2月23日〜2月29日のオーストリアのニュース



2月23日(月)

     国外ニュース

スロヴァキア ロマの略奪をめぐって動揺

スロヴァキアの主要政治家は、少数民族ロマによる略奪をめぐって
動揺している。これは直接には、社会福祉の大幅な切り下げに対す
る抗議として、スロヴァキア東部および中部にある多くの商店が、
略奪を受けたものである。大統領ルドルフ シュスターは昨日、内
務大臣ウラジミール パルコ(キリスト教民主運動)と労働・社会
福祉大臣ルドヴィット カニック(民主党)がこれをめぐって会議
を行なった。産業大臣パヴォル ルスコ(新市民同盟)は日曜日
に、政府はこの問題に対処する、と予告していた。

     国内ニュース

社民党 「年金泥棒」に対する国民発議

社会民主党は、年金問題で圧力を強める。3月に行われる年金に関
する国民発議の内容が昨日公表された。この発議で、年金改革の影
響荷より強い関心を巻き起こしたい、と広報クノルは述べた。同党
主グーセンバオアーは、この発議は、国民党と自由党の連立政権と
その「非社会的な改革」に対する自己防衛である、と考えている。
どれぐらい多くの署名が集まるかという問題について、社会民主党
は明確な見解を述べていない。




2月24日(火)

     国外ニュース

プーチン 内閣解任

モスクワでは全く急に内閣改造が行われる。ロシア大統領プーチン
は昨日首相カシヤノフとその内閣を即時解任した。その理由をプー
チンは、3月中旬の大統領選挙後の方針転換のためである、として
いる。カシヤノフは、最近プーチンの批判の態度を取っていた。反
プーチン陣営は、カシヤノフ解任に、今のところはっきりしないな
がら、大統領の政治的なかけひきがあると推測している。

     国内ニュース

国民評議会 年金追加支払い措置

国民評議会は水曜日、年金の目減りの実際額を穴埋めする措置を承
認した。具体的には、退職後の年金780オイロの受給までは、年間
の年金の0.6%の一時金の支払いをする。約53万人がこの措置で利
益を受ける。連立与党は、年金の増額が行なわれたものの、健康保
険の払込金が値上がりしたため、目減りが生じたことが明らかにな
った後、この措置を行なうことで合意していた。




2月25日(水)

     国外ニュース

仏 アリスティッドにハイチの混乱の責任あり

フランス政府は、ハイチ大統領ジャン・ベルトラン アリスティッ
ドに、同国の混乱状態の責任がある、とした。彼は内戦の責任を取
らねばならない、ハイチの歴史の中で新たな1章を開く時期であ
る、との声明を腐乱す政府は出した。これに先立ちハイチを以前植
民地にしていたフランスは、ハイチの情勢を安定させ、大統領選挙
が行なえるようにするために、5項目の計画を提案した。反政府勢
力は諸外国による和平計画は、アリスティッドの辞任を含んでいな
いため、これを拒否していた。彼らは、大統領は汚職を行なってお
り、反対派を脅迫している、と非難した。一方アリスティッドの娘
たちはハイチを出国し、米国に向かった。またブッシュは、ハイチ
からの難民の米国入国を認めない、と述べた。

     国内ニュース

灰の水曜日 ハイダーはシュレーダーを攻撃

灰の水曜日にトライバッハ・アルトホーフェンで開かれた自由党の
会議で、イエルク ハイダーはいつものように荒っぽい決まり文句
を述べた。ケルンテン州首相である彼の攻撃播種として、社会民主
党、EU、そして特にドイツ連邦首相ゲアハルト シュレーダー
(ドイツ社会民主党)に向けられていた。同州自由党党首マルティ
ン シュトルッツは国民党を攻撃し、3月7日に自由党に票を入れ
「赤いケルンテン州成立を阻止する」ようにとの提案を「一般市民
層」に提案した。




2月26日(木)

     国外ニュース

米将軍「サッダーム フセインの健康状態は良好」

米国が身柄を押さえているイラクの元権力者サッダーム フセイン
の健康状態はよい、と軍は発表した。「健康状態はよく、不調はな
い」と米陸軍指揮官リカルド サンチェスは昨日バグダッドで発表
した。サッダーム フセインの滞在場所や、尋問の成果に関するよ
り詳しい情報を彼は明らかにしようとせず、いつ裁判の手続きがと
られて、サッダーム フセインがイラクの裁判所に引き渡されるの
かはわからない、とだけ述べた。土曜日には国際赤十字委員会の代
表団が、捕虜になっているサッダーム フセインを訪れ、彼の健康
状態を調査していた。ただしこの結果は公表されていない。

     国内ニュース

国民評議会 刑事訴訟法改革を決議

昨日国民評議会は、与党の賛成で刑事訴訟法の改革を決定した。こ
の法律は、控訴の提起までの準備手続きを新たに規定している。被
疑者は今後は初めての尋問を受ける時点から、弁護士の助言を求め
ることができる。捜査の主任はこれからは予審判事ではなく、検事
である。裁判官は多くの裁判で、権利保護だけを担当することにな
る。弁護士同盟はこの変更について激しく抗議していた。社会民主
党はこの新法を憲法裁判所に持ち込む方針である。




2月27日(金)

     国外ニュース

シュワルツェネッガー 同性愛者の結婚を中止の方針

カリフォルニア州法務大臣は、同州知事アーノルド シュワルツェ
ネッガーの委託を受け、問題になっている同性愛者どうしの結婚を
法廷に持ち出した。ラジオ局の報道によれば、ビル ロカイアー
は、同州の最高裁判所に、同性による結婚の即時停止を提案した。
一方サン フランシスコでは、同性愛者の結婚を今後も認めること
が決定された。市長ギャヴィン ニューソムが2月12日に、同性愛
者の結婚を認めて以来、3,400組を越える同性の夫婦が成立してい
る。女性も芸能人ロージー オドネルが長年に付き合っていた女性
と木曜日に結婚した。西海岸ニュー ヨーク州のニュー プラッツ
市市長はカリフォルニアに倣って、同性愛者の結婚を認めた。保守
的な3つの組織がサン フランシスコの裁判所に即時同棲結婚の中
止を求める裁判を起こしたが、認められなかった。

     国内ニュース

国民党自由党の第二期連立政権成立から1年

昨日第二期シュッセル政権は、成立1周年をこれ見よがしの明るい
調子で祝った。世論調査が低い支持であっても、国民党と自由党の
連立はお祝いを地味なものにする気はなかった。政府は、報道機関
を通じて過去365日が成功した一年であったと印象づけるために、
このお祝いを利用した。年金の収支均衡策など実際には対立が生じ
ている問題には触れられなかった。ただし、年金の収支均衡問題で
は、衝突が起きているのは明らかであった。




2月28日(土)

     国外ニュース

国民の声を聞く重要な場 ハンブルク選挙

ドイツ北部の港町ハンブルクで日曜日、120万人を越える有権者が
市議会(市政府)の選挙に臨む。最新の世論調査によれば、キリス
ト教民主同盟の候補と社会民主党と緑の党の候補が最後の激しい選
挙戦を行なっており、市長オーレ フォン ボイスト率いるキリス
ト教民主同盟は、社会民主党の候補を引き離し、市議会で絶対多数
を獲得する可能性がある。今回の選挙は今年初めての有権者の意志
表示である。また首相の政党社会民主党の幹部が交替してから数週
間後の選挙である。社会民主党は筆頭候補としてトーマス ミロフ
をたてているが、約30%の記録的に低い支持しか集められないおそ
れがある。緑の党と連立した場合には、かろうじて連立政権を得ら
れるかもしれない。自由民主党と元内務大臣ローナルト シル率い
るシル党は、再び州議会に議員を贈る可能性が高い。シル党では摩
擦が続いているなか、フォン ボイストが12月に中道右派連立政権
を解消したために、今回の選挙は行なわれている。

     国内ニュース

ケルンテン州とザルツブルク州選挙 まもなく実施

ケルンテン州とザルツブルク州の州選挙は、極めて緊張する中、ま
もなく実施される。両州では政権の変化が行われる可能性があり、
また連邦政治にも影響を与える可能性もある。両州での選挙戦は最
後まで、候補者の与える印象に合わせて行なわれていた。挑む側は
ケルンテン州社会民主党党首アンブロズィとザルツブルク州同州党
首ブルクシュタラーである。社会民主党に政権が移る可能性は十分
ある。しかしケルンテン州首相ハイダー(自由党)とザルツブルク
州首相シャオスベルガー(国民党)は勝利を確信しており、彼らの
印象を前面に打ち出す選挙戦に自信を持っている。




2月29日(日)

     国外ニュース

ドイツの高速道路のトラック通行料 トル コレクト社と合意

ドイツ連邦政府は、人工衛星を用いたトラックの高速道路通行料の
徴収制度の開始に関して、問題となっている企業トル コレクト社
を見捨てることはしない、と連邦首相ゲアハルト シュレーダーは
昨日午後ベルリンで述べた。これまで両者は中心となっている賠償
義務に関する規定問題について検討していた。妥協案によれば、
2005年1月1日から第一段階、その1年後に最終的な態勢に入るこ
とになっている。

     国内ニュース

年金収支均衡問題 フェアツェトニッチュ条件をつける

オーストリア労働組合連合会長フリッツ フェアツェトニッチュ
(社会民主党)は、すべての人に適用される年金制度の創設を計画
するために、政府と労使双方が今後の話し合いを行なう条件をあげ
た。新聞のインタヴューで彼は、重労働についている労働者のため
に特別の規定をもうけることが必要だ、これにより60歳で例外なく
年金生活に入ることができるようにしなければならない、と述べ
た。彼は重労働を行なう人のための規定が呈示されていないのは残
念だ、と述べた。話し合いは明日連邦首相府で行われる。



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