4月5日〜4月11日のオーストリアのニュース



4月5日(月)

     国外ニュース

EU機動部隊 2007年には投入可能に

EUは2007年までに、小規模の機動部隊を紛争地域に国連の後援を
受けて、派遣する準備を調える方針である。EU外交代表のハヴィ
エル ソラナは、月曜日ブリュッセルで開かれたEU国防大臣の実
務会議の後にこのように述べた。現在EU評議会の議長を務めるア
イルランドの国防大臣マイケル スミスの予想によれば、英国、フ
ランス、ドイツのこの計画に対しては大きな支持を受けている、と
のことである。6月のEU首脳会談までに、計画の詳細をさらにはっ
きりさせることになっている。この部隊は1,500人からなり、2週
間までの間世界各地に駐在することができるものである。代表筋に
よれば、EUは最大で新たな部隊9つを召集する方針である。英仏は
既に部隊を作る準備を調えている、とのことである。

     国内ニュース

パイアール「私は政治生命の喪失の伴奏曲に備えてはいない」

「私は政治生命を失うとは考えてはいない。政治的な安楽死は私の
やり方ではない」とヘルバート パイアールはシュタイアーマルク
で独占的に行なわれたインタヴューの中で、州の大蔵大臣および産
業大臣を即時辞任する理由として述べた。彼は、自分は犠牲になる
準備がある、と述べ「ただし私は、何も間違ったことはしていない
し、私が他の行動を取るべきだったとは考えていない、と付け加え
なければなりません」とも述べた。一方同州首相ワルトラオト ク
ラスニクは、EStAG疑惑とパイアールの辞任は、同州国民党にとっ
て「全く危機ではない」と見ている。「方針転換を行ないました。
行動を起こす時です。そして私はその決定を行ないました」と述べ
た。後継大臣については木曜日の同州幹部会で提案する、とも述べ
た。


4月6日(火)

     国外ニュース

EU 米国同様の指紋採取を行わない方針

米国は観光客に対し、入国の条件の強化を行なうと予告していた
が、EU委員会は同じような措置を取らない方針である。米国人観光
客がEUに入国する際、指紋の採取を行なうことは、今のところ誰も
考えていない、とEU内部の安全保障を担当している委員アントーニ
オ ヴィトリーノは約束した。EUの市民が短期間米国に滞在する際
に査証を必要としないということのほうが、EUにとっては重要であ
る、とも述べた。

     国内ニュース

グラサー事件 ホウムペイジの経費あらたに検討

報道機関ではグラサー事件の予審判事がさらに調査を行なってい
る、と伝えられているが、大蔵大臣である彼のホウムペイジの費用
が明らかになる模様である。昨日のテレヴィ番組の報道では、この
ホウムペイジの費用と価値のずれが調査されることになっている。
ホウムペイジの実際の費用は240,000オイロで、しかし検察の調査
では、50,000オイロ以下の価値しかない。脱税事件として刑事裁
判所の担当する事件になるのは、総額75,000オイロからで、グラ
サーの官庁つまり大蔵省もこの対象となる。州刑事裁判所の裁判官
の監視委員会である評議会は、5万オイロの裁判をもう一度検討
し、予審判事のところにこの判決をさし戻すように指示した。予審
判事がこの問題を解明することになっている。




4月7日(水)

     国外ニュース

米国安全保障の顧問ライス 9.11委員会で発言

米国大統領ジョージ W. ブッシュの安全保障担当の顧問コンドリー
ツァ ライスは木曜日、2001年9月11日のテロ攻撃調査委員会で
発言する。2時間半の予定で行われる質問は、現地時間の午前中に
ワシントンで行われる。元テロ対策の顧問リチャード クラーク
は、ブッシュ共和党政権は、政権を担当してからテロ攻撃がおこっ
た8カ月の間に、アル カイダによる犯行を阻止するために、ほと
んど何も行なわなかった、と非難した。彼女はこの非難について釈
明することにしている。またクラークは、米国政府はイラク戦争
で、テロ組織との戦いに力を尽くさなかった、とも非難している
が、これについても取り上げられる。

     国内ニュース

亡命問題 シュトラサーはカリタスを「残酷な措置を取る」と非難

内務大臣エルンスト シュトラサー(国民党)は、亡命権をめぐる
議論に関連して、ウィーンのカリタスが「不誠実」で「残酷な措置
をとっている」と非難した。亡命希望者を連邦による保護から引き
離すことを主張する者は「不誠実」な発言を行う者だ、と彼は述べ
た。彼は新聞の中で、「政治的宣伝活動」がとくにウィーンのカリ
タスが会長ミヒャエル ランダオによって、人目につかないように
行なわれている、と述べた。その中では5月1日から亡命希望者の
収容を担当する各州首相に圧力をかけるために、「亡命希望者を人
質としている」とも述べた。カリタス側はこの発言を退けた。




4月8日(木)

     国外ニュース

パリ通勤列車 テロの警告を受け一時乗客を降ろす

米国秘密情報部CIAによる緊急テロ警告をうけ、当局はパリの地方
鉄道路線の運行を一時停止し、6つの駅から人を退去させた。CIA
は匿名の情報を受け、フランスにこれを伝えていた。この情報によ
れば、近郊鉄道路線網RERあるいはパリの地下鉄が昨夜20時30分
から21時30分の間に、攻撃目標になるかもしれない、とフランス
警察が発表した。検察のテロ対策部は、これは予防措置である、と
発表していた。1時間半後、運行は再開された。

     国内ニュース

社民党 年金税を提案

社会民主党の予算の専門家クリストフ マッツネッターは、年金制
度の財源として年金税を提案した。「今までとは別で透明な形で示
される、税金からの資金援助をより強化することになる。」年金制
度の財源確保を目指して、税金の路線変更をすることによって、あ
らゆる形態の「利子収入や収益などの資産の増加」があった場合に
は協力をしてもらうべきである、と述べた。




4月9日(金)

     国外ニュース

北朝鮮 米国とは核戦争直前

北朝鮮の核開発計画をめぐる対立で、北朝鮮と韓国は「核戦争直前
の状態」にある、と北朝鮮政府は発表した。米国政府は北朝鮮が核
活動を放棄するよう要請しているが、これは「この紛争解決にあた
って最大の障害」である、と北朝鮮の公式報道機関KCNAは昨日報
じた。米国は、その「核攻撃を抑止する戦略」を前に進めるだろ
う、米国がとっている立場のせいで、2月に北京で行なわれた第2
回6者会談は成果を挙げることができなかった、会談は「成果を挙
げられない」ままである、とも報じた。この6者会談には北朝鮮と
米国のほか、韓国、中国、ロシア、日本が出席した。北朝鮮が米国
との交渉で、核兵器の保有を認めた2002年10月にこの核危機が発
生していた。北朝鮮政府は後にこれを取り消していた。数ヶ月前か
らこの紛争は緊張を増しており、北朝鮮が核戦争を行なうと威嚇し
たのはこれが初めてではない。

     国内ニュース

シュタイアーマルク州新閣僚にシェプファー就任

シュタイアーマルク州政府の閣僚交替を決めるために、今日同州議
会の特別会議が行われる。EStAG疑惑に関連知れ辞任したヘルバー
ト パイアールの後任には、グラーツ大学教授ゲラルト シェプフ
ァー(60歳)が宣誓を行なった。政党に属さない彼は産業および、
ヨーロッパ問題を担当する。州首相ワルトラオト クラスニク(国
民党)が、(EStAG疑惑を主として管轄した)出資部局をみずから
担当する。教育大臣クリスティナ エドリンガー・プローダーは、
パイアールの担当していた財政の仕事も担当する。




4月10日(土)

     国外ニュース

アル ジャジーラ「日本人人質解放」

イラクの反乱組織が誘拐した日本人の人質は、24時間以内に解放
される、とアラブ系の放送局アル ジャジーラが報道した。これは
土曜午後に同局が放送したものである。この反乱組織は、日本が部
隊をイラクから撤退させなければ、3人の人質を生きたまま火あぶ
りにする、と威嚇していた。米国が指揮するイラクの軍隊とファル
ージャ市の反乱勢力は、日曜日朝からの停戦で合意した。今回の停
戦は12時間で、現地時間の10時に開始される、とイラク側の交渉
を担当するイラクイスラーム政党の高官ハテム エル フセイニが
昨日午後バグダッドで述べた。ただし、反乱勢力は米軍による攻撃
に応戦する権利を持っている、と反乱の指導者1人は述べている。
この指導者はアブ ムシャヒドと名乗り、「イスラーム民族蜂起」
の首領であると自任している。

     国内ニュース

オーストリアの犯罪者数 激増

オーストリアの犯罪者数は増え続けている。第1四半期で16万5千
件に上っている。これは昨年の最初の3カ月と比べて10%の増加で
ある。特にニーダーエスターライヒ州で強くこの傾向が出ている。
同州では不法行為の数は約25%も増加している。よい情報もある。
警察は以前より見事件を数多く解明できている。大臣シュトラサー
(国民党)はこれはよい傾向である、と評しているが、野党は「シ
ュトラサーは期待はずれである」と述べている。




4月11日(日)

     国外ニュース

ヘクマトヤール アフガニスタンで反乱を呼びかけ

イラクでの戦闘が激化していることを視野において、アフガニスタ
ンの反乱勢力の指導者グルブディン ヘクマトヤールは、アフガニ
スタン人に対して、米国が指揮する部隊に対して反乱を起こすよう
に呼びかけた。日曜日にAP通信に届いた声明の中で彼は、「イラ
ク人より前に主権を」獲得する努力を行おう、とアフガニスタン人
に呼びかけた。アフガニスタン情勢から、国民的な反乱を行なうべ
き時期が近づいていることがわかる、と述べている。この声明がい
つ出されたのかは不明であるが、「ヘクマトヤール、アフガニスタ
ン」との署名があった。彼はアフガニスタンの元首相で、反乱勢力
ヘツブ・イ・イスラーミの指導者である彼は、80年代にはソ連軍
と戦っていたが、現在では米国がもっとも力を使って行方を追求し
ている人物の1人である。

     国内ニュース

大連立をめぐりグラウィシュニヒ ブルクシュタラーを攻撃

ザルツブルク州政治での大連立に賛成する次期州首相ガービ ブル
クシュタラー(社会民主党)が攻勢にでているが、このため緑の党
からは激しい反応がでている。連邦緑の党副代表エーファ グラウ
ィシュニヒは、これを「社会民主党と国民党の大連立の郷愁」であ
ると非難した。「クリーマ・シュッセル時代(1997年から2000
年)に女性政策、教育及び研究政策、環境政策の分野で示された提
案が、発展しあるいは実施に移されたかのようにブルクシュタラー
は振る舞っている」とグラウィシュニヒは怒りをあらわにした。さ
らに大連立は、イエルクハイダーの勢力拡大を可能にした、とも述
べた。一方ブルクシュタラーは、信頼できる連立相手と手を組んだ
場合にのみ大きな問題を解決できる、とも強調した。「次の国民議
会選挙の後オーストリアには十分な改革の推進力が生まれているだ
ろう、それも公正の原則にしたがった形で。たとえば交通政策、年
金あるいは教育政策などでは改革が必要である」と彼女は述べた。



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