5月31日〜6月6日のドイツのニュース



5月31日(月)

ホバル さらなるアル カーイダの攻撃の恐れが増す

(リヤド)サウジ・アラビアの石油都市アル ホバルの外国人居住施設で起きた人
質事件は、22人の死者を出し、世界各地でアル カーイダの攻撃がさらに行われ
る懸念が強まっている。英国外務省は、テロリストは新たな攻撃をサウジ・アラビ
アで行なう決意である、と述べた。「タイムズ」紙は、秘密情報部は同国で「大が
かりな攻撃」がおこる恐れがある、と付け加え、主要石油施設と、バーレーンとの
連絡路が攻撃目標になりうる、と伝えた。英国の他、フランス、ドイツ、オースト
ラリアはサウジ・アラビアへの旅行を行なわないように警告した。
今までのところ、日曜日に治安維持部隊による人質解放作戦の時に逃亡に成功した
アル カーイダのテロリストと見られる3人の捜査は成果を上げていない。

     その他のニュース

トルコ急進派に対するテロ裁判手続き 実現せず

(イスタンブール)トルコでは、イスタンブールのテロ攻撃を支援
し、あるいは裏で糸を引いたとされる容疑者に対する裁判手続き
が、第1回の話し合いで実現しなかった。イスタンブールの国家治
安法廷は、この裁判を担当しない、との宣言を出した。同裁判所の
裁判官はこれによって、国防の提案に従ったものである。この判断
の根拠は、先月国会で採択された司法改革である。イスタンブール
のシナゴーグ2箇所と英国領事館、英国の銀行は11月に攻撃され、
60人を越える死者を出していた。アル カーイダのトルコ国内の
テロ組織に属しているとされる合わせて69人の急進派が訴えられ
ていた。

イスラエル国会 撤退計画の議論を延期

(エルサレム)イスラエル国会は、月曜日に予定されていた、首相
シャローンによるガザ地区からの撤退計画の議論を、延期した。報
道によれば、閣議でも自分の計画が過半数の賛成を得られない見込
みとなったため、シャローンが延期を求めた、とのことである。こ
の議論は早ければ来週中に行われることになっている。首相はすで
に日曜日に計画されていた閣議での投票を延期していた。政府内部
には、シャローンによるユダヤ人入植地からの撤退に反対する勢力
が強い。多数の賛成を得るために彼は、内閣改造さえも検討してい
る。

米兵 バグダッドの爆弾攻撃で死亡

(バグダッド)バグダッドでは爆弾攻撃がおこり、米国が指揮する
占領軍の兵士2人が死亡した。米軍によれば、ちょうど兵士が道路
封鎖を行なっていたところ、バグダッド南部で爆弾が破裂した。こ
れより前にも、バグダッドでは自動車爆弾が破裂し3人が死亡し
た。この攻撃は、独裁者サッダーム フセインのバース党の元党首
が住んでいた家の近くで起きた。一方イラク南部のクーファ市で
は、米兵と急進派シーア派の説教師エル サドルの支持者が、停戦
合意が成り立っていたにもかかわらず、新たに激しい交戦を行なっ
た。その際兵士2人とイラク人1人が死亡した。





6月1日(火)

イラク統治評議会 暫定大統領を指名

(バグダッド)イラク人に対する権力移譲計画を1カ月後に控え、新暫定政府は職
務についた。サッダーム体勢崩壊後の初代大統領にはスンニ派の首長ガジ アル 
ヤワルが就任する。首相にはイヤド アラウィが決まっていた。彼の内閣の閣僚は
28人で、女性5人が含まれている。移行政府の人事は、数日にわたる綱引きの後に
決定された。米国および国連特使ラクダル ブラヒミは、元外務大臣アドナン パ
チャチを、暫定大統領にすることに賛成していた。指名後ヤワルは、イラクに完全
な主権を実現するつもりである、と強調した。
ヤワルの指名後、米国大統領ジョージ W. ブッシュは、移行政府は民主主義をイラ
クに身近なものにする、と述べた。移行政府は2005年初めの選挙まで、同国のか
じ取りを行なうことになっている。

     その他のニュース

イラクの攻撃で再び死者発生

(バグダッド)イラクでは激しい攻撃が行なわれ、暫定大統領任命
に暗い影を投げかけている。通信社の報道によれば、首都バグダッ
ド中心部では自動車爆弾が破裂し、少なくとも10人が死亡した。
死者は25人である、とする報道もある。負傷者は多数発生した。
この攻撃は、クルド人の政党PUKの事務所の近くで起きた。この建
物はいわゆる緑地帯のそばにある。この地域は、以前は爆発や銃撃
の音がよく聞こえていた。その他、イラク北部では、自動車爆弾で
イラク人11人が死亡、負傷者は多数である、と内務省は発表した。

パキスタンで新たな暴力事件

(カラチ)パキスタンの港町カラチのシーア派のモスクに対する爆
弾攻撃から1日、20人の死者の葬儀の際に新たに暴力事件が起こっ
た。数千人のシーア派が警察と路上で衝突した。暴徒は銀行、商
店、車を襲撃した。大統領ムシャラフは、人口140万人の同市に正
義と秩序を回復するため、特別な措置を取る、と予告した。カラチ
ではスンニ派と少数派のシーア派の衝突が繰り返し起こっている。

ドイツ カブール空港の指揮権を移譲

(カブール)ドイツ国防軍は2年半に渡って、アフガニスタンの首
都カブールの軍用空港の指揮権を持っていたが、これをNATOに移
譲した。同空港で行なわれた式典では、今後NATO体制下で24カ国
からなる軍隊の指揮をとるアイスランドに指揮権の移譲が行なわれ
た。国防軍の情報によれば、カブールには2002年イラク42,000
回の航空機の離着陸が行なわれた。一方国防相シュトルックはサン
クト ペテルスブルクでロシア国防相イワノフと、アフガニスタン
への国防軍機の飛行のためのロシア領空の使用をめぐって話し合い
が行なわれた。ロシアは昨年、ドイツの輸送および救援飛行のため
に領空通過を認めていた。ロシア政府から領空通過の許可を得てい
るNATO加盟国は、今のところドイツだけである。




6月2日(水)

イラク新決議も批判を受ける

(ニュー ヨーク)イラクでの権力移譲をほぼ1カ月後に控え、国連安保理で、同
国の政治的な未来に関する対立はあいかわらず続いている。米国と英国が新たに提
案した新たな国連決議案も、批判を受けている。異論を表明したのは主としてロシ
アとフランスである。ドイツ連邦政府広報は、修正あるいは審議の必要性がある、
と述べた。特に対立しているのは、米英軍がいつ撤退するか、そしてイラクの移行
政府が撤退時期について決定を下すことができるかどうか、をめぐってである。米
英の最初の決議案の中では、撤退期日が明言されていなかった。現在の第2案で
は、派兵を終了させるかどうかは政治的な進展しだいである、とされている。米英
は、イラクが憲法を持ち、民主的に選ばれた政府を持ったら、同国から撤退する方
針である。

     その他のニュース

バグダッドで自動車爆弾攻撃 死者4人

(バグダッド)イラクの首都バグダッド北部の自動車爆弾攻撃で、
少なくとも4人が死亡し、30人以上が負傷した。負傷者の中には多
くの子供が含まれている、と警察は発表した。米国の護衛つきの輸
送部隊が通りかかったところ、自動車爆弾が爆発した。この輸送部
隊には影響はなかった。一方イラク中部の都市ナジャフとクファで
は、米兵と急進派シーア派エル サドルの民兵が新たな戦闘を行な
った。少なくとも8人のイラク人が死亡した。またアラブ系のテレ
ヴィ局アル アラビーヤは、さらに2人の外国人、トルコ人1人とエ
ジプト人1人が誘拐された、と報じている。これらの外国人は米軍
のために働いていた、という理由で誘拐犯は彼らを殺害する、と威
嚇した。

アフガニスタンで5人の支援隊員 死亡

(カブール)アフガニスタンの北西部にあるバドギ州では、支援組
織「国境なき医師団」の隊員5人が攻撃を受け死亡した。同州の警
察長官アミル シャハ ナイェブサダは、攻撃を行なったのはター
リバーンと見られ、ターリバーンの戦闘員は同国を不安定にするこ
とを望んでいる、と述べた。アフガニスタンの北部と西部は、今ま
では比較的安全と見られていた。支援隊に対する攻撃は、2001年
末のターリバーン政権の崩壊以来、もっとも激しいものである。死
亡したのはアフガニスタン人2人、ベルギー人、オランダ人、ノル
ウェー人各1人である。

サウジ・アラビア当局 テロ容疑者対策を実施

(リヤド)サウジ・アラビア警察は、テロの容疑者2人を殺害し
た、との情報がある。彼らはメッカ近くの山地で警察に射殺され
た。 アラブ系テレヴィ局アル アラビーヤの報道によれば、彼ら
はアル カイダの組織に属していた。当局は今後も、テロ組織に金
銭を密かに与える容疑を受けている、いわゆる福祉団体に対する対
策を強化する、と予告した。サウジ・アラビアの首都リヤドでは、
イスラーム急進派と見られる者たちが、米軍の職員を攻撃した。武
装した彼らは、厳重に警備された米軍の兵舎の前で輸送車を銃撃
し、米兵1名が軽傷を負った。




6月3日(木)

CIA長官テネット 辞任

(ワシントン)米国秘密情報部CIA長官ジョージ テネットは辞任した。米国大統
領ジョージ W. ブッシュは残念がったが、辞表を受け入れた。テネットはその辞表
で「個人的な理由のため」辞任する、と述べていた。多くの失敗を犯したため、テ
ネットに対する批判は最近強くなっていた。イラクに大量殺戮兵器があるとした間
違った情報を出し、2001年9月11日のテロ攻撃に対する警告を出さなかったこと
等が、その批判の原因である。
彼は51歳で、7月中旬に自分の職務を長官代理ジョン マクラフリンに委ねること
になっている。彼の後継者はその後指名されることになっている。彼は1997年か
ら中央情報局長官を務めていた。彼は、ブッシュが2001年に大統領に就任した際
に、前任者のビル クリントン政権から留任した唯一の高官であった。

     その他のニュース

イラクのシーア派 新政権を支持

(バグダッド)イラクのシーア派の聖職者のうち最重要人物である
アヤトラ アリ エル シスタニは、新移行政権を支持する、と述
べた。ただしこれは選挙で信任されておらず、すべての社会組織を
代表しているわけではないが、新政権成立は正しい方向に向かった
一歩である、と彼は述べた。彼は、住民の6割を占めるシーア派で
大きな威信を得ている。新イラク大統領ガジ ヤワルは和解の方針
を提案した。その中では、解体されたバース党党員のうち犯罪を犯
していない人たちの取り込みも含まれている。一方独外相フィッシ
ャーは米英によるイラク決議案を、よい叩き台である、と述べた。
国連の権限が強化されればさえるほどよい、とフィッシャーはある
インタヴューで述べた。

イラクの都市クファで新たな戦闘

(バグダッド)イラクの都市ナジャフとクファでは、米部隊と急進
派シーア派の指導者エル サドルの支持者が新たな戦闘を行なっ
た。クファでは少なくとも5人のイラク人が死亡し、米兵3人が負
傷した。ナジャフの中心部からは住民数百人が逃げ出した。一方バ
グダッドのイタリア大使館近くでは擲弾筒が使用され、イラク人の
子供1人が殺害された。警察の情報では、榴弾が使用されて、通行
人6人が負傷した。大使館には被害がなかった。イタリアは約3千
人の兵士をイラクに駐留させている。米大統領ブッシュは、ヨーロ
ッパ訪問を開始した。金曜日に彼は、イラク戦争で密接な同盟を結
んでいるイタリアを訪問する予定である。

OPEC 2段階で石油を増産

(ベイルート)石油輸出国機構は、7月1日から、1日あたり2百万
バレルの石油増産を行なう。世界市場での価格が8月中旬までに落
ち着かなければ、それ以降さらに50万バレル増産して、2,600万
バレルにする計画である。同機構広報オマル イブラヒムはこれ
を、その第131回会議が開かれているベイルートで発表した。同機
構は世界の石油生産の3分の1を担っている。この措置は当面は、
石油価格にあまり大きな影響を与えることはない、と専門家は見て
いる。欧州中央銀行総裁トリシェは、OPECのとった措置は正しい
方向に向かっている、と述べた。彼は以前、現在の高い石油価格は
世界の景気にとって「危険」である、と警告していた。




6月4日(金)

教皇 ブッシュのイラク政策批判

(ローマ)教皇ヨハネ パウロ2世は、米国大統領ジョージ W. ブッシュとの会談
で、イラク政府に主権をできるだけ早急に移譲することに賛成だ、と述べた。同時
に教皇は、イラクで不穏な状態が続いているのは不安であ、現地の情勢は、国連が
関与する形で、できるだけ早急に沈静化しなければならない、とも述べた。教皇は
イラク戦争をもっとも厳しく批判する人の1人である。ブッシュは、彼の政府は自
由と人間の尊厳を重視ししている、と述べた。これより前ブッシュはイタリア大統
領カルロ アゼリオ チャンピと会談した。大規模な警官隊が動員される中、ロー
マではブッシュの訪問とイラク戦争に反対して数万人がデモを行なった。ミラノと
ナポリでも抗議行動が行なわれた。

     その他のニュース

シャローン 閣僚2人を解任

(エルサレム)問題となっているガザ地区からの撤退に関する投票
を前にして、イスラエル首相シャローンは、閣僚2人を解任した。
解任されたのは超保守的な国民連合の党員である。彼らは、シャロ
ーンが計画しているユダヤ人入植地からの撤退計画に断固反対して
いる。シャローンはこの解任によって、自分の計画に閣僚の多数の
賛成を得るつもりであった模様である。しかしこれは連立政府の終
焉を意味する可能性もある。シャローンの計画は、日曜日にに閣議
で採決されることになっているが、これは、ユダヤ人入植地のうち
ガザ地区にあるすべてと西ヨルダンランドにあるいくつかのものか
ら段階的に撤退する、という内容である。

部隊の早期撤退に警告

(バグダッド)イラクの新暫定政府は、連合軍の早期撤退を行なわ
ないように警告した。新首相イヤド アラウィはテレヴィ演説で、
外国の兵士は、同国が安全確保のための体勢と軍隊を持つまで、イ
ラクに駐留しなければならない、と述べた。これより前、外相ホシ
ヤル ゼバリ国連安保理の会合で、外国部隊が早期に撤退した場合
には、混乱と内戦がおこる可能性がある、と警告していた。また彼
は、同国の民主化のために更なる一歩として、国連は中立の選挙準
備委員会を設置し、遅くとも2005年初めには選挙を行なう、と述
べた。新たな選挙権は少数民族および女性を優遇するものになる予
定である。

ヴィークツォレック・ツォイル 電力会談の成果を評価

(ボン)4日間にわたってボンで開かれていた再利用可能な電力に
関する国際会議は、基本方針に関する文書を採択して終了した。連
邦発展大臣ヴィークツォレック・ツォイルは、この成果に満足して
いる、と述べた。今後は太陽、風力、生物および水力を用いた再利
用可能な電力を用いて約10億人分の需要を満たすとの目標は、か
なり実現に近づいたが、再利用可能な電力の料金は、競争力にかけ
ているため、今なお厳しいと彼女は述べた。ヴィークツォレック・
ツォイルは各国に対し、必要な条件を整備して、こうした発電会社
の競争力を高めるよう要請した。




6月5日(土)

ブッシュとシラク イラク問題を討議

(パリ)米国大統領ジョージ W. ブッシュは、フランス訪問の冒頭で、大統領ジャ
ック シラクと、採択に向けで努力が行なわれている国連の対イラク決議について
話し合った。シラクは、この決議が数日以内に採択されることを望んでいる、と述
べた。ブッシュは、イラクが早期に完全な主権を獲得する、と強調した。
フランスは、イラク戦争に反対していた主要国の1つである。エリゼ宮での会談
は、9カ月ぶりのブッシュとシラクの直接会談である。パリでは数千人が、米国の
イラク政策に反対してデモを行なった。
日曜日にブッシュは、ノルマンディで連合軍の上陸60周年記念式典に出席する予
定である。

     その他のニュース

イラクのシーア派の会議

(バグダッド)イラクのシーア派の聖職者の中でもっとも影響力の
大きいアヤトラ アリ シスタニは、急進派の説教師で民兵の指導
者エル サドルと会談した。ナジャフで行なわれたこの会議に関す
る情報は、両者の事務所からは発表されなかった。シスタニは、イ
ラクの新政府を支持する、と述べていた。一方イラクの地下組織の
戦闘員による攻撃は続いている。バグダッドでは、爆弾攻撃によっ
て米兵1人が死亡した。モスルではイラク人が外国の治安部隊の護
送つき輸送車団を攻撃し、うち1人を射殺した。またモスルでは、
サッダーム フセインの2人の息子ウダイとクサイの潜伏に関する
情報を米軍に教えたとされる男の兄弟が射殺された。サッダームの
息子たちは2003年7月に銃撃戦の後、米軍に射殺されていた。

シュレーダー 米国との関係を強調

(ベルリン、パリ)独首相シュレーダーは、連合軍のノルマンディ
上陸の60周年記念日をきっかけにして、ドイツにとって米国が持
つ意義を強調した。米兵は、ドイツとヨーロッパをヒトラーの独裁
体制から解放するために、自らの命を投げ出した、米国と米国人
は、ドイツの友人である、とシュレーダーは新聞への寄稿の中で述
べた。ドイツの首相としては初めてシュレーダーは、日曜日に行わ
れるフランスのノルマンディ上陸作戦の記念式に出席することにな
っている。イラク戦争をめぐって続いている対立に関して、シュレ
ーダーはフランスの新聞「ル フィガロ」に、民主的な国として協
力する中で、連帯を続けるために批判をすることも可能でなければ
ならない、と述べた。

バングラデシュ ラムズフェルドに対する抗議

(ダッカ)米国防相ラムズフェルドの訪問に反対して、数千人がバ
ングラデシュでデモをこオなった。イスラーム教徒と、左派の政党
の支持者が、米国国旗を焼き、バングラデシュ兵のイラク派兵に反
対した。通信社の情報によれば、この抗議行動のさなか、多数の負
傷者が発生した。ラムズフェルドは、首相カレダ ジアと外相モル
シェド カーンとの会談では、イラク派兵を要請しなかった、と述
べた。これに先立ちラムズフェルドはシンガポールで、アジア諸国
が反テロの戦いにより積極的に参加するよう求めていた。




6月6日(日)

和解の雰囲気の中 Dデイ記念式典

(パリ)16カ国の元首および首相は、和解の兆しが生じる中、1944年6月6日の
連合軍のノルマンディ上陸の記念式を行なった。フランス北部で開かれた記念式典
には、ドイツの首相としては初めて、ゲアハルト シュレーダーが出席した。彼は
カンで演説し、ドイツは教養ある国際社会の仲間に復帰したが、ドイツ人は誰が戦
争を行なったのかを知っており、歴史の責任を真剣に捉えている、と述べた。フラ
ンス大統領ジャック シラクはその前にアロマンシュの浜辺で行なわれた中央記念
式典で、ドイツとの和解は敵対心を克服するためのお手本である、と述べた。
コレヴィーユ・スール・メールの兵士の墓地でシラクと米国大統領ジョージ W. ブ
ッシュは、欧米の同盟の意義を強調した。

     その他のニュース

元大統領レーガンの服喪

(ワシントン)米国は、93歳で亡くなった元大統領レーガンの喪
に服している。米国の友人と政治面で対立していた人々は、レーガ
ンを歴史的に偉大な政治家であった、と評した。米大統領ブッシュ
は、レーガンは、自らに猜疑心を抱いていた国民に再び自信を与え
た、と述べた。退任が決まっているドイツ大統領ラオは、レーガン
を、ドイツの誠実な友人で、同盟者である、と述べた。連邦首相シ
ュレーダーと元首相コールは、ドイツ統一に彼が果たした貢献を指
摘した。10年前からアルツハイマー病にかかっていたレーガンは
土曜日、ロス アンジェルスの自宅で肺炎で死亡した。共和党員で
あった彼は1981年から89年まで米大統領を務めた。

イスラエル内閣 ガザからの撤退で妥協を承認

(エルサレム)イスラエル内閣は、パレスチナ人が住むガザ地区か
らの撤退に基本的に合意したが、ユダヤ人入植地の解消に関する決
定は延期した。イスラエルのテレヴィ局によれば、閣議でこの妥協
案を賛成14人、反対7人で採択した。入植地と軍の歩哨の廃止に関
する具体的な決定は、2005年3月に行われることになっている。
首相シャローンの当初の計画では、ガザ地区にあるユダヤ人入植地
21カ所すべてからの退去が2005年末までに予定されていた。

国防相シュトルック イスラエル訪問

(テル アヴィヴ)国防相シュトルックは、ジブチにいるドイツの
フリゲート艦「アオクスブルク」を訪問した後、イスラエル入りし
た。月曜日に社会民主党に属する彼は、イスラエル首相シャローン
と国防相モファズと会談をする方針である。フリゲート艦「アオグ
スブルク」は200人強のドイツ兵を載せ、反テロ作戦「不滅の自
由」の一環として、ジブチから、アフリカの角の航路の監視を行な
っている。



今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system