7月26日〜8月1日のドイツのニュース



7月26日(月)

解雇通告からの保護をめぐる対立

(ベルリン)キリスト教民主同盟幹部は、同党の属する会派の副代表フリードリヒ
 メルツが行なおうとしている解雇通告からの保護の全廃を拒絶した。同党事務長
ラオレンツ マイアーは、この解雇通告からの保護は、現在仕事をしている人たち
には残されるべきである、と述べた。ただし新たに雇用される人に対してはこの規
定は廃止するつもりであり、また53歳以上の従業員20人未満の企業に対しても廃
止される、この措置はより多くの雇用をもたらす、とも述べた。ニーダーザクセン
州首相で同党に属するクリスティアン ヴルフは、解雇通告からの保護は、被雇用
者にとって不利である、と評価していた。一方ザールラント州首相ペーター ミュ
ラーは、米国の態度に警告した。連邦政府は、解雇通告からの保護の廃止を拒否し
ている。現在の規定は実際の公正であり、意味がある、と連邦政府広報副部長トー
マス シュテークは述べた。

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イスラエル 隔離壁の設置場所変更

(エルサレム)イスラエル国防相は、西ヨルダンランドの隔離壁の
設置場所を変更した。この変更は部分的には重要なものであり、イ
スラエル最高裁判所の要請を満たすものである、とエルサレムの治
安当局は発表した。この隔離壁は特に西エルサレムで、1967年ま
でイスラエルと西ヨルダンランドの境界線であった、いわゆる緑の
線に近づくことになる他、南部で新たなに設置場所が示された、と
も語った。ただし国防省は従来通り、アラブ人がすむエルサレムの
東部地区を通って建設することを主張するつもりである。イスラエ
ル治安部隊との交戦が日曜午後、西ヨルダンランドのトゥルカレム
で発生し、パレスチナ人6人が死亡した。これは、過去1カ月、西
ヨルダンランドで起きた衝突の中では、最悪のものである。

シャローン ガザ地区から他の撤退の方針を変えず

(テル アヴィヴ)イスラエル首相シャローン政府は、激しい抗議
を受けた後も、イスラエルのガザ地区からの撤退計画を、押し進め
ている。入植者に対しては、家の明け渡しを補償するする4つの方
法が呈示される、とイスラエルの新聞「ハアレツ」が報じている。
日曜日には13万人ほどのイスラエル人が約90キロに渡って、ガザ
地区からエルサレムの嘆きの壁まで人間の鎖を作り、入植地とイス
ラエル軍歩哨の撤退に抗議した。シャローンは2005年末までに、
すべてのガザ地区のユダヤ人入植地を廃止する方針である。

イラクの誘拐犯 さらに外国人を殺害すると威嚇

(バグダード)イラクで外国人誘拐事件が増加しているため、同国
の再建は目に見えて後退する可能性がある。イラク政府は、外国人
による脅威が、再建の努力を逆戻りさせている、いくつかの国が自
国民をイラクに行くことを禁止しているためである、と述べた。一
方急進派はパキスタン人2人とヨルダン人2人の誘拐を公表し、彼ら
を殺害すると脅した。内務相高官およびその2人の護衛がバグダー
ドで何者かに射殺された。モスルとバスラでは少なくとも6人が殺
害された。




7月27日(火)

クレメント「解雇通告からの保護法の修正は行なわない」

(ベルリン)連邦産業大臣ヴォルフガング クレメントは、解雇通告からの保護法
の修正を拒否した。キリスト教民主、社会同盟の内部で、この問題をめぐって対立
が起きていることが、事態の特徴を示している、とクレメントは述べた。キリスト
教民主同盟事務長ラオレンツ マイアーは、党内部から解雇通告からの保護規定の
撤廃を求める声が上がっていることを批判し、この問題に関するキリスト教民主同
盟の立場ははっきりしている、とテレヴィ番組で述べた。仕事を持っている人たち
に関しては、何の変更もないが、新たに職につく人の場合には規定が緩和され、長
期失業者および年長の就職希望者が、雇用されやすい状況を作る、とマイアーは述
べた。キリスト教社会同盟事務長マルクス ゼーダーは、解雇通告からの保護を穏
やかな形で現状に合わせたものにするための共同の決定が下されていることを指摘
した。

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経済研究所「解雇通告からの保護は就職には障害にはならない」

(デュッセルドルフ)労働組合に近い立場のハンス・ベックラー基
金の研究によれば、解雇通告からの保護と失業の間には、何ら関係
がない。キリスト教民主同盟の主要な政治家たちは、解雇通告から
の保護が労働市場の活性化を阻害していると主張しているが、これ
には経験上根拠がない、と同基金の経済・社会福祉研究所所長プフ
ァルはデュッセルドルフでのべた。労働市場に決定的な影響を与え
るのは、経済状況であり、受注を受けている企業だけが、新たな雇
用を行なうことができるのであって、ドイツの労働市場の問題を生
んでいるのは、解雇通告からの保護ではなく、国内の需要が低迷し
ていることである、とも述べた。

パレスチナ人の危機 当面回避

(ラマラ)パレスチナ首相コレイは辞表を撤回し、これにより10
日間に渡る大統領アラファトとの権力闘争に当面決着がついた。コ
レイとアラファトはラマラで行なわれた共同記者会見で、治安維持
部隊を改革すると予告し、政治危機が終了した、と宣言した。内相
と検察が今後はより多くの権限を持つことになる、と両者は述べ
た。アラファトは既に、パレスチナ人居住区での無法状況に対して
より厳しい態度を取り、治安維持部隊により多くの権限を与える準
備があるとの宣言を出していた、とコレイは述べた。ただしイスラ
エルによる占領との戦いが、主要な問題であるのは変わらない、と
も述べた。コレイは、ガザ地区で一連の誘拐および暴力沙汰が発生
した後、辞職する意向を7月17日に示していた。

イラク クウェートとの外交関係樹立を模索

(ベイルート)イラクは、クウェートを侵略してから14年、南の
隣国クウェートとの外交関係再開を計画している。イラク移行政府
首相アラウィは、この問題を話しあうためにクウェートを訪問す
る、と3日間に渡るレバノン訪問の最後に述べた。この後彼はベイ
ルートからサウジ・アラビアに向かう。引き続きクウェートを訪問
する意向であった。一方蜂起勢力の火曜日の攻撃で、イラクでは2
人が死亡、米国が指揮する治安部隊の兵士13人が負傷した。イラ
クで誘拐されたエジプト人外交官の解放から1日、この急進派組織
の手の中にある他の人質の運命ははっきりしていない。人質になっ
ているのはインド人、ケニア人、ヨルダン人、パキスタン人であ
る。




7月28日(水)

イラクの自殺攻撃 死者約70人

(バグダード)イラクでは移行政府に権力の移譲が行なわれてから、もっとも激し
い爆弾攻撃が発生した。イラク厚生省によれば、バァクーバ市では68人が死亡し
た。犯人は警察署前で自動車にのって自ら爆死した。この建物の前には、警官の新
規募集に申し込むため、約250人が行列に並んでいた。爆発があった時、近くをバ
スが通行していた。
米国の情報では、バグダード北部でも攻撃があり、米兵1人が死亡した。
バグダードの南東にあるスワイラでは蜂起勢力との戦闘があり、イラク兵7人と蜂
起勢力35人が死亡した、とポーランドが指揮するヒラの部隊の指揮官が発表し
た。イラク西部の州アンバルでは、何者かが知事の息子3人を誘拐した。

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死亡したイラク人の家族 英兵を訴える

(ロンドン)死亡したイラク人6人の家族が、ロンドンの最高裁
で、英兵に対する裁判を起こした。この裁判で彼らは政府に対し
て、法に違反した殺人および虐待をイラク人に対して行なった容疑
を中立の立場から調査するよう求める意向である。家族によれば、
6人のイラク人のうち5人は、英兵が管理するイラク南部で普通の
生活を送っていたのに、射殺された、とのことである。英国防省広
報は、憲兵が英兵のすべての容疑を調査する、と述べた。関係する
6つの事件のうち4つで、戦闘のために出撃が行なわれていた。残
り2件についてはまだ調査が行なわれている、とも述べた。

「国境なき医師団」アフガニスタンを退去

(カブール)支援組織「国境なき医師団」は、5人の団員が攻撃を
受け死亡してから2カ月、アフガニスタンでの活動を最終的に中止
した。その理由として医師団は、6月上旬に行なわれた隊員の自動
車に対する攻撃の調査に納得できないことを挙げた。その他米軍
が、人道支援組織を政治的な目的のためにますます利用しようとし
ている、とも述べた。「国境なき医師団」はアフガニスタンで24
年間活動していた。この事件までは、現地では国外から80人、国
内から1,400人が同組織のために活動していた。一方ガスニ州のモ
スクが爆弾攻撃を受け、米軍によれば、現地で大統領選挙に向けて
行なわれている選挙人登録の期間中に6人が死亡し、うち2人は国
連の職員であった。ターリバーンがこの攻撃の犯行声明を出してい
た。

内閣 スーダンの難民の支援を強化

(ベルリン)連邦内閣は、スーダンの難民に対する支援を2千万オ
イロ増額して、3,350万オイロとする、と連邦開発大臣ヴィークツ
ォレック・ツォイルがベルリンで発表した。同国西部のダルフール
では、反乱勢力が政府に忠実なアラブ系民兵と戦闘を起こし、約
120万人が難民となっている。約18万人が隣国チャドに流れこん
だ。ダルフルの壊滅的な状況に直面し、ヴィークツォレック・ツォ
イルは、国連安保理が今週中にも決定を下し、制裁を課すとの内容
の決議を出すことが重要である、と強調した。さらに、アフリカ連
合が予告通り、事実上の和平部隊を派遣することが大切である、と
も述べた。




7月29日(木)

スーダンに対する国連決議案 制裁を含まず

(ニュー ヨーク)米国は国連安保理の新決議案で、スーダン政府に対し制裁を課
すとの威嚇を行なうことを拒否した。ただし、スーダン政府がダルフール地区で行
なわれている大量殺戮と国外追放対策を取らず、アラブ系民兵の武装解除を行なわ
ないのであれば、経済面での措置を取る予定である。国連安保理は金曜日、この決
議案を採決する方針である。
米国外務大臣コリン パウエルは新聞のインタヴューで、この決議案はスーダン政
府に数ヶ月間の時間的猶予を与えるもので、その後国連安保理は、制裁を含め、実
施可能な対策について話し合う予定である、と述べた。
一方アフリカ連合の監視団の報告によれば、武装民兵はダルフールで、新たな大量
殺戮を行なっている、とのことである。
またアフリカ連合は、ダルフールに対する兵士の派遣を数日間延期した。

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ウガンダ軍 反乱勢力を攻撃

(カンパラ)ウガンダ軍は、スーダン南部のLRA反乱勢力の本部を
攻撃し、いわゆる主の抵抗軍の兵士120人以上を殺害した。LRAは
18年前からウガンダ北部で政府と戦っており、その際一般住民に
対してテロを行なっている。国際警報裁判所は、ウガンダ北部では
深刻な人権侵害が行なわれている疑いがある、として捜査手続きを
取っている。

イラク国民会議 開催延期

(バグダード)イラク国民会議の設立会議は、国連事務総長アナン
の勧めに従って、8月中旬まで延期された、と政府広報が発表し
た。アナンが延期を提案したのは、本当であれば土曜日に予定され
ていた会議に、より多くの政党の参加を可能にするためである。国
民会議派、イラクの今後の民主化にとって決定的な意義がある、と
見られている。この集会では、移行政府を監視する役割を持つ国民
評議会の選挙が行われることになっている。一方イラクの急進派
は、パキスタン人2人を斬首した。イスラーム国出身の人質が殺害
されるのは初めてである。パキスタン政府は、これは野蛮な行動で
ある、と述べた。インド、ケニア、エジプト出身のトラック運転手
7人を誘拐した犯人たちは、その日と慈悲を殺害する、と改めて威
嚇した。別の急進派組織は4人のヨルダン人を拘束している。

アラブ人部隊のイラク派遣に関する議論

(ジッダ)サウジ・アラビアは、アラブ諸国の兵士をイラクに派遣
することを提案したが、米外相パウエルは、これを歓迎した。彼ら
は多国籍軍に属するか、あるいはそれとは切り離した形で派遣され
る可能性がある、とパウエルはイラク首相アラウィとサウジ・アラ
ビアのジッダで会談した後、述べた。これより前、サウジ・アラビ
ア外相サウド アル・ファイサルは、パウエルとこの提案について
検討していた。




7月30日(金)

国連決議 スーダンにダルフール地区紛争の解決を要請

(ニュー ヨーク)長時間の話し合いを経て、国連安全保障理事会は、スーダンが
ダルフール危機の解決に取り組むことを義務として課す決議案を採択した。この決
定は、スーダンに対して30日間の時間的猶予を与え、ダルフール地区のアラブ系
騎馬民兵の武装解除を行ない、黒人の殺害の責任を糾明するためのものである。同
国政府がこの要請に応えない場合、さらなる手段が取られることを覚悟しなければ
ならない、と決議では述べられている。制裁を課すとの威嚇は、国連安保理ではロ
シア、中国および他の国々の反対で成立しなかった。米国が提案した決議案には理
事国15カ国のうち13カ国が賛成し、その中にはドイツも含まれている。中国とパ
キスタンは保留した。
この決議では、アラブ系民兵と2つの反乱勢力に対する武器供与の即時停止が課さ
れている。
国連の情報によれば、ダルフールでは、アラブ系民兵が最大約5万人を殺害し、百
万人以上を国外に追放した。

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ドイツ政府 スーダン決議を歓迎

(ベルリン)連邦政府は国連安保理のスーダン決議を歓迎した。外
相フィッシャーはベルリンで、スーダン政府が国連に対する義務を
完全な形で果たすかどうかを、協力者とともにドイツは監視して行
く、と述べた。もしこれが守られない場合、ドイツはさらなる対策
に乗り出す、とフィッシャーは強調した。

ケリー ブッシュとの選挙戦が新たな段階に入ったことを宣言

(ボストン)米国民主党の大統領候補に指名されてから1日、上院
議員ケリーは、現大統領ブッシュとの戦いが新たなラウンドに入っ
たことを示すゴングを鳴らした。ボストンで開かれている選挙戦に
向けた党大会の締めくくりの演説で、彼はブッシュを激しく攻撃
し、世界が米国に対し敬意を持つようにする、と述べた。ケリーの
登場は、4日間に渡って開かれた民主党党大会が最高に盛り上がっ
た場面であった。4千人を越える代表の歓呼の中、マサチューセッ
ツ州選出の上院議員である60歳のケリーは、共和党所属の大統領
ブッシュの対立候補への指名を受諾した。党大会の数時間後にはケ
リーは、副大統領候補の北キャロライナ州選出の上院議員エドワー
ズとともに、米国を横断して行なう2週間の選挙戦を開始した。

米外相パウエル バグダード到着

(バグダード)米外相パウエルは、事前の予告なくイラクの首都バ
グダードを訪問し、暫定大統領ガシ エル ヤワルおよび副首相バ
ルハム サレーと面会した。その際パウエルは、同国再建のための
支援資金を早期に支払う、と予告した。サレーは、今年末までに再
建計画のために90億ドルが支出される、と述べた。ワシントンで
は米大統領ブッシュは、14年前にイラクに対して課した制裁をほ
ぼ完全に廃止した。サッダーム フセインの失脚後、この制裁を行
なう理由はなくなった、とブッシュは述べた。




7月31日(土)

スーダン 国連決議を実施する方針

(ハルツーム)スーダン政府は今回は、緊迫が続くダルフール地区に対する国連決
議に応じる方針である。外務大臣オスマン イスマイルがこの声明をハルツームで
発表した。これより前には、スーダン情報省は、金曜日に採択された国連安保理の
この決定を不公正なものでである、として拒否していた。この決議の中では、スー
ダンに対して、30日以内にダルフールのアラブ系騎馬民兵を武装解除し、黒人の
住民の安全確保のために配慮することが求められている。その他、国連憲章に則っ
た対策を取らねばならない、とも述べられている。

     その他のニュース

難民 スペイン沿岸で溺死

(マドリード)難民をのせた船がスペイン沿岸で沈没し、少なくと
も4人が溺死した。この船には33人の違法アフリカ人移住者がのっ
ており、カディス市近くで転覆した、と当局は発表した。一方地中
海を経由してイタリアへと向かう不法移住者の流れは途切れていな
い。24時間以内に、330人を越える主としてアフリカからの難民
が上陸した。女性と子供を含め、ほとんどはシチリアの南部のラン
ペドゥサ島に上陸した、とイタリア当局は発表した。

シリー 難民施設をめぐる対立で緑の党を攻撃

(ベルリン)連邦内相シリーは、北アフリカの難民仮収容施設をめ
ぐる議論の中で、連立与党の緑の党からの批判をはねつけた。緑の
党は憤慨しすぎであり、難民を受け入れる側を信頼し、航海に堪え
られない船であえて地中海に乗り出す人全員が、自動的に難民とし
ての権利を得られるわけではない、と述べた。またアフリカのよう
な紛争地域の問題は、人々をヨーロッパに迎え入れれば解決できる
かもしれないとの印象は、間違ったものである、とも語った。また
彼は、EUが理にかなったアフリカ政策を取るように求め、アフリ
カの産業が安定するためには、ヨーロッパ市場の閉鎖性を撤廃する
ことが必要である、とも述べた。

エル サドルの協力者 イラクで逮捕

(バグダード)米兵はイラクの都市ケルベラで、急進派シーア派の
説教師エル サドルの協力者1人を逮捕した。イラク警察がこれを
確認した。エル サドルの民兵は春に、米軍と激しい交戦を行なっ
ていた。一方急進派が誘拐した外国人トラック運転手7人の解放を
目指してイラクの仲介役は努力を行なっている。人質犯側は、イン
ド、ケニア、エジプト出身の男たちを雇っているクウェートの使用
者側が、イラクでの営業を中止しなければ、彼らを土曜日午後に殺
害する、と脅していた。




8月1日(日)

イラクのキリスト教会攻撃を受ける

(バグダード)米軍が16カ月前にイラク入りしてから初めて、同国にあるキリス
ト教会が攻撃目標となった。数分の間に、バグダードにある4つのキリスト教会
と、イラク北部のモスルにある2つのキリスト教礼拝堂の前で、自動車爆弾が破裂
した。イラク移行政府の代表は、多数の死傷者が発生したおそれがあるが、詳細は
不明である、と述べた。ロイター通信の報告では、バグダードでの攻撃のうち1箇
所だけでも少なくとも12人が死亡した。AFP通信によれば、バグダード南部の修
道院も爆弾攻撃を受け、死者数人と大きな被害が発生した。
イラクでは約80万人のキリスト教徒と、2,400万人ほどのイスラーム教徒が暮ら
している。

     その他のニュース

イラク警察 人質を解放

(バグダード)イラク警察と秘密情報部は、レバノン出身の企業経
営者を、人質状態から解放した。ベイルートのレバノン大使館がこ
れを発表した。ただしイラクで誘拐された2人目のレバノン人がど
んな状況に置かれているかについては、情報が全くない、とのこと
である。急進派組織の手に落ちたインド人3人、ケニア人3人エジ
プト人1人のトラック運転手の運命はまだはっきりしていない。彼
らは解放された、とケニア政府は発表したが、イラク政府はこれを
否定した。誘拐犯たちは、運転手は日曜夜に殺害する、と威嚇して
いた。

首相 賠償要求とは一線を画す

(ワルシャワ)ドイツ人国外被追放者がポーランドに賠償を求めて
いるが、連邦首相シュレーダーは、これと異なる立場を取った。連
邦政府は、国際法廷にこのような請求権を求めて裁判を起こすこと
に反対である、とポーランド首相ベルカとワルシャワで会談した
後、シュレーダーは述べた。ヨーロッパの中でドイツとポーランド
の双方に責任があるることは疑うことができない、ベルリンに国外
追放反対センターを建設する計画についてもこれはあてはまる、と
シュレーダーは強調した。シュレーダーはドイツの首相として初め
て、ワルシャワ蜂起記念式典に参加した。1944年8月1日に、ポ
ーランド郷土軍はドイツの占領に反抗して、ワルシャワを解放しよ
うとした。ドイツ側はこの蜂起を鎮圧し、ワルシャワをほぼ完全に
破壊し、約20万人のポーランド人が死亡した。一方この式典に出
席していた米外相パウエルも、同国外相チモシェヴィッチと会談
し、郷土軍が63日間に渡って連合軍の支援を受けることもなく戦
い続けたことを指摘し、米国は今後はポーランドを見殺しにしな
い、と約束した。

スーダン 期間延長を要求

(ハルツーム)スーダン政府は、国連のダルフール地区の危機に関
する決議を原則的に受け入れたが、ただし実施期限を3カ月延長す
ることを求めた。この決議では30日以内にアラブ系騎馬民兵の武
装解除を行なうように求めているが、これはあまりに短期間であ
る、とスーダン外相ムスタファ オスマン イスマイルはハルツー
ムで開かれた閣議後のべた。アラブ人民兵は、ダルフールで黒人の
一般市民を相手にテロを行なっている。国連の情報によれば、昨年
初めから最大で5万人が殺害され、百万人以上が自分の村から追放
された。



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