8月9日〜8月15日のオーストリアのニュース



8月9日(月)

     国外ニュース

EU「ダルフールで民衆殺戮が行なわれた証拠はない」

スーダンを訪れているEUの使節は、ダルフール地区で民衆殺戮が
行われたことを示す証拠を見つけなかったが、暴力はさらに拡大し
ていると見ている。「我々は現地では大量殺戮が行なわれていない
と見ている」とスーダン訪問を行なったピーテル ファイトは昨日
ブリュッセルで述べた。彼はEU外交調整官ハヴィエル ソラナの
顧問である。「ただし、殺人がかなり広がっており、密かにゆっく
りと拡大しており、村々はますます放火されている」とも語った。
米国議会は、ダルフールでの略奪、殺害、焼き払いは、民衆殺戮で
ある、と見なしていた。

     国内ニュース

国家財政の収支安定化 州に税の決定権を委ねるか?

大蔵大臣カール・ハインツ グラサーは、土地に関する税金、たと
えば不動産所得税等の租税高権、つまり、税額の決定権を、各州に
委ねる方針である。現在、財源をみずから確保することなく、要求
を行なうことができる政治的によい情勢にある州は、この提案を検
討する方針である。グラサーは、各州がこれを容認していることに
満足している。彼は現在、州の財政の1.5%だけが州独自の税でま
かなわれているという点を指摘した。ただし州首相側の交渉担当セ
ップ リーダーは、昨日の交渉の後すぐに、これによって、各州の
他の税金の取り分が減少するのではないか、との不安を述べた。




8月10日(火)

     国外ニュース

イラクで急進派 エジプト人を斬首

イラクの急進派は、インターネット上で公開されたヴィデオの中
で、あるエジプト人が米軍のためにスパイ活動をしていたとの理由
で、斬首した。この映像は、アル カーイダと結びつきのあるアブ
 ムサブ アル・ザルカウィの「アル・タウヒド ワ アル・ジハ
ード」という組織が流したもので、昨日急進派イスラーム勢力のイ
ンターネットサイトで公表された。斬首された男は、ヴィデオの中
で、モハメド ムタワリと名乗り、自分はエジプト北部のダカヒリ
ヤ出身である、と述べた。「私はイラクでアメリカ人のためにスパ
イとして活動していた。私は、空港の米国人のところに女性を連れ
て行き、彼らが望むことを彼女たちとできるように手配した」とも
語った。その後覆面をした男たちが、ムタワリを地面に押さえつ
け、ナイフで頭を切り落とす様子が写っていた。彼のきり落とされ
た東部を彼らはその後カメラに写した。このヴィデオは米軍のファ
ッルージャ空爆の様子も写していた。

     国内ニュース

フェレーロ・ワルトナー パリ大使館に無償で宿泊

新聞報道によれば、外務大臣ベニータ フェレーロ・ワルトナー
は、5月20日と21日(キリスト昇天)に、夫とともにパリで短期
間の休暇を過ごしたが、パリのオーストリア大使館にただで滞在し
た。大使館の代表部に住む連邦駐在員によれば、彼女はこの滞在
で、外務省から4月に、対価を支払わねばならない、との指示があ
ったにもかかわらず、一文も支払わなかった、と新聞は報じてい
る。外務相広報マルティン ワイスは、そのような計画が存在した
ことを認めた。ただし、アパートが大使の住まいとなっているの
で、この計画は中止された、誰がそこに滞在してよいかを決めるの
は大使である、と述べた。




8月11日(水)

     国外ニュース

イラク 新たな斬首のヴィデオがインターネットで公開

武装イスラーム教徒が使用しているインターネット・サイトで昨
日、ヴィデオが公開された。これには、米国秘密情報部のスパイだ
とされる人物の斬首の光景が写っている。どの組織がこのヴィデオ
を公開したのかははっきりしていない。またこれた本物かどうか
も、今のところ明らかになっていない。イラクで今まで起きた誘拐
事件とは違って、誰が行なったのかがヴィデオの中で公表していな
い。4分間の長さのこのヴィデオでは、西側の人物と見られる男が
椅子に座っている姿が写っていた。彼は武装し覆面をした男たちに
取り囲まれており、その1人が数回に渡って剣で首に切りつけ、頭
部を切断した。その間他の者たちはアラビア語で「神は偉大であ
る」と叫んでいた。

     国内ニュース

フェレーロ・ワルトナー バロッソとの会談について報告

外務大臣ベニータ フェレーロ・ワルトナー(国民党)は昨日のテ
レヴィ番組の中で、次期EU委員会議長ジョゼ マヌエル ドゥラ
ン バローゾとリスボンで会談したことを確認した。「1週間ほど
前の」会談では、バローゾは、フェレーロ・ワルトナーが今まで何
を行なって来たかを尋ねた、と述べた。バローゾは、彼女が外交、
欧州、開発に関する政策で経験をつんでいることを知っており、次
期委員長から「興味深い文書」が渡された、と考えている、と述べ
た。ポルトガルの首都で行なわれたこの会談で、バローゾは彼女に
EU委員会で今後どんな仕事を担当させるかについては全く伝えな
かった。フェレーロ・ワルトナーは、次期委員会では外交だけでな
く産業の専門家として、産業問題のいくつかを担当したい、と示唆
した。




8月12日(木)

     国外ニュース

イラクの武装組織 さらなる誘拐

イラクの急進派は、さらに人質を取った、との情報がある。今回誘
拐されたのはアラブ人のトラック運転手3人である。昨夜アラブ系
テレヴィ局アル ジャジーラガ放送したヴィデオによれば、誘拐さ
れた人たちは、米国の占領軍のために、電気装置や他の備品を運ん
でいた、とのことである。「殉教者の師」を自称する武装組織は、
今のところ要求は出していない。ヴィデオに写っていた人質3人
は、シリア人1人とレバノン人2人であることが分かっている。彼
らは覆面した者たちに取り囲まれていた。過去数ヶ月、外国の占領
軍がイラクから退去することを求めて、急進派による人質事件は毎
日のように起きている。

     国内ニュース

自由党閣僚の非公開会議 クラーゲンフルトで

連邦政府の自由党所属の閣僚が、金曜日クラーゲンフルトで非公開
会議を行ない、秋の政局の困難な点について話し合う。また、年金
の収支均衡かに関連する重労働の規定などの難問についても話し合
う。閣僚の他、会派長ヘルバート シャイプナー、事務長ウーェ 
ショイヒとケルンテン州首相イエルク ハイダーもこの会議に参加
する。ショイヒは昨日、自由党は今後も政権に留まるとの方針を強
調し、政権に留まった場合にだけ物事をきちんと実行できる、野党
になった場合にはそれは不可能だ、と述べた。




8月13日(金)

     国外ニュース

エル サドル 命の限り戦闘を続けるよう求める

イラクの反乱勢力の拠点ナジャフは米軍に包囲されているが、その
中にいるシーア派の指導者エル サドルは、断固とした態度を示
し、支持者に対して死ぬまで徹底的な反抗をするよう呼びかけた、
とロイター通信が伝えている。彼は聖なる都市ナジャフを立ち去る
ことはない、と急進派の説教師である彼の広報は伝えた。一方、米
軍機は昨日同士を爆撃した。病院の情報によれば、その際イラク人
6人が死亡した。米国外務大臣コリン パウエルは、エル サドル
とその追従者を「無法者」と呼び、米軍は既に蜂起勢力の戦闘能力
を奪うために、ナジャフを「絞り出し」始めた、と述べた。また彼
は記者会見で、エル サドルが数日前の戦闘で負傷したとの報道は
確認できていない、と語った。また、米軍とイラク中部の巡礼者の
都市ナジャフの蜂起勢力は、停戦で合意した、とAFP通信は報じ
た。この合意で、和平交渉の道の土台ができた、とエル サドルの
広報は述べている。また誘拐された英国人報道関係者は解放され
た。

     国内ニュース

年金の収支安定化 自由党は国民投票を断念

自由党は年金の収支安定化に関する国民投票の実施を求めていた
が、もはやそれにこだわってはいない。自由党会派長ヘルバート 
ハオプトは昨日のテレヴィ番組で、国民投票を行なわないかどうか
という問に対して、「そうなる」と答え、さらに国民投票は議論の
余地なく必要というわけではない、とも述べた。重労働者に対する
加入料の値引き問題では自由党と国民党は意見を異にしているが、
それは大きなものではない、とシャイプナーは見ている。「両党
は、詳細ではまだ意見が一致していないが、それは特別なことでは
ない。もともと別の政党なのだから」と語った。




8月14日(土)

     国外ニュース

イラク国民集会召集

約2週間にわたって延期されたが、今日からバグダードではイラク
国民議会が行われる。3日間の予定で行われる集会では、国民評議
会が選ばれることになっている。国民評議会は暫定委員会として、
遅くとも来年1月上旬に実施が予定されている普通選挙の準備を行
なうことになっている。最大125人の評議員は、2005年予算を承
認することになっており、法律に対する拒否権をもっており、閣僚
に質問することや、大統領あるいは副大統領が死亡した際にはその
後継者を決める権限を持っている。本来合わせて約千人の代表が全
国からこのバグダードでの会議にやってくることになっていたが、
大きな関心を集めたため、参加者数は1,200人に増えた。

     国内ニュース

ナチの犠牲者代表ヤーホダ オーストリアを強く批判

世界最大のユダヤ人犠牲者組織クレイムズ カンファレンスのオー
ストリア代表モシェ ヤーホダは、新聞で、賠償問題に関して、オ
ーストリア共和国に対して激しい非難を行なった。ユダヤ人のナチ
犠牲者とオーストリアの間での交渉で21億ドルの賠償がまとまっ
てから3年半経つのに、米国で訴訟がまだ行なわれているために、
法的安全が確保されていないことを理由に、まだ全額が支払われて
いないことが、この非難の背景にある。




8月15日(日)

     国外ニュース

ヴェネズエラ国民投票 有権者1人が射殺 10人が負傷

ヴェネズエラ大統領チャヴェスの解任に関する国民投票では、武装
した男たちが有権者に発砲し、1人が死亡し、その他10人が負傷し
た、と消防が発表した。この攻撃は首都カラカスの外で起きた。国
民投票には多くの参加が見込まれるため、南アメリカの同国の当局
は、投票所をあける時間を2時間延長した。1,400万人の有権者は、
現地時間20時までに、自らの投票を行なうよう呼びかけられてい
た。首都カラカスの投票所前では午後には長い列ができていた。国
民投票評議会の代表者の1人ホルヘ ロドリゲスは、投票を行なわ
ないのはごくわずかであろう、と述べた。右派の野党が署名集めを
行ない、大統領解任の国民投票に持ち込んだ。彼らは、チャヴェス
は腐敗しており、同国の石油産業を不正に使用している、と非難し
た。左派国民主義者であるチャヴェスの解任のためには、市民派の
野党のうち少なくとも380万人の票が必要である。この数は2000
年の選挙で、チャヴェスが集めた票と同じである。その他、大統領
解任に賛成する人の数は、彼の支持者の数を上まわらなければなら
ない。

     国内ニュース

グラウィシュニヒ 同性同士の結婚を認めるよう要請

同性同士の配偶者関係を連邦全土で、異性同士の結婚と同格にする
ために、緑の党は9月に議会で戦う方針である。緑の党副代表エー
ファ グラウィシュニヒはこれを新聞で述べた。「我々はこの非婚
姻同居 いわゆるZIPに肩入れするつもりである。これに関する動議
は既に準備が終わっている。」この非婚姻同居は同性同士でも異性
同士でも、官庁で配偶者関係として登録できる可能性を提供するも
のである、とも述べた。「この民法は、すでにEUの他の国にはあ
るもので、相続権、賃貸借権、面会権、保険金の受取権等での同じ
扱いを保証するものである」と語った。



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