9月29日〜10月5日のオーストリアのニュース



9月29日(月)

     国外ニュース

イタリアの国家予算 オイロ安定化法案の上限に近づく

イタリアは2004年予算案を下方修正し、当初の予定より大きな赤
字が出るとの予想を立てている。フランス、ドイツがオイロ安定化
法案で定められた赤字の上限を越えたのに続いて、イタリアも魔の
3%の上限に近づいている。イタリア政府は経済成長が予想より小
さかったため、今年は国内総生産の2.5%の赤字が出る、と見てい
る。それより前に政府は2.3%の赤字を予想していた。オイロ安定
化法案で定められた上限は3%である。

     国内ニュース

国民党と自由党 選挙の事後策を党委員会で話し合う

与党は火曜日午後、オーバーエスターライヒ州とティロール州の選
挙に関する事後措置を話しあう。自由党幹部会では、党首ヘルバー
ト ハオプトの退陣は正式には議論されないが、二桁の議席を失う
という選挙での大敗を受け、議論すべきことが十分ある。国民党党
首で連邦首相ウォルフガング シュッセルは、党首脳により若干の
事情が聞かれることになる。最終的には国民党は選挙でよそうを下
まわった。オーバーエスターライヒ州首相ヨーセフ ピューリンガ
ー(国民党)はこの選挙結果の責任は主として連邦政治にある、と
のべた。




9月30日(火)

     国外ニュース

シュッセル 州議会選挙での敗北は野党の宣伝活動が原因

連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は昨日午後、国民
党党幹部の会議の後、野党の積極的な選挙に向けた宣伝活動が、テ
ィロール州およびオーバーエスターライヒ州の州議会選挙での敗北
の原因である、と述べた。野党は、客観的な数字を誤解させて、政
府に反対する意見を増やした、「中傷作戦の弊害」が生じている、
とシュッセルは述べた。国民党の宣伝を緑の党の国民議会選挙戦と
比べてみるとよい、シュッセルは考えている。

     国内ニュース

イスラエル軍内部で窮状をめぐり混乱

イスラエル兵は、一部でゴム弾と催涙ガスが不足していることか
ら、パレスチナ人に対し実弾を使用する。これは昨日発表された文
書の中で一覧表の形で示された軍の窮状を示す多くの事例の一つで
ある。実弾以外の弾丸が不足しているため、死者がでる事態を招き
かねない、と108ページに及ぶ報告書の中で軍の国家管理官は述べ
ている。




10月1日(水)

     国外ニュース

米国 イラク新決議案を国連に提出

米国は国連安全保障り事項に対し、対イラク決議の修正案を提出し
た。他の諸国との審議は既に始まっており、この修正案は、イラク
での国連の代表の役割を明確に定義するものである、と外務省公報
リチャード バウチャーは昨日ワシントンで発表した。さらに最初
の米国案では、イラクの政治日程の記述がきわめてあいまいであ
る、と批判されていたのに、修正案では応えるものになっている、
とも述べた。その他修正案では、イラクの国際部隊投入はイラク人
に権力を譲り渡すためである、と明記されている、とのことであ
る。米国外務大臣コリン パウエルはこのために数ヶ国の外相と電
話で会談を行なった。この修正案に関しては、数日中にニュー ヨ
ークの国連の会議でも話し合いが行われる。

     国内ニュース

税制改革 国民党には話し合いの用意がある

税制改革問題では、国民党は自由党と妥協する用意があるようだ。
国民党は昨日、自由党の要請に関する話し合いを行なうことに賛成
した。今まではこれに対し厳しい態度を取り、政権協定を持ち出し
ていた。国民党が、選挙で敗北を喫した後の自由党の苦境を救おう
とする可能性はあるように思われる。自由党党内の対立もまた解消
される可能性がある。ただし両党の議員団長モルテラー(国民党)
とシャイプナー(自由党)の話し合いの期日ではまだ合意に達して
いない。




10月2日(木)

     国外ニュース

イラク いまだ大量殺戮兵器見つからず

イラクの米国査察団は、団長デイヴィッド ケイによれば、今まで
に大量殺戮兵器を全く発見していない。イラクが化学兵器と生物兵
器の製造を計画していたことを示す「かなりの証拠」はある、と彼
はワシントンで語った。一方イラク北部の都市キルクークでは、2
件の自殺攻撃があり、犯人2人が死亡した。彼らは米兵が訪れたク
リーニング店の前で爆死した、とイラクの民間防衛隊の代表が通信
社に語った。米兵の側には犠牲はなかった。

     国内ニュース

エリンガー「国民党と緑の党の連立は連邦政治に影響を与える」

「オーバーエスターライヒ州で、国民党と緑の党が連立政権を作る
ことで合意するとすれば、連邦政府の連立の内部の一貫性に影響を
与えずにはいられない」と緑の党議員団長代理カール エリンガー
は新聞で語った。一方彼は十分現実主義的なので、自由党がまとま
っていることは認識しているので、自由党が政権の座をあきらめる
ためには、いくつかの出来事が起きなければならない、とも述べ
た。




10月3日(金)

     国外ニュース

アナン イラクで「実施できない」国連の委託を拒否

国連事務総長コフィ アナンは米国政府が提案した国連のイラクに
関する委託を、「実行不可能」として拒否した、と国連高官は述べ
ている。この国連高官は、米国によるイラク新決議案に対するアナ
ンの考え方を昨日ニュー ヨークの記者会見で発表したが、匿名が
条件であった。それによればアナンは、イラクの指揮権はただ一人
の人物が行使することができる、つまり米国の文民行政官ポール 
ブレマーか国連の代表である自分のいずれかである、という立場で
ある。ロシアとフランスもこの新提案を批判した。

     国内ニュース

鉄道役員会 政府案に激しい批判

オーストリア連邦鉄道の役員会は反撃にでて、政府による鉄道改革
案に大規模な攻撃を行なう。監査役会に宛てた書簡の中で同鉄道の
役員会は、計画されている組織の改革は一部は実行不可能であり、
同鉄道の財政状況は長期的には解決されない、と批判した。役員会
の文書では、財政政策は中期的なものでしかなく、オーストリア連
邦鉄道の負担になるように定められており、将来の鉄道の人事管理
に関する政府案は、主として「実際には実施されず、ほとんど制御
の効かないような状態」を産み出す、と述べられている。




10月4日(土)

     国外ニュース

イスラエルのヘリ ガザ地区でミサイルを発射

イスラエルの戦闘用ヘリコプターは日曜早朝、ガザ市の岸辺近くの
小さな家に対して、2発のミサイルを発射した、と目撃者は伝え
た。この家は、ガザ地区にあるパレスチナ大統領ヤセル アラファ
トの事務所の近くにある。ただし彼はこの事務所をこの2年間訪れ
ていない。情報によれば、爆発の爆風で窓ガラスが割れた際に、数
人が軽傷を負った。しばらく後にミサイル3発がガザ地区のブライ
ジにある難民収容所に向けて発射された。

     国内ニュース

動物保護法をめぐる議論

動物保護法は、一年前の選挙戦の大きな争点の一つであった。首相
ウォルフガング シュッセル(国民党)は国民評議会選挙前に、連
邦全体の動物保護新法を制定すると約束した。今日にいたるまで、
約束した改革アンは提案されていないが、詳細が始めて漏れ伝わっ
てきて、野党および動物保護関係者はこの計画に対する要求を出し
ている。彼らは現在の規定が改悪されることを恐れている。



10月5日(日)

     国外ニュース

国連安保理 イスラエルによる空爆を審議

国連安全保障理事会は昨日、イスラエルがシリア国内の目標を攻撃
した件で、特別会議を開いた。この緊急会議は、現在国連安保理に
属する唯一のアラブ系国家であるシリアが提案したものである。シ
リアの国連大使ファイサル メクダッドは会議前に、同国はイスラ
エルの空爆を非難する決議を求め、イスラエルに対し「はかり知れ
ない結果」をもたらし、この地域の和平を危険にさらしかねないよ
うな行動を取らないように求めた。イスラエルはこの緊急会議で、
シリアは国際テロ組織を支援していると非難し、必要な措置であっ
た、と述べた。

     国内ニュース

鉄道労組 争議を開始

オーストリア連邦鉄道では今日から、鉄道改革の政府案に対し「第
1回の争議活動」を開始する。労働組合は、47,000人以上の鉄同
職員に対し、超過勤務を拒否し、「規則に従った勤務」だけを行な
うよう呼びかけた。当面この措置は貨物輸送に限られる。今月末ま
でに十分な効果があげられなければ、乗客の輸送でもおこなう。ま
た同労組は最終的にはストライキも辞さない。交通大臣フーバート
 ゴルバッハは、この抗議活動に対して法的な措置を取ることを検
討している。



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