１月１２日〜１月１９日のオーストリアのニュース
１月１２日（月）
国外ニュース
アメリカ首脳会談でブッシュに向かい風
米国大統領ジョージ W. ブッシュは月曜日、アメリカ首脳会談に出
席するため、北メキシコの工業都市モンテレーに到着した。そこで
彼を待ちうけていたのは、彼の提案に対する激しい抗議であった。
ブッシュはアメリカ大陸を自由貿易地帯に早期にすることと、腐敗
した政府を罰することを提案していた。キューバを除いて、南北ア
メリカ大陸すべての国の首脳が参加する2日間のこの会議が始まる
前、閣僚たちは最終宣言の完全な案を作成しようとしたが、それに
は失敗していた。
国内ニュース
グラウィシュニヒ 緑の党の大統領候補となるか決定せず
緑の党は連邦大統領選挙で候補を立てないとの決定を下したという
情報があったが、月曜午後、連邦緑の党の代表代理エーファ グラ
ウィシュニヒは、これに反対した。この決定はまだ下されておら
ず、「我々が来週までに意外なことを起こすことは十分あり得る」
と彼女はテレヴィ番組で述べた。彼女は、同党内部に立候補に関し
て疑念を持つ者が多いことを認めたが、国民党と社会民主党に続く
第三の勢力として緑の党が特徴を打ち出したいと考える、立候補に
賛成の考えもある、とも述べた。
１月１３日（火）
国外ニュース
イランの選挙をめぐる対立 ハタミは辞任で威嚇
イランの大統領モハメド ハタミは、選挙から数千人の改革派の候
補者が締め出されたことをめぐる対立で、自分自身とイランの改革
派の政治家全員の辞任をちらつかせて、事態の収拾を図っている。
辞任を避けるためには、保守派の勢力が、2月 20日の国会議員選挙
で改革派の候補者の締め出しを撤回することが必要である、とハタ
ミは通信社に対して述べた。「我々は皆全員でここを去るか、全員
がここに残るかである。我々は毅然としていなければならない」と
述べた。
国内ニュース
失業者 記録的な数字に
労働市場の状況は現在、さらに劇的に悪化している。失業率は
1952年に記録を取り始めて以来、既に最悪の、それも他の時期と
比較してではなく絶対的に悪い水準にある。2004年にはさらに失
業率は上昇する、との見込みである。経済研究所の専門家は、この
極めて厳しい情勢の原因は構造的な欠陥にある、と見ている。
１月１４日（水）
国外ニュース
ロンドンにテロの不安 容疑者逮捕
英国警察はロンドンのヒースロー空港で、スーダン出身の男を逮捕
した。この男は米国から荷物の中に弾薬を忍ばせて入国してきた。
この容疑者はワシントンからやってきており、さらにドゥバイへの
飛行機に乗り継ぐ途中で、安全確保のための監視所で逮捕された、
とスコットランド ヤードの広報が通信社に語った。
国内ニュース
野党 グラサーの社会保障基金案を非難
長い間待ち望まれていた大蔵大臣カール・ハインツ グラサーの社
会福祉基金についての説明が行われることで、彼の運営方針をめぐ
る議論がいったん中断するのではないか、との期待があった。実際
は逆であった。社会民主党と緑の党は再びグラサーに攻撃を開始し
た。緑の党は、グラサーの大臣としての職権で設立されたこの基金
への寄付金を公表することを求めた。また社会民主党は、「脱税の
隠れ蓑」になると述べている。
１月１５日（木）
国外ニュース
アルゼンチン
政府の情報によれば、アルゼンチン軍は、独裁時代(1976-1983)
が終了した後も長い間、拷問方法を教える学校を運営していた。コ
ルドバ州の兵舎での拷問の「恐るべき」写真がある、と昨日国防省
が発表した。この学校は少なくとも1986年から1994年に兵役義
務が廃止されるまで存在していた、と記者会見で声明を発表した。
ネストル キルチネルは、厳密な調査を行なうように命じた、との
ことである。
国内ニュース
ウィーン大学 学生に占拠される
木曜午後、約250人の学生がウィーン大学の学長室の一部と評議会
の会議室を占拠した。彼らは、組織改革に反対して抗議活動を行な
い、金曜日まで占拠を実施する方針であった。学生たちは木曜午
後、占拠を中止するような素振りを見せなかった。警察は学生との
交渉を行なったが、成果を挙げられなかった。学長ゲオルグ ウィ
ンクラーは広報を通じて、「暴力を継続した状態で」は交渉に応じ
ない、と発表した。
１月１６日（金）
国外ニュース
イラン国会議員 ハンガーストを予告
イラン国会で議員がストライキに入ってから6日たったが、改革派
の国会議員たちは、2月の選挙で改革派を排除する計画に対して、
抗議の声を強める、と予告した。彼らは土曜からハンガーストライ
キを開始する方針だ、と国会副議長モハメド レザ ハタミは国会
の建物の中で行なわれた記者会見で述べた。「我々には、自由選挙
を実施するためには、いかなる代償も支払う覚悟がある。自由選挙
が行われないのであれば、民主主義には意味がない」とハタミは述
べた。大統領モハメド ハタミの兄弟である彼は、保守派の評議会
が2月20日の選挙から排除した約3千人の候補者の一人である。国
会議員たちは、すべての候補者の立候補が認められるまで抗議活動
を終えない方針である。
国内ニュース
グーセンバオアー EU議員の賃上げに反対
EU議会の同議会議員の身分に関する決定に対する厳しい批判を、
社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーが行なった。彼は
新聞に対して、オーストリア選出のEU議会議員はほんの数日間で
1,200オイロの賃上げを得ることになるという点を「図々しい」と
述べた。彼は、国民のただでさえ薄い6月の欧州議会選挙に対する
関心をさらに削ぐ恐れがある、とも述べた。
１月１７日（土）
国外ニュース
イラク戦争開始以来 米兵の死者500人に
土曜日に米兵が爆弾で死亡して、イラクで命を落とした米国人の数
は5百人に上った。国防省の統計によれば、イラク戦争が開始して
から346人の米兵が「敵対的行為」によって死亡し、154人が他の
原因で死亡した、とのことである。
国内ニュース
当局 50人を潜在的なテロリストと判断
新聞の報道によれば、オーストリアにいる約50人のモスレムが潜
在的テロリストである、と見なされている。ウィーン、インスブル
ック、リンツ、グラーツにある200のモスクの内の一つで扇動の説
教をして注目を者も多く、スパイを思わせる偽装をしている者もい
る、と報じられている。彼らはアフガニスタンのテロ養成所で休暇
を過ごすことがあり、平凡なトラック運転手や、農業労働者である
が、秘密情報部やオーストリア当局の監視を継続的に受けている、
とも書かれている。
１月１８日（日）
国外ニュース
イラクの米国本部攻撃 死者25人以上
日曜の朝、イラクの首都バグダッドは、激しい攻撃に震撼した。自
殺攻撃犯が、米国本部の直前で自動車爆弾を破裂させた。これによ
り、少なくとも25人が殺害された。バグダッドの警察長官は、犠
牲者は35人に上る、と発表した。米兵2人も死亡した。爆発は、戦
場になったかと思うほど激しかった。またイラク中心部のシーア派
の聖地ケルベラでも爆弾攻撃が日曜午後にあり、13人が負傷し
た。病院の職員の情報では、1人が重傷で、爆発は墓所の近くで起
きた、とのことである。
国内ニュース
鉄道 就業法交渉開始
オーストリア連邦鉄道は月曜から、新就業法に関する交渉を開始す
る。4月末までにこの法律は成立させることになっている。同鉄道
最高経営責任者リュディガー フォルム ワルデは、能力優先の賃
金の支払いと柔軟な労働時間勘定の導入を行なうとしている。労働
組合は、鉄道職員にはおそらく次のようなことが起きると見てい
る。自動賃上げの削減ｍ労働時間と休暇の規定を一般企業並みにす
ること、解雇の際の労働組合の発言権が廃止、病気になった際の補
償金の支払いを以前からある疾病給付金に置き換えることである。
中期的にオーストリア鉄道はこれによって約1億オイロの支出削減
をする方針である。
１月１９日（月）
国外ニュース
米国民主党 大統領候補選挙第1回投票
米国の大統領選挙戦は重大な曲面に入った。民主党は、同党の候補
者を任命するために、アイオワで党内部の予備選を開始した。民主
党員の多くは、2000年に裁判所が下した敗北の決定を今なお、心
の傷として抱えている。現在のところ安泰と見られている共和党の
ジョージ W. ブッシュの対立候補となるのは、変わり者のハワード
ディーン、元NATO将軍ウェズレイ クラーク、あるいは他の6
人の候補のうち誰か？アイオワでは第1回の予備選が行われる。最
初の結果は今日朝6時ごろ（中部ヨーロッパ時間）出るものと見ら
れている。
国内ニュース
子女手当の調査中止を国民党は知らされていなかったか？
社会福祉大臣ヘルバート ハオプト（自由党）は子女手当に関して
指示を出し、受けとりすぎている人の調査と返還要求が中止され
る、と定めた。しかし国民党は、既に12月中旬に出されたこの指
示について何も知らなかった、と新聞が報道している。国民党の大
蔵省政務次官のアルフレート フィンツは、この問題を明日の閣議
で議題に出す方針だ、とのことである。「これは関係者にとって法
的安全性に関する問題である。ここで行われていることは、狂気の
沙汰である」と労働会議の専門家イングリッド モーリッツは批判
した。