12月15日〜12月21日のオーストリアのニュース



12月15日(月)

     国外ニュース

ベルルスコーニ EU議長国としての総括を提出

ブリュッセルで開かれ物別れに終わったEU首脳会談の後、イタリ
ア首相シルヴィオ ベルルスコーニは火曜日、欧州議会に半年間に
渡るEU議長国としての総括を提出する。その際保守派の政治家で
ある彼は、ストラスブールの同議会に、週末に行なわれたが合意に
達することができなかった最初のEU憲法の審議を行なった各国政
府代表による会議の成り行きについて報告する。外務大臣フランコ
 フラティニも議会で発言することになっている。この議会では引
き続き、イタリアの議長国としての働きの総括に関する議論が予定
されている。イタリアの議長国としての任期は12月31日である。
引き続きアイルランドが6カ月間、EUの中心的な決議機関である閣
僚理事会の舵取りを行なう。

     国内ニュース

フィンツ 年金の収支安定化は春まで延期

政府は、年末までに年金の体制の収支安定化策に決着をつけると約
束していたが、大蔵政務次官アルフレート フィンツ(国民党)は
昨日、この約束を守ることができないことを認めた。「我々は収支
安定化のための暫定的な案を春にはようやく提出できるだろう」と
新聞に述べた。一方自由党の社会福祉大臣ヘルバート ハオプト
は、政府と労使双方の円卓会議後の月曜午後、連邦首相ウォルフガ
ング シュッセル(国民党)が年末までにこの問題に関して取りま
とめようとしている案に対して、疑問がある、と述べた。




12月16日(火)

     国外ニュース

ブレア「イラクには秘密活動網がある証拠がある」

英国首相トニー ブレアによれば、イラクには秘密活動の大規模組
織が存在していることを示す「大きな証拠」があると述べた。この
組織は大量殺戮兵器の製造を行なう能力を持っている、とのことで
ある。火曜日ブレアは、大量殺戮兵器の捜査を行なっている米国が
指揮するイラク監視隊がその証拠を発見した、と述べた。数ヶ月前
にこの監視隊が提出した中間報告の一部にその情報が含まれてい
る、とのことである。一方、米国大統領府は、イラクの武器捜査に
関して新たな情報はない、と発表した。

     国内ニュース

減税の早期実施にシュッセルとグラサー反対

減税問題に関して、首相ウォルフガング シュッセル(国民党)
は、減税を2004年に繰り上げ実施することを求めている自由党に
対して再び反対し、再来年に減税の第2段階を実施する、と示唆し
た。彼は、1月末か2月初めまでに、会議を行ない、議論を行なう
ことに楽観的な姿勢である。一方大蔵大臣カール・ハインツ グラ
サーも、減税の早期実施には反対している。彼にとって連立政権を
築く際の協定が重要であって、それには、減税の第2段階は2005
年1月1日であると記されている、と閣議前に述べた。




12月17日(水)

     国外ニュース

EU 南ティロールの自治を問題に

南ティロール地方の少数派保護は、しばしば世界各国から模範と見
られているが、新聞報道によれば、EU委員会はこれを問題視して
いる、とのことである。EU委員会はいわゆるイタリアに対する条
約違反裁判を起こそうとしているが、それは南ティロールの自治の
状況に関連した裁判である。この問題を担当している域内市場調査
官フリッツ ボルケシュタインはこの報道を認めている。イタリア
語を話す人とドイツ語を話す人との間で激しい対立が、1972年に
自治が導入されて以来起きている。EUは、とくに人種を基準とし
た人材の登用や住宅の贈与が障害となっている、と見ている。

     国内ニュース

グラサー 国家の支出を凍結する方針

大蔵大臣カール・ハインツ グラサーは、法律を制定して、国家の
支出を凍結する方針である。これによれ彼は2005年の減税後、
24億オイロ規模の負担増をより容易に達成する意向である。こう
することによってようやく、目標としている課税率の40%が2010
年までに実現可能になる、とグラサーは新聞で述べた。「政治家の
本質とはなにか。お金を支出し、よいと思われることを行うことで
ある。介護年金、子女手当等、重要なことにより多くのお金を出す
のはきわめて簡単であるが、目指すところはさまざまであることを
念頭に置いておかなければならない。数十年前から最低限の支出で
やってこようとした連邦政府は、支出はどのようにして切り詰めら
れるかを語らなければならない」とも述べた。




12月18日(木)

     国外ニュース

シャローン パレスチナ人に一方的な措置を取ると威嚇

イスラエル首相アリエル シャローンは、パレスチナ人が国際和平
計画に定められた履行義務を実施に移さないのであれば、パレスチ
ナ人に対して改めて一方的な手段を取る、と威嚇した。「イスラエ
ルはいつまでも待ちつづけるつもりはない」とシャローンは木曜午
後テル アヴィヴ近郊のヘルツリアで行なわれた安全保障政策に関
する演説の中で述べた。彼は、国連、米国、EU、ロシアが作成した
国際和平計画の提案は、イスラエルにとって、唯一の実現可能な和
平計画である、と強調した。

     国内ニュース

グラサー 公務員採用中止を最終決定するよう要請

自由党から国民党政権の閣僚入りしている大蔵大臣カール・ハイン
ツ グラサーは、公務員の採用を全面的に中止するよう求めた。他
の閣僚とは異なって、グラサーは公務員の採用中止には例外を認め
ない方針である。「公務員採用中止は、幹部職員だけでなく、裁判
官を含めすべてを対象にするべきである」と新聞で述べた。私企業
にたいする法的命令によっても、上からの圧力から法律的に身を守
ることができる、との意見を彼は述べた。




12月19日(金)

     国外ニュース

アル カイダ 米国に新たな支部設置との報道

アラブ系テレヴィ局アル ジャジーラは昨日、ウサマ ビン ラデ
ィンの代理人であるアユマン エル ツァワヒリのものとされる声
を録音したテープを放送した。この録音による親書では、アル カ
イダの戦士は米国人とその同盟者を今後も追いつづける、たとえそ
れが米国国内であってもだ、と述べていた。「(アル カイダの兵
士と米軍が戦闘を行なった)トラ ボラから2年、イラクでは米国
による流血の惨事はより悪化しており、米国人はこれ以上自分を守
れる情勢にはない」とその声は述べている。

     国内ニュース

社民党 ハイダーの減税問題の交渉役からの解任を要求

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、連邦首相ウォ
ルフガング シュッセル(国民党)に、ケルンテン州首相イエルク
 ハイダー(自由党)を、税制改革問題の自由党の交渉役にするこ
とを拒否するよう求めた。グーセンバオアーはその理由として、ハ
イダーのイラクおよびイスラエルに対する発言をあげた。シュッセ
ルは、ハイダーの発言をはっきりした形で非難しなければならな
い、とも述べた。またグーセンバオアーは、シュッセルの法案によ
って年金の収支を均衡させる計画は、公務員労働組合議長ノイバオ
アーと協力して阻止する、とも述べた。




12月20日(土)

     国外ニュース

リビア 核、生物、化学兵器廃止を受け入れ

リビアは米国と英国の圧力を受け、大量殺戮兵器の開発を断念する
ことに賛成した。9カ月に渡って米国および英国政府と続けられて
きた外交交渉の末、リビア政府は、関連する兵器計画を断念する義
務を負った、と米国大統領ジョージ W. ブッシュは金曜午後緊急に
発表した。革命の指導者ムアマル カダフィは、「即時かつ無条件
に」国際査察団を受け入れる、と約束した。英国首相トニー ブレ
アはロンドンで、リビア政府は核、生物、化学兵器の開発計画から
「完全に撤退する」意志を固めている、と述べた。

     国内ニュース

大統領選挙 自由党は候補者を検討中

自由党党首業務代行で政務次官を務めるウルスラ ハオプナーは、
自由党は、次期連邦大統領選挙に独自候補を指名することを断念し
てはおらず、独自候補を立てることを検討している、と新聞のイン
タヴューに応えて述べた。彼女は、党の委員会が「来週共同で今後
の方針を決定する」予定である、とは述べたが誰が候補者になるの
か名前を挙げようとはしなかった。




12月21日(日)

     国外ニュース

米国 テロ警戒を強める

アル カイダの組織が、米国の目標地点を攻撃する計画を立ててい
ることを示す証拠があるため、米国政府はテロ警戒態勢を昨日、黄
色信号からオレンジ色に高めた。米国国内治安大臣トム リッジは
記者会見で、年末の祝日の期間中、攻撃を受ける可能性が高まって
いるため、この措置を発表する、と述べた。今まで米国政府のこの
指標は5段階のうち3段階目の「やや高い」であったが、それが2段
階目の「高い」に変えられた。最高度の赤信号であるが、これは
2002年3月に2001年9月11日の攻撃に対する反応として出され
た。

     国内ニュース

フェアツェトニッチュ 年金収支に関する国民投票を実施の意向

オーストリア労働組合連合会長フリッツ フェアツェトニッチュ
(社会民主党)は、年金制度の収支均衡は、国民投票に委ねられる
べきである、と述べた。「私はこの国民投票には意義があると思っ
ている。これをすることにより、この政治的解決に国民の信頼をよ
り集められるからだ」と新聞のインタヴューで述べた。もちろん彼
は早く決着をつける。「私の意見では、労働組合連合は案を持って
いるが、政府は解決策を持っていない」とも述べた。一方産業大臣
マルティン バルテンシュタインは、先週の時点ですでに、被雇用
者側つまり労働組合および労働会議側は決着を出し損ねた、との意
見を述べた。



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