11月3日〜11月9日のオーストリアのニュース



11月3日(月)

     国外ニュース

バグダッド中心部で擲弾筒使用される

バグダッド中心部は月曜夜、激しい爆発に揺れた。ティグリス川東
岸にあるホテルパレスティーネに板記者たちは、現地時間の21時
10分に、向かい岸で短い間隔で5回の爆発音がするのを聞いた。米
軍公報は、町の中心部では3ないし4発の擲弾筒が爆発した、と述
べたが、はっきりした状況や、犠牲者がいるのかどうかについては
情報を明らかにしなかった。彼は、バグダッドにある米国の文民行
政府の事務所の近くで、擲弾筒が爆発したことを認めたが、建物に
被害があったかどうかはまだわからない、と述べた。シーア派の住
む町ケルベラでも爆発がおこり、目撃者の話では、3人が死亡、12
人が負傷した。これは駐車中の車の中で爆発があったもので、犠牲
者には通行人も含まれていた、とシーア派の聖職者アブ ジャファ
ル エル アサディが発表した。

     国内ニュース

オーバーエスターライヒ州 亡命法を憲法裁判所に訴える

オーバーエスターライヒ州は、新亡命法を憲法裁判所に持ち出す予
定である。州政府は月曜午後、全員一致で改正された亡命法の取り
消しを憲法裁判所に求める決定を下した。内務大臣エルンスト シ
ュトラサーは週末に、「収容施設を提供する可能性がないのであれ
ば、亡命希望者を受け入れることもできない」との意見を述べてい
た。一方カリタス会長のフランツ キューベルルは、このシュトラ
サーの任務は、州と地方自治体との申し合わせて、亡命希望者に十
分な世話をする場所を作ることである、と述べた。




11月4日(火)

     国外ニュース

EU 新規加盟国ではあまりに多くの汚職が行なわれていると批判

EU拡大が間近に迫っているが、多くの新規加盟国はこのところ、
必要な改革を実施するための時間も残り少なくなっている。2004
年5月1日には10カ国が、EU加盟することになっているが、多くの
国ではまだいくつか時間的な後れを取り戻さなければならない。ほ
とんどすべての新規加盟国は、汚職との戦いでいくつかの課題を解
決しなければならない。最新のEU発展報告書によれば、一番手が
かかるのはポーランドである、とのことである。

     国内ニュース

国境通過問題で各党党首 共同の方針を模索

政府と野党は水曜日、国境通過問題に関して共同の方針をとるべく
話し合う。政府の首脳、連邦首相ウォルフガング シュッセル(国
民党)と副首相フーバート ゴルバッハ(自由党)は、野党社会民
主党党首のアルフレート グーセンバオアーと緑の党党首アレクサ
ンダー ファン デア ベレンとともに、首相府での会合を水曜日
に開くことに決めた。会談は午後遅く(17時)から始まるが、こ
れは各州首相の国境通過問題首脳会談の後である、と首相府と社会
民主党は通信社の質問に答えた。




11月5日(水)

     国外ニュース

EU内相会談 亡命権と国境防衛について審議

エルンスト シュトラサー(国民党)は明日ブリュッセルで開かれ
る法務大臣と内務大臣のEU評議会に出席する。参加するヨーロッ
パ各国の大臣は、亡命権とEUと外部の国境防衛について話し合う。
問題になっている安全が確保されている第3国の一覧の作成も、主
要な議題の一つである。シュトラサーは、権利を持っていない亡命
希望者の数が増加することを避けるために、安全が確保されている
出身国及び第3国を、ヨーロッパが共同で一覧表にする決定を迅速
に下すことに賛成している。内務省は通達の中で、オーストリア
は、移住希望者の数に関連して、EU内に亡命を希望する多数の人
を持っている、と述べた。

     国内ニュース

国境通過問題 包括的な合意に至らず

政府と野党の幹部は水曜日に話し合いを行なったが、国境通過問題
に関して立場を共有することはできなかった。連邦緑の党の代表ア
レクサンダー ファン デア ベレンによれば、連帯には至らず、
「有用な意見の交換」だけが行なわれた。社会民主党党首アルフレ
ート グーセンバオアーも、連帯という言葉を用いようとはしなか
った。この言葉は戦争用語である、「私たちは戦争を行なおうとし
てはいない」と述べた。政府、野党、州の共同の代表を、EUに派遣
するかどうかは、この話し合いでは議題にもならなかった。




11月6日(木)

     国外ニュース

米国約13万人の兵をイラクに動員

米国国防省は、来年始めに85,000人の兵士と約43.000人の米軍
の予備兵をイラクに派遣すべく、動員をかける方針である。国防大
臣ドナルド ラムズフェルドは昨日、この12万8千人は現在イラク
に派遣されている13万2千人と交代で活動を行なうことになる、と
発表した。これにより、予備役と州兵の多くが派遣されることにな
る、とも述べた。イラクの安全が確保された場合には、現在の4個
師団17旅団を、3個師団13旅団にまで削減する、とも語った。

     国内ニュース

裁判官 支出削減に反対

オーストリア全土の裁判官および検察官数百人が木曜日、裁判所で
抗議集会を行ない、司法に対する人件費の削減を劇的に変化させる
ための働きかけに関して、世間の注目を集めた。自由党所属の法務
大臣ディーター ベームドルファーは、仕事の量が爆発的に増加し
ていることはなく、多くの非難の声を甘受せざるをえない、と述べ
た。裁判官連盟会長のバルバラ ヘーリゲは、ベームドルファーは
数字を偽装している、と非難した。司法関係者の代表は、効率化対
策として55の提案を行なった。




11月7日(金)

     国外ニュース

ファタハ 新パレスチナ政府に合意

パレスチナ大統領ヤセル アラファトのファタハ組織の中央委員会
は、新政府をめぐる長期にわたる対立を解消して、合意した。金曜
日ラマラでアラファトの周囲の人物が、アラファトと首相アーメド
 クレイアの提案に基づき、妥協点が見いだされた、と述べた。そ
れによれば対立を招く原因になっていいた内務大臣には、アラファ
トの信任厚いハカム バラウィが就任する。バラウィは、既に緊急
政権で内務大臣を務めているが、一般市民の案件を担当する、との
ことである。安全確保の問題に関して、国民安全参事会がアラファ
トの指導の下担当し、それにはクレイアも参加する。クレイアが内
相に推していた将軍ナセル ユセフも、新内閣に属することになる
だろう、とファタハは発表した。

     国内ニュース

鉄道改革 会計検査院から激しい批判を受ける

採算の取れない路線に対する投資、実行できないような支出削減の
計算、企業のものとは思えないような組織体性、従業員の権利改革
によって生じるかなり高額の人事面での必要経費。会計検査院はそ
の態度表明の中で、計画中のオーストリア連邦鉄道改革にけちをつ
けた。総括として、会計検査院はこの改革によって特に一つのこと
が成し遂げられると見ている。それは「支出削減ではなく経費増
大」である。




11月8日(土)

     国外ニュース

バグダッドで榴弾爆発 戦闘機が爆音を響かせる

イラクの首都バグダッドの中心部で土曜日午後、爆発がおこった。
米軍公報の発表によれば、擲弾筒が米国行政府の南で発射された
が、米国行政府のある通行禁止区域の遥か北の方に落ちた。警察の
情報によれば、この爆発で怪我人は発生していない。米国行政府に
対する榴弾による攻撃で、今週の始めから米兵3人、イラク人通訳
1人が死亡した。またバグダッドでは夜になっても米軍の戦闘機の
騒音がずっと聞こえていた。これは米空軍が夜の間、バグダッドの
北160キロにある蜂起勢力の本拠地ティクリットを夜間爆撃してい
たためである。ティクリットでは金曜日に米軍のヘリコプターが墜
落し、これは反乱勢力によって撃墜されたものとみられている。米
兵6人がこの墜落で死亡していた。

     国内ニュース

シュトラサーの警察改革に不満爆発

労働組合と社会民主党は、制府幹部による改革が良いものになると
は期待していない。地方駐在連邦警察隊の警察への組み入れは、新
たな人員削減を生む可能性がある。内務大臣エルンスト シュトラ
サー(国民党)が計画しているこの合併は、現在の法律からみても
「きわめて困難」であるとしている。シュトラサーは彼の改革によ
って、「所属変更作戦第3号」を実施しており、彼の戦術は「卑怯
と混乱の間」で一定していない、と社会民主党は批判している。こ
れに対し国民党は、改革に対するこの批判は時期尚早である、と切
り返した。




11月9日(日)

     国外ニュース

イスラエル ヒスボラとの捕虜交換に賛成

イスラエル政府は、数ヶ月前からドイツの仲介の下で交渉を行なっ
てきた、レバノンにいるシーア派のヒスボラ民兵との捕虜交換に、
かろうじて過半数で賛成した。8時間に及ぶ激しい議論の末、12人
の閣僚は昨日捕虜交換に賛成したが、11人は反対であった。首相
アリエル シャローンは閣僚に対して、交換によってイスラエル国
民の命を救えることを理由に、賛成するように迫っていた。この交
換ではイスラエルに捉えられている百人のレバノン人に対して、レ
バノンに3年前から捕らえられている実業家1人と、イスラエル兵
数人の遺体が返還される。

     国内ニュース

鉄道問題 政府と労組が話し合いを再開

政府と労働組合は月曜日、オーストリア鉄道の改革について改めて
交渉を行なう。交通省で10時から副首相フーバート ゴルバッハ
(自由党)と交通政務次官ヘルムート クーカッカが、鉄道労働組
合会長ウィルヘルム ハーバーツェトルと会談する。ただし合意が
成立する可能性は低い。労働組合は法案の撤回を要求している。ゴ
ルバッハとクーカッカは昨日ようやく、改革は火曜日に閣議で決定
される、と強調した。噂には反して、今日は鉄道のストライキが行
われない。政府が明日閣議で実際に何を決定するかを待つ、と労働
組合は発表した。



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