7月28日〜8月3日のオーストリアのニュース



7月28日(月)

     国外ニュース

イスラエル首相シャローン ブッシュを訪問

パレスチナ首相マームド アッバスとの会談から4日、米国大統領
ジョージ W. ブッシュは火曜日、イスラエル首相アリエル シャロ
ーンと会談する。両者は、諸外国が作成した近東和平計画を押し進
めていくことについて話し合う方針である。その際の主要議題とし
ては、西ヨルダンランドにイスラエルが建設している国境要塞が取
り上げられる。これはパレスチナ側からすれば、和平計画を阻害す
るものである。ブッシュはアッバスとの会談後の先週金曜日、この
建設に対する懸念を表明していた。

     国内ニュース

外相イスラエル訪問 ウィーンに大使館再設置か

外務大臣ベニータ フェレーロ・ワルトナー(国民党)は今日、オ
ーストリアとイスラエルの外交関係を完全な形で再開することをめ
ぐる会談を行なうため、イスラエルに向けて旅立つ。訪問は1日
で、彼女はイスラエル外相シルヴァン シャロムおよび大統領モシ
ェ カツアフとの会談を行ない、ホロコーストの記念施設ヤド フ
ァシェムを訪問する。イスラエルの新聞によれば、国交の正常化と
イスラエル大使をウィーンに派遣することが期待されている。イス
ラエルは2000年春に自由党が入閣したことに対する抗議として、
大使をひきあげていた。




7月29日(火)

     国外ニュース

米国 飛行機によるテロ攻撃を警戒

米国政府は、テロ組織アル カイダによる、乗っ取り飛行機による
新たな攻撃が年内に行われることを危惧している。米国東部、イタ
リア、オーストラリアで攻撃が行われる計画があることを示す証拠
がある、とテレヴィ局が政府筋の情報として報道した。新聞報道に
よれば、テロ組織アル カイダの逮捕された高官数人の聴取から得
られた情報であるとして、アル カイダは空港の強化された安全対
策を潜り抜けられるよう準備を進めている証拠がある、とのことで
ある。

     国内ニュース

ベームドルファー カプルン裁判の不祥事の対処に言及

「周知のとおり不祥事が起きた」と法務大臣ディーター ベームド
ルファー(自由党)はカプルン裁判について昨日午後のテレヴィ番
組で述べた。これへの対応として、ベームドルファーは今後大規模
裁判のやり方を改める、と述べた。カプルン裁判が長引いているた
め多くの人間の法務に対する信頼感が失われたのは、自分にとって
「大きな損失」であると彼は述べた。問題になっているのは、
2000年11月11日に火災で155人が死亡した事件に関する裁判で
ある。




7月30日(水)

     国外ニュース

CIA サッダーム フセインの演説は本物の模様

火曜日にテレヴィ局アル アラビヤが放送した録音による発言は、
米国の秘密情報機関CIAの調査によれば、おそらっく失脚した権力
者サッダーム フセインのものである。この録音の技術的な分析が
行なわれ、ドバイに本拠地があるこのテレヴィ局が放送した発言
は、「高い確率で」サッダーム フセインのものである、とCIAの
協力者の1人が述べた。

     国内ニュース

健康保険制度改革をめぐる新たな対立

健康保険制度に関する議論で、ふたたび対立が高まっている。社会
民主党は、自己負担を導入しないよう求めている。社会民主党党首
アルフレート グーセンバオアーは、高額の新製品の医薬品の代わ
りに、ノーブランドの安い医薬品を使用することに賛成した。また
医師に対する制裁も同党は想定している。厚生政務次官ラインハル
ト ワネック(自由党)の意見は異なっている。彼は、現在の自己
負担の改革に賛成しており、病院のベッド数の削減計画を具体化す
る方針である。




7月31日(木)

     国外ニュース

北朝鮮 核計画に関する6者協議

ロシア外務省の情報によれば、北朝鮮は問題となっている核計画に
関する会談を、あわせて6カ国が参加して行なうことを提案した。
今まで北朝鮮は米国との2国間協議を求めていたが、米国はこれを
拒否していた。ロシア外務省は、モスクワの北朝鮮大使館は、この
日ロシア外務大臣代理ユーリ フェドトフとの会合で、この提案を
説明した。この会談に誰が参加するかは発表されていない。ただ
し、韓国、米国、中国、日本、ロシアが北朝鮮との会談に参加する
のが自然だと見られている。米国外務省は慎重な態度をとってい
る。「我々は、北朝鮮が他国間会談に賛成することを望んでいる。
この提案が実を結ぶかどうかは、今後を見守らねばならない」と報
道官は述べた。

     国内ニュース

自由党の対立 ハオプトはハイダーのあせりをいぶかる

自由党党首ヘルバート ハオプトはいくぶん謎めいた発言を行なっ
たが、これにより昨日同党幹部の勢力争いは再燃したもようであ
る。ハオプトは、再び党首の候補者となって党首の座を争うことが
できるとの考えを述べた。これを聞いた元党首ハイダーは激怒し
た。ハイダーがハオプトの後を受けて秋に自由党党首になるのは決
着済みであると見られていた。ハオプトは、この合意を守るつもり
がない、と言いたいのだろう、とハイダーは述べた。一方ハオプト
は、ハイダーのあせりを理解できていない。




8月1日(金)

     国外ニュース

サッダームの娘「父は裏切りにより失脚した」

元イラク大統領サッダーム フセインの長女は、最も近い顧問の裏
切りが、父親の失脚の原因である、と述べた。「大きな衝撃でし
た。父が絶対的な信頼を寄せていた人々が、不運なことに裏切った
のです」と36歳の彼女は昨日テレヴィ局アル アラビアで述べた。
父の失脚とバグダッドの占領は裏切りによるものである、と語っ
た。「あなたを好きでない人は、あなたを裏切ることはありませ
ん。裏切りはアラビア人の特徴ではありません」とラグハッドは述
べた。彼女は弔意を表わすために黒い服と白いヴェールをみにまと
っていた。ラグハッドと34歳の妹ラナ、合わせて9人の子供たち
は、イラク戦争後、ヨルダンに亡命している。彼女達の夫はサッダ
ームに殺されている。

     国内ニュース

ヘイバニ W.事件 人権諮問委員会に発言の意志あり

警察による捜査を受けた後、ウィーンで死亡したモーリタニア人ヘ
イバニ W.の事件で、人権諮問委員会は発言の意志を示した。「私
は、人権諮問委員会は自らか積極的に動き、大臣(内務大臣エルン
スト シュトラサー)に関連する提案を行なうのが当然だと考えて
いる」と同委員会副議長ベルント クリスティアン フンクは雑誌
のインタヴューで述べた。この委員会はオモフマ事件のあと設立さ
れ、内務大臣に助言を行なう権限を有し、普通は所轄部局が仕事を
与える。フンクは今までの捜査の仕事に関して「私は、この特別委
員会が自分にふさわしい仕事を行なっていない、と主張する気は全
くない。ただ、偏見が現れることもありうる」と述べた。




8月2日(土)

     国外ニュース

コソヴォで攻撃 死者少なくとも3人

土曜日午後コソヴォで攻撃が行なわれ、3人が死亡、重傷者を含め
4人が負傷した。この事件は首都プリスティナの西約85キロにある
ペック市の中心部で起きた。犠牲者はすべてアルバニア系のコソヴ
ォ人であった、と国連コソヴォ作戦の報道官は述べた。死者は14
歳の少女、24歳の女性、30歳の男性であった。機関銃の発砲によ
る事件で、犠牲者の何人かは、人通りの多い中心部の喫茶店にい
た。この事件を起こした犯人については今のところ何も解っていな
い。国連警察が捜査を開始した。

     国内ニュース

社民党 税制改革特別会議は自由党の試金石

「8月12日が、自由党の財政の専門家トーマス プリンツホルンの
次の試金石となる」と社会民主党の予算の専門家クリストファー 
マツネッターは、税制改革の早期実施を求めるプリンツホルンの要
請に関して述べた。「社会民主党が提案した国民議会の特別会議で
は、産業がきびしい状態にある時期に景気を活性化させる必要があ
ると見ているすべての人が、税制改革を2004年に前倒しで実施す
ることに賛成するよい機会である。自由党が予告したあとにまた意
見を変えるとすれば、同党の主張はもはやまじめに受け止められる
ことはなくなる」とマツネッターは述べた。




8月3日(日)

     国外ニュース

国際平和部隊第一陣 リベリア入り

国際平和部隊の最初の兵士が月曜日、西アフリカの内戦が続くリベ
リア入りする。金曜日に採択された国連決議に基づき、当面約800
人のナイジェリア兵からなる先遣部隊が、首都モンロヴィアに駐留
する、と国連の外交官が発表した。その他、西アフリカ諸国経済共
同体ECOWASの兵士が加わり、この和平部隊は3千ないし5千人規
模になる。この作戦の目標は、一般市民の保護と、反乱勢力と大統
領チャールズ テイラーの政府軍の間の停戦協定を監視することで
ある。遅くとも10月には、長期的な国連の作戦に従事する介入部
隊が、同国安定化のために投入されることになっている。テイラー
は、8月11日に亡命する、と約束している。

     国内ニュース

ダラボス「選挙は確実」

社会民主党連邦執行部長ノルバート ダラボスは、選挙は確実にあ
ると見ている。「おそらく年末までに、遅くとも3月のケルンテン
州州議会選挙の後には、実施されるだろう。私はそのように予想し
ており、私たちは、それに備えて準備を進めておく」と彼は新聞の
インタヴューに答えた。彼は、自由党はケルンテン州議会選挙で敗
北し、州首相イエルク ハイダーはその後連邦自由党に復帰し、そ
れが最終的には選挙の早期実施につながる、と見ている。



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