2月3日〜2月9日のオーストリアのニュース



2月3日(月)

     国外ニュース

パウエル 国連に確固とした証拠は提出しない模様

米国外相コリン パウエルは明日、国連安保理に、イラクが大量殺
戮兵器を隠し持っている確固とした証拠を呈示できない、との情報
がある。米国紙に寄せた記事で彼は、イラクは国連武器査察団の仕
事を妨害している、緊急の場合には米国は武力を用いてイラクを武
装解除する決意である、と強調した。米国政府筋の情報では、パウ
エルは安保理に生物兵器製造の設備を持った移動可能な施設の写真
を提出する、とのことである。その他、イラクの幹部の会話を記録
したものも提出される、とのことである。

     国内ニュース

緑の党「国民党との会談は建設的」

緑の党連邦代表代理エーファ グラウィシュニヒは、国民党との会
談は建設的なものになるだろう、と語った。「いずれにせよ妥協に
むけた努力を行なう」と彼女は月曜日に語った。その際重要なのは
会談の雰囲気だけではなく、内容である、とも述べた。緑の党は今
週木曜に、国民党と立ち入った会談についての中間報告を提出すこ
とにしている。




2月4日(火)

     国外ニュース

イラクで再び化学兵器搭載可能な空の弾頭発見

国連イラク武器査察団は、化学兵器搭載可能な空の弾頭を再び発見
した、と発表した。この弾頭は火曜日に、バグダッド北部の弾薬工
場エル タジを緊急査察した際に見つかった。1月16日に同種の弾
頭12基が発見されて以来、同種の弾頭が発見されるのは17基とい
うことになる。その直前国連武器査察団長ハンス ブリックスは、
イラクが戦争を回避するにはわずかな時間しか残っていない、イラ
ク政府は、12時5分前であることを理解しなければならない、と国
連本部での記者会見で語った。

     国内ニュース

EU委員会 電力関係会社の合併に異議

EU委員会は、フェアブント社とエネルギーアリアンツ社との合併
は、オーストリアの何ヶ所かの電力市場で独占的な地位を築く可能
性がある、との懸念を持っている、とEU委員会は火曜日午後発表し
た。オーストリアの最大の発電会社が、5つの地域の送電会社と合
併すると、電力の仲買業者と個人双方に、発電と送電で大きな割合
を手中に納めることになる、と述べた。




2月5日(水)

     国外ニュース

北朝鮮 核施設を再び稼働

北朝鮮は、核反応炉を再稼働した。電力供給のための核施設は現在
「通常の規模で」運転されている、と外務省報道官が国営通信社
KCNAに水曜日伝えた。北朝鮮政府はすでに、核の利用は現在電力
生産のために平和目的に限って行なっている、と強調して述べてい
た。米国防相ドナルド ラムズフェルドは、北朝鮮に対し、核危機
をこれ以上あおらないように警告した。米国が関心をイラクに向け
ていることを、さらなる行動の好機と捕らえるのは誤りである、と
彼は強調し、米国の準備は完了しているので、事を起こすのに適切
なときはない、とも述べた。

     国内ニュース

国民党と社民党 グラーツで建設的な会議

グラーツで、地方議会選挙の結果を受け、今後の協力に関する話し
合いが行なわれる。水曜日には国民党と社会民主党が会談を行なっ
た。同州国民党党首シーギ ナグルは、社会民主党と拘束力のある
行動計画をすぐに作る方針である。同州社会民主党党首ワルター 
フェルクは現金残高調べを行なうよう求めた。両者は1時間半の会
談を、「極めて建設的」であったと評した。グラーツ国民党内は、
この会合は意向打診は行なわれなかった、と強調した。




2月6日(木)

     国外ニュース

ブレア「国連安保理で拒否権行使はない」

英国首相トニー ブレアは、国連安全保障理事会の第2回イラク決
議の投票では、常任理事国は拒否権を行使しない、と見ている。
「私はそのようなことは起こらないと思う。拒否権が行使されるよ
うな状況になるとは思っていない」と述べた。ブレアは、英国と米
国は他の常任理事国フランス、ロシア、中国と、イラクの武装解除
が必要だという点で、意見は一致している、とも述べた。問題はた
った一つ、査察団では武装解除を実行できないという判断をいつ下
すかについて、常任理事国の間で意見がまとまっていない点だ、と
も述べた。

     国内ニュース

グラーツ連立政権をめぐる駆け引き続く

連立をめぐる政党間の意向の打診は、連邦政府だけではなく、もっ
とも最近行なわれた地方議会選挙後のグラーツでも行なわれてい
る。選挙に勝利した、国民党と共産党が木曜日、会談を行なう。国
民党の市長候補シークフェルト ナークルは、交渉は極めて建設的
に行なわれた、と述べた。ただし、国民党との連立の枠組みで全責
任を負う、との提案は受け入れられなかったが、共産党のエルネス
ト カルテネッガーらを招いて、拘束力のある今後の作業計画につ
いて具体的な計画を話し合う、と彼は述べた。また、今回の交渉は
第1回目の接触であって、人事については話が及ばなかった、とも
述べた。




2月7日(金)

     国外ニュース

米国 テロの警戒段階を上から2番目に強化

米国大統領ジョージ W. ブッシュは金曜日、テロの危険性が高まっ
ていることを懸念して、警戒の段階を上から2番目に強化した。法
務大臣ジョン アシュクロフトは、テロ組織アル カイダが米国お
よび世界各地で攻撃を計画している可能性があることを示す数多く
の証拠がある、と発表した。化学、生物、核兵器による攻撃が行な
われる可能性もある、と述べた。米外務省は木曜日に、世界各地の
米国人にテロ攻撃の可能性が高まっているとの警告を出していた。
今回の警告と今後起きる可能性のある対イラク戦争との間には関連
はない、とアシュクロフトは述べた。

     国内ニュース

労働市場の動向の変化 来年までなし

労働市場局は、今年さらに失業が増えると予測している。労働市場
の動向が上向きになるのは、来年になってからであろう、とテレヴ
ィ番組で報じられた。良い情報としては、失業率をできるだけ低い
数値に抑えられるよう、必要な措置を取るため、年内に十分な対策
がとられる、ということがある特に若者および中年の就業希望者を
中心とした労働政策が取られることになっている。




2月8日(土)

     国外ニュース

ブリックス イラク政府との会談は有益だったと評価

再びイラクに対する外交関係に動きがあった。国連武器査察団長ハ
ンス ブリックスは土曜日、バグダッドで会談し、「実質的な問題
に関して有益な議論を行なった」と述べた。国際原子力発電機構会
長モハメド エル バラダイは、この会談はまだ平和へ向けた最後
の機会ではない、と述べた。今回の議事には、調査にあたって米国
の偵察機U2型機の使用を求める査察団の要請も上がっていた。ブ
リックスによれば、イラクはこの一群の問題に対して、新たな回答
を提出し、イラク政府の監視ぬきでの科学者の尋問を含め、明らか
になったいくつかの問題が審議された。会談は日曜日も続けられる
ことになっている。

     国内ニュース

ファン デア ベレン 連立政権参加は新しく興味を集める

緑の党の連邦代表アレクサンダー ファン デア ベレンの見通し
によれば、来週は「極めて難しい」ものになるだろう。国民党との
連立交渉は、決裂する可能性もある、と彼はテレヴィ番組のインタ
ヴューで答えた。しかし国民党と緑の党が連立すれば、ヨーロッパ
全体を考えた場合にも、極めて「新しく興味深い」連立になるた
め、すべての関係者が熱心にこの問題取り組む必要がある、と述べ
た。




2月9日(日)

     国外ニュース

イラク紛争 NATO理事会はトルコ支援に関する決議を下す

イラクに対する攻撃が迫る中、NATO理事会は月曜日にブリュッセ
ルで会合を行なう。NATO加盟国トルコに対する特別防衛措置を取
ることを求める米国の要求が議題に取り上げられる。ベルギー、ド
イツ、フランスは現時点ではこれは間違った方針であるとして、こ
の計画を阻止する方針である、と予告している。一方米国国防相ド
ナルド ラムズフェルドと外務大臣コリン パウエルはこれに対し
て激しい非難をしている。米国が求めているのは、NATOがペイト
リオット型地対空ミサイル、AWACS偵察機などを、核、生物、化
学兵器による攻撃を受けた場合に備えて、トルコに配備することで
ある。NATO加盟19ヶ国のうち16ヶ国がすでに、米国の要望を受
け入れる、との声明を出している。ただしこの決定は全員一致でな
ければならない。

     国内ニュース

コリネク「憲法改正は大連立下でのみ可能」

国民党と緑の党の連立が成立した場合には、96議席というぎりぎ
りの過半数なので、問題になっている大幅な憲法改正が出来るかど
うか疑問である。「3分の2の議席を持たない連立では、大幅な憲
法改正という課題を解決するのは極めて難しい」と憲法裁判所長カ
ール コリネクは通信社のインタヴューに答えた。彼は、国民党と
社会民主党の連立が望ましいと思っているが、それ以外に可能な2
つの連立は、憲法裁判所の見方では、危険性もありまた可能性もあ
る、ということが理解されていないと思う、と述べた。



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