6月9日〜6月15日のオーストリアのニュース



6月9日(月)

     国外ニュース

ブッシュ イラクが武器保有していることをあいかわらず確信

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、あいかわらず、イラクには大
量殺戮兵器製造計画があったことを確信している。これは秘密情報
によるものである、とブッシュはワシントンで開かれた閣議の中で
述べた。イラク戦争の正当性をめぐる疑いが増している中、野党は
米国議会で、国会による調査を求めている。「イラクは兵器製造計
画を持っていた」とブッシュはあいかわらず主張した。「私は、イ
ラクが武器開発計画を実際に持っていたことを時間をかけて明らか
にする絶対の自信がある」と述べた。

     国内ニュース

「核のないヨーロッパ」を求める国民発議開始

環境保護団体グリーンピースが提案した国民発議「核のないヨーロ
ッパ」の署名集めは、今日始まり、7月11日まで続けられる。EU
でヨーロッパの非核化を提案することを、憲法に基づいて政府に義
務づけることが、目標である。この国民発議は、国民議会が憲法上
の措置によって、連邦政府の担当大臣が、EU内での交渉や投票の
際に、EU加盟各国が原子力エネルギーを廃止するのに賛成する義
務を有することを確認することを求めている。今回の国民発議は第
2共和国になって行われる30回目の国民発議であり、核に関するも
のとしては5回めになる。




6月10日(火)

     国外ニュース

ブッシュ 暴力にもかかわらず近東和平計画に固執

イスラエルによるガザ地区へのミサイル攻撃があった後、米国大統
領ジョージ W. ブッシュは火曜日、断固として、近東和平の道を前
進させる、と強調した。責任を自覚した指導部を持てば、これは成
果を挙げると信じているが、全方面が責任ある行動を取ることが必
要だ、と彼は述べた。しかし彼は心の底から安心しているわけでは
ないことも認め、この攻撃で、パレスチナ政府がテロ攻撃を抑える
のが難しくなることを懸念しているものの、イスラエルの安定を脅
かすことはない、と信じている、とも述べた。

     国内ニュース

グーセンバオアー 自由党は素人集団

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、ドイツの雑誌
の最新号で、自由党を「素人で信頼できない」と評した。自由党と
の連立はこの点で全くあり得ない、と否定した。その中で彼は次の
ように述べた。自由党と一緒では未来を指し示すような政策を作る
ことはできない、彼らの立場は野党のものである。ケルンテン州首
相イエルク ハイダー(自由党)は社会民主党の支援を取りつけ副
首相になるという計画を立てているが、これは連立の崩壊を招く可
能性がある、と述べた。自由党は国民党の政治的お荷物にとどまる
か、年金改革を拒否するかいずれかである。連立相手を失って、秋
には総選挙が行われるだろう。理屈の上では、社会民主党と緑の党
の連立が考えられる。




6月11日(水)

     国外ニュース

NATO 軍事能力増強の方針

世界各地への派兵を行なうためのNATOの軍事力増強が、ブリュッ
セルで開かれる加盟19カ国の国防大臣会議の争点である。外交筋
の情報では、この席上、各国国防相は、早期介入部隊の創設案に賛
成する方針である。その他NATO加盟各国は、指揮系統組織の強化
を行なう努力をしているが、スペインとギリシアがこの計画には反
対している。戦略的輸送機を新しくするために、NATOが長期的な
借り受け契約をウクライナと結ぶ方針の宣言を採択する方針であ
り、これはドイツの管轄になる。昼食時には、NATOのアフガニス
タン派兵と、ポーランド軍のイラクでの活動について話し合う。午
後には、NATOとウクライナの合同委員会が開かれる。明日にはロ
シア国防相セルゲイ イワノフとの会談が行われる。

     国内ニュース

国民議会 予算審議を開始

予算関連法案の決定後、国民議会は今日から4日間の日程で予算審
議を開始する。初日9時からの一般討論では、連邦首相府と国会の
問題、社会福祉問題が議論される。2年分の予算の採決は、来週水
曜に行われる。その前に今週金曜、来週火曜、水曜には議論が行わ
れる。2003年には総額613億5千万オイロの支出が見込まれてい
る。歳入は574億1千万オイロで、39億4千万オイロが不足する見
込みである。2004年には626億7千万オイロの予算が組まれてい
る。収入は592億4千万オイロの予定で、34億3千万オイロの歳入
不足である。




6月12日(木)

     国外ニュース

チェコ EU加盟をめぐる投票

チェコ人は今日と明日、同国がEUに加盟するかどうかをめぐる投
票を行なう。最新の世論調査によれば、解答者の80%近くがこの国
民投票で、賛成票を投じるつもりである。先週のポーランドとは異
なり、投票を有効とするための最低投票率に関する規定はない。チ
ェコの加盟条約は、国民投票で認められれば、批准されたことにな
る。中道左派の政府は、同国の2004年5月のEU加盟に、できるだ
け多くの正当性を持たせるため、投票率が高くなることに期待して
いる。

     国内ニュース

グラサー 周知のための費用を擁護

社会民主党が、周知と協議に関する高額の費用に関する緊急質問を
行なったが、国民議会では昨日、大蔵大臣カール・ハインツ グラ
サーは特段意見はない、と述べた。彼の見積もりによれば、この分
野での支出総額は最大2,700万オイロで、納税者に1億オイロの負
担を軽減した。グラサーの金額算出根拠は、さまざまな支出削減
計画を極めてうまく実施するのに、専門家が実質的に貢献した、と
いうものである。その前、社会民主党の実務を取り仕切る会派長ヨ
ーセフ カップは、グラサーが税金を湯水の如く使っている、と非
難していた。緊急質問の中では、周知宣伝のために大臣は外部の
業者に同省から1945年以来もっとも高額の支出を行なった、と指
摘されている。




6月13日(金)

     国外ニュース

イスラエル ガザをミサイル攻撃

イスラエル軍はヘリコプターを用いて、夜間2度に渡ってガザをミ
サイル攻撃した。目撃者によれば、攻撃は同市の東部にあるハマス
の成員と見られる住居を狙ったものである。この攻撃で負傷者が出
たかどうかは、今のところ不明である。パレスチナ治安部隊によれ
ば、この家は激しく損傷した、とのことである。目撃者の話では、
攻撃を受けた建物は、ハマスの創設者シャイク アーメド ヤシン
の住まいからわずか一つの街区を隔てたところにある。イスラエル
軍は、小さな武器工場を狙ったものだ、と発表した。この建物は火
に包まれ、消防が出動した。

     国内ニュース

グラサー 宣伝費用に関する非難を退ける

大蔵大臣カール・ハインツ グラサーの宣伝用の費用を、社会民主
党はこのところ批判している。それによればグラサーは、就任以来
2,700万オイロを、助言を受け、宣伝を行なうための費用として支
出している。この支出は会計検査院により詳細に検討されることに
なっている。一方テレヴィ番組でグラサーは、会計検査院の調査結
果が出るのを楽しみにしている、と強調した。この調査により納税
者の負担を1億オイロ減らしたことが明らかにされるからだ、と述
べた。一例としてグラサーは、260万オイロを連邦調達庁に与えた
ことを挙げて、初年度だけで2,900万オイロの支出を削減した、と
述べた。




6月14日(土)

     国外ニュース

米国 イランのデモ隊に対する弾圧を非難

米国はイラン政府が、数日前からデモを繰り広げている学生に対す
る暴力的な対処の仕方を非難した。米国政府は、平和的な抗議活動
が暴力的に阻止される様子を、大きな不安をもって見守っている、
と大統領報道官アリ フライシャーは述べた。その他、米国は反体
制派の主要人物の逮捕に関する報告を受けており、逮捕されたデモ
隊参加者は、全面的に解放されねばならない、と彼は米国の名にお
いて要請した。

     国内ニュース

ノイゲバオアー「給与引き上げの場合のみ調整」

年金制度の調整を行なう中で、上級公務員労働組合会長フリッツ 
ノイゲバオアーは、より高額の給与を要求した。調整とは、上級公
務員の年金を単に半額にすることではありえない、これを中止させ
ることも可能だ、と国民党所属の国会議員である彼は新聞のインタ
ヴューで答えた。同労組は、賃上げにより賃金額の格差をならし、
退職一時金を導入し、年金組合を作ることをまとめて行なう方針で
ある。そのためには、使用側が採用後最初の10年ないし15年の給
与を増額する必要がある、連邦がこれを行なうかどうかは、誠実さ
の問題である、と述べた。




6月15日(日)

     国外ニュース

米特別使節ウルフ エルサレムで話し合い

再び燃え上がっている近東の暴力に終止符を打つ努力の一つとし
て、米国特別使節ジョン ウルフは、月曜日イスラエルで会談をお
こなう。首相アリエル シャローン、外務大臣シルヴァン シャロ
ム、国防大臣シャウル モファズおよび軍の代表との話し合いが計
画されている。パレスチナ首相マームド アッバスは、ガザでパレ
スチナ人の各組織の代表と会談を行なう方針である。この話し合い
で彼は、急進派イスラーム組織に停戦を行なわせるべく努力するこ
とにしている。

     国内ニュース

シュッセル 年金改革の時期を擁護

オーストリア連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は、
年金改革を進める日程について自分の意見を擁護した。「担当部署
と各派が議論することで、政治から時間と精力がどんどん失われて
いることはわかっている」とベルリンで発行されている新聞で述べ
た。彼は選挙後のドイツで実際にどのような議論が行なわれている
かについて大きな関心を持ってみている、とも述べた。



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