8月23日〜8月29日のオーストリアのニュース



8月23日(月)

     国外ニュース

米軍 イマム アリ モスクの民兵を攻撃

米軍は昨日午後遅く、イラクの巡礼者の町ナジャフのイマム アリ
 モスク周辺にいるシーア派の民兵を再び攻撃した。その際にはヘ
リコプターを使用した。アラブ系の放送局アル ジャジーラは、こ
の聖域周辺の建物いくつかで火災が発生した、と報じた。米軍はモ
スクそのものも攻撃しようとした、との方胴があるが、現在のとこ
ろこれを確認する中立の情報はない。イラク移行政府はこれを今の
ところ否定している。

     国内ニュース

予算交渉 閣僚側は17億オイロ増を要求

月曜午後、大蔵大臣カール・ハインツ グラサーと、他の大臣の間
での予算交渉が始まった。各大臣の追加要求が今回どれだけ減額す
るか、詳しいことをグラサーはまだ述べようとはせず、総額は
「10億オイロをはっきり上まわる」とだけ述べた。内密で、追加
要求の総額が約17億オイロであろう、との情報がある。グラサー
はいずれにせよ、与党国民党と自由党の大臣の要求は「全く受け入
れられない赤字に跳ね上がる」と見ている。彼および大蔵政務次官
アルフレート フィンツ(国民党)は、この新たな要求を拒否する
だけである、と述べた。




8月24日(火)

     国外ニュース

ナジャフ中心部で激しい爆発

数週間前から戦闘が続くイラクの都市ナジャフでは、昨日午後再び
激しい戦闘が起きた模様である。ロイター通信によれば、急進派シ
ーア派の説教師モクタダ エル サドルの戦闘員たちがたてこもっ
ているイマム アリ モスクの近くで、数回の激しい爆発があっ
た、と報じている。米国率いる連合軍が、反乱勢力の陣地に対して
一斉射撃数回を行なった、米軍機が空から援護を行なった、とも伝
えている。この軍機が上空を旋回した後、数回の爆発音が聞こえ、
ナジャフ上空ではオレンジ色の炎の照り返しが見られた、とのこと
である。ある米兵は、「我々は最終局面にある。今日午後、イラク
軍はモスクの門に到達し、そこを制圧する。彼らはマハディ軍に武
器を放棄するよう訴える予定で、それに従わなければ、彼らを殺害
する」と述べた。この少し前、政府は反乱勢力に、降伏するまで数
時間だけ猶予を与えた。もし降伏しなければ壊滅させる、との内容
であった。イラク兵は聖域まで400メートルに迫っている。エル 
サドルは3週間前、政府に対して蜂起していた。米兵との激しい戦
闘で、彼の戦闘員百人が死亡した、と米国は発表している。

     国内ニュース

社民党 軍機導入問題でバルテンシュタインの辞任を要求

社会民主党所属の会計監査の専門家ギュンター クロイターは、産
業大臣マルティン バルテンシュタイン(国民党)の即時辞任を要
求した。クロイターは、バルテンシュタインがオイロファイター機
購入問題で、代案となる飛行機の会社に関連して、「政治的な欺
瞞」を行ない「政治的な嘘」をついた、と非難した。クロイターは
昨日の放送で、「バルテンシュタインを大臣としておくことはでき
ない。先週水曜日彼は、前例のない欺瞞を行ない、報道機関とオー
ストリア国民を欺いた。バルテンシュタインが提案したいわゆる対
抗会社の大部分は、オイロファイター購入とは関係がないか、企業
の不正行為によりでっち上げられたものである」と述べた。



8月25日(水)

     国外ニュース

米国の捕虜問題で 秘密情報部に対し厳しい非難

イラクのアブ ゴライブ主要除での虐待問題に関連して、米軍秘密
情報部の数人に重大な犯罪の証拠がある。彼らが、虐待を命令ある
いは認めていた、と昨日提出された米軍の調査委員会の報告書では
述べられている。秘密情報部の職員23人と軍の民間人4人は、合わ
せて44件の虐待事件に関与している、と調査委員長の将軍ポール 
カーンは記者会見で述べた。その他の8人の秘密情報部員と民間人
2人が、この事件をあらかじめ知っていたのに、報告しなかった、
とも語った。

     国内ニュース

新外相をめぐる対立

緑の党は首相ウォルフガング シュッセル(国民党)に、要求を突
きつけている。彼はそろそろ、次期EU委員のフェレーロ・ワルト
ナー(国民党)の後継外務大臣に誰がなるのかを発表すべきであ
る。そうしなければEUの面でも外務省の側でも、オーストリアに
とって大きな損害が発生すると思われる。来年初めから、多くの課
題を解決しなければならない外務大臣の席が空席になる、と緑の党
は述べている。これに対して国民党は、問題はない、と答えてい
る。実際には、さまざまな名前がたえず取りざたされている。




8月26日(木)

     国外ニュース

イラクのイスラーム教徒 イタリア人人質を殺害

テレヴィの情報によれば、イラクの武装イスラーム教徒組織が、イ
タリア人人質を殺害した。「イラクイスラーム軍」という組織は、
彼らが行なっていた脅迫を現実のものとし、記者エンツォー バル
ドーニを処刑した、とアラブ系のテレヴィ局アル ジャジーラが昨
晩報じた。この組織は、イタリアが同国軍をイラクから撤退しない
のであれば、誘拐したこの記者の安全をこれ以上保障できない、と
脅していた。この最終通告は木曜日に期限が切れていた。イラクに
は約3千人のイタリア兵と憲兵が駐留している。イタリア政府は昨
日ようやく、イラクからの撤兵の準備を条件づきながら認める方針
を示していた。イタリア外務大臣フランコ フラッティニは、イラ
ク移行政府の要請があれば、イタリア軍が短期間同国から出ること
もありうる、と述べた。イラクの都市ナジャフでは数週間に渡って
激しい戦闘が行なわれているが、再び希望が生まれて来た。シーア
派の大アヤトッラー アリ エル シスタニは昨日午後、反乱勢力
の指導者モクタダ エル サドルに和平協定を結ぶよう働きかけた
模様である。

     国内ニュース

鉄道監査役会 激しい人事の予想

金曜午前、オーストリア連邦鉄道の監査役会は、まだ決まっていな
い経営陣の上層部の人事の一部をめぐって、話し合いを行なう。野
党と労働組合は、これは自由党周辺の「役職をめぐる争い」であっ
て、交通大臣フーバート ゴルバッハ(自由党)を「煮詰まったコ
ーヒーをさらに煮詰めている」と、監査役会会長ウォルフガング 
ライトホーファーを「たわけ」と呼んでいる。任命された人たちの
多くが、自由党内部あるいはその周辺で過去政治的な活動を行なっ
ていたのが、注目されている。高速道路の資金調達を行なっている
会社Asfinagの社長ワルター ヘッケが、オーストリア連邦鉄道持
株会社の経営陣に入るとの予測は、最後の瞬間まで混乱を招く可能
性がある。




8月27日(金)

     国外ニュース

アル ジャジーラ報道 イラクで2人のトルコ人人質殺害

カタールのテレヴィ局アル ジャジーラの報道によれば、イラクで
誘拐された2人のトルコ人が殺害された。彼らの遺体は首都バグダ
ードの北200キロのバイジで発見された、と昨日午後報じられた。
それによれば、2人は射殺されたが、イラクで誘拐されたどの人質
が殺害されたのかは報じられていない。トルコのテレヴィ局NTVは
水曜日、トルコの企業がイラクから退去しなければ、2人の人質ア
ブドゥラ エツデミルとアリ ダスキンを処刑すると誘拐犯が脅し
ている光景を写したヴィデオを放送していた。この電力会社は、そ
の直後イラクの事務所の閉鎖を予告した。このほかに4人のトルコ
人が現在イラクでは人質となっている。一方ナジャフの和平合意は
当面守られている用である。急進派のシーア派の指導者モクタダ 
エル サドルの戦闘員は昨日、武装解除を開始した。その後、大ア
ヤトッラーアリ エル シスターニは、イマム アリ モスクの鍵
を既に入手した、と彼の広報が発表した。エル サドルが今後どう
するかは不明である。彼が自由の身であることは保証されている。
シスターニとエル サドルの間のシーア派内部での、覇権争いは始
まったばかりであるのかもしれない。

     国内ニュース

社民党経済政策は中産階級の負担を減らすものに

社会民主党の新経済綱領は、一連の増税を含んでいる。特に家賃収
入および投資による収入に対する増税と、高額所得者に対する疾病
保険の払込金の増額が求められる、と同党の経済問題の専門家クリ
ストフ マツネッターは新聞のインタヴューで述べた。それに対し
て中間所得者層の負担は軽減される。社会民主党の新経済および産
業綱領の案は、月曜日に正式に呈示される。




8月28日(土)

     国外ニュース

ニュー ヨーク攻撃を挫折させた模様

共和党の大統領候補の指名を行なう党大会を数日後に控え、ニュー
 ヨーク警察は、同市の地下鉄に対する攻撃を未然に防止した模様
である。攻撃計画をたてていたと見られるパキスタン人1人と米国
民1人が逮捕された、と警部レイモンド ケリーは昨日発表した。
「彼らに、損害を与え、人を殺す意図があったのは明らかである」
と述べた。彼らは、特にマンハッタンの地下鉄ヘラルド スクウェ
ア駅を調査していた。極めて近いところにマディソン スクウェア
 ガーデンがあり、ここでは月曜日に4日間の予定で共和党の党大
会が開かれ、大統領ジョージ W. ブッシュが2期目を勤めるための
候補者として指名されることになっている。

     国内ニュース

鉄道幹部の椅子をめぐる争い ゴルバッハは非難を退ける

副首相で交通大臣のフーバート ゴルバッハ(自由党)は、オース
トリア連邦鉄道の幹部の人事争いで非難を受けているが、これを激
しく否定した。「オーストリア連邦鉄道の歴史の中で、これほど客
観的な基準の基づいて決定が行なわれたことは1回もない」とゴル
バッハは昨日の交通省の発表の中で述べた。監査役会は専門的知識
をもってこれを担当している組織であって、業務を行ない、能力上
も最高の人材が選ばれており、「何かに取り組もうとしている有能
な管理者を最初からけなそうとするのは、たちが悪い」と述べた。




8月29日(日)

     国外ニュース

イラクのフランス人人質に関して シラクの訴え

仏外務大臣ミシェル バルニエは、イラクで誘拐されたフランス人
報道関係者2人の問題で個人的に仲介を行なう。彼は「ただちに」
同地域に行って、2人の記者の解放のための措置を講じる、と仏大
統領ジャック シラクは昨日の放送による演説で述べた。また彼
は、人質を解放するようにと「儀礼的な」訴えを行なった。2人の
解放を勝ち取るために、あらゆる措置を講じる、とも述べた。誘拐
犯側は、土曜日午後に公表したヴィデオの中で、フランス政府に対
し、48時間以内にスカーフ(ヒジャーブ)をして公立の学校に通
うことを禁止する措置を撤回するように求めていた。もしこれが受
け入れられなければ、記者2人を殺害すると脅した。一方トルコ人
の人質は、トルコ当局の努力によって解放された。

     国内ニュース

年金をめぐる議論 さらに混沌と

年金の収支均衡をめぐる議論で、合意に達する可能性はますます遠
くなっているようだ。ますます多くの対立が起きている、それも国
民党内部でである。ますます多くの意見が提出されている。土曜日
には年金改革委員会委員長トーマンドルが、重労働に従事した期間
に対して、国が追加割増金を支払うという提案に注意するよう求め
た。野党側は袋小路と混沌の状態を見つめている。



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