5月31日〜6月6日のオーストリアのニュース



5月31日(月)

     国外ニュース

パキスタンのモスクで爆発 死者16人

月曜日にパキスタンのモスクで爆発がおこり、少なくとも16人が
死亡した。病院の医師の話によれば、その他に30人が負傷した。
この爆弾はカラチ市のシーア派のモスクで、夕刻の祈りの時間の間
に起きた、と目撃者は述べた。爆発の原因は今のところ不明であ
る。パキスタンではスンニ派急進派が、少数派のシーア派に対する
攻撃を繰り返し行なっている。ターリバーンの理論家である有名な
スンニ派の宗教学者ムフティヒ ニツァムディン シャマザイが日
曜日にカラチの自宅前で何者かによって射殺されてから1日後に起
きた事件であった。警察の推測によれば、この事件は5月上旬に
23人が死亡したシーア派モスクに対する攻撃に対する、武装シー
ア派の報復の殺人である。

     国内ニュース

ゲーラー「社民党幹部が謝罪すべき」

社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、連邦首相ウォ
ルフガング シュッセル(国民党)に対して社会民主党の欧州議会
選挙の筆頭候補者ハネス スォボダに個人的な攻撃を加えたことに
対して謝罪するよう求めたが、教育大臣エリーサベト ゲーラー
(国民党)は昨日、これを却下した。「謝罪しなければならないの
はオーストリアが制裁を受けていた時期にこれに関っていた人であ
る。」と国民党党首代理の彼女は通達の中で述べた。これより前グ
ーセンバオアーは記者会見の中で、スォボダに対する個人攻撃は、
選挙戦をにらんだ陽動作戦に過ぎない、と述べていた。その他彼
は、自由党によって「汚れた道」にみんなが慣れている、今度は国
民党もこの道を進んでいるのは驚きだ、とも述べた。6月13日に
は、オーストリア国民は自らが望んだ政治手法に関する決定を下さ
ざるをえない、とも語った。




6月1日(火)

     国外ニュース

イランの核に関する情報 新たな開示を要求

国際原発機構と核をめぐって対立しているイランは、武器として使
用可能なウランの濃縮のために使用可能な遠心分離機をどこから購
入したかに関する情報の改訂版を提出した。その理由として、今ま
での情報は間違っていた可能性があることを挙げた。火曜午後国際
原発機構からは信頼できる報告を引用して、今までイランは、すべ
てのウランは国内で濃縮された、としていたが、新たに発見された
核物質は、これと反対のことを示している、そのためイランは、そ
の物質はアジアの納入業者から輸入したものだ、と述べている、と
発表した。このウランはパキスタンないしはロシアからのものであ
る、とする外交官がいる一方、イランで生産されたものである可能
性は否定できない、つまり武器として使用可能なウランを製造する
能力をイランは持っている、とする者もいる。国際原発機構は、イ
ランに対し、新たに発見されたウランが本当はどこから来たのか、
確定するように、警告した。イランは、核兵器を国内で製造してい
る、との疑いが持たれている。イランはこの疑惑を否定し、核計画
は電力獲得のためだけのものである、と主張している。

     国内ニュース

年金の収支安定化 バルテンシュタインは平行計算に賛成

国民党は、年金の収支安定に関して今までとっていた路線を修正す
る模様である。産業大臣マルティン バルテンシュタイン(国民
党)は昨日午後のテレヴィ番組で、オーストリア労働組合連合が提
案している、平行計算案は、暫定的な措置としては「大きな意味が
ある」と評した。「平行計算」というのは、古い制度で加入した時
期を、新たな制度でもその支払分に応じて算入することである。こ
れに賛成したバルテンシュタインは、今まで国民党が拒否していた
発効日に関する規定、つまり2005年1月1日に予定されている期日
からは、新たな制度だけを有効にする、との規定を間接的ながら受
け入れたことになる。




6月2日(水)

     国外ニュース

イラクのキルクーク米軍基地で激しい爆発

水曜の夕刻、イラクの都市キルクーク近郊の米軍基地は、激しい爆
発で揺れた。その直前に、同基地の武器庫の中へ、ロケット弾1発
が打ち込まれた、と現地の警察署長ボルハン タエブ タヘブが発
表した。同市上空は、煙雲が立ちこめていた、とロイター通信の記
者は伝えている。ロケット弾と榴弾が夜の空に続いて発射され、基
地のあちこちに着弾した。周辺の家屋でも囲いが破壊された。基地
からは悲鳴が聞こえている。キルクークの米軍部と誰も接触できて
いない。米軍広報はバグダッドで、この事件について情報はない、
と述べた。現地警察署長タヘブは、基地の外での犠牲者に関する情
報はない、と述べた。現在同市は外出禁止令がでており、救急車や
消防車の音は聞こえていない。キルクークはバグダッドの北部250
キロにあり、北部の油田地帯にある工業の中心地である。過去数週
間に渡って何度も、アラビア、クルド、トルクメニスタンの各民族
組織の衝突が起きている。

     国内ニュース

フィシュラー「今回の選挙戦はヨーロッパのためにならない」

EU委員フランツ フィシュラー(国民党)は、自由党の攻撃に直接
論評を加えるつもりはない。ただし彼は、オーストリアのEU選挙戦
を批判し、社会民主党の候補者ハネス スォボダを擁護する方針を
変えていない。自由党は、EUによるオーストリア制裁に関する調査
委員会の問題で、まだみずからが打撃を受けたことを認めない方針
である。ケルンテン州首相イエルク ハイダーと同党主ヘルバート
 ハオプトは昨日、社会民主党に対する、国会の調査を行なうよう
改めて迫った。国民党はこの種の委員会の設置を拒否している。ま
たフィシュラーの発言に対して国民党は、あまり満足していない。




6月3日(木)

     国外ニュース

イラク新政府 国連決議の修正を求める方針

国際連合安全保障理事会の理事国数ヶ国と並んで、イラクの移行政
権も、米国が提案したイラク新決議の改善を望んでいる。外交官の
情報によれば、イラク外務大臣ホシュヤル ゼバリは昨日国連大使
との会談で、イラクの移行政府は、米国が指揮する軍隊の比較的大
規模な作戦行動の際に、どの程度まで口をはさむことができるの
か、よりはっきりさせるよう求めた。英国首相トニー ブレアは、
国連新決議の早期採択を望んでいる。スペイン首相ホセ ルイス 
ロドリゲス サパテロと会談したブレアは、イラク暫定政権に主権
を完全な形で譲り渡すことに関して広い範囲の意見が一致してい
る、とも語った。スペイン軍をイラクから撤退させたサパテロは、
同国は国連決議で合意を見いだせるよう協力する、と述べた。

     国内ニュース

EU選挙 スォボダは国民党を訴える方針

社会民主党のEU議会議員の筆頭候補であるハネス スォボダは、
国民党を訴える方針である。「ロパトカ(国民党事務長)のような
人物が、私からのものと偽った書簡を国民党のホウムペイジ上に載
せることは、問題である。そのため私はハイダーではなく、国民党
を訴えるつもりだ」と新聞のインタヴューで彼は述べた。彼は、自
分を「祖国を裏切った者」と呼んだハイダーを訴えるつもりはな
い、と語った彼は、「イエルク ハイダーは私から見ればオースト
リアの政治の徒花で、製造中止になった製品である」と述べた。




6月4日(金)

     国外ニュース

米国 対イラク国連決議の改訂版提案

米国は昨日、ニュー ヨークの国連安全保障理事会に、修正しなお
したイラク決議案を提案した。米国外務省の副広報アダム イーレ
リはワシントンで、この新たな草案は安保理の専門家会談で審議さ
れることになる、と述べた。広報によれば、修正された文言は、6
月30日にイラク人へ主権を移譲することに関してより強く言及し
ている。またイラクの異国政府はこれによって、外国部隊の駐留
を、自由な決断によって終了させる権限を持つことになる。この案
に従えば、連合軍は2005年12月の政治的権限の委譲と同時に、撤
退することになる。新たな文言は、イラク移行政権と国連安保理事
国が呈した異論を尊重したものだ、とイーレリは述べた。米国政府
は、なかでもイラク外務大臣ホシュヤル ゼバリの批判を受け止め
ている、と述べた。ゼバリは完全な主権と軍の駐留問題に関する発
言権を要求していた。最近提出された2回目の決議案は、部隊の派
遣をいつ終了させるかに関してはっきりした期限を設定していなか
った。

     国内ニュース

スォボダ EU議会議長に就任か?

「ディ プレッセ」紙の報道によれば、社会民主党の代表団長ハネ
ス スォボダは、7月に欧州議会の議長に選出される十分な可能性
がある、ことを認めている。同紙のインタヴューの中で彼は、「こ
の依頼は、他の会派の代表からも来ている。彼らは私が社会民主党
員ではあるが、終始対話の準備のある議員であることを知っている
からである。私の演説の主題が十分支持されることが、私にとって
もっとも重要なことである。彼が欧州議会議長に選ばれるための条
件は、社会民主党が保守勢力とこれに関する協定で合意することで
ある、と同紙は伝えている。実際の交渉は、左派が最初の半分の任
期を務め、後半を国民党およびその会派長ハンス・ゲアト ペテリ
ング(キリスト教社会同盟)が務める、という方向で行なわれてい
る。スォボダは競争相手である、とドイツ社会民主党代表団長マル
ティン シュルツはブリュッセルの週刊誌で述べており、その他の
候補としては英国のテリー ウィンを挙げた。




6月5日(土)

     国外ニュース

Dデイの記念式に ブッシュ シュレーダー プーチン出席

今日16カ国の20人を越える国家主席および首相が、連合軍のノル
マンディ上陸60周年記念式に出席する。いわゆるDデイ、1944年
6月6日は、ナチドイツとの戦争の転換点とみなされている。ドイ
ツとロシアを代表してゲアハルト シュレーダーとウラジミール 
プーチンも初めてDデイ記念式に出席する。貴賓の中には、米国大
統領ジョージ W. ブッシュと英国女王エリザベス2世も含まれてい
る。2万人の警官と兵士を動員する極めて厳しい警備体制をとって、
15,000人の招待客、第2次世界大戦の退役兵および約百万人と予
想される訪問者の警護が行われる。

     国内ニュース

会計検査院長官 緑の党は憲法の専門家マイアー就任を求める

新聞報道によれば、緑の党は、会計検査院長官フランツ フィール
ダーの後継者として、憲法の専門家ハインツ マイアーを提案す
る。それによれば、緑の党代表アレクサンダー ファン デア ベ
レンは、国会に銀を送っている他の政党の党首に、この方針で意向
を打診したが、「利害に隔たり」があり、少なくとも早期の決着は
ない、と述べた。マイアー自身は緑の党からすでに打診を受けてお
り、「就任する可能性を視野に入れている」とも語った。




6月6日(日)

     国外ニュース

ヴェネズエラ チャヴェスの支持者によるデモ

ヴェネズエラ大統領ウゴ チャヴェスの支持者数万人が、昨日首都
カラカスで、予想される大統領の解任に反対して、デモを行なっ
た。選挙委員会は木曜日に、野党が求めているチャヴェスの任期終
了前の解任に関する国民投票を行なうために必要な署名が十分集ま
ったと見られる、との予想を発表していた。野党は土曜日に、数万
人が参加する大規模な集会を開いて、この当初の勝利を祝った。署
名の集計の公式結果は月曜日に出される予定である。

     国内ニュース

ブロウカル 辞任を拒否

社会民主党の科学問題の専門家ヨーセフ ブロウカルは、問題にな
っている金曜日の国会で行なった発言に関して謝罪したが、辞任す
ることは拒否した。「誰もが間違いを犯した。ただし謝罪の後は元
に戻る道があるはずだ」と彼は新聞で述べた。国民党と自由党は、
彼の謝罪を受け入れるつもりはないが、これは選挙を念頭に置いた
ものであり、社会民主党の会派長代理になるという自分の気持ちに
は変わりがない、とも述べた。



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