5月24日〜5月30日のオーストリアのニュース



5月24日(月)

     国外ニュース

ブッシュ イラクに対する明確な戦略を提案する方針

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、緊張をもって見守られている
基調演説を月曜夜に行ない、イラクに対する明確な戦略を提案する
方針である。大統領府広報スコット マクレランが昨日これをワシ
ントンで発表した。ブッシュは、これは政治権力の移譲の一つの段
階であり、さらにイラクに安全をもたらし、同国を再建するための
ものである、と述べるだろう、とマクレランは述べた。目標が自由
かつ民主的、平和なイラクであることには変わりがない、とも述べ
た。

     国内ニュース

労組統一計画 瓦解の恐れ

オーストリア労働組合連合の部分を構成する労働組合5つが合併す
る計画は、さらに亀裂が入っている。化学産業労働組合が離脱し、
金属産業労働組合がこれについて再検討することを受け、キリスト
教労働組合からも抵抗が出る見込みである、と新聞が報じている。
同労組の連邦事務長カール クラインは、報告書の中で、社会民主
党の労働組合との会談で、同労組が合併労組の中で占める地位につ
いて話し合いを行なう計画である、と述べた。この地位が修正され
ないのであれば、何か別の手だてを考えなければならなくなる、と
語った。




5月25日(火)

     国外ニュース

ドイツ 移民法をめぐる対立で突破口を見つける

約3年間に渡る、共同の移民法をめぐる戦いの後、ドイツでは社会
民主党と緑の党の連立与党と、野党キリスト教民主、社会同盟が譲
歩することで合意した。「私たちは政治的合意に達した」とドイツ
首相ゲアハルト シュレーダーは昨日午後、約1時間に及んだキリ
スト教民主同盟党首アンゲラ メルケルとキリスト教社会同盟党首
エドムント シュトイバーとの会談後語った。この妥協案は、社会
民主党と連立する与党である緑の党との間で調整されている、とも
語った。「これで新しい種類の移民権が生まれる」とも述べた。も
っとも困難をきわめた問題は、安全確保上の問題であって、今後は
外国人は、事実に基づいて危険が予想される場合には国外退去が命
じられる可能性がある。その他、移住者に対して居住許可や市民権
を与える前に、憲法擁護に関する規則の質問が導入される

     国内ニュース

国民評議会 両親のパートタイム労働を決議

国民評議会は今日、親のパートタイム労働を決議する。これにより
7歳以下の子供の両親は、3年以上従業員20人以上の企業で働いて
いる場合、7月1日からパートタイム労働を行なう権利を持つこと
になる。社会民主党は、この法案は、小規模の企業の労働者に適用
されないため、あまりに不十分であると批判しているが、政府案に
対して賛成するものと見られている。このほか国民党、自由党、緑
の党は、電力産業のいわゆる「分割」を可決する。これは送電網、
発電、販売を分離するものである。これにより電力供給会社は、
2006年1月1日から、発電、販売、送電会社を作らなければならな
くなる。




5月26日(水)

     国外ニュース

コソヴォのドイツ兵に拷問の疑い

ドイツ国防省は昨日、コソヴォのドイツ兵が拷問を行なっている場
面とされる写真がある、との噂に、事実無根である、と述べた。た
だし国防相ペーター シュトルック(社会民主党)は、1999年の
コソヴォ派兵開始の際の事件に関する指摘を、収容所の監視役に調
査させる。「ビルト」紙によれば、コソヴォ保護部隊筋から、この
写真に関する噂が広がっているが、同紙は写真を持ってはいない、
とのことである。

     国内ニュース

亡命法に関して アムネスティはオーストリアを批判

昨日提出された2004年年次報告の中で、アムネスティ インター
ナショナルは、オーストリアに対し批判なしですますことはなしな
かった。特に新亡命法が、同人権擁護団体にとっては茨となってい
る。亡命権は、例外規定と追加項目によって骨抜きにされている、
と述べている。さらに警察権力が介入するいくつかの事例に対して
も、アムネスティーは不満をぶつけており、特にアフリカ人チェイ
バニ ワーグの死を指摘している。内務省は、亡命法問題に関する
非難を退けている。




5月27日(木)

     国外ニュース

イラク 統治評議会議員の暗殺

何者かが木曜午後、イラク統治評議会議員サラマ アル カファジ
の乗った護衛つきの車両を襲った。アラブ系のテレヴィ局アルジャ
ジーラが他の評議員の言葉として報じているところによれば、この
暗殺事件でシーア派の女性政治家である彼女の護衛2人が死亡し
た。サラマ アル カファジは生き延びた、と評議員マームド オ
トマンは述べた。彼女の護衛3人が殺害され、彼女の息子は行方不
明である、とのことである。彼女は他のシーア派の評議員ととも
に、急進派の説教師エル サドルとの合意事項を発表していた。ア
ルジャジーラによれば、この車両はナジャフからバグダッドに帰る
途中、エル ユシフィアで襲撃を受けた。アル カファジは、統治
評議会の女性評議員3人のうちの1人である。彼女は、昨年9月にバ
グダッド近郊で攻撃を受けて死亡したアキラ エル ハシミの後任
をつとめていた。

     国内ニュース

動物保護法 全会一致で承認

国民評議会は木曜午後、全会一致で全国統一の動物保護法を承認し
た。この法律は2005年1月1日に、現在各州が持っている条例の代
わりに有効になる。この法律の骨子は、養鶏業者が行なっているお
りの中での飼育を段階的に廃止する、というものである。また、い
わゆる長期的拘束飼育は禁止され、空き地等に90日間置かなけれ
ばならない。ただし牛を飼育する際にはこれは、例外とされる可能
性がある。




5月28日(金)

     国外ニュース

クルド労働党 トルコとの停戦解消を通告

クルド分離派は昨日、5年前に結ばれたトルコでの停戦状態を終わ
らせる、と宣言し、投資家たちと観光客に対して新たな暴力がおこ
る可能性がある、と警告した。「停戦は6月1日に終了する」とク
ルド労働党PKK指導部の声明の中で述べられている。この声明は彼
らに近い立場にある通信社が伝えた。この決定を下した理由として
同党は、トルコはクルド人居住地域で過去3カ月にわたって、破壊
を目的とした活動を強めていることを挙げた。同党は9月以来、停
戦を終了する、と警告していた。トルコ軍部の代表は、同党の戦闘
員数百人が過去数日間イラク北部からトルコに帰国しており、和平
を壊す可能性がある、と述べた。これにより、トルコが加盟を希望
しているEUとの関係が損なわれる可能性もある。

     国内ニュース

シュッセル「年金の収支安定化はうまく進んでいる」

年金の収支安定化問題で、連邦首相ウォルフガング シュッセル
(国民党)は、政府はよい方向に進んでいる」と述べた。連邦政治
では交渉が進展しいる核心部分を各州が受け入れるように期待して
いる、と彼は新聞に述べた。「未解決の点も予定通り夏前には決着
が着く。可能な妥協はすでに行なわれている」とも述べた。ウィー
ン州政府に対して彼は、同州公務員のために計画している「特権的
な年金制度」の問題に関して、「公正な解決を図ることができるの
は連邦政治の水準においてだけであるが、各州によってこれが実施
されることも期待している」との意見を述べた。




5月29日(土)

     国外ニュース

アル カイダ サウジ・アラビアで約50人を人質に

テロ組織アル カイダは、サウジ・アラビアの都市コバルで約50
人を外国人を人質に取った。その中には米国人とイタリア人が含ま
れている。これより前の昨日朝、イスラーム急進派であるアル カ
イダは、サウジ・アラビアの石油産業の拠点であるこの町の住宅地
域に対して攻撃を行ない、外国人7人を含む16人を殺害した、と治
安部隊は発表した。

     国内ニュース

スォボダ書簡 国民党は調査委員会の設置が可能と見る

自由党は社会民主党のEU議会の筆頭候補であるハネス スォボダ
の書簡に関連する議論の中で、国会の調査委員会を設置するように
求めたが、国民党は、それは可能であると見ている。国民党事務長
ラインホルト ローパトカは、ただしそれは、スォボダがオースト
リアに対する制裁が行なわれていた時期に彼が取った態度に対し
て、その立場を明確にしなかった場合の、最後の手段である、と述
べた。




5月30日(日)

     国外ニュース

ガザ地区からの撤退計画 シャローンは閣僚の解任を辞さず

イスラエル首相アリエル シャローンは昨日政府に対して、ガザ地
区からの撤退計画を提案し、これに頑固に反対する大臣は解任す
る、と圧力をかけた。「たとえ閣僚の構成を変化させなければなら
ないとしても、私はこの計画を断固採択するつもりである」との発
言を行なった。「これは私が公に対しておっている義務である」と
閣議の後彼は述べた。シャローンにもっとも徹底的に抵抗している
閣僚は、彼と同じリクード党に属している大蔵大臣ベンヤミン ネ
タニヤフである。リクード党は5月上旬に、2005年までにガザ地
区のすべての入植地を放棄するという内容の計画を拒否していた。

     国内ニュース

ラスムセン「スォボダに対する非難は不正である」

ヨーロッパ社会民主党議長で、デンマーク元首相ポール ニューロ
ップ ラスムセンは、自由党と国民党が社会民主党のヨーロッパ議
会議員ハネス スォボダに対して行なっている非難は、「全く不正
で誤ったものである」と述べた。「私は彼らに対して、アルフレー
ト グーセンバオアーとハネス スォボダは、私とともに断固、当
時の危機的状況から抜け出すための努力を行なった、と言うことが
できます。ですからこの非難は全く不正で、誤ったものです」とラ
スムセンは昨日のテレヴィ番組のインタヴューで述べた。



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