6月30日〜7月6日のドイツのニュース



6月30日(月)

イスラエル部分的撤退開始 アル・アクサ旅団の攻撃

(エルサレム)ガザ地区北部からイスラエル占領部隊が部分的撤退を開始し、パレ
スチナ治安部隊はベイト ハヌンの管理権を引き継いだ。ベツレヘムからの退却は
水曜日に始まる、と予告されている。イスラエル首相アリエル シャローンは、パ
レスチナ人捕虜の解放を行なう、と約束した。シャローンとパレスチナ政府首相マ
ームド アッバスは火曜日に改めて会談することになっている。このところ立場が
接近しているが、西ヨルダンランドのシャケド近郊では新たな攻撃が起こり、合意
が危うくなっている。アル・アクサ旅団が犯行声明を出したこの攻撃では、いわゆ
る西ヨルダンランドの安全保障柵の建設に従事していた外国人労働者1人を、パレ
スチナ人が射殺した。アル・アクサ旅団の広報の1人はその後、他の組織による暴
力の放棄に追随する方針だ、と言明した。

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イラクでの手入れで180人逮捕 ファルジャで攻撃再び

(バグダッド)米兵は、失脚したイラク大統領サッダーム フセイ
ンの支持者と見られる人物に対する3回目となる大規模な攻撃を行
ない、1日で少なくとも180人を逮捕した。バグダッド全域が通行
禁止となり、しらみつぶしの捜査が行なわれた。ナジャフでは占領
軍は、米国の文民行政府が任命した市長を、汚職と誘拐の容疑で逮
捕した。ファルジャ市では、再び軍用車が榴弾で攻撃され、オース
トラリアの記者が生命に関る負傷を負った。人権団体アムネスティ
 インターナショナルは、逮捕され施設や刑務所に入れられたイラ
ク人の米国による取り扱いには問題がある、と非難した。

パキスタン大統領ベルリン訪問 アフガニスタン戦略には検討が必

(ベルリン)パキスタン大統領ムシャラフは、アフガニスタンの隣
国である同国で政治および軍事戦略を検討することに賛成である、
と述べた。彼は独大統領ラオの出迎えを受け、ドイツ兵が駐留して
いるアフガニスタン情勢は、期待通りの安定を見せていない、と述
べた。独首相シュレーダーは、パキスタン政府の国際テロ組織対策
を高く評価した。一方ムシャラフは、産業面での交流拡大を求め
た。インドとの緊張関係に関して、パキスタンの軍事権力者である
彼は、カシミール紛争の中心問題はまだ解決していない、と指摘し
た。米国では彼は、近東を模範にカシミール地方の和平計画を進め
ることに賛成である、と述べていた。

ドイツとポルトガル イラク戦をめぐる対立を乗り越えて今後を考
える

(ベルリン)独首相シュレーダーとポルトガル首相バロッソは、イ
ラク戦争をめぐる意見の相違を解消し、良好な欧米関係を強調し
た。両国首相はベルリンで会談後、シュレーダーは両国の関係には
問題がない、と述べた。将来に目を向けることが大切だ、とシュレ
ーダーは述べた。バロッソは、ドイツのポルトガルに対する政治的
経済的支援を評価した。




7月1日(火)

減税の早期実施 賛成多数で成立の見込み

(ベルリン)野党キリスト教民主、社会同盟は、税制改革の早期実施をめぐる対立
で、連邦政府の方針を支持する方向に立場を変えた。両党の党首アンゲラ メルケ
ルとエドムント シュトイバーは、連邦首相ゲアハルト シュレーダーに書簡で税
制改革を急ぐよう求めた。その中で、時間的猶予はなくなっている、と述べられて
いる。その後、シュレーダーは野党に対し、話し合いを行なうよう改めて提案し
た。また彼は、具体的な対案を呈示するよう求めた。首相によれば、税制改革の第
3段階を、2004年に早期実施することで、平均して国民の負担は10%軽減される。
この措置で連邦、各州、地方自治体は、収入不足になり、連邦政府はその総額を
153億オイロと見積もっている。

     その他のニュース

ノルトライン・ヴェストファーレン州連立政権の危機 解消

(デュッセルドルフ)ノルトライン・ヴェストファーレン州の連立
政権解体の危機は解決し、同州の社会民主党と緑の党は残りの任期
を建設的に協力しあっていく方針である。州首相シュタインブリュ
ックは、今後2年間、円滑な政治のために極めて良質で有効な路線
が敷かれた、と述べた。石炭産業への補助金に関する意見の違いを
埋めることができた、とも語った。彼は以前に、リニアモーター鉄
道メトロラピートの建設を断念して、緑の党と意見を一致させてい
た。州環境大臣ヘーン(緑の党)も、同州政権は新たな出発をうま
くきることができた、と述べた。

憲法裁判所 大規模盗聴を調査

(カールスルーエ)連邦法務大臣ツュプリースは、憲法裁判所で、
住居の盗聴を可能にするいわゆる大規模盗聴を擁護した。これは、
重大犯罪行為の解明のため、国際テロ組織に対する調査に不可欠で
ある、と述べた。憲法裁判所は現在、大規模盗聴が基本法に違反し
ないかどうか検討している。元法務大臣ロイトホイサー、元ノルト
ライン・ヴェストファーレン州内相ヒルシュを含む訴訟人川は、
1998年に決議された基本法の改正は、憲法違反である、と捉えて
いる。同裁判所の判決は秋に予定されている。

イラクで米兵に対する攻撃続く

(バグダッド)バグダッド周辺で米兵が再び攻撃を受け、米軍の情
報では少なくとも6人が死亡した。バグダッド中心部では、米軍の
自動車が爆発した。対戦車用榴弾によるものか、近くで自動車爆弾
が爆発したのかは不明である。その数時間前には、米国防相ラムズ
フェルドは、イラクではヴェトナムのようなゲリラ戦にさらされる
ことはない、と強調していた。イラク西部のファルジャでは、モス
クの隣にあるコーラン学校の建物が攻撃を受け、住民によれば、イ
マームを含む7人が死亡した、とのことである。このモスクの建物
自体は軽い損害を受けただけですんだ。




7月2日(水)

欧州議会新議長ベルルスコーニ 監視役囚人になぞらえ反感を買う

(ストラスブール、ベルリン)イタリア首相でEU評議会新議長シルヴィオ ベル
ルスコーニは、欧州議会議員を強制収容所の監視人と同等とみなした。これに対し
激怒しているのは、ドイツ政府だけではない。在ベルリン・イタリア大使シルヴィ
オ ファジオロは、首相府に呼び出された。ドイツ政府はベルルスコーニの発言を
容認しなかった。一方イタリアは在ローマ・ドイツ大使クラオス ノイベルトを呼
び出した。社会民主党の会派を代表して、マルティン シュルツは、欧州議会議長
に就任したばかりのベルルスコーニを、その司法に対する態度と難民政策に関して
批判した。ベルルスコーニはそれをうけ、シュルツは強制収容所の映画の中で監視
役囚人をやるのに向いている、と述べた。議会は騒然とした。ベルルスコーニはそ
の後謝罪したが、それは内輪の会議の席上のことであった。彼の発言は国外および
イタリアでも当惑を招いた。

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パレスチナ人 ベツレヘムの指揮権を再獲得

(エルサレム)パレスチナ警察は、イスラエル軍の撤退を受け、西
ヨルダンランドのベツレヘムの指揮権を再び得た。和平計画に従っ
て占領軍が撤退したのは、ベイト シャヌンに続きパレスチナ人が
住む都市として2つめである。ただしパレスチナ側は、ベツレヘム
周辺の道路などの封鎖がそのままになっている、と批判している。
両者の首相シャローンとアッバスが会談して1日たったが、パレス
チナ人逮捕者が解放されるとの期待は当面果たされそうにない。イ
スラエル国防相モファズによれば、暴力をともなう突発事件の数
は、パレスチナ人急進派組織による停戦発表後、激減した。

ストロー 当面イラクには独立政府を認めない

(バグダッド)英国外相ストローは訪問中のイラクで、独立のイラ
ク政府結成は延期されることを認めた。また、国民が今責任ある政
府を作る入り口のところに立っていることが重要なのだ、と記者会
見で国民に向けて述べた。イラン・イスラム革命最高評議会の国外
にいる代表者はロンドンで、米国は権力を譲り渡すとの約束を破っ
た、と非難した。米国同様、ストローも、サッダーム フセインの
支持者によるものとみられる小さな戦闘が激しくなっているため、
占領軍の対処を厳しくする、と述べた。米国の行政府は、今月新た
なイラク軍の兵採用を開始するが、この軍は占領軍の指揮下にあ
る、と発表した。

米国 国際刑事裁判所問題で35カ国に対する軍事を凍結
EU「残念」と表明

(ワシントン、ブリュッセル)国際刑事裁判所をめぐる対立で、米
国は合わせて35の国々に対する軍事支援を凍結した。EUは公式に
は「残念である」とし、米国の圧力にもかかわらず、刑事裁判所が
成果を生み出すことを望んでいるすべての国々を賞賛する、とEU
評議会の報道官は発表した。米外務省によれば、この凍結対象に
は、NATO加盟希望の6カ国ブルガリア、エストニア、ラトビア、
リトアニア、スロヴァキア、スロヴェニアも含まれている。これら
の国々は、デン ハーグに設置される裁判所に米国市民は訴えられ
ない特権を認めていないため、総額480億ドル近くの米国政府から
の支援を断念しなければならない。この裁判所は戦争犯罪、大量虐
殺、人間性に対する犯罪を罰する裁判所である。この米国の制裁
は、クロアチア、マルタ、南ア、ブラジル、コロンビア、ヴェネズ
エラ、ウルグアイにも課される。




7月3日(木)

ベルルスコーニ ナチになぞらえたことを謝罪

(ベルリン)イタリア首相でEU理事会議長のシルヴィオ ベルルスコーニは、ド
イツ首相ゲアハルト シュレーダーに、問題になっているナチになぞらえた発言を
謝罪した。ベルルスコーニは電話で、言葉の選択の仕方となぞらえたことに関して
謝罪した、とシュレーダーは述べた。これにより、シュレーダーとドイツ政府にと
って問題は解決済みとなり、これ以外の議題を欧州議会で解明していくことにな
る、と語った。
ベルルスコーニは水曜日、EU理事会議長に就任して初めての欧州議会で、社会民
主党の議員マルティン シュルツを、強制収容所の監視員になぞらえる発言を行な
っていた。シュルツはその前、右派保守的なベルルスコーニの刑事裁判に関する態
度は混乱を巻き起こしている、と指摘していた。

     その他のニュース

シュレーダー 野党と各州に協力を呼びかけ

(ベルリン)連邦首相シュレーダーは、連邦議会で野党と各州に対
し、改革実現のために緊急に協力して努力するよう今一度呼びかけ
た。拒否する時代は過ぎた、とシュレーダーは政府声明の中で述べ
た。いまや、ドイツが再び態勢を立て直し、実り豊かで一致団結し
た社会であることを示すため配慮する必要がある、とも語った。キ
リスト教民主同盟党首メルケルは、社会民主党と緑の党が具体的な
提案を行なったらすぐ、キリスト教民主、社会同盟両党は政府との
交渉に入る、事前に詳細をつめる議論は行なわない、と述べた。自
由民主党党首ヴェスターヴェレは、税制改革の早期実施に関して、
連邦参議院で協力する、と予告したが、その条件として、政府が具
体的な提案をすることを挙げた。

連邦議会 EU拡大を承認 ベネシュ指令に関する対立

(ベルリン)圧倒的多数の賛成で、連邦議会はEUの歴史で最大の
拡大を承認した。全政党の議員が、南および東欧の10カ国のEU加
盟を、欧州に平和と安定を達成するための歴史的好機である、と評
価した。外相フィッシャーは、ヨーロッパ統合に向けた重大な一歩
である、と述べた。ただしこの問題は、EUが求めているチェコの
ベネシュ指令の廃止をめぐって激しい議論となった。連立与党社会
民主党と緑の党の他、自由民主党の反対で、これに関する動議は否
決された。

シュレーダー 有権者を欺いたとの非難を退ける

(ベルリン)キリスト教民主、社会同盟は連邦議会のいわゆる虚偽
調査委員会で、連邦議会選挙前に産業の状態に関する統計の数字を
意図的に公表しなかったとの非難を行なったが、連邦首相シュレー
ダーはこれを退けた。2002年5月の税収見通しの数字は、政府の
経済見通しを修正する根拠にはならなかった、とシュレーダーは述
べた。この委員会は連邦議会選挙後、キリスト教民主、社会同盟の
要求で設置されたものである。




7月4日(金)

ベルルスコーニ 弁明を拒否

(ローマ)イタリア首相シルヴィオ ベルルスコーニが強制収容所になぞらえた発
言を行なった件で、欧州議会は弁明するよう求めたが、彼はこれを拒否した。ただ
し彼は、ドイツの欧州議会議員マルティン シュルツ(社会民主党)は、強制収容
所映画の中で監視人にうってつけだと述べたことに、陳謝すると述べた。ベルルス
コーニは木曜午後ドイツ首相ゲアハルト シュレーダーと電話で会談し、この事件
に関して謝罪を表明していた。ベルルスコーニはその前ローマで、EU委員会と会
談し、イタリアが任期についたばかりのEU理事会議長の抱える問題について話し
合った。

     その他のニュース

パキスタンのモスクに攻撃 死傷者発生

(イスラマバード)パキスタンの都市クエッタでは、シーア派のモ
スクが攻撃を受け、少なくとも36人が死亡した。公式の発表によ
れば、50人以上が負傷した、とのことである。警察発表によれば、
犯人3人が金曜日の集会が行なわれた後、約2千人の信徒が集まっ
ているモスクに榴弾をを投げ込み、無差別に発砲した。警察によれ
ば、犯人3人も死亡した。攻撃の後、この町は騒然とした。当局は
外出禁止を課した。この攻撃の背後に関する情報は今のところな
い。過去数年、パキスタンでは宗教をめぐる暴動がシーア派とスン
ニ派の間で起こっており、数百人が死亡している。

米兵 バグダッドの北でイラクの攻撃者11人を殺害

(バグダッド)イラクで新たな戦闘が起こり、米兵が少なくとも
11人のイラク人を殺害した。イラク人の攻撃者は、バラド市の近
くを巡回していた米兵を待ち伏せしようとした、と軍報道官は述べ
た。バグダッドの北75キロのこの地域では榴弾攻撃を受け、前夜
16人の米兵が負傷していた。一方アラブ系のテレヴィ局アル ジ
ャジーラは、失脚したイラク大統領サッダーム フセインのものと
思われる声が、イラクの米軍に対する抵抗を訴える録音を放送し
た。この録音は6月14日に録音されたものである、とのことであ
る。

アッバス 初めて武装パレスチナ人に対し断固たる措置をとる

(ガザ)近東和平に関する新たな計画が始動してから1月、パレス
チナ人自治政府は初めて、自らの側の暴力犯に対して断固とした措
置をとった。ガザ地区では金曜日までに、ユダヤ人入植地クファル
 ダロムに対する攻撃を行なったとして、武装組織の7人を逮捕し
た。パレスチナ首相アッバスとイスラエル首相シャローンは、来週
火曜日にイスラエルの部隊を西ヨルダンランドから撤退させること
に関して話し合いを行なうことにしている。




7月5日(土)

モスクワのロックコンサートで自殺攻撃

(モスクワ)モスクワで行なわれた屋外のロックコンサートで爆弾が爆発した。2
人の女性が自殺攻撃を行ない、政府の情報では、14人が死亡した。そのほかに重
傷者を含め約50人が病院に運ばれた。攻撃が行なわれた時、4万人ほどの若者がト
ゥシノ飛行場に集まっていた。恐怖にとらわれて暴走しないよう、観客にはこの攻
撃の情報は伝えられず、コンサートは続行した。警察の情報によれば、犯人は本来
は観客の中で爆発させるつもりであったが、入り口のところで止められた。内務大
臣ボリス グリュスロフは、チェチェニエンの反乱勢力による犯行である、との疑
いを述べた。ドイツ首相ゲアハルト シュレーダーは、ロシア大統領ウラジミール
 プーチンに弔意を表明し、電報の中で心からの同情を伝えた。

     その他のニュース

イラクで再び攻撃

(バグダッド)米軍によれば、イラクで攻撃が起こり、イラク人新
人警官7人が殺害され、40人以上が負傷した。犯人は、バグダッド
の西約百キロのラマディ市にある警察の訓練施設で爆弾に点火し
た。犯人はまだ判明していない。この町は失脚したサッダーム フ
セイン体制の拠点と見られている。訓練参加者は、米国の教官が行
なっている5日間の講習を卒業したばかりで、政府の建物に向かう
途中であった。目撃者の話によれば、バグダッドでは英国人記者が
射殺された、とのことである。

イラクで逮捕されたトルコ人兵士の一部釈放

(アンカラ)米軍がイラク北部で逮捕したトルコ兵の一部が釈放さ
れた。あわせて11の軍関係者の内数人は逮捕されたままであり、
兵士の釈放を求める努力は続行する、とトルコ首相エルドアンはテ
レヴィ局のインタヴューに答えた。報道によると、これらの兵士は
キルクク州のクルド人知事に対する攻撃を計画した疑いで逮捕され
た。トルコ政府は、この逮捕に怒りを表明し、兵士の即時釈放を求
めていた。

金属産業労組の幹部人事に関し議論

(ベルリン)東部ドイツでのストライキが失敗に終わったのを受け
て、金属産業労組では、幹部人事に関する緊急声明を求める声が強
まっている。新聞報道によれば、同労組の北部地区の代表者は、火
曜日の幹部会議で、同労組副会長ペータースの後継会長への指名に
ついて話し合う方針である。バイエルン州地区もこれを支持してい
る、とのことである。他の新聞は、同労組幹部の一部は、労働組合
総会を10月ではなく7月下旬に繰り上げ実施し、権力争いに早く決
着をつけるよう検討している、と報じている。




7月6日(日)

ノルトライン・ヴェストファーレン州社民党と緑の党
連立解消の危機に終止符を打つ

(デュッセルドルフ)ノルトライン・ヴェストファーレン州の連立与党社会民主党
と緑の党は、特別党大会を開き、同州での連立を続行することに賛成した。ボッフ
ムで開かれた社会民主党党大会に参加した代議員たちは、ごくわずかの反対票があ
ったが、これに関する決議を採択した。社会民主党に引き続き、ノルトライン・ヴ
ェストファーレン州緑の党も、デュッセルドルフで特別党大会を開き、賛成多数で
これを承認した。これにより、両党の連立を2005年の州議会選挙まで続ける上で
の障害が最終的に取り除かれた。州首相ペーア シュタインブリュックは、連立の
危機を仲裁した自分の方針は正しかった、緑の党が社会民主党よりもみずからの意
向を強く押し通した、との印象は誤りである、と述べた。問題になっていたリニア
モーターカー メトロラピートを断念したことで妥協が成立したのであるが、これ
も自分に強いられたものではない、とシュタインブリュックは述べた。

     その他のニュース

金属産業労組の幹部の人事 決着間近

(ベルリン)金属産業労組の幹部の人事をめぐる争いは、そろそろ
決着がつきそうである。北部地区金属産業労組は、バイエルン州同
労組の支持を受け、現副会長ペータースを火曜日にも現会長ツヴィ
ッケルの公認候補に推すのを断念すると報道されている。一方同労
組の他の執行部は、バーデン・ヴュルテンベルク地区の代表フーバ
ーを候補者とすることに賛成である、と述べた。彼は現会長ツヴィ
ッケルの意中の候補者であると見られている。労組側の情報によれ
ば、ドイツ東部でのストライキに失敗した大きな責任はペータース
にある、との非難に対し、現在の後継候補ペータースは、月曜日の
記者会見で、自らの考えを述べることにしている。

CDU/CSU 税金政策に関する一貫した態度を巡り論争

(ベルリン)キリスト教民主、社会同盟の内部では、税金をめぐる
政策で対立が続いている。キリスト教民主同盟党首メルケルは、再
び党内の結束を呼びかけた。月曜日の幹部会議で彼女は、連邦政府
が計画している減税の早期実施に向け、党内一致の路線を確認する
方針である。メルケルが減税の早期実施に原則的に賛成しているの
に対し、同党所属の州首相の中には、この決定に条件をつけたり、
この措置そのものに反対しているものもいる。ザールラント州首相
ミュラーは、同党が与党の州のうちいくつかが連邦参議院で、党の
方針とは異なる投票する可能性がある、と主張している。

リベリア大統領 ナイジェリアに亡命の準備

(モンロヴィア)反政府勢力に悩むリベリア大統領テイラーは、ナ
イジェリア大統領オバサンジョからの亡命の提案を受け入れた。ナ
イジェリアからの「招待」を受け入れ、必要な準備ができしだい、
リベリアを出国する、と彼はモンロヴィアで行なったオバサンジョ
との共同記者会見で発表した。この決断は、同国に混乱を招かない
ためのものである、とも述べた。国外にいる期間については明言し
なかった。テイラーは数日前から、内戦中のリベリアから、国外の
法律の適用免除を条件にリベリアから出国する準備を進めていた。
一方米国軍部の情報では、10人から15人の専門家からなる米国政
府の使節が、内戦で疲弊した同国の調査を行なうべく出発した。



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