6月21日〜6月27日のオーストリアのニュース



6月21日(月)

     国外ニュース

イラクでの虐待をめぐる裁判でさらに聴聞会

米兵によるイラクの逮捕者の虐待に関する裁判で、さらに聴聞と目
撃者の証言が行われる。米国一等兵リンディ イングランドは火曜
日米国の軍事法廷に出廷する。この聴聞会では、この21歳の女性
に対して、戦時国際法に基づく裁判を行なうかどうか決定が下され
ることになっている。妊娠6カ月目の彼女は、多数の虐待の写真に
姿が写っている。彼女はインタヴューの中でこの虐待は「楽しみ」
であった、と述べていた。昨日米軍の高位の司令官2人が証人とし
て出廷することが認められた。米国大統領ジョージ W. ブッシュと
国防大臣ドナルド ラムズフェルドを証人として出廷させることを
弁護側は申し入れていたが、裁判官はこれを拒否した。

     国内ニュース

EU選挙 投票カードを含めた暫定最終結果

EU議会選挙の投票カードを含めた暫定集計結果が出たが、議席の動
向には変化がなかった。内務省は、社会民主党が33.33%でEU議会
で7議席を獲得した。国民党は32.7%で6議席。自由党は6.31%で
1議席。緑の党は12.89%で2議席を獲得した。左派候補者一覧は
0.78%に留まった。ハンス・ペーター マルティンには13.98%で
2議席を得た。




6月22日(火)

     国外ニュース

北朝鮮との核をめぐる対立 新たな交渉へ

問題となっている北朝鮮の核計画をめぐる第3回の交渉が、今日か
ら北京で始まる。この会談は金曜日まで行われることになってい
る。これに先立ちすでに、北朝鮮、韓国、米、露、中、日の6カ国
の代表が参加する6者会談の準備を行なっていた。核をめぐる対立
は2002年秋から強まっている。米国は、北朝鮮が核兵器の製造を
行なっていると非難し、検証可能な形で完全に核兵器開発を中止す
るよう求めていた。共産主義の北朝鮮は、米国政府がまず経済支援
を実施するよう主張していた。2003年8月と今年2月に行なわれた
交渉は、成果を挙げずに終わっていた。

     国内ニュース

野党 会計検査院長官候補の公聴会を批判

国民評議会では、会計検査院長官フランツ フィードラーの後任を
めぐる決定が今日にも下される可能性がある。公開で行なわれた委
員会で、各党が推薦した候補者7人の公聴会が行われる。ただし野
党は、長官選びの争いは既に終わっている、と見ている。社会民主
党と緑の党は、与党が元自由党会派長で、オーストリア連邦鉄道の
基盤整備の責任者に内定しているヨーセフ モーザーを長官にする
ことで合意している、と見ている。




6月23日(水)

     国外ニュース

米国 兵士の不逮捕特権の提案を撤回

米国は、デン ハーグの国際刑事裁判所で米国の兵士が罰せられな
い特権を得られるように努力をしていたが、これを断念した。米国
政府は、国連安保理で抵抗にあったことを考慮に入れて、この提案
を撤回した、と国連の米国大使ジェイムズ カニンガムは昨日ニュ
ー ヨークで述べた。イラクの刑務所アブ ゴライブでの虐待事件
に関連して、国連安保理では米国のこの提案が激しい抵抗にあっ
た。この決議を行なうために米国は、国連安保理内部で少なくとも
9カ国の支持を必要としていた。

     国内ニュース

フィッシャーの初めての訪問はハンガリーへ

新連邦大統領ハインツ フィッシャーは、初めての公式の国外訪問
は、7月13日のブダペスト訪問となる。日刊紙「ディ プレッセ」
がこれを報じている。彼は就任宣誓から5日後、外務大臣ベニータ
 フェレーロ・ワルドナー(国民党)を伴って、1日間のブダペス
ト公式訪問を行なう。彼の周囲から聞かれていたのは、フェレーロ
・ワルドナーとの協力関係が極めて良好なものになっていた、とい
うことである。2人は大統領職をめぐる選挙戦で対立候補であった
が、外交政策ではよい協力関係を築くよう努力が行なわれており、
フェレーロ・ワルドナーは過去数年間、自分の扱いが軽くなると感
じて以来、大統領トーマス クレスティル国外訪問に同行すること
を拒否していた、とも同紙は報じている。




6月24日(木)

     国外ニュース

ヒジャーブをめぐる法廷闘争 最終決着

ドイツで長年にわたって争われていたヒジャーブ着用禁止をめぐる
法廷闘争が決着した。女性教師フェレスフタ ルディンは、ヒジャ
ーブ着用禁止裁判で敗北した。長年にわたって行なわれてきた裁判
での争いに、ライプツィヒの連邦行政裁判所は、この女性の訴えを
退けた。同時に同裁判所の裁判官は、バーデン・ヴュルテンベルク
州の学校法は合憲であることを確認した。これによって、同州の女
性教師は、学校でヒジャーブを着用することが許されないことにな
った。2番目に訴訟を起こしたニーダーザクセン州の女性教師は、
昨日この訴えを取り下げた。ルディンは、ヒジャーブを着用しない
で授業をする気がないことを理由に、1999年に同州の教師の職に
就くことができなかった。その直後、彼女は法的に雇用を確保しよ
うとした。カールスルーエの連邦憲法裁判所で彼女は、要求の一部
を認めさせていた。同裁判所は2003年にヒジャーブ禁止は認めら
れる、との判決を出したが、その根拠として各州が法律を作るよう
求めていた。バーデン・ヴュルテンベルク州はその直後、修正した
学校法を提案していた。

     国内ニュース

ウィーン国民党新党首にハーン

ヨハネス ハーンはウィーン国民党の党幹部会で、事務執行の新代
表に選ばれた。これによりハーンはウィーン国民党党首アルフレー
ト フィンツを追い落としたことになる。ハーンは56人の幹部会
の投票のうち44票を獲得した。これは78.6%にあたる。フィンツ
は幹部会後「大きな喜びをもってこの重大な投票を受けいれる」と
述べた。大蔵政務次官でもある彼は、「革命が起きたわけではな
い」と強調した。見た目も満足げにみえるハーンは投票結果から、
「党を指導し、外部に向けた活動を行なうようにとの意志」を読み
取った。




6月25日(金)

     国外ニュース

米国 イラク戦争反対の声が初めて多数派に

米国大統領ブッシュに悪い知らせ。イラク戦争が始まってから初め
て、軍隊をイラクに派遣することは間違っていた、と考える米国市
民が多数派になった。同国大統領とは異なって、米国の住民は、米
国は以前よりもテロから守られていない、との意見も持っている。
一方ブッシュにとってよい知らせもある。CNNのUSAトゥデイの月
例世論調査で、ブッシュは民主党の大統領候補ケリーとの差を広げ
ることが出来た。

     国内ニュース

マルティンツ ケルンテン州国民党新党首に

ヨーセフ マルティンツ(45歳)は金曜日、ケルンテン州国民党の
第29回定例党大会で、圧倒的多数の賛成で、同州同党の新党首に選
ばれた。彼は241の有効投票のうち235人の賛成、つまり97.5%の
賛成票を得た。彼は、3月7日の州議会選挙で大敗を喫して辞任した
ゲオルグ ウルミッツァーの後継者となる。彼は副党首を今までの
4人から6人に増員し、すべての下部組織の代表をこれに選んだ。




6月26日(土)

     国外ニュース

イスラエル軍 アル・アクサ旅団の指導者殺害

パレスチナ側の情報によれば、イスラエル軍は昨日、アル・アクサ
旅団の現地指揮官ナジャフ アブ シャレクを西ヨルダンランドで
殺害した、とAFP通信が報じている。彼は、この古都にある家に他
のパレスチナ人とともに潜伏していたが、イスラエル兵は、この隠
れ家を発見し、榴弾を投げ込み、その際アブ シャレクと5人の同
行者が死亡した、とのことである。アル・アクサ旅団は、パレスチ
ナ大統領ヤセル アラファト率いるファタハ運動内部の武装勢力で
ある。死亡した6人のうち4人がアル・アクサ旅団の隊員である。
同組織は、その指導者の死の報復をはっきり目に見える形で行な
う、と威嚇した。その他の死者2人は、イスラーム運動の一員であ
った。イスラエル軍は金曜日と土曜日の西ヨルダンランド攻撃で、
合わせて9人のパレスチナ人を殺害した。

     国内ニュース

ハオプナー「内閣改造は個人的理由があれば可能」

自由党の次期党首に内定しているウルスラ ハオプナーは、同党側
の新たな内閣改造を行なう可能性を否定しなかった。金曜日には、
2人の自由党所属の閣僚の就任宣誓が行なわれたが、彼女は今回の
人事で今後2年間仕事を続ける方針だ、と強調した。しかし土曜日
午前には彼女は、個人的或いはその他の理由から新たな内閣改造が
行われる可能性がある、と述べた。特にハオプナーの上役である社
会福祉大臣ヘルバート ハオプトがあいかわらず解任される可能性
があるとして名前が挙がっている。




6月27日(日)

     国外ニュース

民主派のタジク セルビア大統領に

新ヨーロッパ的な改革派の政治家ボリス タジクが、セルビア新大
統領に選ばれた。野党民主党党首である彼は昨日の決選投票で、極
端な民族主義者であるトミスラフ ニコリチを破った、と中立の自
由かつ公正な選挙を求める選挙監視委員会がベオグラードで発表し
た。セルビア急進党のニコリチは、選挙での敗北を認めた。タジク
は46歳で、西側よりの改革政策をとっており、セルビアをEUに接
近させることに賛成している。ニコリチは「大セルビア」主義者で
ある。ベオグラードにいるEU代表は、選挙結果に「極めて満足で
ある」と述べた。

     国内ニュース

ゴルバッハ 2006年選挙に新体制で臨む方針

副首相フーバート ゴルバッハ(自由党)は、2006年選挙には新
鮮な体勢で臨む方針である。これは彼が日刊紙とのインタヴュー
で、自由党内部の閣僚の交替をさらに行なう可能性があるかどう
か、というというに答えて述べたものである。「私たちは、党内で
は落ち着いて物事を話し合い、首脳部の決定を承認し、個々の仕事
に立ち返るべきであって、人事問題に拘泥するべきではない。冷静
になろうとしている人が圧倒的に多い。それに私たちは、新聞や党
外からの呼びかけに応えて、閣僚の交替を行なうわけではない」と
述べた。一般からの声ではなく、党内からの声に応えて、内部でこ
のような問題の検討を行なうのが最善であり、歴史から学ぶべきで
ある、とも述べた。



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