5月17日〜5月23日のオーストリアのニュース



5月17日(月)

     国外ニュース

同性愛者の結婚 ブッシュは憲法改正の動き

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、同性愛者が今後は結婚できな
いようにするために、憲法改正を急いでいる。「聖なる社会慣習で
ある結婚が、少数の好戦的な法律関係者によって規定されるような
ことがあってはならない」と彼は昨日カンザス州で述べた。これは
昨日からマサチューセッツ州で同性愛者による結婚が可能になった
ことに対抗するものである。同州の最高裁判所が同性愛者の結婚を
適法である、と判断したことを受け、数百組の同性愛者たちが、新
たな法律を利用した。

     国内ニュース

サオスグルーバー 赤字財政の会談の水準に不満

フォアアールベルク州首相ヘルバート サオスグルーバー(国民
党)は、連邦との間で行なっている州財政の赤字補填をめぐる交渉
の水準について不満を述べた。連邦大蔵大臣カール・ハインツ グ
ラサーは、各州は予算の大規模な支出削減に貢献するべきである、
と考えている。大蔵省が計画している租税高権の各州への移行をめ
ぐる議論は、専門知識のある人の水準で行な割れているが、これは
より高い水準で行われてもよいのではないか、とウィーンの葉巻ク
ラブの催しで昨日述べた。




5月18日(火)

     国外ニュース

イスラエルのガザ地区に対する攻勢で国連決議

アラブ諸国は国連安保理に対し昨日、イスラエルに対して、ガザ地
区の家屋を破壊することを即時中止するよう求める決議を提案し
た。この決議は、国連安保理を通過する可能性がある。西側外交筋
の情報によれば、同理事会の15カ国の過半数が、この決議案を受
け入れる準備がある、とのことである。米国が改めてイスラエルを
支持し、この決議を拒否権を行使して阻止するかどうかは今のとこ
ろ不明である。このところ米国はイスラエルと明確に一線を画して
いた。さらにアラブ諸国は、米国政府に譲歩して、この決議案の中
でイスラエルに対するあらゆるテロ攻撃を中止する要請も加えてい
る。ラファ難民収容所では1,100人を越えるパレスチナ人が、この
「違法な」家屋破壊によって家を失った、とアラブ外国筋はこの決
議の必要性を強調している。昨夜から続くイスラエルの攻勢では、
少なくとも19人のパレスチナ人が死亡した。

     国内ニュース

ファン デア ベレン 動物保護で妥協を要請

動物保護法問題で、4党会談でも前進が見られなければ、交渉はよ
い結論に達することはないだろう、と緑の党党首アレクサンダー 
ファン デア ベレンは昨日のテレヴィ番組で述べた。緑の党は、
いくつかの点で妥協するが、他の政党の側もそうするのでなければ
ならない、との意見を示していた、と彼は述べた。しかしファン 
デア ベレンは具体的な提案については、現在進行中の交渉である
と指摘して、言及しなかった。動物保護の重要な点として彼は、有
用動物の飼育方法を挙げた。また彼は、節度ある動物保護に賛成で
ある、と述べ、産業界に過度な負担をかけるようなことは「問題の
性質上」あってはならない、と語った。




5月19日(木)

     国外ニュース

国連安保理 イスラエルを非難

国連安全保障理事会はイスラエルに対し、ガザ地区で行なっている
家の破壊を中止するよう求め、イスラエル軍の活動によって一般市
民が死亡したことを非難した。米国はニュー ヨークで行なわれた
この採決にあたって、投票を保留した。残りの国連安保理の14カ
国は、この決議に賛成票を投じた。今まで米国はイスラエルに対し
て向けられた安保理決議のほとんどすべてを、拒否権を行使して、
成立を妨げてきた。ガザ地区南部のラファでのイスラエルの軍事活
動で、今週初めから数十人が死亡している。近くにあるエジプト国
境を通じた武器密輸に役だっているとされる家屋が破壊されたた
め、国連によれば千人を越えるパレスチナ人が家を失った。昨日は
情勢がさらに激化した。イスラエル空軍が、難民収容所でデモを行
なっていた人々に、ミサイルを発射した。これで少なくとも10人
が死亡、50人のパレスチナ人が負傷した。イスラエル国防副大臣
セーウ ボイムは一般市民が死亡したことを遺憾であるとし、議会
の誰もこれを喜んではいない、と述べた。また、この事件が起きた
状況は不明で、調査が進行中である、と述べた。彼は、これが事件
或いは過誤である可能性を否定しなかった。

     国内ニュース

警官の62% 警察改革に賛成

地方駐在連邦警察隊との統合計画に関する職員の意見調査を受けた
警察の職員の約62%が、この統合計画に賛成している。この計画に
反対しているのは約36%である。昨日警察労働組合執行部がこの数
字を発表した。意見を聴いた9,151人のうち、6,839人が回答し、
約75%の回答率であった。その他に質問は、勤務規定、勤務および
給与に関する権利、および万一の際の労働組合の対策に関するもの
であった。94%が現在の勤務機影には満足している、と回答した。
新たに計画されている規定が改善になると考えているのはわずか
5.6%であった。新たな組織の試験的運営の実施に賛成なのは24%、
反対は73%、残りは保留であった。




5月20日(木)

     国外ニュース

EU拡大後初めてのEU・ロシア首脳会談

EUが5月1日に拡大してから初めて行われる金曜日の首脳会談に、
ロシアおよびEUの代表が出席する。EU評議会議長ロマーノ プロ
ディを代表として、EUの主要な政治家たちが、ロシア大統領ウラ
ジミール プーチンおよびその閣僚と会談する。モスクワで行なわ
れるこの会談の主題は、ロシアが希望している世界貿易機構への加
盟である。ロシアがエネルギーおよび農業分野に対して補助金を支
払っているため、EUは加盟に賛成することを拒否した。ロシア政
府の情報によれば、ロシア側は、気候保護のための京都議定書をめ
ぐる対立では議論する必要がない、と見ている。ロシア政府は、
EUが急いでいるにもかかわらず、今のところこの議定書の批准を
拒否している。

     国内ニュース

ゲーラー「田舎の小規模学校は閉鎖しない」

生徒の数が不足している田舎にある国民学校の数はますます増えて
いる。にもかかわらず、この学校は閉鎖しない、と教育大臣エリー
サベト ゲーラー(国民党)は木曜日のテレヴィ番組で約束した。
国民学校の約20%は現在でもすでに生徒の数が80人を下まわり、
この傾向はますます強まるものと見られている。会計検査院は何度
も小規模学校にはお金がかかりすぎる、と批判していた。この批判
は、お金の点だけに関するもので、「村にある学校」には他の価値
もある、生徒数10人から15人の学校には給料を支払う価値がある、
とゲーラーは述べた。




5月21日(金)

     国外ニュース

フランス Dデイ記念日を前にテロの警戒を強める

連合軍のノルマンディ上陸の60周年記念式を前に、フランスは警
戒態勢を強化した。月曜日からこの地域では安全対策の段階が赤と
されることになったが、これは4段階の警戒の上から2番目であ
る、と首相ジャン・ピエール ラファランは昨日発表した。6月
5日から7日にかけてノルマンディで行われる記念式には、約2万人
が参加すると見られている。米国大統領ジョージ W. ブッシュ、ロ
シア大統領ウラジミール プーチン、英国女王エリザベス2世、ド
イツ首相ゲアハルト シュレーダーを含め17カ国の元首が来賓と
なる。警官と兵士約15,000人が投入され、その他戦闘用航空機と
ヘリコプターが出動して、式典の警戒を行なう。フランス政府は
3月11日のマドリード攻撃以降、テロの警戒態勢を1段階上げてお
り、その後元に戻していなかった。

     国内ニュース

労組の合併 化学労組は離脱を検討

オーストリア労働組合連合内部の労働組合の合併計画は、難題にぶ
つかっている。化学産業の労働者は、離脱を検討している、と同労
組議長ウィルヘルム ベックは昨日のテレヴィ番組で述べた。同労
組内部に懐疑的な考え方の人がおり、この問題が長引けば長引くほ
ど、懐疑的な人の数が増えていく、とベックは述べた。約60万人
の組合員を擁する大きな労働組合連合が出来る計画であった。これ
は金属労組、民間企業労組GPAの2大労組と印刷、農業・食糧・飲
食および化学の5つの部分労組からなる労組になる予定であった。
誰が部分労組を指揮するかは、財政および組織の計画同様、まだ発
表されていない。2月にはオーストリア労働組合連合会長フリッツ
 フェアツェトニッチュは、合併計画は順調に軌道に乗っており、
詳細が解決されてはいないものの、時間的には計画通りである、と
述べていた。2005年末ごろには、各部門のそれぞれの組織が解散
を決定し、新労組の結成集会が行われることになっている。




5月22日(土)

     国外ニュース

ドイツ連邦集会 ラオ大統領の後継者を選ぶ

ドイツ連邦集会は日曜日、ドイツ連邦大統領ヨハネス ラオの後継
者を選ぶ。キリスト教民主、社会同盟と自由民主党は、国際通貨基
金元総裁のホルスト ケーラーを指名した。社会民主党と緑の党を
代表して、ヴィアドリナ ヨーロッパ大学学長ゲズィーネ シュヴ
ァンが立候補する。ケーラーが選ばれることは確実であると見られ
ている。キリスト教民主、社会同盟と自由民主党は、連邦議会議員
と各州の代表1,205人のうち、必要な絶対多数より19多くの票を
持っているからである。ドイツ連邦議会議長ヴォルフガング ティ
ールゼ(社会民主党)が、12時に連邦集会を開会する。12時15分
に第1回投票が始まる。票の集計後14時30分ごろ、結果が公表さ
れる。候補者の1人が必要な過半数603を獲得しなければ、さらに
2回の投票が行われる可能性がある。

     国内ニュース

世論調査 シュタイアーマルク州国民党の支持低下

リンツの世論研究所IMASが行なった、シュタイアーマルク州の政
治に関する意見の現状を調べる世論調査が、政権の座にある国民党
の劇的な評価を公表した。新聞の報道によれば、5月に選挙が行な
われるとすれば、同党は投票のわずか39%しか獲得できない見通し
である。これは、2000年の州議会選挙と比べて、少なくとも8%減
少している。当時国民党は47.3%の得票で、絶対多数に手が届きそ
うであった。この世論調査は、国民党が電力会社Estag社をめぐる
疑惑が発生して以来、受けて続けている支持者離れが続いているこ
とを示している。フランツ フォーフェス率いる社会民主党は、
38%の支持を受けた、と報じられている。これは前回州議会選挙と
比べて6%の増加であり、国民党と社会民主党の支持は拮抗してい
る。連邦国民党幹部にとっては、危険信号である。ザルツブルク
に続き、国民党の牙城が困難に直面している。




5月23日(日)

     国外ニュース

EU外相 憲法案を審議

EU加盟各国の外相は月曜日、ブリュッセルで改めて、問題になっ
ている最初のヨーロッパ憲法の案について審議を行なう。議長国ア
イルランドは、小さな対立点の多くでは妥協する可能性はどれぐら
いあるか、各国代表の意向を打診する方針である。今までの計画に
よれば少なくとも、今回の会議が、6月17日と18日に開かれるEU
首脳会談前に行われる最後の外相会談である。この首脳会談で憲法
が採択されることになっている。

     国内ニュース

トラック通行料 クロイターはゴルバッハを議会に呼ぶ方針

社会民主党の会計検査院の広報ギュンター クロイターは、交通大
臣フーバート ゴルバッハ(自由党)は「トラック通行料未徴収」
問題に関して、質問をするために国会に喚問する方針である。ゴル
バッハは今までこの問題に関して口を閉ざしているため、国会で3
つの質問を行なうつもりである、とクロイターは昨日述べた。具体
的にはクロイターは、通行料の未支払いの原因の背景を探り、
ASFINAGによる判定の呈示を要求し、数万件におよぶ未徴収が毎
日起きていることを確認する方針である。さらにクロイターは、3
カ月後の通行料制度の変更、つまり携帯電話による料金の後払いに
賛成する声明を呈示する方針である。



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