4月12日〜4月18日のドイツのニュース



4月12日(月)

誘拐された中国人解放

イラクで蜂起勢力によって誘拐された中国人7人は再び自由になった、と中国国営
通信社は報じた。この文民7人はヨルダンからイラクに向かっていたが、彼らの目
的については公表されていない。
また反乱勢力はさらに外国人を人質とした。その中にはロシアの電力会社の従業員
11人も含まれている。バグダッドでの報道によれば、チェコの報道関係者3人と、
米国企業の従業員7人も蜂起勢力のての中にある。その他地下組織の戦闘部隊は日
本人3人をおさえている。

     その他のニュース

イラクでの戦闘 沈静化

通信社の報道によれば、イラクの蜂起勢力と占領軍の間の戦闘は、
月曜日から弱まった。スンニ派の反乱の拠点であるファルージャで
は、停戦が改めて延長された。急進派シーア派の指導者エル サド
ルのメーディ民兵は、ナジャフ、クファ、ケルベラ〜撤退した。米
国が設置したイラク統治評議会の代表が、シーア派の反乱勢力と仲
裁の話し合いを行なったが、米軍は、エル サドルを逮捕あるいは
殺害するという目標を持ちつづけることを確認した。

イラクでの戦闘で死者多数

イラクでの戦闘では4月以来米兵約70人とイラク人700人が殺害さ
れた。この数字は米軍の将校キミットがバグダッドで発表したもの
である。これにより、2003年に公式に主要な戦闘が終了してから
後、この4月は占領軍がもっとも大きな被害を出した月、というこ
とになる。イラクの都市ファルージャで、米軍の攻撃で何人の一般
市民が死亡したかはまだ明らかでない、とキミットは述べた。ファ
ルージャ市立病院によれば、同市では約600人のイラク人が殺害さ
れた、とのことである。

ドイツの支援隊員 イラクを出国

イラクの情勢が危険になっているため「活動・ドイツは支援する」
は、非イラク人の最後の活動家がイラクから引き揚げた。ドイツ人
2人とフランス人の地雷の専門家2人は、ヨルダンの首都アンマン
に向けて出発した。ベルリンの外務省は、すべてのドイツ人に対
し、イラクから出国するように呼びかけ、クウェートへの旅行も行
なわないよう警告した。一方水曜日以来イラクで行方不明になって
いるドイツ国境警備隊の精鋭部隊GSG-9の隊員2人の運命に関する
新たな情報はない。連邦政府によれば、この2人は銃撃戦の後、殺
害された可能性がもっとも高い、とのことである。この隊員たち
は、バグダッドのドイツ大使館の警備にあたることになっていた。




4月13日(火)

イラクで誘拐された技師 解放

イラクで解放されたロシア電力産業の従業員は解放された。バグダッドのロシア大
使館がこれを確認した。ウクライナ人5人とロシア人3人は月曜日にイラクの首都
バグダッドで誘拐されていた。この技師が解放される前には、月曜日に誘拐された
中国人労働者7人が解放されていた。彼らは無傷でバグダッドに到着した。一方日
本人捕虜3人の命運はまだ不透明である。誘拐犯は、日本が軍隊をイラクから撤退
させなければ、この捕虜を殺害する、と威嚇している。
過去数日、イラクの反乱勢力は奥野外国人を誘拐していた。チェコの報道関係者3
人も行方不明になっている。
イラクで行方不明になっているドイツ連邦国境警備隊隊員2人の死のはっきりした
確認はまだ取れていない。しかし以前同様、彼らは死亡したものと見ている、と外
務省の広報は発表した。

     その他のニュース

シーア派指導者エル サドルの側近逮捕

米軍は、イラクの急進派シーア派の指導者エル サドルの信任が厚
い人物1人を逮捕した。バグダッドのエル サドルの事務所の責任
者が、市内のホテルで取り押さえられ、事情聴取が行なわれた。エ
ル サドルの民兵は、4月初めから占領軍と激しい戦闘を展開して
いた。彼には逮捕命令が出され、行方が捜査されている。米軍の輸
送部隊に対し、反乱勢力がシーア派の巡礼者の町ナジャフの北で攻
撃を加え、米兵1人が死亡し、2人の兵士が負傷した。ファルージ
ャ市近郊では、米軍の軍用ヘリコプターが墜落した。目撃者の話で
は、同機は撃墜され、乗組員は死亡した、とのことである。

ホロコーストの記念施設に対する攻撃を阻止

ハンガリー警察は、ブダペストにあるホロコーストを記念する施設
に対する爆弾攻撃計画を、未然に阻止することに成功した、もよう
である。ハンガリーで初めてのこの種の施設の落成式は、木曜日に
行われる予定で、イスラエル大統領カツアフが出席することになっ
ていた。警察は、この攻撃の計画を立てた容疑で、アラブ人3人を
逮捕した。

シャローン 米国に出発

イスラエル首相シャローンは、米国訪問に出発した。水曜日に彼は
ワシントンの大統領府で、米国大統領ブッシュの出迎えを受ける。
彼は、パレスチナ人居住区からの撤退計画を背後から支援してもら
えるよう期待している。出発前彼は、撤退計画の詳細を発表した。
それによればガザ地区の21箇所のユダヤ人入植地すべてを放棄す
ることになっている。それに対し西ヨルダンランドではすくなくと
も5箇所の入植地を維持し、その中には、アリエル、エツィオン、
キルヤート アルバも含まれている。これに対する最初の反応とし
て、ブッシュとエジプト大統領ムバラクが、これは前向きの一歩で
ある、と述べた。また彼らは、このような撤退は、パレスチナ国家
の設立を含めた、諸外国の和平計画と折り合いをつける方向に向か
なければならない、とも強調した。




4月14日(水)

イラクの反乱勢力 イタリア人人質を殺害との報道

アラブ系テレヴィ局アル ジャジーラの報道によれば、イラクで人質となっていた
イタリア人1人は、犯人によって殺害された。この犯人たちは、その他の誘拐され
たイタリア人3人も殺害される恐れがある、とも報じた。同放送局は、殺害を撮影
した映像を保有しており、反乱勢力はすべてのイタリア兵がイラクから退去するこ
とを求めている、とも伝えた。イラクでは水曜日にさらに2人の日本人が人質にな
った。急進派シーア派の指導者モクタダ エル サドルは、米国が指揮する占領軍
との紛争で、条件をつけずに交渉を行う準備がある、と述べた。一方米国の依頼も
受け、イランの代表団が仲介のためイラク入りした。

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ブッシュ イラク政策を擁護

イラクの情勢が激化するにもかかわらず、米国はその方針を変えな
い。文民政府への権力の移譲は、予定通り6月30日に行われる、と
米大統領ブッシュはテレヴィで放送された記者会見で述べた。この
放送は数百万人が視聴した。また彼は、要請があればイラクに追加
派兵を行なうとの決意も強調した。現在約13万人の米兵が現地に
駐留している。ドイツ政府はブッシュのこの声明を歓迎し、権力の
移譲に関する日程は、ドイツから見た場合、現実的に可能である、
と発表した。一方国連特使ブラヒミは、1週間前からイラクに滞在
しているが、2005年1月31日に予定されている選挙は実施できな
いのではないか、との疑問を呈し、そのためには治安状況が大幅に
改善されねばならない、と述べた。

連邦議会 GSG-9隊員の運命を探る

イラクで殺害されたと見られるGSG-9の隊員2人の運命を、連邦議
会が調査する。連邦国境警備隊の最高責任者である内務大臣シリー
は、この2人はアンマンとバグダッドの間で攻撃を受けた、と内務
委員会で報告する方針である。彼の広報リンゲンタールがベルリン
でこれを発表し、さらに調査はこれで終了したわけではない、とも
述べた。彼らの死亡はまだ公式に確認されてはいない。またリンゲ
ンタールは、アンマンとバグダッドの間の陸路は25回に渡って使
用されており、その間突発的な事件は発生しなかった、とも述べ
た。野党キリスト教民主、社会同盟の会派副代表ボスバッハは新聞
に、内務委員会では、なぜ2人が陸路を選択したのか、その他の選
択肢はなかったのかという問題について答えなければならない、と
述べた。

CIA長官 9月11日に関して各方面から集中砲火

米国秘密情報部CIA長官テネットは、2001年9月11日のテロ攻撃
に関する調査委員会で、大きな批判を受けた。中立のこの委員会は
彼とCIAが一連の大きな失敗を犯したと非難し、この失態がなけれ
ば9月11日の陰謀は事前に解明可能であった、と明言した。クリン
トン政権下でもCIA長官であった彼は、この非難を退けたものの、
ウサマ ビン ラディンによって生まれた危険に十分対応できなか
ったことは認めた。火曜日にはすでに同委員会は連邦刑事警察庁
FBI元長官フリーに対しても、重大な怠慢があった、と責任を追及
していた。さらに法相アシュクロフトも、同委員会からテロの危険
を助長した、との非難を受けている。




4月15日(木)

イラクでイタリア人人質殺害 日本人人質は解放

イラクの反乱勢力は、誘拐された日本人3人を解放した。アラブ系のテレヴィ局ア
ル ジャジーラが放送した男性2人と女性1人の映像を見て、その家族は喜びの声
をあげた。さらに2人の日本人が人質にされているとの未確認情報があるため、こ
の喜びには暗い影が落ちている。これより前に蜂起勢力は、外国人人質1人を殺害
していた。イタリア政府は、誘拐されたイタリア人のうち1人が殺害されたことを
確認した。誘拐犯は、3千人のイタリア兵の撤退要求が受け入れられなければ、残
りのイタリア人を殺害する、と威嚇している。イタリア政府はこれを拒否した。
バグダッドではイランの外交高官が射殺された。イラン政府は、米軍と急進派シー
ア派のモクタダ エル サドルとの対立を仲介している。

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ビン ラディン ヨーロッパに武力の不行使を提案

ドイツ政府は、アル カイダの代表ビン ラディンが出したとされ
るヨーロッパでの暴力を行使しない、との提案を厳しく退けた。ビ
ン ラディンのようなテロリストや重大な犯罪を犯した者と、交渉
をすることはあり得ない、と連邦政府広報は発表した。また連邦議
会のすべての会派の外交担当の政治家も、同様の発言を行ない、こ
のような提案に応じる者は、どんな時代でも恐喝に屈することにな
る、と述べた。マドリードのテロ攻撃から4週間、アラブ系テレヴ
ィ局が放送した録音の中で、ビン ラディンのものとされる声が、
ヨーロッパ各国がイラクから部隊を撤退させ、モスレムに対する攻
撃を中止すれば、アル カイダはヨーロッパに対する攻撃を終わら
せる、ただし米国およびイスラエルとの戦いはいかなる場合でも続
行する、と述べていた。米国秘密情報部CIAの見解では、この声は
おそらく本物である。

ドイツとオランダ テロとの戦いで共同態勢を強調

EU加盟国は、テロとの戦いで断固とした態度を取らなければなら
ない、と独首相シュレーダーとオランダ首相バルケネンデは述べ
た。この問題でヨーロッパを対立させようとするすべての試みは失
敗する、とデン ハーグでバルケネンデと会談した後、シュレーダ
ーは述べた。テロ組織との対応でヨーロッパは、軍と警察によるも
のばかりでなく、発展のための支援に協力することまで含めて、政
治力すべてをあげた対策を取らなければならない、とも述べた。シ
ュレーダーはオランダ訪問の冒頭で、ロッテルダムのエラスムス大
学で、長期的に安定したEU予算を作ることに賛成であり、EUの支
出は現在の水準に留めなければならない、と述べた。

ザパテーロ テロ組織との妥協なき戦いを誓う

次期スペイン首相ザパテーロは、国際テロ組織との戦いが、彼の政
権の最重要課題である、と宣言した。同時に社会党主である彼は議
会で、外国からの派兵が国連の委託の元に行なわれるのでなけれ
ば、スペイン軍をイラクから撤退させるとの意志を間接的ながら確
認した。政権綱領の中で彼は、強いヨーロッパを中心に据えた外交
政策に賛成であると述べ、異論が出ているEU憲法が6月末に発効す
るためにあらゆることを行う、と予告した。ザパテーロは金曜日
に、保守党所属の首相アスナールの後継者に選ばれる予定である。




4月16日(金)

連邦銀行総裁ヴェルテケ 辞任

(フランクフルト アム マイン)ドイツ連邦銀行総裁エルンスト ヴェルテケは
辞任した。同銀行の幹部会に宛てた個人的な声明の中でヴェルテケは、連邦大蔵省
を非難し、基本法で保証された連邦銀行の独立性が損なわれた、自分と大蔵省の間
にあった信頼関係は修復不可能なほど破壊された、と述べた。ヴェルテケは、彼と
家族がベルリンの高級ホテルに数日間滞在した費用を、ドレスデン銀行に支払わせ
ていたため、非難を受けていた。大蔵大臣ハンス アイヒェルは、すでに行なわれ
ていたものと新たに行なわれた批判を考え合わせると、辞任は必要であり、その態
度は尊重に値する、と述べた。
一方自動車製造業者BMW社は、ヴェルテケは過去数年招待を受け、モンテ カルロ
のF1競技会を音連れ手いたが、この飛行機の代金は自分で支払っていたことを確認
した。

     その他のニュース

シュレーダー パレスチナ人の頭ごしに決定を行うことに反対

(ハノーファー)連邦首相シュレーダーとエジプト大統領ムバラク
は、イスラエルと米国の近東での独断行動を間接的に批判し、国際
和平計画の堅持に賛成である、と述べた。シュレーダーはハノーフ
ァーでムバラクと会談した後、イスラエル首相シャローンがパレス
チナ人居住区から部分的に撤退することを歓迎したものの、パレス
チナ人には自分たち意向を無視して決定を下さないように求める権
利がある、とも述べた。ムバラクは、独立したパレスチナ人国家設
立を目的とする和平計画の全ての段階を遵守しなければならない、
と述べた。EUによれば、国連、EU、米、露のいわゆる近東四極の
会談を4月28日にベルリンで実施する予定である。

EUはイスラエルに注意
フィッシャーはシャローンとブッシュへの批判を和らげる

(ダブリン、テル アヴィヴ)EUはイスラエルに対しパレスチナ
人および近隣アラブ諸国との和平に向け努力を続けるように要請し
た。イスラエルは、米国のような「友好国とではなく、敵対国と和
平を結ばなければならない、とアイルランドのタラモア出開かれた
EU外相会談の冒頭で議長国アイルランドは述べた。米国は、中心
的な問題でイスラエルの一方的な立場を支持している、との批判が
行なわれた。独外相フィッシャーは、イスラエル首相シャローンの
とっている方針は、和平計画いわゆる路程表の現実化を阻止するこ
とになりかねない、との疑念を述べた。また彼は、米大統領ブッシ
ュも、イスラエル人とパレスチナ人の合意を成立させなければなら
ないことを少なくとも承認した、とも述べた。一方ブッシュは、ガ
ザ地区からは撤退するが、西ヨルダンランドの一部は手放さない、
との内容のシャローンの計画に賛成した。シャローンの信任の厚い
人物は、西ヨルダンランドには大きな入植地の建設をさらに進めて
行く、と述べた。

ブッシュとブレア 国連のイラク提案を歓迎

(ワシントン)米大統領ブッシュと英首相ブレアは、イラクの移行
政権結成のために国連が示した提案を歓迎した。彼らはワシントン
で行われた共同記者会見で、国連特使ブラヒミが、「イラク国民に
とって受け入れ可能な道」を示した、と述べた。しかしブッシュ
は、6月30日の期限に権力の移譲を行なうことは無条件で維持しな
ければならない、と強調した。ブラヒミの計画では、今までの暫定
統治評議会を解散し、かわりに米国政府とイラク人と協議した後、
国連が任命する人々による暫定政権が召集されることになってい
る。イスラエル人とパレスチナ人は、国境の画定および難民の帰還
を含む、いわゆる最終的な地位に関して交渉をしなければならな
い、とブッシュは述べた。




4月17日(土)

外相フィッシャー「イラク選挙実施は重要」

(ベルリン)イラク人への政権の移譲と国連のイラクでの役割強化が、事態の安定
化のための前提条件である、とドイツ外務大臣ヨシュカ フィッシャーは見てい
る。重要なのは選挙の準備を進めることである、とフィッシャーは新聞のインタヴ
ューで強調した。選挙が行なわれなければ、イラク政府の完全な政党制は成立しな
いだろう、と述べた。また彼は、ドイツ政府はアフガニスタンの前例に従い、国連
の監督の下で移行内閣を組織するという意見をずっと持っており、国連のイラク使
節ブラヒミの計画に基づき、事態を前進させる必要がある、とも語った。
前日ワシントンでは、米国大統領ジョージ W. ブッシュと英国首相トニー ブレア
も、国連による移行政府の計画は、「イラク国民にとって受け入れ可能な道であ
る」、と評価していた。

     その他のニュース

イラク 人質事件再発

(バグダッド)イラクでは、人質事件の連鎖が続いている。蜂起勢
力は約40人の外国人を誘拐したが、初めて米兵少なくとも1人が誘
拐された。3人の誘拐されたイタリア人の家族は、アラブ系のテレ
ヴィ局アル ジャジーラを通じて、人質を解放するよう、犯人たち
の「宗教的良心」に訴えた。人質のうち数人は解放されている。最
近日本人2人、チェコ人3人、カナダ人1人が解放された。占領軍は
いくつかの場所で、シーア派とスンニ派の民兵と新たに銃撃戦を行
なった。一方EU外交委員パッテンの見解では、イラクで失敗する
ことがあれば、米国のヴェトナムでの敗北よりもひどい結果を持つ
ことになるので、世界各国はイスラーム世界での緊張状態等のよう
に、かなり長期に渡ってその影響の後始末をしなければならない、
とタラモアで開かれているEU会議で警告した。

EU 路程表こそ近東平和の唯一の道との声明

(ダブリン)近東紛争解決は、諸外国が提案した和平計画に基づい
てのみ遂行されうる、とEUは見ている。EU加盟各国外相は、イス
ラエルとパレスチナ人国家の将来の国境を事前に確定することを、
声明の中で拒否した。ガザ地区から撤退するとのイスラエルの予告
を、アイルランドのタラモアで開かれている外相会談で、各国外相
は歓迎した。独外相フィッシャーは、近東四極が練り上げた「路程
表」が、長期的平和のための唯一の道である、と強調した。米国大
統領ブッシュは、イスラエル首相シャローンが西ヨルダンランドに
持っている入植計画を支持しているが、EU加盟各国外相はこの声
明で、この支持に対する対応を示したことになる。

エレスで攻撃 ガザ市でイスラエルの攻撃

(ガザ市)パレスチナ人による自殺攻撃が、イスラエルとガザ地区
の間の境界通貨地点エレスで発生した。イスラエル兵1人が死亡、
兵2人と監視1人が負傷した。犯人は、数千人のパレスチナ人が働
く工業地区の入り口で爆弾に点火した。アル・アクサ旅団とハマス
が犯行声明を出した。一方イスラエルのヘリコプターがガザ市を攻
撃し、目撃者の話によれば、パレスチナ人3人が死亡した。また、
ガザのハマスの指導者アブデル アジス ランティシを狙った攻撃
が行なわれた、とも報じられている。




4月18日(日)

サパテーロ イラクからの撤退を指示

(マドリード)スペインの新首相、社会党のホセ ルイス ロドリゲス サパテー
ロは、予想されていたよりも早く、同国軍のイラクからの撤退に着手した。組閣の
直後、サパテーロはテレヴィで予想外に、国防大臣ホセ ボノに対し、同国兵を
「できるだけ早い時期に自宅に帰す」よう指示した、と述べた。彼は、イラクの占
領に国連の委託があることを、同国軍がイラクに留まる条件として挙げていたが、
すべての前兆から見て、これが満たされる事はない、と述べた。スペインはイラク
に1,300人の兵士を駐留させていた。
サパテーロは、彼の政府はテロ組織に屈したわけでは決してない、と断言した。彼
の前任者で保守党のホセ マリア アスナールは、米国ともっとも親密な関係にあ
る1人であった。

     その他のニュース

フィッシャーとバルニエ イラクの今後についてブラヒミと協議

(パリ)仏独外相はパリで、国連のイラク特使ブラヒミと、同国情
勢を協議した。その席上、両国外相バルニエとフィッシャーは、主
権のイラク人に対する早期移譲を要求した。フィッシャーは、移行
政府の設置を求めるブラヒミの提案に賛成した。米国もブラヒミの
計画を歓迎していた。ブラヒミは以前から、6月30日に予定されて
いる政権交代後の協議会の参加者を選ぶために、イラク国民会議を
設置することに賛成である、と述べていた。この協議会は2005年
1月に自由選挙が行われるまで、移行政府について審議することに
なっている。

イラクのシリアとの国境で激しい戦闘

(バグダッド、ローマ)イラク占領軍は、シリアとの国境近くで激
しい戦闘が行なわれた、と伝えている。反乱勢力数百人が、土曜日
から同地の米軍の拠点に攻撃を加えている、フサイバでの戦闘では
米海兵隊5人と反乱勢力最大30人が死亡した、とバグダッドで発表
した。イラク南部では、英国軍がシーア派のエル サドルの支持者
と銃撃戦を行なった。アマラでは英国軍が、反乱勢力がたてこもっ
ていたし中心部の建物を包囲した。一方エル サドルがナジャフで
の記念式のために、週初めの停戦を呼びかけたとの報道がなされた
が、これを確認する情報はない。イタリア政府は、イラクで人質に
なった同国人3人の身代金を支払う可能性がある、と欧州問題担当
大臣ブティリオネは述べた。水曜日には誘拐犯はイタリア人1人を
カメラの前で射殺していた。

ランティシの暗殺 世界各国で激しい非難

(ニュー ヨーク、ガザ)ハマスの指導者ランティシをイスラエル
が暗殺したことは、世界各国が非難しており、近東紛争がさらに激
化する、との恐れが広がっている。この犯行は国際法に違反するも
のだ、と国連事務総長アナンは述べた。彼は、イスラエル指導部に
対し、殺害作戦をただちに中止するよう訴えた。欧州の数ヶ国の政
府は、この行動は「受け入れられず」「不正で」「非生産的であ
る」と抗議した。イスラエルは国際法に違反し、米国がこれに対し
異なった見方をしているのは残念である、とEU外務委員パッテン
は述べた。ランティシは土曜日の空爆後、受けた重傷がもとで死亡
していた。ガザで開かれたランティシの追悼にパレスチナ人数万人
が参加した。ハマスは、新たな指導者を指名したが、その名前は安
全上の理由から秘密にしている。



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