３月２２日〜３月２８日のオーストリアのニュース
３月２２日（月）
国外ニュース
EU加盟各国外相 反テロ案で合意
EU内務大臣会議で合意していた、テロとの戦いでより協力を強め
ていくことに関する提案は、今週末にブリュッセルで開かれるEU
首脳会談で承認されることになっている。EU各国の外務大臣は、
首脳会談の準備を月曜日から行なっているが、その席上でこの提案
に賛成した。それによれば、EU各国の警察および情報機関の間で
情報交換をよりすすめていくために努力することになっている。そ
のためにEUには調整官を設置することになっている。これは、3月
11日のマドリードのテロ攻撃に対する対応である。また独、英、
仏がEU介入部隊に即時投入可能な戦力を創設しようとしているこ
とに対して、外相たちは肯定的な評価をしている。これによりEU
内部での軍事的協力関係が促進されることになっている。6月に開
かれるEU首脳会談では、このための刑各すべてが決定されること
になっている。またコソヴォでの流血の事態がこれ以上激化しない
ように、と警告する宣言文書を発表した。すべての責任者、なかで
も多数派のアルバニア人側は暴力と威嚇を辞めなければならない、
との内容である。また月曜日マケドニア政府は正式に同国のEU加
盟に関する動議を提出した。
国内ニュース
年金改革委員長 基準日に関する提案に賛成
年金改革委員会の委員長テオドール トーマンドルは、基準日に関
する提案をめぐり年金の収支安定化のための議論を、自由党および
オーストリア労働組合連合の要請通り、開始する。彼は、支出削減
につながる別の形の基準日を選ぶことに賛成であり、人口構成が変
わってうまく機能しなくなった場合には、追加措置を取らなければ
ならない、と彼は新聞に述べた。「そしてそのために、私たちは若
い国民の負担軽減を行なう」とも述べた。
３月２３日（火）
国外ニュース
マドリードのテロの犠牲者の追悼式に国賓が参加
マドリードで起きた攻撃の犠牲者の葬儀は、マドリード大司教が、
大聖堂で大規模に水曜日夜に執り行われる。この葬儀には多くの国
の首脳が参加する。その中にはドイツ首相ゲアハルト シュレーダ
ー、フランス大統領ジャック シラク、英国首相トニー ブレアも
含まれている。米国からは外務大臣コリン パウエルが、EUから
は現在評議会議長を務めるバーティ アハーンが出席する。スペイ
ンを代表して王族の他に、退陣が決まっている首相ホセ マリア
アスナールと次期首相ホセ ルイス ロドリゲス サパテロが出席
する。
国内ニュース
国民議会 EU拡大の移行期間を決定
国民議会は水曜日、EU拡大の移行期間を7年とする決定を下す。こ
の他の議案は、難民に対する基本的な扶助に関する合意15条aおよ
び保険金の補助金の返還を放棄する措置について決定が下される。
会議の冒頭では時事問題が取り上げられる。社会民主党は年金問題
を取り上げる。その他におそらく緊急動議が提案される。今回もっ
とも関心を呼ぶのは、EU拡大に関する法案である。新規加盟国の
住民が労働市場に参加するために、7年間の移行期間が設定されて
いる。ただしキプロスとマルタはそれから除外されているが、緑の
党はこれに反対している。社会民主党も委員会ではこの提案には賛
成しなかった。
３月２４日（水）
国外ニュース
EU首脳会談 反テロの戦いと憲法案を審議
マドリードの爆弾攻撃から2週間、テロとの戦いが明日午後からブ
リュッセルで始まる春のEU首脳会談の主要議題である。安全確保
のための追加措置の提案と、各国の秘密情報部と捜査当局の連携強
化がその他の議題である。議長国アイルランドは、憲法に関する審
議状況の展望を行なう方針であるが、外務大臣会議では近東および
コソヴォ情勢について話し合いが行われる。第2回の首脳会談は、
EUは10年以内に世界でもっとも強い工業地帯となる、とのいわゆ
るリスボン戦略を中心として行われることになっている
国内ニュース
シュトラサー 治安状況には「直接の脅威はない」
内務大臣エルンスト シュトラサー（国民党）は水曜午後、連立与
党が提案した緊急動議に対する解答の中で、オーストリアはテロ攻
撃の主要な目的ではなく、「直接の脅威は現在のところ存在しな
い」と強調した。ただし、テロの容疑者がオーストリア各地を旅行
したり、国内に滞在している可能性は否定できない、とも述べた。
ヨーロッパ全体に関しては、EU早期警戒態勢は欠かせない、との
考えを述べた。中長期的にはヨーロッパが一つの秘密情報部と一つ
の警察組織を持つことに賛成である、とも国民議会で述べた。
３月２５日（木）
国外ニュース
マドリード攻撃の痕跡 ドイツへと続く
マドリード攻撃から2週間、この事件の痕跡はドイツにも通じてい
る。少なくとも1人のモロッコ人容疑者は数年にわたり合法的にヘ
ッセン州で暮らしていた、とのドイツ公安当局周辺からの情報があ
る。ドイツの放送局が午後報じたところでは、この男は最近ダルム
シュタットに在住と退けを出していた。ドイツ通信社の情報によれ
ば、連邦検事総長カイ ネームが、この事件に関する調査を引き継
いだ。またマドリード謹告では5人のモロッコ人が新たに逮捕され
た、とスペインの捜査当局から発表があった。この内の1人がダル
ムシュタットの住人である、とのことである。
国内ニュース
大統領候補者の数 今日決定
4月25日に行われる連邦大統領選挙に何人が立候補するか、金曜日
に決定する。17時までに、6千人の支持声明を添えた立候補推薦と
経費の分担金3,600オイロを、内務省の連邦選挙局に提出する人が
立候補することができる。国民党の候補者ベニータ フェレーロ・
ワルトナーと社会民主党の候補ハインツ フィッシャーにとって、
推薦を集めることは党の組織があるため、問題なかった。両選挙対
策班は報道陣を意識して、立候補推薦を午前中に内務省に提出す
る。
３月２６日（金）
国外ニュース
マドリードで爆弾製造所発見
ラジオ局の報道によれば、スペイン警察は、3月11日の攻撃で使用
された爆弾が製造されたと見られる家をマドリード近郊で発見し
た。警察はこの家を1週間前から監視していた、とのことである。
警察は、発火装置、爆薬の残り、書類をモラタ デ タフナ町近く
の家で見つけた、と昨晩の番組で報じた。この町はマドリードの南
東約30キロにある。スペインでは現在この攻撃に関連して17人が
拘留されており、少なくとも13人がモロッコ人である。モロッコ
政府は、この攻撃に関連して同国内のテトウアンで逮捕された、と
の報道を否定した。ただし、同国北部の数人が事情聴取を受けた、
と述べた。
国内ニュース
国防軍 今後は海外派兵のみを担当か？
国防軍改革委員会は、オーストリアの国土防衛の変革問題で苦労し
ている。また軍内部でも、戦略的任務遂行を有意義に行なうにはど
うすればよいかに関してますます議論が行なわれている。軍司令官
ゲラルド カルナーは、すべての任務を海外派兵とし、今までのオ
ーストリア防衛のための組織を解体することを求めている。
３月２７日（土）
国外ニュース
アラブ連合首脳会談 直前になって開催中止
月曜日にチュニスで開催が計画されていたアラブ連合の首脳会談
は、直前になって中止になった。これは土曜日チュニジア外務大臣
ハビーブ ビン ヤヒアが午後遅くに発表した。中止の理由は「現
時点では埋めることのできない意見の違い」があるためである。ア
ラブ諸国の外務大臣による予備会談では、あらたな近東和平計画の
提案が対立の原因になるのではないか、との懸念が生まれていた。
ハマスの指導者シャイク ヤシンが暗殺されたことで、各国外相は
2つの派に別れた模様で、一方はこの事件にもかかわらず計画を提
案したいとしており、他方はこれを拒否している。
国内ニュース
自由党 幹部
自由党は党役員をウィーンの見本市会場で開かれる会議に召集す
る。この会議で自由党は、ケルンテン州州議会選挙の勝利で得た勢
いを、連邦政治にも持ち込もうという狙いを持っている。主演説者
はケルンテン州首相イエルク ハイダーである。元党首であるハイ
ダーは、ケルンテン州の成功の先例を再び祝い、彼の標語「静観で
はなく攻めの姿勢」を掲げている。その他には現党首ヘルバート
ハオプト、事務局長ウルスラ ハオプナー、副首相フーバート ゴ
ルバッハ、社会福祉担当のシギスバート ドリンシェクが演説を行
なう。
３月２８日（日）
国外ニュース
NATO東方拡大完了
月曜日にワシントンで式典が行なわれ、旧東側の7カ国のNATOへ
の加盟が完了する。米大統領ジョージ W. ブッシュにより大統領府
での歓迎会が行なわれ、ルーマニア、ブルガリア、スロヴァキア、
スロヴェニア、エストニア、ラトビア、リトアニア各国首脳は条約
批准文書を預けることになる。金曜日には新たな加盟国の旗が、そ
れぞれの国の外務大臣が出席する中、ブリュッセルのNATO本部に
掲げられることになっている。早くも月曜日からは、新規加盟国上
空をNATOの飛行機が哨戒飛行をする。ロシアはこれを不信感をも
ってみている。
国内ニュース
年金問題に関する国民投票実施のための署名集め期間終了
社会民主党が提案している年金問題に関する国民投票実施に必要な
署名集めの期間が、月曜日に終了する。最後の記入場所は20時に
閉鎖される。結果は22時ごろ内務省により発表される。先週月曜
日から、国民が署名して社会民主党のこの実施要請を支持すること
ができるようになっていた。今回の国民投票は、昨年政府が決定し
た年金改革を白紙に戻すためのものである。