６月１４日〜６月２０日のドイツのニュース
６月１４日（月）
シュレーダー 選挙敗北後も方針転換を拒否
（ベルリン）連邦首相ゲアハルト シュレーダーは、社会民主党が欧州議会選挙で
敗北した責任を取ることを拒否し、改革の方針を維持することが自分の政治的な天
命である、と述べた。彼は、この方針を今後もとり続ける、と述べた。ただし連邦
議会議員数人が、内閣改造を行なうよう強く求めた。キリスト教社会同盟党首エド
ムント シュトイバーは、遅くとも来年春のノルトライン・ヴェストファーレン州
議会選挙後までには、シュレーダー政権は終わりを迎える、との見込みを述べた。
社会民主党は日曜日に行なわれた欧州議会選挙で支持を21.5%にまで減らした。こ
れは1949年以来ドイツ全土を対象とした選挙では最低の結果である。キリスト教
民主、社会同盟は4%強の票を失ったが、44.5%を獲得し、再び最大勢力となっ
た。もっとも票を伸ばしたのは緑の党で、11.9%に達した。民主社会党と自由民
主党はともに6.1%の支持であった。投票率は2%減って、43%となり、記録的な低
さであった。
その他のニュース
欧州議会で保守党が最大勢力を維持
（ストラスブール）EU拡大から6週間後に行なわれた欧州議会選挙
は、勢力図に抜本的な変更を加えることはなかった。ストラスブー
ルの欧州議会では、保守勢力が今後も最大の議員を送る。暫定的な
議会の情報によれば、全732議席のうち、276議席が欧州国民党の
会派のものである。うち49議席がドイツのキリスト教民主、社会
同盟のものである。社会党および社会民主党の連合体はEU全体で
201議席を獲得した。3番目の勢力は自由党の66議席で、緑の党の
42議席を上回った。左派諸党は39議席、民族主義政党は27議席で
あった。投票率は歴史的な低さで45%であった。新たな加盟国で
は、3分の1が選挙に行かなかった。CDU/CSU 選挙の勝利でEU内での影響を強める
（ベルリン）キリスト教民主、社会同盟は、欧州議会選挙でよい結
果を収めたため、EU委員会でより多くの権限を要求している。両
党の幹部は、ドイツが担当するEU委員会の役職を独占しなければ
ならない、と求めている。その他、EU委員会の新議長は、両党が
属する欧州国民党から出すことも求めている。連邦政府はこの二つ
の提案を即座に拒否した。外相フィッシャーは、EU委員会の件で
は、連邦政府に提案を行なう権利があり、同委員会の議長は欧州審
議会の政府に提案を行なう権限がある、と述べた。EU加盟各国の
首脳は木曜日に、委員会議長プロディの後継者の候補の指名を行な
う方針である。アルトハオス テューリンゲン州議会選挙後内閣改造
（エアフルト）テューリンゲン州議会選挙でかろうじて単独政権を
守った、同州首相アルトハオスは内閣改造を計画している。キリス
ト教民主同盟所属の彼は通信社に、いくつかの閣僚の変更があるだ
ろう、新政府は7月中旬に行われる州議会の最初の会議までに成立
する、と述べた。キリスト教民主同盟は8%票を減らしたものの、
43%の得票で、ふたたび同州議会で最大勢力となった。暫定的な当
局の最終結果によれば、民主社会党は約5%伸ばして、26.1%を獲
得し、同州議会選挙でもっともよい結果を挙げた。一方社会民主党
は4%減らして14.5%であった。緑の党は4.5%、自由民主党は
3.6%で再び議員を送ることができなかった。
６月１５日（火）
社民党 バイエルンの2人の批判者を除名
（ミュンヘン）バイエルン州社会民主党は、左派同盟「労働と社会的公正」の発起
人のうち2人を同党から除名した。これに関する書類は彼らのところに届いた、と
フュルト市の金属産業労働組合事務長トーマス ヘンデルは述べた。ヘンデルのほ
かに、シュヴァインフルト市の労働組合事務長クラオス エルンストも、彼は塔に
損害を与える行為があったため、バイエルン集会民主党連合によって、同党から除
名されたことを確認した。
この同盟の発起人たちは、社会民主党の改革政策を批判し、新たな政党を結成す
る、と威嚇していた。
その他のニュース
ミュンテフェリング 社民党議員は断固シュレーダー支持と判断
（ベルリン）社会民主党所属の連邦議会議員は、既定の改革の方針
を維持する、と同党主で会派長のミュンテフェリングは述べた。会
派の会議に出席した彼は、事態を逆行させることを望んでいる人は
いない、と述べた。日曜日の選挙での敗北後、連邦首相シュレーダ
ーや幹部に対する直接の批判は出ていない、とも語った。夏休み前
最後の会議が行なわれる今週、同会派はもう一度、欧州議会および
テューリンゲン州選挙での敗北の責任を取る可能性があるかどうか
について、話し合いを行なうが、何をなすべきか性急に宣言を出す
ことは誤っており、時間をかける必要がある、ともミュンテフェリ
ングは述べた。これに先立ち主として党内左派からは、改革の方針
をはっきり修正し、人事面で責任を取ることを求める声が上がって
いた。産業界 シュレーダーの改革の方針を支持
（ベルリン）ドイツ産業界は、連邦首相シュレーダーに対し、改革
計画を支持することを約束した。ドイツ工業団体連邦連合会の年次
会議で、会長ロゴフスキーはベルリンで、連邦政府の2010年行動
計画に変わるものはないが、現在は十分に機能していないと述べ、
ドイツの規制と官僚主義をさらに撤廃して行くよう求めた。シュレ
ーダーは今一度、自分の改革の方針を支持するよう訴え、2010年
行動計画はすべての点において正しいわけではないかもしれない
が、これが進んで行く道筋は、ドイツが変化を遂げた世界の中で、
生き続けて行くために必要な道だ、と述べた。ポーランド大統領ク
ワシニエフスキは、来賓として演説し、ドイツの企業に対してポー
ランドに投資をするよう訴えた。ブッシュ サッダームをイラク人に早期に引き渡すことに反対
（ワシントン）米国とイラク移行政府の間で、元権力者サッダーム
フセインの引き渡しをめぐる対立が起きていることが明らかとな
った。イラク首相イヤド アラウィは、サッダームは2週間以内に
米国からイラク人に引き渡されると予告したが、米大統領ブッシュ
はこれに対し、サッダームは適切な時期にイラク当局に引き渡され
る、と述べた。米国文民行政府の広報はバグダードでこれを補足し
て、サッダームは6月30日より前には引き渡されることはない、こ
の日まではイラクには主権を持つ政府が存在しないからである、と
述べた。サッダームは12月に逮捕されて以来、米兵によってどこ
かに拘留されているが、その場所は明らかにされていない。彼の弁
護士の1人は米軍を非難し、監禁状態の元大統領に対して身体的お
よび心理的な虐待が行なわれている、と述べた。
６月１６日（水）
職業訓練関連法 成立
（ベルリン）連邦政府と工業界は、数ヶ月に渡る対立を経て、職業訓練関連法に合
意した。連邦首相ゲアハルト シュレーダーが出席した上で、政府と工業連盟の代
表者がこの合意に署名した。その合意では、毎年3万人分の訓練の場を作り出すこ
とが工業界に義務づけられている。職を斡旋してもらうのが困難な若者に対して
は、25,000人分の実習の場が提供される。一方、社会民主党と緑の党は、法で定
められた職業訓練に対して課税する計画は凍結する方針である。
ドイツ労働組合連合会長ミヒャエル ゾマーは雇用機会が無駄になる可能性がある
とのべたが、鉱業、化学産業、電力産業労働組合会長のフーベルトゥス シュモル
トはこの法案を歓迎した。
その他のニュース
アフガニスタン再建隊のドイツ車 攻撃を受ける
（カブール）アフガニスタン北部のクンドゥスで活動するドイツの
アフガニスタン再建隊の自動車が攻撃を受け、2人が殺害された。
ドイツ兵はこの車には乗っていなかった。爆発物が遠隔操作で破裂
したものと思われる、とクンドゥスの行政当局と軍の代表者が述べ
た。ドイツ外務省は、ドイツが既にクンドゥス市で活動している再
建隊の他に、クンドゥス州のファイサバドにも派遣する方針である
ことを確認した。イラクの石油産業麻痺
（バグダード）石油輸送管に対する攻撃によって、蜂起勢力はイラ
クの石油産業を麻痺させ、これにより同国の再建には手痛い打撃が
加えられた。バグダードからの情報によれば、イラクからの石油輸
出は停止した。キルクークでは何者かが、仕事に向かっていた油田
の安全確保の責任者を殺害した。急進派シーア派の説教師エル サ
ドルは、ナジャフを生活の拠点としていないメフディ軍の民兵すべ
てに対し、同市を立ち去るように呼びかけた。6月初めから戦闘が
続いているが、エル サドルは、米軍との休戦を行なうと約束して
いた。バグダードの北ではミサイル攻撃があり、米兵2人が死亡、
23人が負傷した。連邦議会 年金改革を承認
（ベルリン）連邦議会は、絶対多数で、年金改革を決定した。これ
により、年金受給者は今後、年金を受け取るのがより遅くなる。キ
リスト教民主、社会同盟が多数を占める連邦参議院は、年金の財源
の長期的安定かを図るこの改革案に異議を申し立てていたが、社会
民主党と緑の党は、記名投票を行ない、これを拒否した。新規定は
来年の初めに発効する。その他議会は、競争法を修正した。これに
より、伝統的に行なわれていた夏と冬の決算期の安売りが廃止され
る。今後は商店が、全商品で値下げを行なうかどうか、そしていつ
行なうかを独自に決めることになる。
６月１７日（木）
緑の党 移住をめぐる妥協を受け入れる方針
（ベルリン）緑の党は、移住法をめぐる合意成立を歓迎し、みずからもそれに賛成
する方針であることを発表した。党首ラインハルト ビューティコファーはベルリ
ンで、この法律はかなり以前に時代遅れになっていたものを、時代に合わせたもの
にする措置である、と述べた。同党の内政問題の専門家フォルカー ベックは、人
道的な難民保護および外国人の統合に関して、これは前進である、と強調した。
緑の党は、移住に関する交渉の最終段階には参加しなかった。連邦内務大臣オット
ー シリーとキリスト教民主、社会同盟両党の交渉担当ペーター ミュラーおよび
ギュンター ベックシュタインは、木曜日に政府と野党の間で長年争っていたこの
問題に関して、共同で作成した法案に合意していた。
その他のニュース
バグダード攻撃 死者少なくとも35人
（バグダード）過去数ヶ月で最悪の流血の自殺攻撃起き、イラクの
首都バグダードの中心部で少なくとも35人が死亡、約140人が負
傷した。米軍広報は、イラク軍の兵士募集所前で待っていた人ごみ
の中に、榴弾が満載された野戦用車が突っ込んだ、と述べた。バグ
ダード北部、バラード近郊の村では、自動車爆弾が破裂し、イラク
軍の6人が死亡し、4人が負傷した。バグダードの南東では、道端
に埋められていた爆弾を踏んで、護衛つき輸送団に加わっていたハ
ンガリー兵1人が死亡した。また発電所に対する爆弾攻撃で、イラ
ク人2人が死亡した。米空軍は9月11日にはなすすべがなかったとの報道
（ワシントン）米国では2001年9月11日の攻撃に関する超党派の
調査委員会が、米空軍の当時の防衛状態を批判した。米空軍はテロ
攻撃に備えていなかった、と米国議会の委員会の最終報告書には述
べられている。それによれば、米空軍および北米向け空軍司令部の
緊急事態に対する措置は、今までもあったような乗っ取りに対する
ものだけであった、とのことである。水曜日には既に同委員会は別
の報告書の中で、サッダーム フセインがウサーマ ビン ラーデ
ィンのテロ組織と協力していたことを示す「信頼に足る証拠はな
い」と明言していた。大量殺戮兵器の保有のほか、両者が協力関係
にあるという情報が、米国政府がイラクを攻める有力な論拠の1つ
であった。イランの核計画に対する決議案で合意
（ウィーン）イラン政府が激しく抗議したにもかかわらず、国際原
発組織の代表は、イランの核開発計画を批判する決議案で合意し
た。代表団はウィーンｈで、この決議案はまもなく提案される、と
発表した。独、仏、英、が提案した決議案は、厳しい調子で、イラ
ン政府が国際原発組織に完全な形で協力していない、と非難してい
る。しかしイランに対して、制裁を行なうとの警告は行なっていな
い。イラン政府は既に、そのような厳しい警告は受け入れられな
い、と発表していた。同組織は、イランの核計画に関する自らの批
判に誤りがあったことを認め、イランが核計画の詳細に関する情報
を提出しなかったとの誤った非難を行なったことがある、と述べ
た。
６月１８日（金）
EU首脳会談 主な対立点の解消を目指す
（ブリュッセル）ブリュッセルではEU憲法をめぐる首脳会談が開かれ、主な対立
点の解決をさらに図って議論が繰り広げられている。午後には、2カ国間交渉によ
って話し合いをさらに進めるため、全体での会議は中断された。ドイツ外交団の情
報によれば、EU評議会が決定を下す際に2重の多数の賛成が必要である点と、安定
法案の整備が問題になっている。任期を終えるEU委員会議長ロマーノ プロディ
の後任に関しては、延期される見通しである。
一方、テロ組織の財源を断つ戦いを強めて行くことでは合意が成立した。そのため
には25カ国の秘密情報部がさらに密接に協力して行くことになっているい。その
他、EU各国首脳はクロアチアに対し、加盟候補と地位を認めた。交渉は2005年初
めに始まることになっている。
その他のニュース
EU宣言「コンゴの和平計画は実行する」
（ブリュッセル）EU各国首脳はブリュッセルでの首脳会談で、今
後の和平実現および民主化を危険にさらすことがないように、と警
告した。同国首脳部は、移行期間中の日程を守るためにあらゆるこ
とを行わなければならず、そのために、早期の武装解除、兵士の動
員解除、および兵士の社会復帰が重要である、と彼らは述べた。こ
の宣言は隣国、特にルワンダに対して、和平実現を支援するよう訴
えている。スーダン政府に対しては、紛争地域であるダルフルへ支
援組織が入って行くのを許可するよう求めた。スーダン政府は、内
戦の避難民を支援するためにあらゆることを行わなければならな
い、同時に同国政府は民兵の武装解除のために配慮するべきであ
る、とも述べられている。サウジ・アラビアの米国人人質 斬首
（リヤード）急進派イスラーム組織アル カーイダの隊員が、サウ
ジ・アラビアで米国人人質を斬首に処した、とインターネットサイ
トで発表した。イスラーム急進派は、サウジ・アラビアで逮捕され
ているアル カーイダ隊員全員を金曜日夜までに解放しない場合、
ジョンソンを殺害する、と威嚇していた。ジョンソンは49歳の米
空軍の技師で、数年前からサウジ・アラビアで働いており、先週土
曜日に誘拐されていた。家族とイスラーム教徒に取っての聖地メッ
カの大モスクのイマーム（指導者）は、先日誘拐犯に対して、人質
を生きたままにしておくよう訴えていた。サウジ・アラビア政府
は、交渉を拒否していた。連邦議会 航空安全確保法を可決
（ベルリン）テロ攻撃からの防衛のため、今後ドイツでは飛行機は
厳密に既定された条件下でなら、撃墜することができるようにな
る。連邦議会で社会民主党と緑の党の賛成で可決された航空安全確
保法には、この内容が含まれている。それによれば国防相は死の危
険を回避するために、最後に残された手段として、撃墜を命じるこ
とができる。その条件は、その飛行機が人間の命を狙って使用され
ていることである。新たな規定では、撃墜する側の操縦士に法的安
全性を与えることになっている。キリスト教民主、社会同盟はこの
措置を不十分である、として批判している。自由民主党はこの法律
はやりすぎである、としている。新法は、航空交通に対する暴力行
為を防止するための全ての規定を包括する初めての法律である。
６月１９日（土）
欧州 共通の憲法で合意
（ブリュッセル）欧州連合加盟各国は、初めての共同憲法に合意した。EU加盟
25カ国すべてが批准した場合、この憲法は2007年に発効することになる。それに
よれば、今後は多くの決議の際に、加盟国すべてが賛成する必要はなくなる。ただ
し法案にはいわゆる二重の過半数が必要である。これは加盟各国の55%の賛成が必
要であり、さらに国民の65%の意見を代表するという点で、少なくとも15カ国の
賛成が必要であるというものである。その他、欧州議会の権限が強化され、外務大
臣の職が創設される。一方、欧州委員会議長ロマーノ プロディの後継者選びに関
しては合意が成立しなかった。ベルギー首相ギイ ヴェルホフスタットと保守派の
欧州国民党の候補者、外務委員で英国人のクリス パッテンは、就任運動を撤回し
た。
その他のニュース
EU憲法に対して肯定的な評価
（ベルリン）EU加盟25カ国の首脳が共同の憲法で合意したこと
は、ドイツでは大きな同意の声で迎えられている。政界産業界の代
表は、EU憲法はさらなるヨーロッパ党合意に向けた希望を示すも
のだ、と評価した。連邦首相シュレーダーは、激しい論争を経て到
達した譲歩を、歴史的決定であり、極めて重要な区切りである、ヨ
ーロッパは一つになり、政治的実行力を増した、と強調した。外相
フィッシャーは、ヨーロッパにとって偉大な1日である、と述べ
た。またドイツ使用者団体連邦連合会も、憲法の合意を歓迎し、拡
大されたヨーロッパの企業にとって、制御し行動する能力を持つ透
明なEUは不可欠である、と述べた。キリスト教民主、社会同盟の
主要な政治家と教会関係者は、EU憲法の中で神との関係がなくな
っていることに遺憾の意を表わした。米軍機 ファッルージャにミサイル攻撃
（バグダード）ファッルージャの住宅地に対して米国はミサイル攻
撃を加え、少なくとも20人を殺害した。目撃者と警察によれば、
少なくとも住人8人が負傷した。米軍の情報によれば、アル カー
イダと繋がりがあるアブ ムサブ エル サルカウイの戦闘員の隠
れ家の1つを攻撃したものである。彼らはイラクで数多くの攻撃を
行なったとされている。イラク南部の町バスラでは道端に隠されて
いた爆弾が破裂し、イラク人の警官1人とポルトガルの安全確保の
専門家1人が死亡した。バグダードの北東のバァクーバ地域では、
4日間続けて蜂起勢力と米軍が交戦を行なった。またレバノン政府
代表によれば、最後まで身柄を押さえられていたレバノン人の人質
が解放された、とのことである。サウジ・アラビア アル カーイダ攻撃に成功
（リヤード）誘拐された米国人が斬首されてから数時間後、サウジ
・アラビアの治安維持部隊は犯人と思われる者たちを射殺した。同
国内務省は、イスラームテロ組織アル カーイダのアラビア半島で
の首領アブドゥルアジス イサ アブデルモフシン エル ムクリ
ンは、他の急進派3人とともに射殺された、と発表した。その際ア
ル カーイダの戦闘員12人が逮捕され、武器と自動車が押収され
た。テロリストたちは金曜日に、威嚇を実行し、1週間前に誘拐し
た米国人ジョンソンの首を切り落とした。イスラーム系のインター
ネットサイト数ヶ所で、この犯行の様子をヴィデオで流した。この
殺人は世界各地で戦慄をもって受け止められた。米国大統領ブッシ
ュは、犯人の行方を追求し、責任を追及する、と述べた。
６月２０日（日）
イラク治安維持軍改組計画
（バグダード）イラク移行政府は、続発する暴力事件に、治安維持軍の改組で対処
する方針である。首相に就任することになっているイヤド アラウィは、今後は警
察の部隊は改組した軍から支援を受けることになる、と予告した。警察部隊は主と
して、イラクにとって生命線となっている石油輸送管の警備のために投入される、
とも述べた。その他国境警備隊と海岸線の警備を強化し、外国の戦闘員が派遣され
るのを阻止する、友発表した。
厚生大臣アラディン アルワンは、土曜日夜危うく襲撃を受けるところであった。
アラブ系の報道機関によれば、彼の車の隣で爆弾が破裂し、引き続き起きた銃撃戦
で数人が負傷した。6月上旬に閣僚職を引き受けた2人が既に暗殺された。
その他のニュース
アル カーイダ サウジ・アラビアの指導者暗殺に新たな威嚇
（リヤード）テロ組織アル カーイダは、サウジ・アラビアの指導
者が殺害されたのに対し、報復を行なうと威嚇した。「聖戦」は続
けられる、とインターネット上で出された宣言には述べられてい
る。もっとも重点的に行方が追求されていたテロリストの1人アブ
デルアジス エル ムクリンと、他3人の急進派は、アル カーイ
ダが米国人ジョンソンを誘拐し、首を切り落とした直後の金曜日の
午後、リヤードで殺害された。ジョンソンの遺体は今まで見つかっ
ていない。アル カーイダは、イスラーム系のウェッブサイトでこ
れまでに繰り返し、犯行声明を発表していた。ジョンソンの殺害は
世界を震撼させた。印パ 核兵器の試験中止を延長
（ニュー デリー）インドとパキスタンは、6年前に合意した核兵
器試験の中止を延長する方針である。これは隣り合った両国の代表
者が2日間に渡ってニュー デリーで会談を行なった末に合意した
ものである。ただしインド外務省は、この合意の中には例外規定も
含まれている、と指摘した。会議で両国は、誤解が生じることを避
け、核兵器の行使の危険を低下させるために、両国外務省間に常設
の電話回線を設置することでも合意した。月曜日には外相同士によ
る会談が準備され、その席上ではカシミール紛争についても話し合
われる。カシミール地域ではインドとパキスタンは既に2度の戦争
を行なった。ラジオ報道「アルジェリアのサハラ誘拐団の首領 殺害」
（アルジェ）アルジェリア軍は急進派イスラーム教徒「説教と戦闘
の祖先団」の指導者を殺害した。国営放送は、ナビル サフラウイ
が、その他の同組織の幹部とともにアルジェの東にあるカビライで
の戦闘で射殺された、と報じた。この祖先団はここ数年、アルジェ
リア政府を失権させるために戦闘を続けており、米国が作成したテ
ロ組織の一覧票に掲載されている。彼らは、16人のドイツ人を含
むサハラの観光客32人を誘拐した、との声明を出し、数ヶ月後の
昨年5月と8月にようやく解放していた。