5月12日〜5月18日のドイツのニュース



5月12日(月)

アイヒェル 2004年の国家財政の赤字をEUの基準以下にする方針

連邦大蔵大臣ハンス アイヒェルは、ドイツの来年の国家財政の赤字を再びEUの
基準である3%以下に下げるつもりである、と強調した。ブリュッセルで開かれた
オイロ使用国蔵相会議に到着したアイヒェルは、今年の赤字は再び上限である国内
総生産の3%を越える、という週末に出した発表は意外な出来事ではなかった、と
述べた。それより前に、連邦大蔵省は、今のところ欧州委員会による制裁が課され
るとは見ていない、と発表した。EU通貨委員のペドロ ソルベスは、ドイツ政府
が欧州安定条約の基準を守るよう警告した、と述べたが、これは大蔵省がその警告
に応えたものである。

     その他のニュース

ドイツ人サハラ観光客 さらに行方不明

アルジェリアのサハラで、さらにドイツ人観光客1人が行方不明に
なった。ドイツ公安当局は、行方不明になったヨーロッパ人の数が
32人になったことを確認した。独外相フィッシャーは、アルジェリ
アを訪問し、誘拐された観光客の事件がうまく解決するよう望んで
いる、と述べた。同国大統領ブーテフリカと数時間にわたって会談
したフィッシャーは、きちんと解決するため、あらゆる手段を尽く
す、と強調した。彼は同国政府が捜索に人手を出したことに感謝し
た。また彼の今回の訪問には、連邦情報局長ハニングが同行してい
る。

シュレーダー アジア訪問で強い国連を支持するよう訴え

連邦首相シュレーダーは、アジア訪問の冒頭で、国連の権限強化に
努力をした。彼はマレーシア首相マハティール モハメドと会談
し、イラクの戦後では国連が中心的な役割を果たさなければならな
い、という意見で合意した。クアラ ルンプールの外交官外務関係
研究所でシュレーダーは講演し、イラクに対する制裁の解除に賛成
である、と述べた。また彼は独マレーシア間の文化協定を提案し、
両国関係を賞賛した。その他には、貿易について話し合った。計画
中の鉄道路線建設にジーメンス社が参加することも認められた。ド
イツはマレーシアにとって最大のEUの貿易相手国であり、約3百の
ドイツ企業が同国で活動している。

チェチェニエンで襲撃事件 40人以上の死者

チェチェニエンの政府の建物に自殺攻撃が行なわれ、少なくとも
40人が死亡した。少なくとも百人の行政官、軍人、警官が重傷者
も含め負傷した、と検察当局は発表した。これは爆発物を積んだト
ラックが、グロズヌイの北のスナメンスコイエの政府の建物に突入
したものである。負傷者は2百人程である、との報道もある。救援
隊が夕刻も瓦礫の中から遺体を捜索している。露大統領プーチン
は、この犯行は、和平を遅らせる手痛い一撃である、と非難した。
当局はこの犯行の責任は、チェチェニエンの反乱勢力アスラン マ
シャドフとシャミル バサイエフにある、とした。




5月13日(火)

米・サウジ テロと断固戦うと予告

米国とサウジ・アラビアは、サウジ・アラビアの首都で起き、大きな被害を出した
自殺攻撃事件を受け、テロ組織と断固戦う、と予告した。サウジ・アラビア王子ア
ウドゥラ イブン アブデラシスは、同国全体がテロに反対している、と述べた。
同国首脳部は、米国政府同様、今回少なくとも29人の死者を出し、約2百人の負傷
者を出した攻撃の背後にいるのは、テロ組織アル カイダであると推測している。
死者の中には9人の実行犯も含まれている、とのことである。月曜夜、リアドでは
ほぼ同時刻に、西側外国人が住む住宅のところで、3台の自動車爆弾が爆発した。
その他米国との合弁企業にも爆発物が破裂した。ビルがいくつか完全に破壊され
た。米国は同国代表部のほとんどをリアドから退去させる計画である。サウジ・ア
ラビアで暮らす米国人は緊急に出国するよう勧告を受けた。

     その他のニュース

内相「アル カイダは今なおドイツにとって脅威である」

アル カイダ組織およびそれと関係があるイスラーム組織は、今な
おドイツにとって脅威である、と連邦内相シリーは見ている。アフ
ガニスタンに軍が派遣され、世界各地で警察が捜査を行なったにも
かかわらず、ドイツの利益はこれらの組織により危険にさらされて
いる、と今年の憲法擁護報告書の記事で彼は述べた。それによれ
ば、昨年国外の急進派組織に属する69人がドイツ国内で活動して
おり、1年前の65人より増えている。右翼急進派の暴力行為は、ド
イツ全土で772件で、2001年の709件から増えている。左翼急進
派の暴力事件は2001年の750件から半減し、385件であった。

イスラエル軍 手榴弾攻撃事件後 カン ユニスに迫る

イスラエル兵は、ヘリの支援を受け、ガザ地区南部のパレスチナ人
の住む村と難民収容所カン ユニスに侵攻した。軍広報は、手
榴弾とカッサム型短距離ミサイルで10人の兵士と3人のイスラエル
市民を負傷させた武装パレスチナ人の行方を、部隊が追っている、
と発表した。イスラエルでは、「イスラーム運動」の14人を治安
維持軍が逮捕した。彼らは資金洗浄を行ない、武装パレスチナ人組
織「ハマス」および「イスラーム聖戦」を支援していた、とされて
いる。ギリシア外相でEU評議会議長パパンドレウはラマラでパレ
スチナ大統領アラファトと首相アッバスと会談した。パパンドレウ
は、EUはイスラエルとパレスチナの和平実現のためのあらゆる努
力を支援する、と強調した。

シュレーダー インドネシア入り

数日間に渡りアジアを訪問している連邦首相シュレーダーは、イン
ドネシア入りした。ジャカルタで彼は大統領メガワティ スカルノ
プトリと会談した。これより前彼は、シンガポールで政治会談を行
ない、発展途上国に対し、現在行なわれている世界貿易交渉で発展
途上国の意義の大きさを強調する、と約束した。特に農業分野では
EUがもっと積極的になるように求めた。首相は平和と公正のため
にともに協力するよう呼びかけた。経済の世界規模化を進めるもの
と反対するものに分裂する世界は、公正ではなく、新たな紛争の原
因を生む可能性がある、と述べた。




5月14日(水)

サハラ旅行中に拉致されたドイツ人 解放され帰国

サハラを旅行中に誘拐されたドイツ人旅行者のうち6人が、アルジェリアで武力に
より解放され、無傷で帰国した。彼らは、ドイツ在住で同じように解放されたスウ
ェーデン人と同じ軍用機でケルン・ボン空港に到着した。同時に解放されたオース
トリア人もザルツブルクに到着した。アルジェリア軍の特殊部隊が、17人の観光
客を火曜日、武力を用いて、武装組織「サラフィスト説教と戦闘団」の手から解放
した。この組織はアル カイダと繋がりがある、とされている。アルジェリア軍に
よれば、他のテロ組織が、行方不明のサハラ観光客を捕らえている。ドイツ外務省
政務次官ユルゲン クローボクは、アルジェリア当局の協力に感謝した。彼はドイ
ツ人10人を含む、残された人質の安全に大きな不安がある、と述べた。

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アルゼンチン大統領選 決着

アルゼンチン大統領選挙は、今度の日曜に決選投票が行なわれる
が、メネムは出馬を断念した、と72歳のぺロン主義者である彼は、
生まれ故郷ラ リオハで発表した。これにより自動的に対立候補で
あったキルヒナーが勝利した。キルヒナーは5月25日に現職の大統
領デュアルデの後継者となる。メネムはすでに1989年から99年に
かけてアルゼンチンの大統領の地位にあったが、世論調査で支持が
低かったため、辞任をしていた。

チェチェニエンで再び自殺攻撃 死者多数

チェチェニエンでは2人の女性がムスリムの追悼式典で自殺攻撃を
行ない、最新情報では少なくとも14人が死亡した。当局の情報に
よれば、事件が起きたのは同国北東部のイラスカーン ユルト近く
で、その他に多くの負傷者がでたとのことである。負傷者の中に
は、チェチェニエンの親露政権の幹部アハメド カディロフの護衛
2人も含まれている。チェチェニエンで自殺攻撃が行なわれたのは
ここ3日で2度目である。月曜日にはスナメンコイエ村で3人が爆弾
を積んだトラックで自殺攻撃を行ない、59人が死亡していた。

米国 新たなテロ攻撃に警告

サウジ・アラビアのテロ攻撃を受け、米国政府はマレーシアで攻撃
が行なわれる可能性がある、と警告した。米外務省は、マレーシア
のサバ州では危険が高まっており、同地ではイスラーム急進派組織
「ジェマー イスラミヤ」の隊員が活発な活動をしているようだ、
と発表した。この組織はテロ組織のアル カイダとつながりがあ
る、とされている。リアドの外人居住地区での自殺攻撃事件で月曜
夜、最新情報では34人が死亡した。米国の見方によれば、このサ
ウジ・アラビアの首都での攻撃は、アル カイダの攻撃の特徴をも
っている、とのことである。




5月15日(木)

税収不足 1,260億オイロの予想

(ベルリン)大規模な税収不足が予想される中、大蔵大臣ハンス アイヒェルは、
すべての国の事業を再検討する、と発表した。最新の税収予想によれば、連邦、各
州および地方自治体は、2006年末までに1,260億オイロの税収不足と戦わなけれ
ばならない。財政の専門家は、不足額はさらに増える可能性がある、と見ており、
その根拠として、今年の経済成長を0.75%と予測していたことを挙げている。しか
しアイヒェルは、ドイツ経済が第1四半期には成長せず、逆に0.2%縮小したことを
認めている。オイロ使用地域では、引き続き第2四半期も国内総生産は縮小した。

     その他のニュース

米国 イラク決議で妥協の用意

(ニュー ヨーク)イラクに関する新国連決議の成立を目指す米国
は、広範な支持を早期に得られるよう、譲歩をする用意がある。米
国外相パウエルは訪問中のブルガリアの首都ソフィアで、米国は当
面イラクに対する制裁の解除だけでも受け入れ可能であり、米国政
府は安保理で全員賛成でこの決議が採択されるべく努力している、
と述べた。米国の国連大使ネグロポンテは、木曜日にも、イラク決
議のための修正案を提出する方針である。ヴェトナム訪問中の独首
相シュレーダーは、イラク制裁の早期解除に賛成である、イラク再
建は国連の枠組みの下で行なうべきである、と述べた。

パウエル ベルリン到着

(ベルリン)米外相パウエルは、イラク戦争後米国の閣僚として初
めてドイツを訪問した。首相シュレーダーおよび外相フィッシャー
との会談は金曜日にベルリンで予定されているが、そこでは、イラ
クとの国交の問題のほか、近東紛争およびテロとの戦いが主要議題
となる。ブルガリアの首都ソフィアからベルリンまでの飛行機の中
でパウエルは、米国は安保理がイラクに対する制裁解除の決議を全
員一致で行なうよう努力している、と述べた。独政府は、この訪問
で、ドイツがイラク戦争を拒否したため、ぎくしゃくした米国との
関係が修復されることを期待している。

シュレーダー 東南アジア訪問を終了

(ハノイ)東南アジア訪問の終わりに連邦首相シュレーダーは、ヴ
ェトナムで首相ファン ファン カイと会談し、産業、科学、教育
での協力を強化することで合意した。ドイツはヴェトナムにとっ
て、欧州最大の貿易相手国である。同行した産業相クレメントは、
ヴェトナム、マレーシア、シンガポール、インドネシアが大きな発
展を遂げていることに強い印象を受けた、と述べた。シュレーダー
と代表部はこれらの国々に滞在した。SARSのため、首相代表部は
人員を30人に削減していた。




5月16日(金)

独米 イラクをめぐる対立で強調の方向へ

(ベルリン)ドイツと米国は、イラク戦争をめぐる意見の違いが数ヶ月にわたって
続いたが、緊張緩和に向けて努力する方針である。米国外務大臣コリン パウエル
が訪問中のベルリンで、双方には協力する意志がある、と両国は強調した。ドイツ
首相ゲアハルト シュレーダーは、両国が対立しはじめてから初めて行なわれる米
国閣僚との会談で、ドイツ政府は米国政府が求めているイラク制裁の解除を、国連
安保理では賛成に回る、と述べた。外務大臣ヨシュカ フィッシャーは、米国が提
案した決議案を、議論のたたき台としては良いものだ、と評価した。キリスト教民
主同盟党首のアンゲラ メルケルは、パウエルとの会談後、イラクでNATOが積極
的な役割をになうことに賛成である、と述べた。
パウエルとの会談では、シュレーダーは、アフガニスタンの平和を維持するために
ドイツの部隊派遣を拡大することを検討する、とも述べた。

     その他のニュース

コッホ「独米関係正常化は可能」

(ヴィースバーデン)ヘッセン州首相コッホ(キリスト教民主同
盟)は、米大統領ブッシュとワシントンで緊急会談を行ない、その
後独首相シュレーダーにブッシュに歩み寄るよう求めた。シュレー
ダーは謝罪する必要はないが、話し合いの席に戻る必要はある、と
米国から帰国したコッホは語った。コッホの印象では、ブッシュは
独政府に人格が傷つけられたと感じたようだが、両国関係の正常化
は可能である、と述べた。ブッシュは木曜日にコッホと会談した。
その直後には外相パウエルがシュレーダーおよび独外相フィッシャ
ーと会談をした。

外務省 ケニアとマレーシアでテロの危険

(ベルリン)外務省によれば、テロ攻撃の危険があるため、ケニア
とマレーシアへの旅行には厳重な注意が必要である。同省は新たな
注意指標を公表し、どうしても必要な場合以外両国への旅行は中止
するように、と勧告した。ケニアを旅行中の人には、出国を検討す
ることも勧められている。ただし外務省は、注意指標としては最高
段階の旅行警告を出すことはない、としている。ケニア当局は、行
方を追求しているテロの容疑者の1人はアル カイダ組織に属して
いて、同国に帰国してきたものダ、と発表した。英国はナイロビ発
着のすべての飛行機を運行中止にした。米国政府は、サウジ・アラ
ビアでさらに攻撃があると警告し、港町ジッダでテロ攻撃が行なわ
れる証拠がある、とした。

プーチン ロシアを強国にする方針

(モスクワ)ロシア大統領プーチンは、同国軍を大幅に近代化す
る、と予告した。国の情勢に関する演説の中で彼は、ロシアと同盟
国の防衛能力を長期的に高めていくための新たな戦略的な武器の開
発を行なう、と述べた。さらに以前から期待されていた軍備改革を
行なう、とも語った。彼は米国が、テロとの戦いを口実にイラク戦
争で影響力を行使できる範囲を拡大しようとした、と間接的ながら
非難した。同時に彼は国連の重要性を強調し、ロシアは緊急の問題
を解決し、再び世界の強国の仲間入りをする機会を逸してはならな
い、と述べた。チェチェニエンの暴力が再び激化していることに関
して、彼はコーカサスの正常化にさらに努力するよう呼びかけた。




5月17日(土)

ブッシュ 改めてテロとの戦いを宣言

モロッコとサウジ・アラビアでのテロ攻撃を受け、米国大統領ジョージ W. ブッシ
ュは、テロとの戦いを宣言した。テロ組織アル カイダの殺人者の行方を追求す
る、とブッシュは毎週恒例のラジオ演説で語った。米国はモロッコがカサブランカ
での攻撃の犯人を捜索するのに協力する、とも述べた。モロッコの港町カサブラン
カでは金曜夜、一連の攻撃事件があり、政府の発表によれば、41人が死亡、約百
人が負傷した。
今回の攻撃はリヤドでの攻撃と同じ特徴を持っている、とモロッコ内務大臣ムスタ
ファ サヘルは述べた。サウジ・アラビアの首都リヤドでは月曜日、34人が殺害
された。この事件の責任はアル カイダにある、とされている。
モロッコ政府筋によれば、カサブランカの事件の犯人捜索で、27人のモスレムが
逮捕された。ラバットの外交官は、この攻撃で少なくとも3人のフランス人、2人
のスペイン人、1人のイタリア人も殺された、とのことである。

     その他のニュース

アル カイダによる脅威が強まるおそれ

テロ組織アル カイダによる脅威はまだかなり大きい、との見方を
専門家は取っている。米国の新聞報道によれば、西側の捜査員は、
アル カイダはスーダンに新たな訓練所を設けたのは確実だと見て
いる。その他アル カイダは東アフリカ、パキスタン、チェチェン
に拠点を設け、新たな人員を確保し、攻撃を計画している、と考え
ている。また新聞の情報によれば、ドイツ連邦情報局もさらなる襲
撃事件が起こるとみており、北アフリカ、東アフリカ、サウジ・ア
ラビア、アフガニスタンで攻撃が行われる可能性がある、と同局の
情勢分析報告書には記されている、とのことである。独外務省は、
タンザニアとジブチへの旅行を行なわないよう警告した。

シャローン パレスチナ首相を歓迎

イスラエル首相シャローンとパレスチナ新首相アッバスは、近東和
平に関する初めての話し合いを行なった。エルサレムのシャローン
の事務所で話し合いが行われたことを、代表部が確認した。これは
3年前にパレスチナ陣が蜂起を開始して以来、両者の首脳による初
めての会議である。今回の会談は、西ヨルダンランドでの新たな自
殺攻撃事件が、暗い影を投げかけている。この自殺攻撃はヘブロン
で起きたもので、イスラエル人の夫婦とパレスチナ人の犯人が死亡
した。

リヨン近郊のバス事故でドイツ人28人が死亡

フランス南部のリヨン近郊での悲惨なバス事故で、少なくともドイ
ツ人28人が死亡した。この2階建バスに乗っていたうち、40人以
上の乗客が負傷し、うち数人は重傷である。当局によれば、犠牲者
の多くは、ニーダーザクセン州とノルトライン・ヴェストファーレ
ン州からの客であった。ティーガー旅行社のバスは、スペインに通
じる道から転落して、転覆したが、その原因は不明である。独交通
相シュトルペは事故現場を訪問し、おそらく運転をしくじったので
あろうが、当面調査が終わるのを待つ必要がある、と述べた。1週
間ほど前にはハンガリーでもドイツの観光バスが事故にあい、33
人が死亡していた。




5月18日(日)

自殺攻撃事件以降 パレスチナ人居住区に非常線

(テル アヴィヴ)近東問題の平和的解決を模索する試みは、急進派パレスチナ人
による新たな攻撃によって、難しいものになった。イスラエル軍は最初の報復措置
として、西ヨルダンランドのパレスチナ人自治区全体に非常線を張った。ラマラは
通行禁止措置が課された。首相アリエル シャローンは、和平計画に対する異議を
表明するつもりであった米国訪問を延期した。エルサレムではパレスチナ人1人が、
路線バスの中で自殺攻撃を行ない、7人が死亡していた。その他にもエルサレム郊
外の非常線のところで1件の自殺攻撃が行われそうになったが、それは失敗に終わ
り、死亡したのはパレスチナ人の犯人だけであった。シャローンとパレスチナ首相
マームド アッバスの初めての会談が成果をあげずに終わったわずか数時間後、暴
力事件が続いて起こったことになる。

     その他のニュース

フィッシャー イラク新決議には条件をつける

(ベルリン)外相フィッシャーは、イラクに対する国連制裁の解除
を求める米国の提案の要点に、ドイツは条件をつける、と表明し
た。彼は米国外相パウエルの訪問を受けた後、金曜日にこの提案は
議論の良いたたき台になる、と述べていた。今回彼は雑誌のインタ
ヴューで、国連の役割、イラクの石油による収入、大量殺戮兵器の
捜査が終わっていない等の、中心部分に修正が必要である、と述べ
た。パウエルは、ドイツのテレヴィ局インタヴューで、米国が提案
の中で、国連に限定的な役割しか与えていない点を擁護し、国連の
仕事は米国およびその同盟国主導による移行期間終了後、イラク国
民の政府を作ることである、と述べた。

サウジ アル カイダの犯行と判断・米国はイランも捜査

(リヤド、ベルリン)サウジ・アラビア内務省は、リヤドでの爆弾
攻撃事件後容疑者4人を逮捕し、彼らはアル カイダに属してい
る、との見方を示し、今回の逮捕で攻撃に関する情報が得られた、
と発表した。米国はテロリストの捜査をイランにも広げる方針であ
る。サウジ・アラビアでの攻撃の黒幕の1人として、イランに潜伏
しているとされるアル カイダの指揮官が疑われている。米当局は
エジプト人サリフ エル アデルとサード ビン ラディン(ウサ
マ ビン ラディンの息子)、その他の指導者が、イランにいると
見ている、と米国紙は報じた。ドイツ連邦情報局は、アル カイダ
組織は再編成され、人的および資金面で再び世界各地でテロ行動を
行なえる状態になっていると見ている、と報道されている。

モロッコ 自殺攻撃犯は帰国直後に犯行を実行

(ラバット)42人の死者を出したモロッコの港町カサブランカで
起きた一連の攻撃で、警察は30人をこえる容疑者を逮捕した模様
である。モロッコ人の自殺攻撃犯は海外から帰国直後であった、と
法務大臣ブズバーは発表した。治安維持の担当者も、犯行命令と資
金は国外から出ている、と見ているが、アル カイダによるもとの
判断するのは性急である、と述べた。爆破犯の1人は、重傷を負っ
て逮捕され、13人が爆死していた。スペイン内相アセベスは、テ
ロとの戦いについて話し合うために、仏独伊英の内相をヘレス デ
 ラ フロンテラで出迎えた。



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