４月５日〜４月１１日のドイツのニュース
４月５日（月）
米国 エル サドルの態度を許容しない方針
（バグダッド）占領軍と急進派シーア派の指導者モクタダ エル サドルの支持者
がイラクで激しく衝突したことを受け、米国は、急進派の聖職者エル サドルの態
度をこれ以上、甘受しない方針である。米大統領ジョージ W. ブッシュは、エル
サドルは民主主義と対立しており、暴力を行使している、と述べた。ただし、権力
をイラク暫定政権に譲り渡す期日である6月30日は変更しない、とも述べた。在イ
ラク米国文民行政官ポール ブレマーは、エル サドルを無法者である、と指摘し
た。エル サドルに対して、数ヶ月前からイラクの拘禁命令が出されているが、こ
れは昨年4月に起きた、対立する宗教家の殺害に関連するものである。いつエル
サドルを逮捕するかという問題に関しては、米国文民行政府の広報は、警告を発す
ることはない、と述べた。エル サドルは30歳の聖職者で、米国の占領に対して
積極的に抵抗するよう呼びかけていた。首都バグダッドとその他の都市では、占領
軍とエル サドルの支持者の間では衝突が再発し、数人が死亡した。先週末には
60人以上が死亡していた。
その他のニュース
3月11日のテロ組織 壊滅
（マドリード）スペインの通勤列車に対する攻撃に関連して、警察
はさらに2人の容疑者を逮捕した。法務省の情報によれば、容疑者
の1人はマドリード郊外で、もう1人はアフリカ北部の海岸線にあ
るスペインの領地セウタで発見された。退任することが決まってい
る内相アセベスは、このテロ組織の中心部に打撃を与えた、3月11
日の攻撃の主犯格は死亡、逮捕、ないしは少なくとも特定された、
と述べた。黒幕と見られているチュニジアのベン アブデルマシド
は、テロ要員の2番手で、他の3人の容疑者と共に、マドリードで
土曜日にみずから爆死した。一方テロ組織アル カイダは、安全確
保担当の当局がかなり信頼できると判断した文書の中で、スペイン
で新たな攻撃がある、と威嚇している。シュトルック コソヴォ入り
（プリスティナ）コソヴォの治安情勢が悪化しているとの批判を受
けているにもかかわらず、ドイツ兵3,800人は紛争地域に今後も留
まる、と国防相シュトルックはプリスティナで述べた。これに先立
ち国防軍部隊とコソヴォ和平部隊KFORの元指揮官ラインハルト将
軍は世界各国のコソヴォ政策を批判し、国防軍派遣の意義に対する
疑念を述べていた。シュトルックはコソヴォ訪問の際に、セルビア
南部の州であるコソヴォでのEUの役割を強化するよう求めていた。
また3月中旬の反セルビア人の衝突により、各国による和平努力が
大きく後退した、と彼は述べた。ヴェルテケに非難集中
（ベルリン）連邦銀行総裁ヴェルテケは、問題となっているベルリ
>
ンの豪華ホテルの勘定の支払いを後ればせながら行なったにもかか
わらず、非難を浴び続けている。蔵相アイヒェルは、ドレスデン銀
行から受けとっていた2001年から2年にかけてのヴェルテケのホ
テル滞在料金に関して、連邦政府の行動規則によれば、これは疑問
である、と述べた。一方納税者連合はヴェルテケの辞任を要求し、
贈り物の受取を禁止している公務員法は彼に対しても適用される、
と主張している。辞任要求はキリスト教民主、社会同盟からも出さ
れている。ヴェルテケは大きな非難を受けた後、自分の旅行経費は
オイロ導入に関連するものだ、としていた。ベルリンのホテル ア
ドロンに4日間滞在した公務の部分は、連邦銀行が負担した、と述
べた。大晦日に滞在した費用は約7,660オイロであった。
４月６日（火）
イラク情勢緊迫
（バグダッド）計画中のイラクの権力移譲まであと3カ月に迫る中、情勢がさらに
緊迫している。急進派シーア派と占領軍の兵士が衝突し、十数人が死亡した。民兵
とイタリアの兵士が交戦し、シーア派の町ナシリヤだけでも、イラク人15が死亡
し、30人以上が負傷した。バグダッドおよびエル エンバル州の衝突では合わせ
て7人の米兵が死亡した。拘留命令がでて行方が追求されている急進派のシーア派
指導者ムクタダ エル サドルは、蜂起を行なう、と威嚇している。サドルはイラ
ク中心部の都市クファをでて、ナジャフに戻った、これは流血の事態を避けるため
である、との声明を出している。
この一連の暴力行使にもかかわらず、米国大統領ジョージ W. ブッシュは、6月
30日をイラク人への権力移譲を行なう期日として変更しない、と強調した。
その他のニュース
景気 労働市場を停滞させる
（ニュルンベルク）春のドイツの労働市場の活性化は、期待したほ
ど大きくなかった。失業者の数は先月と比べてわずか94,000人減
っただけの454万7千人で、昨年との比較で62,200人減っただけ
である。これはドイツ統一以降3月の失業者減少としては最悪の数
字である、とニュルンベルクの連邦労働紹介所は発表した。不景気
が、季節調整済みの3月の失業者数は引き続き増加した原因であ
る、と同所長ヴァイゼは述べた。労働市場の持続的な改善は、安定
した経済成長があって初めて可能である、とも語った。産業大臣ク
レメントは、ドイツは経済成長とより多くの投資を切実に必要とし
ており、連邦政府は改革を開始して、流れを変えてきた、と述べ
た。野党は、政府は期待はずれであると非難し、追加措置を取るよ
う求めている。リトアニア国会 大統領パクサスを解任
（ヴィリニュス）リトアニア国会は大統領パクサスを解任した。国
営放送LRTによれば、首都ヴィリニュスの国会では、解任に必要な
5分の3の議員が解任を求める投票を行なった。パクサスは主とし
て、国家機密を漏洩し、自分の選挙戦の主要な資金源で、マフィア
と繋がりがあると見られるロシアの企業主に不正にリトアニア市民
権を認めた、と非難されている。2月中旬には調査委員会が、大統
領は服務宣誓に違反し、国の機関の信用を失墜させた、との結論を
出していた。パクサスは2003年2月から、まもなくEUに加盟する
同国の大統領を務めている。イランとIAEO 核査察の日程で合意
（テヘラン）国際原発機構IAEOは、イランと同国の核査察に関す
る日程で合意した。同機構総裁エル バラダイはイラン原子力発電
機構の代表者とテヘランで会談した後、これを発表した。彼によれ
ば、来週新たな査察団がイラン入りする。昨年イランは、事前の通
告なく同国の核施設への査察を認める準備がある、との声明を出し
ていた。米国はイスラーム共和国である同国が、秘密裏に核兵器を
製造しようとしている、と非難していた。一方イランは、同国の核
計画は発電だけを目指している、とずっと述べていた。
４月７日（水）
連邦政府 ヴェルテケに間接的に辞任を求める
連邦政府は、連邦銀行総裁エルンスト ヴェルテケに対し、ホテルの費用に関する
疑惑で、間接的ながら辞任するように求めた。政府は、ヴェルテケが職務上、必要
な責任を取るだろうと見ている、と連邦大蔵省は発表した。これに先立ち連邦銀行
理事会は、免職を拒否し、ヴェルテケに職を放棄するように勧告した。ヴェルテケ
はこれを受け入れていた。この理事会の決定は、世論の中にある連邦銀行の名声を
守るという目的を十分考慮していない、と大蔵省は述べた。ヴェルテケとその家族
は2001年末から信念にかけて、ドレスデン銀行が費用を負担して、ベルリンの豪
華ホテルアドロンに数日間滞在した。検察はまず、利益を受けたとの容疑で捜査を
行なっている。
その他のニュース
ラムズフェルド イラクに「深刻な問題」があることを認める
米国防相ラムズフェルドは、スンニ派とシーア派の蜂起に直面し、
イラクには「深刻な問題」があることを認め、この蜂起と厳しく戦
って行く、と予告した。連合軍は、反乱勢力がイラク再建の障害に
なっている現状を放置しておかない、事態はおおむね掌握してい
る、と彼は述べた。国防相は、最近の暴力の激化の責任は急進派シ
ーア派の指導者モクタダ サドルにあるとしている。サドルに対し
て、シーア派の対抗勢力を殺害した件で逮捕命令が出されている。
急進的聖職者であるサドルは、蜂起に参加するよう呼びかけた。一
方、蜂起勢力と占領軍の戦いはさらに拡大している。米空軍がモス
クのある土地を爆撃したファルージャだけで、火曜日夜から最大百
人の死者が発生した。世界各地でルワンダの大量殺戮に関する記念行事
10年前にルワンダで起きた80万人を越える民族大量殺戮を追悼す
る式典が世界各地で行なわれた。国連事務総長アナンは、このよう
な犯罪の原因を取り除く戦いを行なうように呼びかけた。この原因
には、憎しみ、不寛容、人種差別、圧政が含まれる、とジュネーヴ
で開かれた国連人権委員会の記念式典で彼は述べた。また彼は同様
の殺戮が起こらないようにするための行動計画を呈示した。アナン
は、迅速で事態を打開するような介入を行なえるようにするため
に、早期警戒態勢を作る方針である。ルワンダの首都キガリでは、
大統領カガメが象徴として葬儀を執り行うとともに、記念施設を開
場する記念式典を行なった。この記念式典には世界各地の代表者が
首都キガリを訪れた。ドイツは開発支援省政務次官アイトを派遣し
ている。テロを幇助したと見られるモタサデクの拘禁解かれる
2001年9月11日のテロ攻撃に関連する世界で初めての裁判で、有
罪判決を受けたモロッコ人モタサデクは自由の身となった。ハンブ
ルク高等裁判所は、数日間に渡る審議を経て、30歳の彼に対する
拘留命令を条件つきで執行停止とした。同裁判所はこの決定の理由
として、3千人を越える人の殺害を幇助した件以外の犯罪容疑がな
いことを挙げた。彼は昨年2月に15年の拘留の判決を受けていた。
ただしカールスルーエの連邦通常裁判所は、ハンブルク高等裁判所
のこの有罪宣告を破棄し、すべての目撃者の事情聴取が行なわれて
おらず、米国に住んでいるテロ幇助犯ビナルシブの疑惑を晴らす可
能性のある発言が十分考慮されていない、としている。審理はハン
ブルク高等裁判所にさし戻された。新たな裁判は6月に始まること
になっている。
４月８日（木）
イラクの蜂起勢力 外国人を人質に取る
（バグダッド）イラクの蜂起勢力は、外国人文民数人を人質に取った。アラブ系の
テレヴィ局アル ジャジーラが放送したヴィデオの中では、今まで名前が知られて
いなかった「イスラム戦士旅団」という名前の組織が、日本が部隊を数日中にイラ
クから撤退させなければ、3人の日本人を殺害する、と威嚇した。日本政府はこれ
を拒否した。韓国のカトリック宣教師7人が人質にされたが、数時間後に解放され
た。韓国外相バン キ・モーンは、3,600人の兵士をイラク北部に駐留させる方
針には変更がない、との声明を出した。イランのテレヴィ局は、イラクで米国の支
援組織の拠点で活動していた2人のエルサレム出身のアラブ人が誘拐された、と報
道した。イラク南部では火曜日から英国人1人が行方不明になっている。
その他のニュース
イスラームの民兵 イラクの数都市を支配下に置く
（バグダッド）イラクではサッダーム フセインが1年前に失脚し
てから初めて、蜂起勢力がいくつかの都市を支配下に置いた。米国
最高司令官サンチェスは、シーア派の指導者モクタダ エル サド
ルの反乱勢力がアル クートとナジャフの中心部を制圧したことを
認めた。しかし、ヴェトナム戦争と比べることは不適切である、と
も述べた。住民の話によれば、エル サドルの民兵がクーファ市も
支配しているとのことである。ファルージャではスンニ派の反乱勢
力との銃撃戦が続いており、少なくとも米兵2人が死亡した。ケル
ベラでは蜂起勢力はポーランドとブルガリア兵に対し、日曜日に数
万人の巡礼者がやってくると予想される同市から撤退するように求
めた。今週初めからの銃撃戦で、少なくとも450人のイラク人が死
亡した。一方ドイツの支援組織は、軍事的な衝突が激さしているた
め、隊員をイラクから撤退させることを検討している。ライス 反テロの戦いで過失があったことを認める
（ワシントン）米国安保問題顧問ライスは、過去数年の米国の反テ
ロ政策の中に全般的に過失があったことを認めたが、大統領ブッシ
ュを非難から擁護した。過去いくつかの米国の政権は熱心ではなか
ったが、ブッシュはアル カイダとの戦いを当初から特に優先して
いた、と彼女は9月11日の調査委員会で宣誓した上で発言した。以
前は数多くの脅威があったものの、米国内で急進派が攻撃を行な
い、のっと太飛行機を爆弾として使用しようとすることを示す特別
な証拠はなく、2001年8月のアル カイダに関する極秘資料は、
直接的な危険を示してはいなかった、とも述べた。ライスは、彼女
の前任者クラークの主張とは矛盾する発言を行ったことになる。ク
ラークは、ブッシュ政権はウサマ ビン ラディンのテロ組織の脅
威を大幅に無視していたことをとがめていた。ブトロス ガリ「イラク占領軍は期待通りの働きをしなかった」
（ボン）元国連事務総長ガリは、米国が指揮するイラク占領軍は期
待通りの働きをしなかった、と非難した。アラブ諸国は、外部から
の民主化を必要とはしておらず、自力での改革を行なうことができ
る、とボンで行なわれたドイッチェ ヴェレのインタヴューで述べ
た。彼は現在81歳で、エジプト政府の人権委員会を率いている。
また彼は、イラク戦争は逆にテロを促し、この地域を不安定にし
た、とも述べた。ガリはこの紛争地域では国連の役割を強化するこ
とに賛成である、とも語った。
４月９日（金）
イラク 占領軍に対する蜂起続く
バグダッド占領から1年、イラクでは占領軍と蜂起勢力の間の暴力が一層激化して
いる。いくつかの都市では激しい交戦が行なわれた。英国外務大臣ジャック スト
ローは、これは今までで最大の挑発である、と述べた。米国外務大臣コリン パウ
エルはテレヴィのインタヴューの中で、蜂起に驚いていることを認め、シーア派と
スンニ派の民兵の間で戦略的な協定が結ばれている可能性を否定しなかったが、こ
れは反乱勢力の大きな連合体であるとは見ていない、と主張した。ファルージャ市
では戦闘が行なわれておらず、アル クートは奪還された、とのことである。ただ
しクタとナジャフの一部は今なおイスラーム系民兵が支配している。バグダッド近
郊では米国の護衛つき輸送部隊が攻撃を受け、9人が死亡した。
未確認情報によれば、武装イラク人が、文民を中心として少なくとも11人の外国
人を捉え、外国部隊の撤退を求めるために利用している。
その他のニュース
イラク統治評議会も距離を取る
米国自体が任命しているイラク統治評議会の中でも、占領軍の行動
に関して疑問を呈する声が増えている。シーア派の同評議員アブド
ゥル カリム マームド エル モハメダウィは、抗議のために辞
任を発表し、同評議会はイラク国民を裏切ったことを理由として挙
げた。その他にも、米国がファルージャで取った戦略を、住民に対
する「集団的処罰」であると批判する評議員もいる。米国寄りの立
場の評議員アドナン パチャチも、この措置を「容認することはで
きず、違法なもの」であるとしている。ファルージャ市攻撃は、抵
抗勢力を打ち破るとともに、3月末に4人の米国人が死亡し、その
遺体を冒涜した事件に責任があると見られる人物を逮捕した攻撃で
あるが、これにより月曜日から少なくとも280人のイラク人が殺害
された。ヨルダン国王アブドウラ2世は、ファルージャに支援物資
を送るよう政府に指示した。米国のイラク占領に反対するアラブの抗議
イラクでの米国の行動は、アラブ諸国で抗議行動を引き起こした。
抗議活動は主としてエジプト、シリア、レバノンで行なわれたと報
道されている。金曜日の礼拝後、パレスチナ人数千人も集まり、米
国とイスラエルの旗を燃やした。ガザ市だけでも武装組織イスラー
ム聖戦の支持者約2千人がデモを行なった。リビア政府は、土曜日
を、「ファルージャの殉教者の追悼の日」と宣言した。メルツ CDUとCSUのごたごたを懸念
キリスト教民主同盟のメルツは、連邦議会でキリスト教社会同盟と
結成している共同会派には問題があると見ている。この会派は、こ
の両党および未解決の権力争いに関して、構造的な問題を抱えてい
る、と雑誌のインタヴューで答えた。メルツは、姉妹政党であるキ
リスト教社会同盟が、連邦政治で「改革の足を引っ張っている」と
批判した。このほか彼は、キリスト教民主同盟党首メルケルとキリ
スト教社会同盟党首シュトイバーの権力争いを非難し、両者はお互
いに活力を奪い合っている、と述べた。一方両党のさまざまな代表
者が、メルツのこの攻撃に驚いており、両党はよい協力関係にあ
る、と強調した。
４月１０日（土）
ドイツ人2人 イラクで殺害された模様
（ベルリン）イラクで行方不明になっていた連邦国境警備隊の2人は、死亡してい
る可能性がある。連邦内務省の広報は、2人は殺害された可能性がある、と発表し
た。彼らは、在イラクドイツ大使館の警備担当の通常業務で交替する途中であっ
た。安全保障担当の情報では、誘拐されたことを示す証拠はなく、国境警備隊の
2人は水曜日にヨルダンの首都アンマンから、警備隊つきの輸送車両でバグダッド
に向かっていたところ、ファルージャ近郊で自己にあった、とのことである。ヨル
ダン人の目撃者によれば、2人の乗った車はミサイル攻撃に会い、その人々はおそ
らく生存していないだろう、とのことである。それより前、イラクの新聞はこの
2人のドイツ人の写真を名前つきで公表していた。
その他のニュース
イラクでの戦闘 続く
（バグダッド）イラクでは、米国が指揮する占領軍と蜂起勢力の間
の戦闘はまだ続いている。スンニ派が住むバグダッドのアドハミヤ
地区では、武装した若者が米兵を襲撃した。目撃者によれば、スン
ニ派の拠点ファルージャでも銃撃戦があったとのことである。同地
では米軍が2倍に増強される、とのことである。バグダッドの北に
あるバクバでの戦闘では、少なくとも40人のイラク人が死亡した、
とのことである。ファルージャの米軍は新たな停戦の提案を行なっ
たが、今のところそれに対する返答はない。米国が設置したイラク
統治評議会の代表は、ファルージャの蜂起勢力との交渉を受け入れ
た。同評議員の1人は、この交渉では、10日前起きた米軍の4人の
殺害に責任がある者の引き渡しについて話し合われる、と述べた。ブッシュ 権力移譲の期日を確認
（ワシントン）イラクの暴力沙汰の激化に直面し、米国大統領ブッ
シュは、米国に対する大きな挑戦である、と述べた。毎週恒例のラ
ジオ演説の中でかれは、米国はイラクの権力移譲の期限である6月
30日を変更しない、と強調した。イラクの部隊を急遽訪問したイ
タリア首相ベルルスコーニは、イタリア兵が正義と文明を守るため
に活動していることを賞賛した。ブッシュはアル カイダの計画を知っていた模様
（ニュー ヨーク）新聞の情報によれば、米大統領ブッシュは、
2001年9月11日より1カ月以上前から、テロ組織アル カイダの
行動計画について知っていた模様である。ブッシュは2001年8月
6日の秘密文書の中で、アル カイダの支持者が米国内で攻撃を計
画し、飛行機を乗っ取るつもりであることを知らされていた、とニ
ュー ヨーク タイムズが報じている。同紙は、名前を挙げてはい
ないが米国政府の代表の言葉である、と報じている。この報道は、
大統領府の宣誓発言と矛盾している。大統領府は、米国内でアル
カイダの攻撃があると政府が考えることは不可能であった、と述べ
ていた。
４月１１日（日）
イラクの都市ファルージャの停戦期間延長
数日前から戦いが続いているイラクの都市ファルージャでは、現地時間の月曜日
10時まで停戦が延長された。この停戦期間は、米国が任命したイラクの統治評議
会と、スンニ派の抵抗勢力の拠点である同市にいる蜂起勢力の代表者の話し合いに
よって、決められた。停戦はおおむね守られている。突発的な事件があってイラク
人1人が死亡し、米軍海兵隊員2人が負傷した、と米軍は発表した。
バグダッドの西では、蜂起勢力が米軍の戦闘用ヘリコプターを撃墜した。操縦士
2人は死亡した、と米軍は発表した。
ケルベラ市では、シーア派の宗教行事は終了したが、大きな事件は発生しなかっ
た。数万人の巡礼者が同市を訪れていた。
その他のニュース
イラクの人質をめぐり混乱
イラクの蜂起勢力が拘束している外国人の人質の運命に関する情報
は、ますます錯綜している。アラブ系のテレヴィ局アル ジャジー
ラは、拘束された文民8人の解放を予告したヴィデオを放送した。
バグダッドでは、すでに解放が行われたとの報道が行なわれたが、
これは否定されている。一方英国外務省は、数日前に行方不明にな
った英国人が解放されたことを確認した。日本政府は、同国人3人
の迅速な解放に関する声明を撤回せざるを得なかった。仲介役の情
報によれば、もし日本が24時間以内に軍を撤退させなければ、人
質を殺害する、と犯人は再び威嚇したとのことである。バグダッド
の中国の外交官によれば、中国の文民7人も誘拐されている。リューエ 米国のイラク政策を批判
連邦議会の外交委員会委員長で、キリスト教民主同盟所属の元国防
相リューエは、米国のイラク政策を厳しく批判した。米国は、イラ
ク統治評議会との意見の調整を行なわずに、軍事的な措置を取った
が、これは驚くべきことであり、イラクの情勢はおさえきれなくな
る可能性がある、とリューエは新聞に対して述べた。ブッシュ「覚え書きには米国攻撃の情報は含まれていなかった」
米国大統領ブッシュは、9月11日のテロ攻撃の数週間前に受け取っ
ていたテロの警告をめぐる対立で、自らを擁護した。非難のきっか
けとなったこの2001年8月の秘密の覚え書きには、「米国に対す
る攻撃に関してはいかなる内容も」含まれていないとテキサスの部
隊を訪問した際に彼は述べた。この秘密覚え書きの公表後、ブッシ
ュはさらに切迫した状況に追い込まれている。民主党の広報は、ブ
ッシュはすでに警告を与えられていたし、飛行機の乗っ取りが行わ
れる可能性があるとの情報をさらに手に入れなければならなかっ
た、と批判した。ブッシュは、イラク情勢は現時点で暴力が激しさ
を増しており、困難になっていることを認め、緊急の場合には追加
兵力を派遣する、と述べた。