5月10日〜5月16日のオーストリアのニュース



5月10日(月)のオーストリアのニュース

     国外ニュース

EU委員会「シュッセルは立候補しない」

日刊紙「ディ プレッセ」の報道では、 連邦首相ウォルフガング
 シュッセル(国民党)は、欧州委員会の次期議長職の選挙には立
候補しない。EU評議会議長国アイルランドが他の24カ国首脳に対
して提出した報告書の中では、シュッセルは立候補の可能性がある
6人の中には入っていない、と同紙は消息通の言葉として報じてい
る。正式にはそのような候補者一覧があることはアイルランド政府
は否定している。その6人とは、欧州議会議長でアイルランドのパ
ット コックス、デンマーク首相アンダース フォー ラスムセ
ン、フィンランド元首相パーヴォ リポネン、EU外交委員で英国
のクリス パッテン、ベルギー首相ギイ ヴェルホフスタット、
EU内務法務委員でポルトガルのアントニオ ヴィトリーノである。
シュッセルのほかに、過去数ヶ月有力候補と見られていたルクセン
ブルク首相ジャン・クロード ユンカーが一覧から外れている。

     国内ニュース

EU選挙 トルコの加盟問題が争点に

EU選挙戦は完全に始動した。EUが25カ国に拡大したことを受け、
今後の加盟、特にトルコの加盟がオーストリアでは争点となった。
先日社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは初めて、ト
ルコの加盟に反対である、と明言した。彼は月曜日に、EU議会の
同党の筆頭候補であるハネス スォーボダの援護射撃を行なった。
自由党と国民党も、トルコ加盟は拒否の姿勢である。社会民主党と
国民党は、双方がこの問題で明確な路線をとっていない、と非難し
あっている。




5月11日(火)

     国外ニュース

米軍 ケルベラのエル サドルの本部を攻撃

米兵は昨晩から、イラクの都市ケルベラにある、急進派聖職者モク
タダ エル サドルの活動組織の本部を攻撃した。目撃者によれ
ば、その際、戦車とヘリコプターを投入した。エル サドルの「マ
ーディ軍」の民兵は反撃し、死傷者が発生した、とシーア派の巡礼
地である同市の目撃者は述べた。ケルベラの総督サアド サフクは
その数時間前、エル サドルの支持者が使用している建物は、保健
衛生の拠点賭する、と述べていた。一方エル サドルの民兵は、米
軍がナジャフ市からの撤退する場合には、同市から撤退する用意が
ある、とエル サドルの側近は述べた。

     国内ニュース

プレル 租税高権を州に移すことを断固拒否

ニーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレル(国民党)は昨
晩のテレヴィ番組の中で、租税貢献を州に移すことに明確に反対し
た。これによってより多くの資金が集まることはない、抜け道を作
って税金を上げることを考えるのでないのであれば別だが、と述べ
た。プレルは「連邦はすでに、市民の頭を短く刈っており、州が頭
をさらに剃りあげるよう期待せざるをえないが、これは多分不当な
要求であろう」と述べた。




5月12日(水)

     国外ニュース

近東での流血事件 続く

水曜日イスラエル軍の軍用車に対する攻撃がガザ地区で発生し、イ
スラエル兵6人が殺害され、5人が負傷した。この車はガザ地区とエ
ジプトの間の国境近くのラファ近郊を走っていたところ、地雷が爆
発した。イスラエルの戦車が爆発後、住宅地を砲撃し、数人が負傷
した、と目撃者は語った。急進派パレスチナ人組織「イスラーム聖
戦」がこの攻撃の犯行声明を出した。その中で、同組織は兵士1人
の遺体を持っている、と述べた。遺体の捜索を大規模に行なってい
た軍は、ガザ市で少なくとも5人のパレスチナ人を殺害した。これ
より前、「イスラーム聖戦」は、死亡した6人の兵士の遺体を返還
する、と予告していた。彼らは火曜日にガザ市で同じような事件で
死亡していた。軍高官は、イスラエル軍がガザ地区のサイトゥン地
区から撤退する、と述べていた。

     国内ニュース

農民保険 連邦の補助金に期待

農民向けの社会保険施設の総責任者フランツ レーダーミュラー
は、同施設が財政問題を抱えている点に関して、連邦が補助金を再
導入することに期待している。彼は昨日夜の国民党農民連合の議長
会議後、この期待を述べた。逆に、健康保険での加入料の値上げな
どの歳入面での対策を行なう準備も進めている、とも述べた。ただ
し加入料の値上げに関する具体的な決定が行なわれたわけではな
い、社会保険の責任者カール ドーナバオアーが作ったこれに関す
る案全体が、政府との交渉の土台となるということは承知してい
る、とも語った。農民保険に対する連邦の補助金は、一番最近では
2000年に行なわれている。この時には、4,820万オイロの補助金
があったが、今回もその額を期待している、とレーダーミュラーは
述べた。




5月13日(木)

     国外ニュース

安全保障担当顧問ライス ロシアとドイツを訪問

米国の安全保障担当顧問コンドリーツァ ライスは、今日モスクワ
で会談を行なう予定である。週末に彼女はドイツに足を延ばす。今
回の訪問では、主としてイラクの今後の対策や、権力の移譲計画を
国際法に根拠を持つものにする上で必要な、新たなイラク決議を国
連安保理に提案することについて話し合う。月曜日にベルリンで
は、ドイツ外務大臣ヨシュカ フィッシャー(緑の党)との会談の
ほかに、パレスチナ首相アーメド コレイアとの会談も行われる。
ライスは、コレイアと面会した中で、米国政府でもっとも地位が高
い人物になる。

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会計検査院 フィードラーの後継者に関して対立

6月末で現在会計検査院の長官をつとめるフランツ フィードラー
の任期が終わる。彼の後継者をめぐる対立は、激化している。緑の
党は中立の候補者を求めており、野党の候補者を政府に対する監視
部局に置くことを求めている社会民主党の批判と一線を画した。国
民党は緑の党の提案に対しよい単がいくつかあることを認めている
が、さらなる手続きをすでに取った。これによって明らかになった
のは、新長官の任命はさらにずれ込む、ということである。




5月14日(金)

     国外ニュース

ポーランド議会 ベルカの信任を拒否

約2週間前に指名されたポーランド首相マレク ベルカは金曜日、
国会での信任を得ることができなかった。ベルカの左派連合は信任
に必要な過半数の226議席をもっていなかったため、この結果は予
想されていたとおりのものであった。しかしベルカは、単純多数が
必要なだけの2回目の投票では信任を受ける可能性が十分ある、と
述べた。1回目の投票でベルカを信任したのは188人の国会議員で、
その中には中立はと小政党も含まれていた。反対票を投じたのは
262人であった。ベルカは退陣することになるが、当面職務は続け
ることになる。野党は、独自の政府を作るために2週間の猶予があ
る。大きな対立を持つ野党が組閣に失敗したら、ベルカとその政
府が2回目の投票を受けることになる。

     国内ニュース

世論調査「政党は有権者の希望を無視している」

支持政党は、有権者が心の中に何を持っているか、全く想像してい
ない、少なくとも、それが重要であるとは思っていない。IMAS研
究所の世論調査によれば、どの問題が重要であるかについて、考え
方に大きな隔たりがある。国民党と自由党はNATO加盟に色気を示
しているが、有権者の多数はそれに反対である。社会民主党の支持
者は、犯罪対策の強化を望んでいるが、同党はむしろ東欧の隣国と
の関係改善を願っている。緑の党とその支持者の間の意見の相違が
一番大きい。




5月15日(土)

     国外ニュース

イスラエル ガザからの撤退に賛成するデモに10万人の参加者

10万人を越えるイスラエル人が、昨日テル アヴィヴで、ガザ地
区からの撤退に賛成してデモを行なった。ラビン広場での集会に参
加するよう、野党労働党が呼びかけていた。主催者は、イスラエル
建国56周年記念日にも、大規模なデモを行ない、和平実現に向け
て新たな起爆力になることを期待している。イスラエルの報道機関
は参加者を約15万人と見積もっていた。これは首相イツハク ラ
ビンが1995年に暗殺されて以来、イスラエル最大の和平集会の一
つになるはずである。「ガザからの撤退は、対話とともに始まる」
と断幕には記されていた。一方米国外務大臣コリン パウエルは、
米国がイスラエルに肩入れしている、という非難を取り除こうとし
た。パレスチナ首相アーメド クレイアとヨルダンで会談した際パ
ウエルは、大統領ブッシュは、国際和平計画(いわゆる旅程表)が
2005年までに予定している、パレスチナ人の主権国家の建国を支
持している、と強調した。

     国内ニュース

クレスティル「政府は虐待問題に積極的であるべき」

連邦大統領トーマス クレスティルは、イラクで米軍が逮捕した人
たちに対する拷問と虐待、屈辱的な扱いに関する報道に「愕然とし
ている」と述べた。新聞とのインタヴューで彼は、責任者にこの問
題に関するオーストリアの意見を表明するため、連邦政府は外交的
手段を用いた手段を講じてくれる、との期待も述べた。クレスティ
ルは米国に対し、「まったく正当化できないような事例」の関係者
には責任を取らせるよう求めた。




5月16日(日)

     国外ニュース

EU外相会議 憲法について再び議論

EU加盟各国の外相は、EU憲法に関する審議を月曜から再開する。
EU憲法は6月中旬に加盟各国首脳によって決定されることになって
いる。公式に議論された問題の多く、たとえば、EU委員会の構成
や、EU閣僚評議会の決定手続きなどは、今回は議題に上らず、各
国首脳会議にとっておかれる。オーストリアは外務大臣ベニータ 
フェレーロ・ワルトナー(国民党)が代表で出席する。各国外相は
特にEU閣僚評議会の議長が今後はどのように選出されるか、そし
てどのような分野で多数決による決定を行なうか、という問題で議
論を行なうことになっている。EU集会で全会一致による決定から
除外されたいくつかの項目が、少数の加盟国の要求によって、再び
全会一致でなければ決定されないことになっている。

     国内ニュース

スイス法相 ベームドルファーとシュトラサーと会談

スイスの法務および警察大臣クリストフ ブロッヒャーは今日か
ら、法務大臣ディーター ベームドルファーと内務大臣エルンスト
 シュトラサーをウィーンに訪問する。会談の中心は、両国がルー
マニアの犯罪者が母国で犯した犯罪の刑を執行する際に協力しあう
計画についてである、と法務省は発表した。閣議は火曜日に、ルー
マニアに刑務所を建設し、オーストリアで有罪判決を受けたルーマ
ニア人に、そこで刑に服させることを決定していた。ブロッヒャー
(スイス国民党)は、オーストリアのこの措置を「きわめてよい計
画で検討する価値がある」であると評していた。



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