7月12日〜7月18日のオーストリアのニュース



7月12日(月)

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フィリピン イラクの人質の安全のため 軍を撤退

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EU イラク支援にためらい

イラクが産業再建のために目に見えるような支援を行なうように求
めたことに対し、EUは躊躇している。イラク外務大臣ホシヤル 
セバリは昨日ブリュッセルを訪問し、6月末の権力移譲後行なわれ
たこの種の初めての会談でEU各国外相と面会し、緊急支援を行な
うよう求めたが、具体的な約束は行なわなかった。この慎重な態度
の背景には、安全面での情勢がある。EU外務委員クリス パッテ
ンは6月に、支援を行なう決断を下すための条件は、暴力が治まっ
ていることである、と指摘していた。EUはその他、占領軍が廃止
した死刑を再びイラクが導入することがないように、と求めてい
る。

     国内ニュース

新聞報道 税収不足15億オイロに上る可能性

大蔵省内部では、年末の時点での税収不足は15億オイロに上ると
の計算がある、と新聞が報じている。現在ある今年1月から6月の
税収に関する情報によれば、年末までには今まで挙げられていたよ
りもはっきり巨額の歳入不足が財政に生じる見込みである。特に大き
く落ち込んでいるのが法人税で、この税率は34%から25%に引き下
げられている。今年前半では、2003年と比べて、企業は約25%すな
わち4億7千万オイロの法人税が減免されている。これは他の多くの
税金でも起こっており、景気回復が重い足取りであるためだ、と説明
されている。




7月13日(火)

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イラクで人質 再び殺害

アラブ系テレヴィ局アル ジャジーラの昨日の報道によれば、ブル
ガリア人2人を人質にとっていたイラクの誘拐犯は、人質1人を殺
害した。通信社によれば、行方を追求されているヨルダンのイスラ
ーム教徒アブ ムサブ エル サルカウィの組織エル タウヒド 
ワ エル ジハードは、ブルガリア人の斬首の光景を写したヴィデ
オを届け、同組織は、米軍が24時間以内に身柄を確保しているイ
ラク人逮捕者を解放しないのであれば、もう1人のブルガリア人の
人質も殺害する、と威嚇している。ブルガリア政府は、この殺害を
確認した。誘拐されたのはブルガリア人の運転手である。

     国内ニュース

フェレーロ・ワルトナー EU委員に就任

国民党の内部では、今年のEU委員に関する決定が既に下されてい
る模様である。新聞報道によれば、外務大臣ベニータ フェレーロ
・ワルトナー(国民党)がこの同委員に就任し、内務大臣エルンス
ト シュトラサー(国民党)が彼女の後任として外務大臣になる。
連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)は明確な態度を避
け、「早期に指名を行なう」ことに関して何の意見も持っていな
い、と述べた。




7月14日(水)

     国外ニュース

米上院 同性愛者の結婚に反対する憲法修正案を阻止

米国上院は、同性動詞の結婚を禁止するために憲法の修正を行なう
ための議論を、投票を行なうことなく中止した。解説によればこれ
は、憲法修正を行なおうとしていた大統領ジョージ W. ブッシュに
とって敗北である。修正案には、結婚はひとえに男と女の結びつき
でのみありうる、と記されていた。上院の一致した判断を下したた
め、この提案は成立する見込みがなくなった。憲法修正提案を審議
し、採決を実施するためには、60人の賛成が必要であった。賛成
は48票であった。民主党は、共和党は議論そのものを政治的な理
由から突然開始した、として非難し、憲法修正のための過半数が得
られないことは当初からはっきりしていた、と述べた。

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ファン シュター インスブルック名誉市民に

市長ヒルデ ツァッハは昨日午後インスブルックで、州首相ヘルウ
ィヒ ファン シュター(国民党)を同市の名誉市民に任命した。
これはインスブルック市でもっとも高い評価である。今まで同市の
名誉市民の称号が与えられたのは、パオル フローラ、アロイス 
ルガー、ロムアルト ニーシャー、アロイス パルトル、ラインホ
ルト シュテッヒャー、フェルディナント オーベンドルファー
で、彼は7人目になる。ファン シュターは、かつてインスブルッ
ク市民であった。昨年彼は、同州の名誉賞をツァッハに与えてい
た。




7月15日(木)

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ビン・ラーディンのヨーロッパに対する最終通告 期限を過ぎる

ヨーロッパに向けた「ビン・ラーディンの最終通告」の期限は過ぎ
たが、これによって「不安になったり恐怖にとらわれる」必要はな
い、とドイツのテロ研究家ロルフ トープホーフェンが昨日テレヴ
ィ番組で述べた。ただし彼は、イスラームテロ組織アル・カーイダ
が慎重に計画を立てており、この計画をいつも通り実行に移す可能
性がある、と指摘した。アル・カーイダの首領ウサーマ ビン・ラ
ーディンは、3カ月前に、ヨーロッパがイラク戦争に参加する兵士
を同国から撤退しないのであれば、7月15日以降、ヨーロッパに対
する大がかりな攻撃を行なう、と脅していた。

     国内ニュース

教会の性行為疑惑 フィッシャー「悲しくまた狼狽している」

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、昨日のテレヴィ番組の中
で、サンクト ペルトナーの神学校での性行為およびポルノ疑惑を
聞いた時、「悲しい気持ちになりまた狼狽した」と述べた。シュタ
イアーマルク州の司教区司教エゴン カペラリと同じ気持ちである
が、「正しい方向に向かってくれるだろう」とフィッシャーは述べ
た。




7月16日(金)

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武装パレスチナ人 フランス人を誘拐

パレスチナ人の目撃者によれば、覆面をした武装勢力が昨日、ガザ
地区で少なくとも外国人3人を誘拐した。誘拐されたのは5人であ
るとの情報もある。誘拐されたのはフランス人の女性2人と男性
1人(別の情報では3人)であるとのことである。彼らはカン ユ
ニスの喫茶店にいたところ、武装勢力が喫茶店を襲撃し、むりやり
連れ去られた、とのことである。しかしその後パレスチナ自治当局
は、人質は解放された、と発表した。しかし、すべての人質が解放
されたのかどうかは不明である。

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オーストリア鉄道 強制年金受給は政治的な意図によるものか

オーストリア鉄道では、最高幹部の早期年金の支給が混乱を招きか
ねない。同社の人事部長ウォルフガング モルダシュルは、10月
1日までに47歳の時点で、強制的に退職状態になる。労働組合はこ
れは「政治的嫌がらせ」である、と述べた。国民党の政務次官ヘル
ムート クーカッカは、これを否定した。




7月17日(土)

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アル カーイダの支持者 イランで逮捕

イランは、イスラーム急進派ウサーマ ビン・ラーディンの支持者
多数を逮捕した、との情報がある。秘密情報部は、アル カーイダ
組織の支局数箇所を特定し、それらに属する者たちを逮捕した、と
同部長アリ ユネシが国営テレヴィで発表した。具体的な人数や詳
細は述べなかった。ユネシは、同国政府は、イランを拠点として利
用しようとしたすべての武装イスラーム教徒に対して厳しい措置を
取る、と予告し、「イランの安全な状況を利用しようとする者たち
は、深刻な責任を取ることになる」と述べた。過去2年間イラン
は、数百人のアル カーイダ支持者を逮捕し、母国に送り返してい
た、とのことである。米国はイランが、アフガニスタンの急進派タ
ーリバーン政権が失脚した後、隣国に逃亡したアル カーイダの戦
闘員と連携して、隠れ家を提供していた、と非難していた。イラン
はこれをずっと否定していた。

     国内ニュース

クローンベルガー EU議席問題で訴訟をする方針

雑誌報道によれば、自由党の筆頭候補ハンス クローンベルガーは
憲法裁判に訴え、自分のEUの議席を奪還する方針である。
157,000票を集めた自由党の票のうち、22,000票だけがアンドレ
アス メルツァーに優先的に議席を与えるための票であった、と述
べている。クローンベルガーの弁護士で妻であるシャラーは、有権
者の投票の平等が侵害されている、と見ている。過半数を得ていな
い小派閥が党の代表になるのは「まさに反乱項目」である、と述べ
た。憲法裁判官ハインツ マイアーは、この理由づけには説得力が
ある、と見ている。国民評議会にEU選挙の方法を定める権限があ
る。メルツァーに有利になった票の数え方は、個人に対する投票の
重みを強化するために 1996年に成立した。




7月18日(日)

     国外ニュース

イラク首相アラウィに対する懸賞金 設定

急進派イスラーム教徒と見られるアブ ムサブ エル ザルカウィ
の支持者は、インターネット上で、イラク移行政権首相イヤド ア
ラウィに対して285,000ドルの懸賞金をかけた。「我々は、神の
前でお前を殺すことに全力をあげる。お前の頭を、アブ ムサブ 
エル  ザルカウィが望んでいる」と、昨日の急進派のウェッブサ
イトでは述べられている。この呼びかけは、エル ザルカウィの組
織「ジャマール アル・タウヒド ワ アル・ジハード(唯一神信
仰と聖戦のための組織)」の署名がある。さらにその中では、イラ
クの連続自動車爆弾攻撃は決して途切れることはない、とも述べら
れている。エル ザルカウィは以前から、アラウィを殺害したい、
と述べていた。

     国内ニュース

兵役代替役務改革委員会 始動

兵役代替業務改革委員会は、その仕事を開始した。午後には赤十字
社社長フレディ マイアーを議長とするこの委員会の議長団が初め
て集まった。この委員会に与えられた課題は、間近に迫った兵役期
間の短縮に合わせて、代替役務の新たな計画を策定することであ
る。この議長団は14人からなっている。夏の間中この議長団によ
って当初の準備が行なわれ、9月上旬には40人の委員会での初めて
の会議が行われることになっている。2005年1月末に、最終報告
が予定されている。この委員会の作業でもっとも困難なのは、兵役
代替役務の期間で、兵役の魅力とその組織を維持することである。



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