4月19日〜4月25日のオーストリアのニュース



4月19日(月)

     国外ニュース

米最高裁判所 グアンタナモの状態の裁判を開始

ワシントンの米国最高裁判所では今日から、キューバにある米軍基
地グアンタナモ湾にいる約600人の捕虜の運命をめぐる審理が始ま
る。彼らの多くはテロに関った容疑で、2年以上前から、訴えられ
ることもなく、弁護士との面会も許されないまま金網で出来た収容
所の部屋に閉じ込められている。米国政府は、彼らはアフガニスタ
ンのタリバン民兵ないしはウサマ ビン ラディン率いるアル カ
イダに属している、としている。訴えを起こしたのは12人のクウ
ェート人と2人のオーストラリア人、途中で釈放された英国国民で
ある。来週には最高裁はこの訴訟に取り組み、その後「敵対的戦闘
行為」を行なった疑いで南カロライナの軍刑務所にいる米国人2人
の問題を取り扱う。

     国内ニュース

フィッシャー「誰も排除するつもりはない」

月曜日午後のテレビ番組で、社会民主党の大統領候補ハインツ フ
ィッシャーは、(大統領に就任したら)ケルンテン州首相イエルク
 ハイダー(自由党)に閣僚として宣誓させるかどうかという質問
に対して、自分は誰をも排除するつもりはない、と述べた。連立与
党国民党と自由党が作った法律に署名しないのではないか、という
質問は否定した。自分は憲法に忠実で、それゆえ憲法にかなった状
態の法律には署名する、と述べた。連邦大統領は影響力は持ってい
るが、中立の立場であり、対外的にオーストリアを代表し、中立国
オーストリアの立場を表わしていることが重要である、と述べた。




4月20日(火)

     国外ニュース

クロアチアのEU加盟交渉に青信号

EU委員会は、クロアチアのEU加盟行紹介誌に賛成した。クロアチ
アはそのための条件を政治的および産業面で満たしている、と昨日
ストラスブールで行なわれた協議会後同委員会は発表した。同国の
EU加盟に関する決定は、EU加盟諸国の検討にようだ練られる。ク
ロアチアは2007年の加盟を目指している。同委員会の態度表明の
中では、交渉開始の期日や加入の期日については言及されていな
い。クロアチアのEU加盟の障害は、今までデン ハーグの国連戦
争犯罪法廷に非協力的であったことである。しかしオーストリア外
務大臣ベニータ フェレーロ・ワルトナーは、同委員会の取った態
度を歓迎し、クロアチアはEU加盟に必要な措置を取った、と述べ
た。南東ヨーロッパ安定を担当するEUの調整官エアハルト ブー
セクは、この勧告をこの地域全体のためによい兆候である、と歓迎
し、国連主席検察官カーラ デル ポンテも、クロアチアが協力す
る意志を持っていることを確認した、と述べた。彼はこれによって
セルビア・モンテネグロ政府も国連戦争犯罪法定に協力すると期待
している。

     国内ニュース

減税問題 専門家公聴会で批判

国民議会の財政委員会では火曜日、税制改革の国会での審議が始ま
った。その際、専門家の判断は対立した。財政問題法律家ウェルナ
ー ドーラルトは、多国籍企業が管理を逃れて税金を国外に流出さ
せるとして、これに対する新たな規定を批判した。一方、株式会社
の税金の専門家であるオットー ファルニーは、税制改革は被雇用
者と年金受給者をないがしろにする一方、企業側を優遇しているた
め、よじれたものになっている、と述べた。ただし、法人税の減税
などは評価した。




4月21日(水)

     国外ニュース

オーストリア議会各会派の代表 教皇訪問

国民議会の高位の代表団が、国民議会主席議長アンドレアス クホ
ール(国民党)を団長として、木曜日正式にヴァティカン訪問を行
なう。代表団にはクホールとその妻ハイディの他、社会民主党会派
長ヨーセフ カップ、社会民主党党首アルフレート グーセンバオ
アー、国民党会派長ウィルヘルム モルテラー、自由党会派長ヘル
バート ハオプト、緑の党代表アレクサンダー ファン デア ベ
レンが含まれている。訪問は、教皇ヨハネス パウル 2世謁見で
最高潮となる。このローマ訪問の中で彼らは、ヴァティカンの外務
次官である大司教ジォヴァンニ ラヨロ、教皇科学アカデミーの会
長マルセロ サンチェス ソロンド司教、イタリア国会議長ピエル
フェルディナンド カシーニとも会談をする。その他イタリアの地
域問題担当大臣エンリコ ラ ロジアとも会談する。

     国内ニュース

ナチ時代の犯罪者 オーストリアでは181の事件で通報

ナチの手先であった疑いのある181人が、オーストリアの司法の追
求を今まで逃れてきた可能性がある。ナチ時代の犯罪者を追及する
報告書を、ウィーセンタール・ツェントルムが提出したが、その中
ではオーストリアは昨年、新たな容疑者に関連して60人の名前を
最重要として挙げた。2004年4月にはさらに121人の戦争犯罪の
可能性がある人の名前の一覧が司法に提出された。ナチ時代の犯罪
にする懲罰に関して、オーストリアは強く批判されねばならない。
法務省によれば、名前を挙げられたいとの多くはすでに死亡してい
る。




4月22日(木)

     国外ニュース

ロシアとEU EU拡大問題で合意

一ヶ月にわたる交渉の末、ロシアとEUはEU拡大に関連する重要な
対立を解消した。EU加盟国が10カ国増加するのをほぼ1週間後に
控え、ロシア政府とEUは昨日特にロシアと今後EU地域になる国々
に取り囲まれて飛び地となるカリーニングラードの間の貿易問題
で、合意した。ロシア大統領ウラジミール プーチンは、EU委員
会議長ロマーノ プローディ他7人の委員とモスクワで会談し、こ
れは「前向きの展開をしている」と評価した。プローディは、旅行
の自由に関する交渉を早期に開始すると予告し、ロシアとEUが密
接な結びつきを持つことに賛成した。

     国内ニュース

ウィーン健康保険組合の対立解決の試み

ウィーンの健康保険契約の対立で、対立する両者は今日から交渉の
席に着く。マルティン グライツマン(国民党)を副会長とする健
康保険組合主要連合の幹部と、ウィーン医師会会長ワルター ドル
ナーは水曜日にウィーン地域健康保険組合会長フランツ ビトナー
(社会民主党)と、ウィーナーベルクで会談し、解決を探る。でき
るだけ早期に健康保険組合の主要連合の経営委員会の会議を招集す
るために、解決の土台を準備するのが目標である。この会議の召集
は国民党の投票により2度に渡って阻止されている。




4月23日(金)

     国外ニュース

米国 アラファト殺害警告を自制するようシャローンに求める

イスラエル首相アリエル シャローンが、パレスチナ大統領ヤセル
 アラファトに対する死の警告を改めて出した後、米国政府はシャ
ローンに対し、自制するよう求めた。「我々は約束は約束である、
と考えている」と米国政府高官は昨日AFP通信に述べた。これより
前、シャローンはテレヴィのインタヴューで、自分はもはや、アラ
ファトには手を出さないとの内容の、米国大統領ジョージ W. ブッ
シュと3年前に結んだ約束には拘束されていないと考えている、と
述べた。このインタヴューで、シャローンは、アラファトは「もは
や不逮捕特権を」持っていないとも述べた。シャローンはここ数週
間、アラファトに対してすでに数回に渡って、殺害を予告してい
た。4月上旬の新聞のインタヴューで彼は、「自分は、アラファト
と生命保全の約束を提案することはない、と述べていた。

     国内ニュース

ウィーン健康保険組合問題続報

問題になっているウィーン健康保険組合の契約について、金曜日に
は4時間に渡って、保険組合、医者、主要連合の代表が話し合った
が、成果を挙げることなく終わった。健康保険の主要連合副会長マ
ルティン グライツマン(国民党)は、いくつかの点を明確にする
ことができた点を「大きな前進」であると捉えている、と述べた
が、自分の会派が次の経営評議会でこの契約締結を阻止するかどう
かは明言しなかった。ウィーン地域健康保険組合会長フランツ ビ
トナー(社会民主党)は、グライツマンに情報を呈示しようとした
が、グライツマンは、自分がこの契約に対してどのような態度を取
っているのか、明確な解答を避けた、と述べた。




4月24日(土)

     国外ニュース

米兵 ファルージャで蜂起勢力約30人を殺害

米軍の情報によれば、米国の海軍陸戦隊は土曜日、イラクの首都バ
グダッドの西にあるファルージャ近郊で起きた銃撃戦で、約30人
の蜂起勢力を殺害した。ユーフラテス川の岸辺にある村で起きた銃
撃戦に関する詳細は今のところ、発表されていない。海軍陸戦隊は
4月上旬から、抵抗を続けるスンニ派の拠点ファルージャに侵攻を
加えていた。同地では蜂起勢力が米国人4人を殺害し、その遺体を
辱める事件が起きていた。米国の警備会社の社員たちが残酷な死を
迎えたことで、各国が兵を引きあげる懸念が出ていた。医者の話に
よれば、この戦闘では約600人が死亡した。約2週間前米国は、米
兵に対する攻撃が行われない限り、ファルージャに対する攻勢を中
止する、と予告していた。その後何度か停戦合意が結ばれたが、た
びたび破られている。

     国内ニュース

健康保険問題 クロイターは首相の隠蔽工作を非難

社会民主党所属の会計検査院の広報ギュンター クロイターは、連
邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)が、ウィーン地区の
健康保険組合の契約がまもなく切れることで生じる大きな混乱につ
いてすべてを知っていたが、連邦大統領選挙前には事態をはっきり
させないつもりであった、と非難した。この社会援護および健康保
険にとっての「大きな損害」を隠蔽するつもりであった、と述べ
た。国民党の社会福祉の専門家ワルター タンクシツは、これを受
けて、クロイターは政治的意図に基づく事実無根の発言を行なって
いる、と非難し、クロイターの発言は「完全な作り話」である、と
述べた。




4月25日(日)

     国外ニュース

ブレマー「ナジャフ情勢は危険な方向に展開している」

イラク中部の都市ナジャフでは、情勢は「危険」である、と米国文
民行政官ポール ブレマーは述べた。住民は危険にさらされてお
り、蜂起勢力は武器をモスク、霊廟、学校に集め始めた、と彼は昨
日述べた。ナジャフには急進派シーア派の指導者モクタダ エル 
サドルがたてこもっており、彼が率いるマーディ軍が、米軍とあち
こちで戦闘を行なった。米軍は、エル サドルを逮捕するないしは
殺害する方針である、と予告していた。米軍がシーア派の聖地であ
る同市にむりやり突入する場合には、民衆による反乱を行なう、と
エル サドルは予告していた。

     国内ニュース

クレスティル 投票の際投票人票を忘れる

現連邦大統領トーマス クレスティルは、ホーエン ワルテの全日
制託児所で、大統領選挙の投票を行なった。彼は妻マルゴットとと
もに現れたが、ちょっとした事件が起きた。彼は、投票人票を忘れ
ていた。本来なら投票を行なえないところである。19区の選挙責
任者アドルフ ティラーが、個人的に後から投票人票を届けるとい
う保証を受け入れて、この問題を解決した。この選挙で国民党の候
補ベニータ フェレーロ・ワルトナーと社会民主党の候補ハインツ
 フィッシャーのいずれに票を入れたのかについては、クレスティ
ルは口外しなかった。



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