すべての努力は国連安保理決議1441に基づいたもの
でなければならない、ロシアはこの問題で独、仏、中と広い範囲で
意見が一致している、と述べた。独仏によるイラクの平和的武装解
除の努力に関して、シュレーダーは、プーチンと計画あるいは秘密
計画を議論しなかった、と述べた。独国防相シュトゥルックは、独
仏は国連安保理で提案を行なう方針であることを確認していた。シ
ュトゥルックは、この計画は、国連武器査察団の増員と、査察をう
まく行なうために国連軍兵士を増強することを含んでおり、ドイツ
は部隊を派遣する準備がある、と述べた。フランスはこの計画には
今のところ消極的である。

ベルギー イラク紛争で米国に反対

(ブリュッセル)ベルギーは、イラク紛争で米国に追随するのを拒
否する方針である。外相ミシェルは、同国政府はフランスさらにお
そらくドイツとも協調して、米国がNATO理事会で進めている、ト
ルコ防衛計画に対し、拒否権を行使してそれを阻止する、と発表し
た。NATO事務長ロバートソン宛ての書簡も既に準備している、と
彼は述べた。米国外相パウエルは、この措置を批判し、ベルギー、
仏、独が近いうちに意見を変えることを希望している、と述べた。
またパウエルは、米国は友好国とイラクの武装解除に関する2回目
の決議を友好国と審議しており、これは暴力の行使をはっきり認め
るものになる、と述べた。

イスラエル イラク戦争が地域全体に良い影響をもたらすよう期待

(ミュンヘン)イスラエルは、今後予想されるイラク戦争が、地域
全体に良い影響を与えるよう期待している。イスラエル安全保障顧
問ハレヴィは、ミュンヘンで開かれている安全保障会議で、サッダ
ーム フセインに対する措置が成果を挙げると、他のテロ集団にも
良い効果があるかもしれない、2003年にもパレスチナ人の指導者
アラファトに代わって、新たな信頼できる政府が成立する可能性も
ある、と述べた。世界各地のテロ組織と、近東および地中海東部の
状況が、安全保障会議の最終日の議論の中心であった。



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