10月27日〜11月2日のオーストリアのニュース



10月27日(月)

     国外ニュース

米国 ロシアの石油富豪の逮捕を批判

米国はロシアの石油富豪ミハイル ホドロフスキーの逮捕を批判し
た。彼の逮捕によって投資の気運が削がれる、と米国外務省公報リ
チャード バウチャーは昨日ワシントンで述べた。ホドロフスキー
の逮捕は、ロシアが法治国家であるかどうか疑問を引き起こしてお
り、ロシアの法律が「選択的に適用」されているのではないかとの
問題が起きている。ホドロフスキーは、ロシアに自由主義基づく運
動を組織すると予告していた。石油会社ユコスの社長にしてロシア
最高の富豪である彼は、ロシア政府との数ヶ月にわたる対立を経
て、週末に大規模な詐欺容疑で訴えられていた。彼と彼の顧問は、
ロシアから10億ドル以上をだまし取っていた、とされている。ロ
シアの報道機関の一部は、この裁判は政治的な意図がある、と明確
に批判している。ホドロフスキーは、2006年の大統領選挙で大統
領ウラジミール プーチンの唯一の対抗馬と見られている。

     国内ニュース

税制改革 グラサー フィンツと異なる態度

大蔵大臣カール・ハインツ グラサーは月曜のテレヴィ番組で、大
蔵政務次官アルフレート フィンツ(国民党)が最近行なった税制
改革に対する発言と、異なる意見を述べた。「我々にとって減税は
極めて重要で、優先度は高い。我々は徐々にこれに関する話しあい
を続けているが、まだ計画全体が呈示されてはいな意」と述べた。
フィンツはこれに先立ち、2005年初めに予定されている税制改革
は準備がほぼ整った、計画が提案され、十分な話し合いの材料があ
る、と述べていた。フィンツは、この改革では、税制を「賃金に対
する課税から離れて財産に対する課税へ」と向ける方針である。




10月28日(火)

     国外ニュース

ブッシュ「我々はイラクを恐れない」

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、攻撃が相次いでもイラクの再
建を進める、との決意を強調した。「無実の一般市民に対する捨て
ばちの攻撃を我々は恐れない」と火曜日ワシントンで突然行なわれ
た記者会見で述べた。その中で彼は、米国および同盟国のイラクお
よびアフガニスタンでの目標は「明確」で、両国は人間が自由に暮
らすことができるような、安定した独立国へと発展するのを助ける
ことだ、と述べた。またブッシュは、イラクはまだ危険な地域では
あるが、日々事態は改善されている、と述べた。イラクでの攻撃の
糸を引くのは、旧体制の支持者あるいは国外のテロリストであろ
う、と推測した。また彼はシリアとイランに、この地域からイラク
へテロリストが入り込むことがないように、と警告した。

     国内ニュース

環境評点会議 合意にいたらず終了

オーストリア、ドイツ、オランダ、イタリア4カ国の交通大臣が、
火曜日アムステルダムで会談を行ない、国境通過条約の延長につい
て話し合ったが、意見の一致を見ることなく終わった。しかし今回
の会談は、先週ヴェローナで行なわれた会談よりも、会談の雰囲気
ははっきりよくなった、とアムステルダムでの会談後発表された。
この会談ではいくつかの可能性が取り上げられた。話し合いはさら
に進んで、ブリュッセルのEU大使が乗り出す番である、各国が努
力して11月25日の仲裁措置の期限が切れるまでに、意見の一致を
みたい、とも発表された。




10月29日(水)

     国外ニュース

英国野党党首スミス 解任

英国の保守党は、党首ダンカン スミスを解任した。保守党所属の
議員の過半数が昨日、信任投票で彼の解任に賛成票を投じた。議員
165人のうち90人がダンカン スミスの留任に反対、75人が賛成
であった。これにより、マーガレット サッチャーとジョン メイ
ジャーのもとで18年間に渡って政権の座にあった同党は6年間で3
度目の新執行部人事を模索することになった。メイジャーは1997
年に辞任し、彼の後継者ウィリアム ヘイグも2001年に退いた。
2人はトニー ブレア(労働党)により、政権の座から追い落とさ
れた。ダンカン スミスの後継者としては、元内務大臣マイケル 
ハワードが有力視されている。

     国内ニュース

国民党非公開会議 終了

サルツカンマーグートのサンクト ウォルフガングで開かれてい
た、国民党の国会議員による非公開会議は木曜日に終了する。国会
議員団長ウィルヘルム モルテラーと党首で連邦首相のウォルフガ
ング シュッセルの演説が予定されている。初日には、第3次包括
的景気対策の発表と安全および教育分野での行動計画が取り上げら
れた。自由党との景気対策の調整では、研究促進をさらに進めるこ
とが挙げられている。




10月30日(木)

     国外ニュース

シャローン クレイアとの会談をいつでも行なう用意あり

イスラエル首相アリエル シャローンは、パレスチナ首相アーメド
 クレイアとの交渉を行なう準備がある、と述べた。「我々には常
に話しあいを行なう準備がある」と彼はテル アヴィヴで開かれた
経済会議で木曜午後述べた。イスラエルは今まで、クレイアと交渉
を行なう気はない、彼はあまりに大統領ヤセル アラファトと立場
が近すぎる、と示唆していた。「我々が首相級会談を行なわないの
は、次期パレスチナ首相が安定するように、時間的猶予をパレスチ
ナ側が求めていたからである」と述べた。クレイアは暫定政権の首
相で、来週火曜日にその任期が切れる。彼は、アラファトを含めて
大規模な抵抗を受けたため、組閣をめぐって自分の意向を押し通す
ことができなかった。クレイアが11月4日以降も首相職に留まるか
どうかは疑問である、と見られている。

     国内ニュース

グーセンバオアー 税率をヨーロッパ平均並みにするのに賛成

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは税率をヨーロッ
パの平均にあわせることに賛成だ、と新聞で述べていた。これは所
得税を下げ、財産税を増税する、ということである。一方与党の国
民党と自由党の方針について彼は、「政府はヨーロッパの税制と一
致させることについて実現性のないことを言いつづけるのではな
く、変更の必要がある場合には行動を起こすべきである。誰もそれ
を押し止めることはできない」と述べた。




10月31日(金)

     国外ニュース

シャローンとクレイアの会談がまもなく可能になるとの報道

イスラエル首相アリエル シャローンは近々、パレスチナ首相アー
メド クレイアと会う、と報道されている。11月に行われるパレ
スチナ内閣の拡大組閣の直後にも会談が行われる可能性がある、と
イスラエルのテレヴィ局が金曜日に発表していた。シャローンはこ
の機会を利用して、パレスチナ住民の生活が楽になるような措置を
検討する可能性がある、とも報じられたが、シャローンの事務所は
この報道を認めようとはしなかった。クレイアは現在緊急内閣を率
いている。11月上旬に彼は議会に、拡大内閣人事を提案する。3週
間前には、クレイアは辞任の方針であったが、その後アラファトが
設置した緊急内閣を25日間率いることに同意した。アラファトと
の対立の原因は、パレスチナ治安部隊の指揮権をめぐってであっ
た。

     国内ニュース

ティロール州 国境通過問題で抵抗を続ける方針

国境通過問題での敗北に対するオーストリアの政治家の反応に対し
て、疑問の目を向ける人がいる。ティロール州首相ヘルウィヒ フ
ァン シュター(国民党)はヨーロッパ人権裁判所への提訴を行な
う方針である。その他彼は、医師による署名運動に対してさらに期
待を寄せている。オーストリアが2004年から「なだれのような国
境通過の車」の波に巻き込まれることを疑う人はほとんどいない。
政治的な選択を行なう余地はほとんどないように思われる。




11月1日(土)

     国外ニュース

イスラエル 数万人がラビンの追悼

厳重な警備体制の下で、数万人が8年前にテル アヴィヴで暗殺さ
れたイスラエル首相イツハク ラビンの追悼を行なった。人々は昨
夜ラビン広場に集まった。この広場で1995年11月4日に当時の首
相でノーベル平和賞受賞者であったラビンはユダヤ人の右派的な学
生に射殺された。イスラエル人とパレスチナ人に対する当てこすり
として、多くのでも参加者たちは「ジュネーヴ提案は新たな和平の
希望である」との言葉を書いた紙を掲げていた。他の横断幕には、
イスラエル軍はパレスチナ人居住区から撤退するよう求めたものも
あった。警官約1,500人がこの集会を警護した。

     国内ニュース

トライスキルヒェン収容所 今後は難民を収容せず

トライスキルヒェンでは、金曜日午後からこれ以上の難民を収容す
ることができない。内務省がこの情報を認めた。同市長フリッツ 
クノッツァーによれば、現在約2千人の難民が収容されている。こ
れは過去数年膨らんでいた紛争である。同市議会が2003年8月に
下した決定が、当面野山場であった。このとき同収容所の閉鎖が要
請された。現在この収容所はあふれかえっており、これ以上難民を
受け入れることができない。クノッツァーは収容の限界に来てい
る、と述べた。内務省筋では、おそらくそれほどでもないと見てい
る。ただし関係者は空いたベットは一つもないことを認めている
が、他の収容所も同じである、とのことである。




11月2日(日)

     国外ニュース

オイロ使用国の蔵相 フランスの予算の赤字を審議

オイロ使用地位域の大蔵大臣が月曜午後ブリュッセルに集まり、フ
ランスがオイロ安定法案に違反する問題について審議を行なう。会
議の前には、各国蔵相がEU委員会の意見に従うかどうか。そして
オイロの歴史の中で初めてある国の国家財政政策に直接介入するか
どうか、はっきりしていなかった。特にオーストリアとオランダは
厳しい態度を取っていたが、フランス政府は制裁あるいは処罰を避
けたい意向である。EU筋の推定では、各国の蔵相は、11月下旬に
行われる次回の会合まで決定を先送りにする可能性もある。フラン
スは来年、ドイツと同様、国家財政の赤字を国内総生産の3%以下
におさえなければならないという法律の安定化の規定に、3年続け
て違反することになる。

     国内ニュース

ハイダー 国境通過問題でEU拡大に反対すると警告

ケルンテン州首相イエルク ハイダー(自由党)はEUとオースト
リアの間で起きている国境通過に関する対立について、ブリュッセ
ルに対してはっきりした警告を行なった。彼は昨日通信社に対し
て、オーストリアおよびオーストリア国会はまだEU拡大を認めた
わけではない、ということを指摘した。彼は、EUはこの問題は解
決済みだと思わないほうがよい、と警告した。彼によれば、オース
トリアはトラックの国境通過問題では、EUの命令で、「基本的な
生活の利益」を失う事態になっている。今後も増加し続けるEUの
大型車のほかに、東欧およびEU新規加盟国からのトラックの通行
が増えることで、オーストリアの環境が危険にさらされる、とも述
べた。「オーストリアはスイスを除けば、輸送が原因で生じる障害
を受ける唯一の国」であり、EUは来週の交渉で「オーストリアと
議会でEU拡大に反対する事態になる代わりに」、譲歩を行なうこ
とを真剣に検討すべきだ、と述べた。



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