2月10日〜2月16日のオーストリアのニュース



2月10日(月)

     国外ニュース

イラク 国連の偵察飛行に同意

国連大使モハメド アルドゥリによれば、イラクは国連武器査察団
による全土の偵察飛行を条件なしで認めた。「イラクはU2型機に
よる偵察を既に受け入れた。これはイラク製府内部で下された決定
である」と月曜日ニュー ヨークで彼は語った。その直後イラク大
統領サッダーム フセインは国営テレヴィで、「この偵察飛行の
間、英米軍はイラクの飛行禁止区域2箇所で戦闘爆撃機による攻撃
を行なうべきではない」と述べた。しかし米国は、偵察飛行の受け
入れを瑣末なことであると評し、イラクの武装解除という紛争の中
心点には何ら影響を与えない、とした。

     国内ニュース

ウィーン緑の党 国民党との交渉中止を要請

ウィーン緑の党は、同党の次回の拡大連邦幹部会で、国民党との連
立協議を中止するよう全力を注ぐ方針である。月曜午後3時間にわ
たる会議の末、同市会議は投票を行ない全員一致で、この決定に達
した。一方、国民党と緑の党の「連立政権交渉」は、厳密に秘密を
保持した状態で月曜日に始まった。国民党側は交渉相手はローゼン
との見方であるが、まだ何の決着もついていない、と見ている。緑
の党は完全な秘密保持を貫いているが、党幹部はが中心的な要求を
伝える模様である。迎撃戦闘機の購入中止と同性愛者の結婚制度導
入が認められなければ党内の運営が難しくなる可能性がある。




2月11日(火)

     国外ニュース

西ヨルダンランドで8歳の子供が射殺

パレスチナ側の情報によれば、イスラエル兵が西ヨルダンランドで
8歳の子供を射殺した。パレスチナ側は、軍隊は火曜日、カルキリ
アの2軒の家を包囲し、子供はその銃撃戦で死亡した、と発表し
た。それより前イスラエルは、本来ならパレスチナ人がイスラムの
犠牲の祭りのために旅行しやすくする措置を取ることになっている
のに、占領地域の交通を封鎖していた。国防省はテロ攻撃が行なわ
れるとの警告があった、としている。

     国内ニュース

国民党と緑の党 全力で連立協議

国民党と緑の党は全力をあげて連立協議を行なっている。2回目の
交渉後も、両党は内容的なことについては実質的な箝口令を敷いて
いる。緑の党側からは、具体的なことは何も言えないが、意見が一
致することも、対立することもある、との話である。今までのとこ
ろ、予算、教育、社会福祉、ヨーロッパ内外の安全保障が議題に取
り上げられた。水曜日の第3回会議では、環境および交通問題が取
り上げられる。その際環境大臣ウィルヘルム モルテラーと緑の党
副首相エーファ グラウィシュニヒは、環境税の改正問題について
話し合う予定である。




2月12日(水)

     国外ニュース

EU議会 国境通過条約の期間延長を当面拒否

欧州議会は火曜日、オーストリアの国境通過条約を今年以降の延長
に関する第1回読会で、大きな反対を受けた。この決定は賛成430、
反対79であった。決定に従えば、(108%条項に基づき)トラック
の通行量を最大161万台への制限が実施されることになる。環境規
制を守る義務は、はなはだしく汚染した排気を出すトラックに対し
てとアルプス地域でだけ適用されることになる。通過するトラック
の80%は、自由通行が適用されることになる、と交通省は発表し
た。オーストリア選出の欧州議会議員はこの決定に断固反対してい
る。

     国内ニュース

連立問題 緑の党は新たな自己負担に反対

国民党と緑の党の連立交渉では今までのところ、健康保険制度の問
題に関して共通の土台に立てていないようである。緑の党の健康保
健の専門家クルト グリューネワルトは、カトリック系の記者クラ
ブで昨日午後、国民党の要求どおり、新たな自己負担を明確に拒否
した。合理化によってあまりに多くの支出を削減すると、自己負担
が、不必要なほど過酷な追加出費になる、と述べた。彼は健康保険
への払込金値上げは問題ではないとみており、「払込金値上げは行
なわなければならないと思う」と述べた。




2月13日(木)のオーストリアのニュース

     国外ニュース

ロンドンの空港で手榴弾を持つ男を逮捕

ロンドンのガトウィック空港で、本物の手榴弾と見られる物を持っ
た男を逮捕した、と警察は発表した。容疑者は37歳のヴェネズエ
ラ人で、かばんの中にそれを持っていた、とのことである。「これ
は爆発物の専門家が調査し、本物の手榴弾であるようだ」と警察は
発表した。男はコロンビアから英国航空機に乗っていた。警察は、
警戒警報を出した後、この空港の北ターミナルを閉鎖した。英国の
空港では急進派組織アル カイダの攻撃に備えて、安全のための予
防措置が強化されている。

     国内ニュース

ドルフガスタイン市長に対する訴訟手続き

ザルツブルク地方監査役会は、ドルフガスタイン市長に対する行政
刑事訴訟の手続きを開始した。この市長に対しては、地方税の徴収
にあたって、すべての市民に対して等しい扱いをしなかった、との
疑いがかけられている。そのほか、報告義務に関する法律および委
託命令の違反もある模様である。職権乱用の容疑事実が確認されれ
ば、検察にも情報が伝えられることになっている。市長カール ハ
ーランダー(国民党)はみずからは無実である、と考えている。




2月14日(金)

     国外ニュース

アジス 「平和な小国オーストリア」を賞賛

イラク副首相タレク アジスは、金曜午後ローマで行なわれた記者
会見で、同国に対する攻撃に全く関心を示さないオーストリアを
「友好的な国」と称した。これは、国連の委託がない場合には、イ
ラク攻撃のための米国の地上軍や軍機の通過を認めないとするオー
ストリアの決定をどのように見ているか、との問いに答えたもので
ある。彼はさらに、オーストリアが平和の原則に則り、世界全体、
特にイラクとの良好な関係を持ち続けることを期待している、とも
述べた。彼はこの日、ヴァティカンで教皇ヨハネ パウロ2世の出
迎えを受けていた。

     国内ニュース

米軍機の通過によって中立は破綻するか

オーストリアのイラク戦争の反対派は昨日、政府は中立を定めた法
律に違反する疑いがある、と述べた。イラクに対する軍事攻撃の準
備のため米軍機の上空通過が「ずっと行なわれている」と「反帝国
主義連合」のウィルヘルム ラングターラーは述べた。彼は完全な
ものではないが一覧表を提出した。それによれば、金曜日だけであ
わせて34機の飛行機がオーストリアを南へ向けて通過し、そして
戻っていった、とのことである。国防省はこの非難に論評しなかっ
た。




2月15日(土)

     国外ニュース

ベルギー トルコをめぐるNATO内の対立で譲歩を提案

ベルギー政府は土曜日、イラク戦争が起きた場合にトルコを防衛す
る計画をめぐるNATO内部の対立で、妥協案を呈示した。それは、
ベルギー、フランス、ドイツは、NATOがはっきりとそれが純粋に
防衛的なものであって、NATOはイラクとの戦争の準備には加わら
ない、ということを明確に示すのであれば、トルコ防衛に関する米
国の提案に対し賛成するというものである。この3ヶ国は数週間前
から、トルコ防衛計画を開始するとのNATOの決定に抵抗してお
り、現時点でそのような決定を行なうと、今後の方針を間違って伝
えることになり、平和的解決の可能性を狭めてしまう、と主張して
いる。また、緊急の場合にはトルコ防衛をなおざりにすることはな
い、とも明言している。

     国内ニュース

シヒロフスキーとハーガー 自由党離党

元自由党事務長ペーター シヒロフスキーとヨーロッパ法の専門家
ゲアハルト ハーガーは金曜日、自由党を離党した。彼らは今後無
所属の国会議員として欧州議会に出席する。自由党所属のEU議会
議員はこれで3人になる。これを伝える雑誌は、彼らが2月14日に
同党連邦幹部会に提出した文書を伝えている。彼らは、「私たち
は、オーストリア自由党が過去数か月にわたって受けてきた非難の
原因と、その後の進展でもう自分の属する党と感じられなくなった
ことを残念に思います」と述べている。




2月16日(日)

     国外ニュース

NATO トルコ支援で合意に向け努力

NATOは加盟国であるトルコを軍事的支援することについて、意見
を一致させるためにさらに議論をしている。会議が始まって数時間
たった深夜前も、各国のNATO大使は、NATOの決定は国連の今後
の決定に呼応するものにするかどうかをめぐって、さらに議論を続
けている。ベルギーは国連の決定が必要である、との立場である。
「我々は合意に近づいている」とベルギー代表団は述べている。し
かしNATO事務長ジョージ ロバートソン最新の提案でも、「国連」
には言及されていない。

     国内ニュース

国民党 薬物使用の運転手に断固とした処置

国民党の交通問題専門家で国民議会議員のヘルムート クーカッカ
は、警察が検査の訓練を積み、薬物使用の調査を義務づけ、薬物を
使用した運転手に対して厳しい罰則を適用することが必要だ、と述
べた。車を運転する際の薬物検査に関連して、血液検査が1月1日
から義務づけられた。今までのところフォアアールベルク州駐在警
察隊の交通局は、検査を全く実施していない。



今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system