１０月２５日〜１０月３１日のドイツのニュース
１０月２５日（月）
政府 2005年の経済成長を1.7%と予想
（ベルリン）連邦政府は来年の経済成長を1.7%と見込んでいる、と産業大臣ヴォ
ルフガング クレメントが発表した。多くのドイツ経済研究所が1.5%の成長を予
測しているが、連邦政府はこれを上回る予想をたてている。また連邦政府は今年の
経済成長を、主として輸出が好調なため、1.8%と予測している。ドイツ銀行の経
済学者ノルバート ヴァルターは、ドイッチェ・ヴェレに対して、自分は政府より
もさらに楽観的な味方をしており、来年は2%強の成長を予想している、と述べ
た。
ミュンヘンのifo経済研究所の営業状況指数は、10月には0.1上がって、95.3とな
った。これにより、石油価格が高騰しオイロが強いために懸念されていた景気後退
は、発生しない、と発表した。
その他のニュース
DGB 労働の必要経費をめぐる議論を行なう用意あり
（ベルリン）ドイツ労働組合連合DGBは、カールシュタット・クヴ
ェレ社とオーペル社の経営危機の結果として、産業および経済の状
態を安定させるために、国をあげた議論を行なうように求め、労働
に必要な経費をめぐる議論を行なう用意がある。労組側はこの議論
の中で、確かに日強い経費の観点は重要ではあるが、それが決定的
なものであるわけではない、と同連合幹部プッツハマーは経済新聞
に述べた。また、この政治的議論のために、政界および使用者側と
の話し合いの道を探っている、とも述べた。欧州のオーペル社工場すべてが操業再開
（リュッセルスハイム）米国の自動車会社ジェネラル モーターズ
GM社のヨーロッパの工場すべてで、再び操業が始まった。各工場
での製造は再び平常の状態にある、とGM社の子会社オーペル社の
広報が発表した。数日間にわたってボッフムのオーペル社の従業員
が、GM社の抜本的な支出削減計画に対して激しいストライキを行
なったが、その後いくつかの拠点では、下請け会社が操業を中止し
ていたため、製造を中止しなければならなかった。リュッセルスハ
イムでは、全事業所委員会およびGM社の代表が、経営立て直し案
に関して話し合いを続けていた。この成果は数週間後に出される見
込みである、とのことである。健康保険の負担金をめぐり新たな議論
（ベルリン）連邦政府は、法定健康保険を犠牲にしない形で、国家
財政の赤字を穴埋めを行なう方針である。大蔵省は新たな支出削減
計画の中で、赤字削減のために健康保険の負担金への支払いの引き
下げを延期する方針だ、との報道が行なわれているが、蔵相アイヒ
ェルはこれを推測に過ぎない、と述べた。連邦厚生大臣シュミット
は、健康保険組合は負担金の率を引き下げ、負債の解消を行なうた
めに、健康保険制度改革から得られる経費の削減を、同じ程度に活
用するよう法的に義務づけられている、と強調した。彼女は、法定
健康保険では、年末までに約40億オイロの黒字がでると期待して
おり、これにより負担金の値下げと負債の解消が行なえる、とシュ
ミットは述べた。
１０月２６日（火）
イスラエル国会 歴史的な採決
（エルサレム）イスラエル国会の議員は、歴史的な投票を前に、ガザ地区からの撤
退計画をめぐって激しい論戦を行なった。首相アリエル シャローンが作成した計
画に支持する者と反対する者、約15,000人が国会の周囲に集まって示威行為を行
なう中、議会ではぎりぎりの過半数であるが、入植地と軍の歩哨を撤去する計画が
成立する模様である。西ヨルダンランドの全ての入植地とガザ地区では、子供の若
者が抗議活動に参加できるよう、学校が閉められている。シャローンは来年、ガザ
地区の21箇所と、西ヨルダンランドの4箇所の入植地から撤退させる方針である。
その他のニュース
米軍 ザルカウィへの協力者を殺害
（バグダード）軍によれば、イラクの反対勢力の拠点ファッルージ
ャへ空爆を行ない、急進派の指導者ザルカウィへの協力者を殺害し
た。米軍は、数機の米軍機を「正確な攻撃」に参加させたが、この
協力者は反乱勢力の隠れ家に潜伏していた、と発表した。ザルカウ
ィのテロ組織は、イラクで起きた多くの攻撃の責任がある、とされ
ている。その他、この組織は数人の外国人人質の斬首を行なったこ
とを認めていた。一方バァクーバ市では、攻撃を受け、3人が死亡
した。当局の発表では、大臣1人とその随行員が車に乗っていたと
ころ、銃撃を受け、死亡した。また道端に隠されていた爆発物が破
裂し、警官1人が死亡、10人が負傷した。サウジ・アラビア攻撃の警告
（リヤド）ドイツ大使館は、イスラームの断食月ラマダンの期間中
に、サウジ・アラビアの首都リヤドで攻撃が行われる可能性があ
る、と警告した。主として自動車爆弾を用いた爆発物による攻撃が
行われることを示す、真剣に受け止められなければならない兆しが
ある、とインターネット上で発表した。そのため商店街や多くの外
国人が集まる場所に行くのは避けるべきである、とされている。新EU委員会 不確実な情勢
（ストラスブール）欧州議会での採決を翌日にひかえ、次期EU委
員会議長バローゾは、彼の委員が拒否される可能性がある、と警告
した。もしその事態になれば、EUは深刻な危機に陥る、と彼はス
トラスブールで述べた。社会党と緑の党が、内閣の改組を求めてい
るが、バローゾはこれをあらためて拒否し、今後も次期法務委員ブ
ティリオネを支持する、と述べた。ブティリオネは同性愛と家族に
関してきわめて保守的な発言を行ない、批判を受けていた。議会
は、バローゾの演説後、混乱状態になった。今週水曜日の投票結果
がどうなるか、見通しがつかない。
１０月２７日（水）
EU議会 反バローゾの方針を堅持
（ストラスブール）欧州議会は、次期EU委員会議長ジョゼ マヌエル ドゥラォ
ン バローゾとの力くらべが数週間にわたって続いているが、これを今後も続ける
方針である。問題となっている委員人事に関する議会の投票の直後、ポルトガル元
首相であるバローゾは、投票で否決されるのを回避するために、人事に関する提案
を撤回した。EUの歴史上、このような出来事は前例がない。バローゾは議会で、
EU加盟各国の首脳と新たな委員について話し合いを行なうと予告し、来週中の解
決を望んでいる、と述べた。それまでは現在の委員が職に留まることになってい
る。彼らは本来であれば日曜日に退任することになっていた。
バローゾとEU議会の一部が対立するきっかけになったのは、内務および法務委員
に予定されていたイタリアの政治家ロッコ ブティリオネの同性愛および社会の中
での女性の役割をめぐる発言に、異論があったためである。ブティリオネに他の部
門を担当する委員にするべきだ、との議員の要求を、バローゾは拒否していた。そ
のため社会党、緑の党、および自由主義会派の多くの議員たちが、委員会人事に反
対の投票を行なう、と予告していた。
その他のニュース
独仏政府 委員会での早期採決を求める
（ベルリン）ドイツ政府は新たなEU委員会をめぐる争いを早期に
解決するように求めた。次期同委員会議長バローゾが、欧州議会で
の投票を前に、委員人事を撤回した後、独首相シュレーダーと外相
フィッシャーは、EU組織内部の対立に発展しないように、との警
告を行なった。シュレーダーは、EUは強く、行動力のある委員会
を必要としている、と強調した。フランス政府は、新EU委員会を
めぐる問題が早期に解決されるよう求めた。伊外相フラッティーニ
は、同国は問題となっているブティリオネの委員への任命を堅持す
る、との声明を発表した。イランとの核対話で合意なし
（ウィーン）独、仏、英は、国際的に問題となっているイランの核
計画に関する交渉は、成果をあげることなく終えた。ウィーンの会
議場で両者の代表がこれを発表した。ただし早期に新たな会談を行
なうということが一定の成果であった、という点で一致している。
イランはウランを濃縮する権利を決して断念しない、と強調した。
ヨーロッパ側は、イラン政府がウラン濃縮計画を無期限に停止する
場合、経済およびエネルギー関係の支援を提供するとの内容の提案
を最近行なったが、これに対する回答がウィーンでは得られるもの
と期待していた。もしこれを受け入れない場合には、3カ国は、国
連安保理で対立している米国を支援する方針である、と述べてい
た。イスラエル政府 ガザ地区からの撤退承認後 危機に
（テル アヴィヴ）イスラエル国会が、首相シャローンのガザ地区
からの撤退計画に賛成したが、これは同国政府を大きな危機に突き
落とした。蔵相ネタニヤフとそれ以外の3人の大臣が辞任すると威
嚇した後、シャローンはイスラエルの日刊紙「ハアレツ」に対し
て、自分は圧力や脅しには決して屈しない、とのべた。またネタニ
ヤフら強硬派が求めている撤退計画の国民投票を求める要求も、彼
は拒否した。一方パレスチナ指導部は、イスラエルの撤退後、ガザ
地区の責任を引き継ぐ準備がある、と発表した。世界各国はイスラ
エル議会の投票を歓迎している。
１０月２８日（木）
アラファト パリで医師の手当てを受ける
（ラマラ）重病にかかったパレスチナ大統領ヤセル アラファトは、金曜日の朝、
治療を受けるため、パリに向けて飛び立つ、とパレスチナの国会議員の1人が述べ
た。フランス大統領府は、フランスはアラファト迎え入れるために飛行機を派遣す
る、と発表した。国際医師団はこれより前、集中的な検査の後、国外でアラファト
の治療を行なうことを勧告していた。イスラエル政府は、75歳のPLO議長である
アラファトが、ここ2年間事実上イスラエルの自宅監禁状態にあったラマラに帰国
することを条件に、出国を許可した。アラファトは水曜日夜に卒倒し、一時的に意
識を失った、と協力者は発表した。
イスラエル軍は、アラファトが死亡する場合の暴動に備えるため、緊急事態の計画
を作成した。
その他のニュース
イラク ポーランド女性誘拐 国軍兵11人殺害
（バグダード）イラクでは急進派組織「アブ バクル アル サデ
ィク旅団」が、ポーランド女性を誘拐した。アラブ系の放送局アル
ジャジーラは、この中年の女性がポーランド政府に対して、同国
軍をイラクから撤退させるように求める様子を放送した。急進派組
織「アンサル アル・スンナ軍」はインターネット上で、2日前に
バグダード南部で捕らえたイラク人兵士11人を殺害した、と発表し
た。この組織は、遺体の映像も公開した。一方米軍は、ファッルー
ジャにあるイラクの急進派の集合場所と見られる地点を攻撃し、病
院の情報によれば、イラク人2人が殺害された。またラマディでは
米軍と交戦したイラク人2人が死亡し、4人が負傷した。バグダード
では米国の巡回隊に自動車攻撃が行われ、兵士1人のほか、少なく
とも通りがかったイラク人1人が死亡した。国連女性職員アフガニスタンで誘拐
（カブール）アフガニスタンの首都カブールでは、国連の外国人職
員3人が誘拐された。同国政府の情報によれば、英国、コソヴォ、
フィリピン出身の女性たちである。彼らは選挙委員会の仕事をして
いた。アラブ系放送局アル ジャジーラは、「ムスリム軍」と称す
る組織が、この誘拐を行なったことを認めている、と報じた。犯人
の動機や要求については今のところ発表されていない。約2週間半
前、アフガニスタンでは大統領選挙が行なわれ、選挙委員会は開票
作業は終了した、と発表していた。連邦議会 トルコのEU加盟に関して対立
（ベルリン）キリスト教民主、社会同盟CDU/CSUが抗議する中、
ドイツは12月末のEU首脳会談では、トルコのEU加盟交渉の開始に
賛成票を投ずる。外相フィッシャーが連邦議会でこのように明言
し、そのために連立与党の会派からの全面的な支持が得られる、と
見ている。トルコの加盟を拒否することは極めて近視眼的で、ドイ
ツおよびヨーロッパの安全保障上の利益に反している、とも述べ
た。CDU/CSUの代表者は、留保をつけており、「特権的な協力者
関係」という案を推奨している。キリスト教民主同盟の外交の専門
家ショイブレは、トルコあるいはロシアのような、一部分だけがヨ
ーロッパに属している国々には、別の形のEUとの協力関係を見つ
けなければならない、と述べた。自由民主党FDPは、事前に方針を
確定せずに、どんな結果がでてもよいのでトルコとの会談を行なう
べきだ、との方針を出している。
１０月２９日（金）
EUの歴史で初めての憲法 ローマで署名式
（ローマ）欧州経済共同体の設立からほぼ半世紀、EU加盟各国の首脳は初めての
欧州憲法に署名した。この憲法はヨーロッパの平和を確実にするものである、とオ
ランダから出ているEU理事会議長ヤン ペーター バルケネンデはローマで述べ
た。ここは、1957年に現在のEUの礎石が築かれた場所である。ローまでの記念式
典には、欧州議会が突きつけている次期EU委員の取り下げが引き起こした危機
で、暗い影がたれ込めた。この憲法は、EU加盟国すべての議会あるいはフランス
と英国でのように国民投票によって、批准された場合にのみ、効力を持つ。この憲
法により、EUは初めてEU大統領およびEU外務大臣を持つことになるほか、多数決
による決定がより容易になり、欧州議会が強化される。
その他のニュース
シュレーダー EU憲法の早期批准に賛成
（ローマ）独首相シュレーダーは、EU憲法への署名後、ドイツは
早期に批准を行なう、と約束した。そのための国会の手続きをすぐ
に行なう、と彼はローマで述べた。他の国々のように国民投票が行
われるかどうかは、政府の提案が、野党の支持を得られるかどうか
次第であり、この提案が支持されなければ、連邦議会と連邦参議院
によって批准されることになるが、それはそれで同じ正当性を持っ
ている、と述べた。EU委員会の勢力争いに関してシュレーダー
は、14日以内に合意するように求め、もしそうならなければEUは
危機に見舞われる、と述べた。次期委員会議長バローゾはローマ
で、委員の人事案に部分的な修正を行なう、と予告した。アラファト パリの病院で手当てを受ける
（パリ）重病に陥ったアラファトは、パリ近郊の軍病院で手当てを
受けた。彼を乗せたフランス空軍の飛行機は、パリ南西の軍事基地
に着陸し、そこからヘリコプターで血液の病気の手当てを専門にし
ているペルシー病院へと運ばれた。アラファトの正確な診断は公表
されていない。75歳の彼がラマラの拠点を離れるのは約3年ぶりで
ある。彼が重病でため、イスラエル政府は、旅行の禁止を解き、再
び西ヨルダンランドへ帰ることを認めた。仏大統領シラクは、厳戒
体制をとって移送したことを正当化し、フランスの伝統的な受け入
れ方だと述べた。米軍 再びファッルージャを空爆
（ファッルージャ）イラク西部の反乱勢力の拠点ファッルージャを
米軍が空爆し、病院の情報によれば、少なくとも3人が死亡した。
その他にミサイル命中地点の近くで、イラク人一般市民3人が負傷
した。爆破された家の瓦礫の中には、さらに数人が埋もれていると
見られている。米軍によれば、そこには武器庫があった、とのこと
である。一方モスルでは自動車爆弾による攻撃と襲撃事件があり、
イラク人の一般市民1人とトルコ人のトラック運転手1人が死亡し
た。警察の情報では通りがかった3人が負傷した。バグダード南部
で手入れが行なわれ、米兵は蜂起勢力と見られる16人を逮捕し
た。軍の情報によれば、イラク警察の偽造身分証明書と制服が保管
されていた。
１０月３０日（土）
イラクで新たな暴力の波 死者多数
（バグダード）イラクは、攻撃と暴力行為の連鎖に揺れている。バグダードの西の
エル アナバル州では、蜂起勢力が米国の海兵隊員8人を殺害、9人を負傷させ
た。この州には蜂起勢力の拠点ファッルージャとラマディがある。米空軍は、ファ
ッルージャで新たに目標地点に攻撃を行なった。
放送局アル アラビアの事務所の前では爆弾攻撃が行われ、7人が死亡、19人が負
傷した。建物からは火の手が上がった。
蜂起勢力と米兵が、バグダードの南西ハスワで戦闘を行ない、警察の情報によれ
ば、イラク人7人が死亡した。兵士がモスクの捜査を行なっていたときに、戦闘が
起こった。
バグダードの南では、米軍の護衛つき輸送隊が攻撃を受けたため、イラク警察が支
援に駆けつけて、銃撃戦となり、少なくとも14人の一般市民が死亡した。
その他のニュース
ビン ラーディン 米国選挙を前に発言の意志を示す
（ドゥバイ）米国大統領選挙を直後に控え、テロリストの指導者ビ
ン ラーディンはヴィデオの中で、2001年9月11日の攻撃を行な
ったのが自分であることを初めて認めた。テロ組織アル カーイダ
の代表である彼は、新たな攻撃を行なうとはこのヴィデオの中では
明言しなかった。このヴィデオはアラブ系のテレヴィ局アル ジャ
ジーラによって放送され、米国が本物と鑑定した。そしてビン ラ
ーディンは、かつて起こったことが繰り返される根拠はある、と述
べた。米大統領ブッシュは、テロリストの脅迫で米国人が怯むこと
はありえない、国際テロ組織との戦争には勝利しなければならな
い、と述べた。彼の対立候補である民主党のケリーは、ビン ラー
ディンだけでなくあらゆるテロリストを倒す、との断固たる姿勢を
示した。ブッシュはアル カーイダとの戦いでは無力であった、と
ケリーは非難した。ブティリオネ EU委員就任を断念
（ローマ）イタリアの保守派の政治家ブティリオネは、新たなEU
委員就任を断念した。ローマで開かれた記者会見で彼は、この措置
によって新EU委員会議長バローゾとEU議会との対立解消のための
道を開くつもりであり、自分は政治的な対立の無実の犠牲者であ
る、と述べた。彼は厳格なカトリックの政治家で、同性愛と女性の
役割に関する発言で、対立を引き起こしていた。報道によれば、イ
タリア首相ベルルスコーニは、外相フラティニを同国のEU委員と
して指名する模様である。アラファトは白血病ではない模様
（パリ）パリのパレスチナ使節によれば、大統領アラファトは、白
血病にかかっているわけではない。医師は今のところその可能性は
ないと述べており、75歳のアラファトの病状は、金曜日以降よく
なっている、とシャヒドは発表した。これより前に白血病の専門家
が、パリ近郊のペルシー軍病院でアラファトの診察を行なってい
た。重病にかかったアラファトは金曜日に、ラマラからフランスに
運ばれた。彼にはパレスチナの政治家18人が同行している。ラマ
ラでは、PLOの幹部が、週定例の会議を初めてアラファト抜きで行
なった。PLO執行委員会の事務長マームド アッバスが、議長職を
引き受け、住民に対して結束を呼びかけた。議員ハナン アシュラ
ウィは、アラファトが公の職に復帰することはないと思う、と述べ
た。
１０月３１日（日）
交通省で汚職
（ベルリン）交通省とその下にある役所は、汚職容疑で検察官の目標となった。同
大臣マンフレート シュトルペは、41の事件で捜査を受けたことを確認した。21
の事件では再捜査を受けており、残りの20件の捜査は中止ないし終了した、同省
の内部調査によりこの事件が発覚した、とも社会民主党SPD所属の彼は述べた。汚
職だけではなく、個人的な不当利得と詐欺もあった、とも発表した。新聞報道によ
れば、貨物運送庁副長官ロルフ クライエンホープは、汚職のために休職となっ
た。彼は運送会社の顧問として認められていないやり方で活動したために、捜査が
行われているとのことである。すべての政党の交通問題の専門家は、呆然としてい
る、と発表し、シュトルペに連邦議会で詳しい報告をするよう求めた。
その他のニュース
健康保険制度改革をめぐる対立で突破口は見いだせず
（ミュンヘン）キリスト教民主同盟CDUとキリスト教社会同盟CSU
の保健政策をめぐる方針を定める会合は、具体的な成果をあげるこ
となく終了した。両者は本質的な問題では、その立場に固執してい
る。CDU事務長マイアーは、週末には新たな会合が開かれることに
なっており、今回の話し合いで以前より情勢がはっきりしてきた、
と述べた。CSU事務長セーダーは、会合は良い話し合いであった、
同党の目標は中・低所得者の加入者に負担をかけないことである、
と述べた。両者は基本的には割増金制度の導入で合意している。そ
れによれば、加入者すべてに同じ金額が健康保険組合に払われるこ
とになる。異論が出ているのは、低所得者の負担を軽減し、高額所
得者の負担を強化することになる社会福祉の不足の補填の財源であ
る。105の国防軍の駐屯地 閉鎖
（ボン）国防軍は今後数年で、105の駐屯地を閉鎖する。国防相シ
ュトルックと国防軍幹部、国防省が、ボンで開かれた非公開会議で
これを決定した。国防省広報は、この105箇所の3分の1は10人以
下しかいない駐屯地である。シュトルックは詳細を火曜日に公表す
る方針である。現在国防軍は全国に605の駐屯地を持っている。ど
の州が今回の閉鎖でもっとも大きな影響を受けるかはまだ明らかに
されていない。いくつかの州はすでに、激しい抗議を行なうと予告
している。野党CDU/CSUは、国防軍の縮小は、軍の国内の安全確
保の役割を無視するものである、としてシュトルックを非難した。ウクライナ大統領選挙 野党候補ユシュチェンコ優勢
（キエフ）予想によれば、ウクライナの大統領選挙では、自由主義
の野党候補ユシュチェンコがわずかに優勢である。彼は投票後の世
論調査で42%近くの票を集め、親ロシアで首相を勤めているヤヌコ
ーヴィチの40%を上まわっている。この結果おそらく3週間後に決
選投票で、両者のうちどちらが現在大統領を務めるクチマの後継者
となるか、決まることになる。この投票は、ウクライナが今後西側
とロシアのいずれと密接な関係を築くことになるかを決定すること
になる。約4千人の国際監視団が、選挙権が侵害されているとの報
道が行なわれ暗い影がたれ込めているこの投票を監視している。脅
迫が行われているとされる選挙戦が終わり、14万人の警官が投票
所を監視した。暫定集計は月曜日に発表される見込みである。