6月28日〜7月4日のオーストリアのニュース



6月28日(月)

     国外ニュース

米国 リビアとの外交関係再開

24年間に渡る国交断絶を経て、米国はリビアとの外交交渉を再開
した、と昨日午後米国外務省は発表した。米外務大臣代理ウィリア
ム バーンズは、外交関係の再開を、トリポリの米国関係の新たな
事務所の開所式で発表した。バーンズを含め米国外務省の高官2人
がトリポリで、リビア革命の指導者ムアンマル カッザーフィと会
談を行なった、とリビアの候補アダム エレリが臨時発表を行なっ
た。外交関係再開を米国が決定したのは、かなり早いものであっ
た。米国政府は最近の報告書の中で、カッザーフィはサウジ・アラ
ビアの王子アブドゥラを追い落とす謀議にどのように関っていたの
かを調査していたからである。米国政府は、リビアが年末に兵器開
発計画の破棄を発表してから、国交正常化が可能か探っていた。

     国内ニュース

会計検査院長官 モーサーは野党を職務を全うして納得させる方針

新たに会計検査院長官に選ばれたヨーセフ モーサーは、国民評議
会で自分の自由裁量範囲に関して喜びを示した。このように「国家
の政治上例外的な重要な役職に」今後12年間つくことが認められ
たのは、自分にとって大きな栄誉である、と昨日午後述べた。彼
は、国民評議会で反対投票を行なった野党各党に、「仕事を果たす
ことで納得」してもらう方針である。さらにモーサーは、自分は会
計検査院を党利党略から自由な形で指揮して行くつもりである、と
約束した。




6月29日(火)

     国外ニュース

ベルルスコーニ 法務改革の信任投票を提案

イタリア政府は国会で、問題になっている法務改革法案に関して信
任投票を行なう方針である。明日に予定されている信任投票を行な
うことで、ベルルスコーニ政権は、野党が改革に反対して提案して
いる大量の修正動議を回避出来るのではないか、と期待している。
法務関連法案に反対して、国民裁判官連合は先月、2度のストライ
キ実施を呼びかけていた。ベルルスコーニの法務改革の骨子は、検
察ならびに予審判事と裁判官になるための要件を分離することであ
る。これにより、検察と裁判官が今後は、役割を交換できないこと
になる。

     国内ニュース

憲法裁判所 ウィーンの外国人の選挙権に関する決定を下す

憲法裁判所は水曜日、ウィーンの外国人の選挙権に関する決定を下
す。地方議会選挙に関する規定では、5年前からずっとウィーンに
住んでいる非EU市民は、区選挙での選挙権も被選挙権も持つ、と
定められている。社会民主党と緑の党が州議会で決定したこの規定
に対し、国民党と自由党は当初閣議で意義を申し立てていた。昨年
4月に粘り強い交渉を行なった後、憲法裁判所での裁判となってい
た。決定は昼前の公式の会議で示される。




6月30日(水)

     国外ニュース

アル カーイダ パナマ運河を爆破計画

ホンジュラス政府によれば、アル カーイダの一員と見られる人物
が、パナマ運河の爆破を計画していた。同国では38歳の容疑者ア
ドナン ギシャル エル シュクリジュマーが、航路を破壊するた
め、パナマ運河攻撃を計画していた、と報じられていたが、ホンジ
ュラス保安省の広報は昨日テグシガルパで、この報道を確認した。
シュクリジュマーは5月27日にはホンジュラスで滞在していた。新
聞は保安大臣オスカル アルヴァレスの言葉として、この攻撃計画
について報道し、容疑者の写真4枚を公にした。彼の首には賞金
5万ドルがかかっている。当局によれば、シュクリジュマーは、ト
リニダード・トバゴとカナダ、ガイアナの旅券を持っていた、との
ことである。

     国内ニュース

税制改革と両親の短時間労働 発効

7月1日にオーストリアでは、一連の新たな法的規定が発効する。
税制改革では、予定を早めて実施された家族法案では、年始にさか
のぼって通勤費用の減税が15%増額され、個人経営の控除額の家族
割増が増やされる。家族割り増しは、家族の人数に応じて与えられ
るもので、最初の子供には130オイロ、2人目には175オイロ、そ
れ以上の子供は1人当たり220オイロ毎年控除される。課税対象と
なる収入の下限は4,400オイロから6,000オイロに上げられる。両
親の短時間労働は、一定の条件下で仕事を持つ両親に、子供が7歳
になるまであるいは場合によっては子供が学校に遅れて入学するま
での間、短時間労働を求める法的権限をあたえるものである。その
条件とは、両親が20人以上の従業員をもつ企業に、少なくとも3年
以上勤務していることである。




7月1日(木)

     国外ニュース

ターリバーン キリスト教の宣教師を斬首したとの噂

急進派イスラームのターリバーンが、アフガニスタン南東部の州ガ
スニで、キリスト教の宣教師1人を斬首した、との情報がある。タ
ーリバーンの広報ムフティ アブドゥル ラティフ ハキミは昨日
午後、元イスラーム教徒のアフガニスタン人が、米国人によってキ
リスト教に改宗したことの代償を支払った、と述べた。反乱勢力は
この男の家で、「異端の本」を発見して、彼を連れ去った。「私た
ちは、他の者たちがイスラーム教からキリスト教に改宗することが
ないよう警告するため、彼の首を切り落とした」と述べた。

     国内ニュース

EU委員会 フィシュラーの留任はない

オーストリアのEU農業委員フランツ フィシュラーは、もう一期
この職に留まることはない。自分は新EU委員会に属することは絶
対にない、とベルリンの新聞のフィシュラーは述べた。フィシュラ
ーは、ヨーロッパ砂糖市場の新たな規定計画を擁護して、「私たち
は世界でもっとも貧しい国に対して何度も、彼らが制限なくヨーロ
ッパに砂糖を輸出できるようにする、と提案してきた。私たちがこ
れを実施するとすれば、砂糖市場の秩序を今、改革しなければなら
ない」と述べた。




7月2日(金)

     国外ニュース

イラク 近隣諸国からの軍隊を拒否

ヨルダンが軍の派遣を申し出ていた件で、イラク政府はこれを拒否
した。同国政府は、「近隣諸国からのこのような部隊派遣の申し出
には、基本的には留保している」と吹く外務大臣ハミド エル バ
イアティは述べた。「いくつかの国との間には複雑な事情がある」
と昨日彼はAFP通信に対して述べた。 ただしイラク軍の養成と武装
に関する支援は受け入れ可能である、とも述べた。これより前に、
ヨルダン国王アブドゥラ2世は、イラク政府の要望があれば、部隊
の派遣をする用意がある、と述べていた。ヨルダン外務大臣マルワ
ン ムアッシャルは、国王の発言の真意を「連帯を示す演説」であ
った、と説明していた。

     国内ニュース

ホイプル「追加支出なしで財政の穴埋めはできない」

財政赤字の穴埋め問題ではほとんど妥協の余地はない、とウィーン
市長ミヒャエル ホイプル(社会民主党)は、新たに就任した各州
首相の会議の議長として述べた。これ以上の資金がないのであれ
ば、財政赤字の穴埋めは行なえないと強調した。「連邦は財政赤字
の補填を決定しただけで、私たちは憲法裁判所にこれを取消すよう
求めるつもりだ」とも述べた。交渉の中心は、健康保険および病院
の財源問題であって、財政赤字ではない、とホイプルは見ている。




7月3日(土)

     国外ニュース

米国人人質 イラクで斬首との情報

イラクの急進派が、人質となった米国海兵隊のワシフ アリ ハッ
サンを斬首に処した、との情報がある。急進派組織アンサル エル
 スンナは昨日イスラーム系のウェッブサイトを通じて、リビア系
の米兵の斬首の映像を公表する、と発表した。さらにハッサンが殺
害されたのは、若いアラブ人女性と関係を持ったためである、とも
述べた。さらに、米軍はイラクを去るべきだ、とも主張した。米軍
は、ハッサンが行方不明になっていることを確認したが、人質にな
っているとの証拠はない、と述べた。この急進派組織はその他に、
女性1人を人質にとっていると発表したが、その国籍は明らかにし
ていない。

     国内ニュース

産業会議 12時間労働に賛成

産業会議事務長代理ラインホルト ミッターレーナーは、1週間あ
たりの労働時間の延長には反対だが、勤務時間の柔軟化には賛成で
ある、と述べた。標準労働時間を8時間、最長労働時間を10時間と
している現在の規定はあまりに厳格である、と「ザルツブルク通
信」紙で彼は述べた。企業は、いくらか需要が増大した場合に、そ
れに応えられるように柔軟な体勢を作ることができなければならな
いので、そのために1日の労働時間を10ないし12時間に増やすこ
とに賛成である、と述べた。その際何人かまとめた契約を結び、週
あたり38時間でも、37,5時間でもよいが、総労働時間を決め、そ
れを越えない範囲に収めるというのは当然のことである、と述べ
た。




7月4日(日)

     国外ニュース

ミロシェヴィッチ 国連法廷で弁明を開始

元ユーゴスラヴィア大統領スロボダン ミロシェヴィッチは、月曜
からデン ハーグの国連戦争犯罪裁判所で、自らの弁護を開始す
る。2回目となる訴訟で彼は、約1,600人の証人の支援をうけ、自
分の弁明の論拠を示す方針である。ただし彼はわずか150日間しか
利用できない。ミロシェヴィッチは独首相ゲアハルト シュレーダ
ー(社会民主党)、英国首相トニー ブレアおよび元米国大統領ビ
ル クリントンにも、NATOによる1999年のユーゴスラヴィア空
爆の責任者として、聴聞を行なう方針である。ミロシェヴィッチ
は、コソヴォ (1999年)、クロアチア(1991-95年)、ボス
ニア・ヘルツェゴヴィナ(1992-95年)の戦争犯罪に関連して66
の点で自らを弁護しなければならない。

     国内ニュース

シュッセル 2006年から兵役を6カ月にする方針

兵役期間は現在は8カ月であるが、2006年1月1日からは6カ月に
短縮される、と連邦首相ウォルフガング シュッセルは昨日記者会
見で発表した。また、兵役代替役務に関しても改革する方針であ
る。赤十字会長フレディ マイアーを議長とする会議で、来週には
兵役代替役務及び支援組織の改革会議が開始され、同じような従事
期間の短縮が図られる。兵役代替役務は現在12カ月で、内2週間は
休暇である。連立与党である自由党はこれに対して批判的である。




7月7日(水)

     国外ニュース

アル ジャジーラ「イラクでフィリピン人が人質に」

イラクでは再び外国人が人質となった、と報じられた。カタールの
テレヴィ局アル ジャジーラは昨日ヴィデオを放送し、一人のフィ
リピン人が、「イラク イスラーム軍」と繋がりがある「チャレド
 ビン エル ワリド旅団」という名称の組織の手の中にある、と
伝えた。人質犯側は、イラクに駐留するフィリピン軍が72時間以
内に、撤退するように求めた。これが守られなければ、人質を殺害
する、と述べた。アル ジャジーラによれば、このフィリピン人
は、米軍に協力しているサウジ・アラビア企業で働いている人物で
ある。彼はオレンジ色のスーツを着て、誘拐犯3人の前にひざまづ
いている姿が放送された。覆面をしている男たちは、このフィリピ
ン人と一緒に働いていたイラクの治安担当者を殺害した、と述べ
た。イラクでは約50人のフィリピン人が、米国が指揮する多国籍
軍の一部として駐留している。4月以来イラクでは数十人の外国人
が誘拐され、そのうち数人は斬首された。その中には米国人ニック
 バーグと韓国人キム スン イルが含まれている。

     国内ニュース

労働時間の柔軟化 自由党内部で対立

労働時間の自由化をめぐる議論で、自由党内部では対立も起きてい
る。自由党の工業問題の専門家トーマス プリンツホルンは、日曜
日と祝日の労働を導入するように要請している。木曜日が休日にあ
たる場合、祝日を金曜日に移すことも提案している。一方これに反
対する声は、労働組合からだけでなく、同党内部からも起きてい
る。同党事務長ウーウェ ショイヒは、プリンツホルン案の撤回を
求め、これは党の方針ではない、と述べた。



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