11月8日〜11月14日のオーストリアのニュース



11月8日(月)

     国外ニュース

アラファト パレスチナ使節パリ入り

死に瀕しているパレスチナ大統領ヤセル アラファトの腹心4人が
パリ入りした。首相アーメド クレイア、PLO副議長マームド ア
ッバス、外務大臣ナビル シャアス、国会議長ラーウィ ファトー
フが月曜夜パリに着陸した。4人の幹部政治家は、アラファトの病
状に関して情報を集めるために、パリ入りした。しかしペルシー軍
病院広報は昨日、アラファトの健康状態のため、特別な面会だけが
可能である、と発表していた。病院の情報によれば、アラファトの
状態は「変化せず」、あいかわらず集中的な治療を受けているた
め、パレスチナの幹部がアラファトの病床の隣に行くことは拒否さ
れる可能性がある、とのことである。文書による声明を出した病院
広報は、この声明は「アラファトの妻スーハが望んだ秘密保持を守
って書かれたものだ」と述べた。

     国内ニュース

健康保険法 首相府で夜間交渉

連立与党国民党と自由党は、夜を徹した首相府での交渉で、健康保
険法案に関して合意に達した。健康保険の財政に関するこの法案
は、赤字の穴埋め対策と共に今日の閣議に提出される。自由党は払
込金と保有を高める計画を拒否していた。夜には国民党側の首相ウ
ォルフガング シュッセル、大蔵大臣カール・ハインツ グラサ
ー、厚生大臣マリーア ラオホ・カラット、会派長ウィルヘルム 
モルテラーおよび、オーバーエスターライヒ州首相ヨーセフ ピュ
ーリンガーが、自由党側からは党首ウルスラ ハオプナー、会派長
ヘルバート シャイプナー、政務次官カール シュワイツァーが出
席した。午後には自由党が成果の一部を発表した。




11月9日(火)

     国外ニュース

パレスチナ側 アラファトの死の報道を否定

死に瀕しているパレスチナ大統領ヤセル アラファトの状態につい
て相反する情報が流れており、昨日もあらためて混乱を巻き起こし
た。パレスチナ外務大臣ナビル シャアスは、アラファトがすでに
死亡した、との報道を否定した。これに先立ちアラファトに近い筋
から、75歳のアラファトは医学的には死亡している、と伝えられ
た。シャアスは、アラファトの脳、心臓、肺は活動しており、アラ
ファトには「死の幇助」は一切行なわれていない、と述べた。西ヨ
ルダンランドのパレスチナ側の本部には夜、死の声明が出されたと
きに対応できるように、パレスチナ指導部が集まった。専門家は、
死の声明は夜の間に発表される可能性があることを否定しなかっ
た。

     国内ニュース

新憲法の素案 年内にも

オーストリア集会の議長フランツ フィードラーは、年内にも新憲
法の文言の案が完成する可能性があるが、「法律的および立法面で
の磨き上げは来年」に着手されるだろう、との意見を述べた。同時
に彼は昨日、年内に新憲法案が出来ることを望んでいる、とも述べ
た。一方行政裁判所長クレメンス ヤープローナーは、自分にはオ
ーストリア集会で挫折するほうが、適当なところでの妥協より好ま
しい、と述べた。




11月10日(水)

     国外ニュース

ラファラン「アラファトはあと数時間の命」

パレスチナ大統領ヤセル アラファトは、死に瀕している、とフラ
ンス首相ジャン・ピエール ラファランは述べた。75歳のアラフ
ァトは、「最後の数時間を」生きている、とラファランは昨日夜、
フランスの放送局に述べた。彼は、死の淵に立っている1人の男の
最後の時間が尊重されることを望んでいる、と述べた。パレスチナ
外務大臣ナビル シャアスは、出欠のためアラファトの脳は部分的
にしか活動しておらず、腎臓と肝臓ももはや正常に機能していな
い、と述べた。数日前から昏睡状態になっているアラファトの病床
に付き添っているイスラーム教の主要な聖職者タイシール タミミ
は、生命維持装置を取りはずすことは決してない、と述べた。自分
は生涯の友アラファトの緊急の時期にそばにいるためにやってき
た、と彼はパリ近郊の軍病院ペルシーに到着した際に述べた。アラ
ファトは10月29日からこの病院で治療を受けている。細かい病状
についてはあいかわらず公表されていない。

     国内ニュース

健康保険問題をめぐる議論 国民議会で

国民議会は今日も、国家予算の審議を続ける。その議事には物議を
醸している健康保険問題も含まれている。処方の料金の値上げや、
病院の費用の負担のほか、労働者会議の分担金の凍結をめぐって現
在起きている対立は、今回の審議には直接の関係はないが、予算審
議に暗い影を投げかかる可能性がある。原則的には健康保険の
2005年の予算は6億2,300万オイロで、2004年と比べて1,300万
オイロ増額が見積もられている。ただし予算審議の2日目の冒頭で
は、農業および環境分野が議論される。




11月11日(木)

     国外ニュース

IAEA 韓国は核兵器に利用できる材料を製造していた

国際原発機構IAEAの見るところ、韓国は秘密裡に行なっていた核
開発で、核兵器に利用できる材料を製造していた。昨日ウィーンで
公表された報告書の中では、ごく微量ではあるが存在しているよう
だ、と述べられている。この各兵器に利用可能な材料が、研究所か
ら外に出た証拠はない、各兵器に利用可能な微量のウランおよびプ
ルトニウムがあった、とのことである。この報告書は、韓国がウラ
ンの精練およびプルトニウムの再加工の試みを行なっていたことが
明らかになった後、作成されたものである

     国内ニュース

商業分野の労組 労働契約交渉で妥結

経済会議と労働組合は2回の交渉をへて、昨日午後、商業部門で働
く約45万人の従業員に対する新たな集団契約で合意した。経済会
議が会場の中で発表しているように、2005年1月からの商業分野
での最低賃金は2%上昇する。ただしこの賃上げは少なくとも25オ
イロとし、実質的には平均で2.15%となる。現在行なわれている追
加支払いは今後も続けられる。




11月12日(金)

     国外ニュース

戦闘再燃 ファッルージャから助けを求める叫び

包囲されているイラクの反乱勢力の拠点ファッルージャから、住民
が劇的な助けを求める叫び声をあげ、その今後の命運に対する関心
が強まっている。路上に数百人の遺体が放置され、痛みで叫びをあ
げるけが人の救助も行なわれていない、と医師アリ アッバスが今
日の米国の放送局CNNが中継した電話インタヴューの中で述べた。
情勢は悲惨で、完全な無秩序状態といってもよい、町の中に残って
いる住民は水も食べ物も電力なく、なす術を知らない、と彼は述べ
た。「家にいて、爆弾で死ぬ危険を冒すか、路上に出て、射殺され
る危険を冒すかだ」とアッバスは述べた。米軍の情報によれば、同
市には6万人から10万人の一般市民が戻ってきている。米軍は攻勢
の5日目、再び抵抗勢力の攻撃を撃退した。米軍は早期の勝利をも
はや想定していない。しばらく前まで、土曜日には攻勢は終わるも
のとされていた。

     国内ニュース

年金収支安定化法案 さらに修正を行なう計画

国民議会の社会福祉委員会は昨日、5時間半の審議の後、連立与党
の賛成多数で、年金の収支安定化を承認した。ただし、木曜日に国
会でこの比率が採決されるまでにはさらに修正が行なわれることに
なっている。今回修正案が出るきっかけになったのは、社会福祉省
が委員会に提出した予測である。これによれば、数年後には年金受
給までに最大20%の減額を被ることになる。労働者会議も同じよう
な減額がある、と計算していた。




11月13日(土)

     国外ニュース

米副大統領チェーニー入院

心臓病を抱える米副大統領リチャード チェーニーは、呼吸困難で
昨日ワシントンの病院に運ばれたが、しばらく後に、自宅に戻るこ
とができた。心電図検査を含む診断の結果、以上花にも発見されな
かった、と広報は発表した。大統領府はこれより先に、63歳の彼
が数日前ひどい風邪を引いており、この風邪のために呼吸に関する
問題が起きたのではないか、と発表していた。選挙戦でも後押しを
し、ブッシュの2期目を支えるチェーニーは1978年から後、あわ
せて4回の軽度の心臓発作を起こしているが、副大統領になってか
らは起きていなかった。2000年の選挙の直前には、心臓発作を起
こしていた。

     国内ニュース

ニーダーエスターライヒ州国民党 プレルを党首に再選

第42回ニーダーエスターライヒ州国民党党大会が、昨日サンクト 
ペルテンで開かれ、同州首相エルウィン プレルが再び同党主とし
て承認された。彼は1992年に初めて同党主に選ばれた。今回の再
選で彼は4期目の党首となる。今回の投票では98.4%の賛成を集め
た。これは州党大会で彼が集めた票の中で最高の数字である。




11月14日(日)

     国外ニュース

イラン 核をめぐる対立で妥協

イランは核をめぐる対立で、国連に譲歩し、これによって制裁を回
避した。国連周辺の外交官筋の言葉としてロイター通信は、ウィー
ンの国連原発機構IAEAにはこれに関する文書が届いた、との情報
を得た。イラン政府はその中で、問題となっている核計画を要請通
りに凍結する、と約束しており、その中にはとくに核兵器の製造に
利用されうるウランの濃縮の中止も含まれている、とのことであ
る。

     国内ニュース

労働者会議の補助金 ダラボスはバルテンシュタインに怒り

労働者会議の財政的な規模縮小をめぐる対立は、ますます激しくな
っている。労働者会議は、ますます増加する賃金の総額の0.5%を
自動的に手に入れることができる、という規定を受け入れることは
出来ない、と経済大臣マルティン バルテンシュタイン(国民党)
は「クリーア」紙で述べた。彼は、クリスマスまでに労働者会議の
補助金減額に関する提案が出されることに期待している、とも語っ
た。社会民主党はこれに怒りをもって反応した。政府は、厄介な批
判家を黙らせようという自らの方針を押し進めている、と連邦執行
部代表ノルベルト ダラボスは述べた。



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