11月22日〜11月28日のドイツのニュース



11月22日(月)

ウクライナの選挙結果に大規模な抗議

(キエフ)ウクライナは、大統領選挙の結果に異議が出て、国内政治が分裂に瀕し
て試練を受けている。野党の国際組織は、政府が選挙で大規模な不正が行なわれ
た、と非難している。数千人が野党の候補ヴィクトル ユシュチェンコを支持する
大規模なデモを新たに首都キエフで行なった。一方政府は、ユシュチェンコが不穏
な空気をかき立てている、と非難している。公式の結果によれば首相ヴィクトル 
ヤヌコーヴィチがわずか3%の差で勝利したことになっているが、キエフの市参事
会とその他のいくつかの都市は、この結果の承認に反対している。ブリュッセルの
EUでは、この選挙は国際的な基準に基づいて実施されてはいない、と見られてい
る。社会民主党の外交の専門家ゲルノート エアラーは、ドイッチェ ヴェレに対
し、特にウクライナ東部で選挙に不正が行なわれたことを知っている、と述べた。

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イラン ウラン濃縮を公式に中止

(ウィーン、テヘラン)イランはウランの濃縮を中止し、これによ
り、ヨーロッパの仲介国との間で取りまとめた合意に従った。ウィ
ーンの国際原発機構は、イランが既に濃縮作業に使用されるウラン
数トンを製造したことも確認した。同機構の査察団は、既に情報を
持っている核施設の封印作業を開始しており、これらの施設は今後
は監視されることになっている。暫定的な濃縮中止の代わりに、
独、仏、英は対立が生じていることを国連安保理に伝えるよう勧告
しない、と約束した。安保理は、米国の要求どおり、イランに対す
る制裁を課す可能性がある。米国は、イランが濃縮したウランで核
兵器製造を行なおうとしている、との疑惑を持っている。

年金の財源 ほぼ空に

(ヴュルツブルク)年金保険は、連邦政府に対して、財制情勢が逼
迫しているため、行動を取るように訴えた。年金保険は今年もは
や、財政的な苦難を自力で乗り切れる情勢にはない、と年金保険会
社連合の会長エンゲレン・ケーファーはヴュルツブルクで述べた。
月ごとの年金の財源は2005年10月末には、久しぶりに予定を早め
て連邦の財源で補填せざるをえなくなるだろう、とも語った。彼女
は、収入および支出の変動を吸収できるよう、十分な資金を準備す
るよう求めた。

PISA調査の結果 教育に関する議論再燃

(フランクフルト アム マイン)国際的な教育調査PISAでドイ
ツの生徒が再び悪い結果を出したことを受け、学校制度が再び批判
を受けている。教育科学労働組合は、ギュムナージウム、実業学
校、本課程校に早期に降り分ける制度を廃止し、社会的に弱い家庭
や移住者の家庭の生徒を援助するように求めた。生徒を早い時期に
3つの種類の学校に分けることには、緑の党も批判的であった。こ
の「聖なる牛」が残っている間は、改善は期待できない、と同党は
ベルリンで発砲した。一方ドイツ文献学者連合は、PISAの結果
を、ドイツの学校制度に競争力がかけていることの証明と見るのは
意味がない、と述べた。連邦教育省は、第1回のPISA調査が出た
後にも、既に改革を実施し、この成果は早くても7年から10年後に
ならないとでない、と指摘した。




11月23日(火)

ウクライナ野党 大規模抗議を続行

(キエフ)ウクライナでは、大統領選挙の結果をめぐる紛争が激しさを増してい
る。当局の発表とは逆に、野党の指導者ヴィクトル ユシュチェンコが選挙での勝
利を宣言した。彼は象徴として宣誓を行なうと同時に、世界各国に対して承認と指
示を訴えた。首都キエフでは約20万人がユシュチェンコ支持のデモを行なった。
国会の緊急会議は、議決権がないため、行なわれていない。
公の選挙管理委員会によれば、現大統領に近い首相ヴィクトル ヤヌコーヴィチが
決選投票に勝利した。野党の主張によれば、ユシュチェンコは大規模な操作によっ
て、選挙での勝利を奪われた。ロシア大統領ウラジミール プーチンは、平和的に
解決するよう促した。

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フィッシャー ウクライナ大統領選の決選投票の調査を求める

(ベルリン)独外相フィッシャーは、ウクライナ大統領選の決選投
票の結果の正式発表を調査するようも止めた。選挙結果はウクライ
ナ国民の意志を反映するものでなければならない、欧州安保協力機
構OSZEは、再びこの選挙が選挙の名にもとるものになったことを
確認した、と彼は述べた。連邦議会は水曜日にもウクライナに働き
かけを行なう方針である。一方EUと米国は、選挙で不正が行なわ
れた疑惑を解明するよう求めた。米国政府は、ウクライナとの外交
を制限する、と威嚇した。オランダ首相バルケネンデはEUの名前
で、ウクライナ国会議長リトウィンに、選挙は実際にはどのように
行なわれたのか調査するように求めた。

国際イラク会議 イラクの国内の和解を求める

(カイロ)エジプトのシャルム エル シャイクで開かれている国
際イラク会議は、イラク国内の民主化と安定が進んでいることを宣
言して終了した。閉会の声明の中で参加者は、イラクの政治的な今
後について主導的な役割を国連にゆだねることで合意した。国連事
務総長アナンは、和解を訴えた。アラブ諸国の外相数人は、1月30
日の選挙期日は早過ぎるとして異議を唱えた。アラブ連盟議長アム
ル ムサは、イラクでの停戦を求め、選挙前に国内の和解を図る会
議を行なうように提案した。独外相フィッシャーは、安定を図るた
めには、軍事的な手段だけでは不十分である、と述べた。この会議
にはEU、国連、G8、中国、アラブ連盟、イスラーム諸国会議機構
の代表が参加した。

米国 イラクで新たな攻勢

(バグダード)イラクでは米国が主導する部隊がバグダードの南
で、反乱勢力の基地と見られる地点への大規模な攻勢を開始した。
あわせて約5千人の兵士が動員された。軍によれば、反乱勢力に対
しては、バグダードへの道と、拠点であるラマディやファッルージ
ャに通じる道が封鎖されている。2週間前のファッルージャでの米
軍の大攻勢が始まってから始めて、イラクの赤半月の輸送団が、食
料と医薬品を戦闘地域に運びこむことができた。安全面での理由か
ら、支援組織の諸君たちは、ファッルージャの人々を直接支援する
ことが出来ずに、逆戻りせざるをえなかった、と国際赤十字委員会
の広報は発表した。一方スンニー派の聖職者1人が、攻撃の犠牲と
なって死亡した。




11月24日(水)

ウクライナ大統領選挙委員会 ヤヌコーヴィチの勝利を宣言

(キエフ)ウクライナの大統領選挙での決選投票から3日、選挙委員会は現首相ヴ
ィクトル ヤヌコーヴィチが勝利した、と正式に発表した。キエフでは、同委員会
の委員数人はこの選挙記録に署名することを拒否した。問題となっている選挙結果
が公表されてからごく短時間で、野党の候補者ヴィクトル ユシュチェンコの支持
者は大統領府に向けてデモを行なった。ユシュチェンコ自身は、選挙後の情勢はク
ーデタであると述べ、決選投票のやり直しを提案した。ヤヌコーヴィチの支持者も
キエフに集まりはじめており、両陣営の衝突が起きる危険性が高まっている。退陣
するレオニド クチマは、対立する両者に話し合いを行なうように呼びかけた。

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米国 ウクライナの選挙を承認せず

(ワシントン)米外相パウエルは、米国はウクライナの選挙結果を
承認する気はない、と述べた。彼はワシントンで、今回の選挙は国
際的な基準に則ったものではない、と述べた。また彼は、ウクライ
ナでのデモに対していかなる暴力を行使することもないように警告
した。独首相シュレーダーも、権力争いを平和的に解決するよう促
した。独政府の情報によれば、シュレーダーはロシア大統領プーチ
ンとの電話会談で、ウクライナの情勢の今後に不安を持っている、
と表明した。独政府とEUは今回の選挙は公正なものではなかった、
と批判したが、プーチンは政府側の候補者ヤヌコーヴィチに、勝利
を祝う言葉を送っている。EU委員会によれば、キエフ情勢は、木
曜日のEU・ロシア首脳会談の議題にもなる。

国連 コンゴに追加部隊派遣

(ニュー ヨーク)国連はコンゴ民主共和国に、和平部隊を追加派
兵する。この決定の背景には、隣国ルワンダが、ルワンダのフツ側
の反乱勢力がまもなくコンゴを攻撃する、と威嚇していることがあ
る。国連広報は、コンゴでの国連の任務は、同国北部への旅団の追
加派遣を遅らせることであり、国連の任務は、コンゴに和平をもた
らす過程を阻害する内外の要因一切を取り除くことである、と述べ
た。ルワンダ軍は、フツ反乱勢力の行方を追求して、最近では
1996年と1998年に隣国に進入していた。

インド・パキスタン 首脳会談

(ニュー デリー)インド首相シンとパキスタン首相アジーズは、
会談を行なった。その際、隣り合った両国が要求しているカシミー
ル州問題についても話し合いが行なわれた、とニュー デリーでの
会談後アジーズは述べた。両者は友好的かつ建設的な雰囲気の中で
会談を行なった。ただしカシミールへの旅行の制限に関する合意に
は至らなかった、とのことである。この地方の住民は、分かれ分か
れになった家族が再び集まれるように、両国に迅速な解決を要求し
ていた。アジーズは、13年間ぶりにインドを訪問するパキスタン
首相である。この際彼はカシミールのインド側で、分離独立派の中
で対立しあっている指導者たちとも会談を行なった。




11月25日(木)

ウクライナの選挙結果 調査実施

ウクライナ大統領選挙をめぐる対立で、ヴィクトル ユシュチェンコを支持する野
党は、部分的な法的勝利を得た。キエフの最高裁判所はまず、問題となっている結
果の発表を禁止し、選挙の調査を行なう、と予告した。これにより今まで首相を務
めていたヴィクトル ヤヌコーヴィチが後継大統領に就任することは阻止された。
EUは退陣するウクライナ大統領レオニド クチマに既に、EUはこの結果を受け入
れない、と伝えていた。デン ハーグで開かれていたEU・ロシア首脳会談では、
ロシア大統領ウラジミール プーチンは、新ロシア的な候補者ヤヌコーヴィチを支
持すると強調していた。ただしプーチンはこの対立を法律的に解決することに賛成
である、とも述べた。
一方、キエフやその他の都市では選挙結果に対する大規模な抗議活動が行なわれ続
けている。

     その他のニュース

ファッルージャの死者2千人を越える

イラクの蜂起勢力の拠点ファッルージャでの戦闘では、2,000人を
越える死者が発生した、と国内安全保障顧問カッセム ダウドは発
表した。1,600人を越える逮捕者がでた、とも述べた。ただし彼
は、蜂起勢力の死者が何人で、一般市民の死者が何人かは述べなか
った。米軍が指揮する軍は11月8日に、ファッルージャにたてこも
っている蜂起勢力に対する大攻勢を開始した。ダウドはその他、フ
ァッルージャではイラク兵士が爆薬製造工場も発見した、と発表し
た。一方米英軍は、イラクの蜂起勢力に対する攻勢を続けている。
戦闘は主として、アル・カイムとラマディで行なわれている、と伝
えられている。

イランの核計画をめぐる対立 さらに強まる

イランの核計画をめぐる対立で、同国政府と国際原発機構が合意に
達することはあいかわらず困難である。イランは、ウランの濃縮を
約束したとおりには完全に実施していない、と同機構総裁エル バ
ラダイはウィーンで開かれた総裁評議会の冒頭で批判した。ただ
し、今までイランの秘密核計画の調査は、過去数カ月で大きく前進
した、とも述べた。イラン大統領ハタミはテヘランで、独、仏、英
が提案した決議は受け入れられない、と述べた。総裁評議会は少な
くとも金曜日までは、この決議について協議する方針である。

バルグーティ アラファトの後継者争いに参加

イスラエルで捕らえられているパレスチナ人の政治家マルワン バ
ルグーティは、大統領選挙に立候補する方針である。これは彼の信
任厚い人物が発表したものである。彼自身は、近い将来にこの決定
についてみずから発表する、とのことである。45歳のバルグーテ
ィは、大衆迎合的なパレスチナの政治家の1人と見られている。彼
は、死亡したパレスチナ大統領アラファトのファタハ運動の、若い
世代の代表者である。ばれはイスラエルで、テロ攻撃に参加したか
どで数回にわたって終身刑の判決を受けている。イスラエル大統領
カツアフは、バルグーティに恩赦を与える可能性を否定しなかっ
た。一方ファタハの革命評議会は、PLO議長アッバスが唯一の大統
領候補であることを確認した。




11月26日(金)

ウクライナの両大統領候補 初めて対話

(キエフ)ウクライナ大統領選挙の結果に対する大規模な抗議行動が数日間に渡っ
て続く中、両陣営は初めて対話を行なった。選挙に勝利したと発表された親ロシア
の現首相ヴィクトル ヤヌコーヴィチと野党の指導者ヴィクトル ユシュチェンコ
は、ヨーロッパとロシアの仲介役とともにキエフで会談を行なった。退陣するウク
ライナ大統領レオニド クチマも、この会合に出席した。その他の出席者は、EU
外務委員ハヴィエル ソラナ、ポーランド大統領アレクサンデル クワシニエフス
キ、リトアニア大統領ヴァルダス アダムクス、ロシア国会議長ボリス グリスロ
フであった。これより前、クワシニエフスキは、意向を打診する会談を行ない、情
勢は紛糾しているといった程度ではない、と述べていた。
野党の支持者が一日中封鎖を行ない、政府の仕事は麻痺した。バス、自動車、およ
び人間の鎖で、大統領および政府の所在地を封鎖した。

     その他のニュース

連邦議会 国家予算を承認

(ベルリン)野党の抵抗に対抗して、与党社会民主党と緑の党は過
半数の賛成で2005年国家予算を承認した。キリスト教民主、社会
同盟と、自由民主党は、蔵相アイヒェルの作成した予算案に一枚岩
となって反対した。彼らは、「緊急停止をするために」12月にも
憲法裁判所に訴訟を起こす、と予告した。2005年予算は、
約2、540億オイロの支出の予定である。新たな負債は220億オイロ
で、投資の227億オイロを下まわり、基本法の規定に従ったもので
ある。野党は、予算のいくつかの危険な点を指摘し、憲法およびオ
イロ安定法に4年続けて違反する可能性がある、としている。

連邦参議院 持ち家補助金の廃止を拒否

(ベルリン)連邦参議院は、政府が計画している持ち家補助金の廃
止を却下した。多数派であるキリスト教民主、社会同盟が政権を持
つ諸州は、社会民主党と緑の党の連立政府が提出した、研究および
開発のために今後資金を投入する措置に反対した。連邦政府は、両
院協議会で妥協案を模索する方針である、と述べた。法定健康保険
の加入者は、2005年7月1日から、義歯を入れる場合、使用者側か
らの補助金を受けられず、自分で支払わなければならなくなる。連
邦議会では、社会民主党と緑の党は絶対多数で、キリスト教民主、
社会同盟の異議を却下した。同様に絶対多数の賛成で、子供のいな
い人々の義務介護保険の加入料の値上げ案も通過させた。これによ
れば、23歳以上の子供がいない人は来年1月から、介護保険を
0.25%上積みして支払わなければならない。年金受給者と失業者は
除外される。

遺伝子技術法案 採決

(ベルリン)遺伝子技術を用いて変更を加えられた植物の栽培は、
今後厳しい条件の下で全国で可能になる。連邦議会は、社会民主党
と緑の党の遺伝子技術法を、連邦参議院の異議を押し切って通過さ
せた。この法律は、伝統的な農作物と遺伝子操作を受けた作物を並
行して作ることを定めている。生産地を登録する他、今後は責任の
規定と栽培規格が定められることになる。




11月27日(土)

ウクライナ野党 国会で形の上で勝利を得る

(キエフ)ウクライナ大統領選挙をめぐる対立で、野党は形の上で勝利を得た。議
会の特別会議で議員の過半数が、問題となっている大統領選挙の決選投票を無効と
することに賛成した。同時に国会議員たちは、退任する大統領レオニド クチマ
に、選挙委員会を解散するように求めた。しかし議会の拒否は法的な拘束力を持っ
ていない。この国会での投票は、野党側が起こしている選挙で欺瞞が行なわれたと
の抗告に、最高裁判所が調査を行なう予定日の2日前に行なわれた。
国会前では、野党の指導者ヴィクトル ユシュチェンコを支持する人々10万人以
上が、再びデモを行なった。ウクライナ東部では、選挙委員会が当選したと発表し
た政府側の候補ヴィクトル ヤヌコーヴィチの支持者がデモを行なった。

     その他のニュース

EU ウクライナの選挙やり直しに賛成

(デン ハーグ)ウクライナの危機を仲裁するため、EU評議会議
長でオランダ外相ボットは、再選挙に賛成した。EUの見解では、
大統領選挙に関連する問題を解決するためには、これが一般的に行
なわれている唯一の方法である、とボットはデン ハーグで述べ
た。独外相フィッシャーは、有権者の意志が認められねばならな
い、選挙結果を不正のない形で示すことである、と述べた。あるイ
ンタヴューの中でフィッシャーはロシア大統領プーチンに、ウクラ
イナでの民主的政権交代を受け入れるように求め、誰もロシアから
何かを盗みとろうとしてはいない、と述べた。

イラクで再び死者

(バグダード)イラクの首都バグダードでは爆弾が破裂し、死者
3人、15人以上の負傷者がでた。警察の情報によれば、この爆弾は
バグダードの中心部と南部で破裂した。爆発が起きたとき、近くを
米軍車が通っていた。バグダードの北約90キロにあるドゥルイヤ
市でも爆弾が破裂し、米兵1人が死亡した、と軍広報は発表した。

イラク政府 選挙の期日は堅持

(バグダード)イラク政府は、政党および組織17が、選挙を延期
するように求めているが、1月30日に行なう方針を堅持している。
政府はすべてのイラク人に対して、選挙に参加するように呼びかけ
ている、と首相アラウィの広報は述べた。選挙委員会も、アラウィ
に対して、情勢は緊張しているが、予定通り投票を行なう準備をし
ている、と約束した。国連安保理の決議と、イラクの暫定憲法はと
もに1月に選挙を実施するという内容を含んでいるが、住民の多数
派であるシーア派の宗教界の指導者も、これを支持している。一方
スンニー派の聖職者は、選挙で投票を行なわないように呼びかけ
た。金曜日には17の政党および政治組織が、国内の安全確保がで
きないことを理由に、選挙の6ヶ月間延期を求めていた。




11月28日(日)

ウクライナ東部 分離の可能性

(キエフ)ウクライナでは、問題となっている大統領選挙後の権力争いの中で、対
立が激しくなった。野党側の候補ヴィクトル ユシュチェンコは支持者数万人に対
して、再選挙を目指してデモで圧力をかけつづけるよう、呼びかけた。彼は1年前
にグルジアで起きて成功を収めた抵抗を想起するよう求めた。東部では、公式の当
選者ヴィクトル ヤヌコーヴィチの支持者が、独自の共和国を建国する、と圧力を
かけた。各地域の指導者たちは、自治に関する住民投票を求めた。ポーランド大統
領アレクサンデル クワニシエフスキは、仲裁を試みてキエフから戻ってきた後、
分裂する危険性が現実味を帯びてきた、と述べた。
野党の政治家でウクライナ元外務大臣ボリス タラスジュクは、ドイツ首相ゲアハ
ルト シュレーダーに、ロシア大統領ウラジミール プーチンと十分連絡を取り、
ウクライナに手出しをさせず、政権交代をより容易に行なえるようにしてほしい、
と訴えた。

     その他のニュース

ルーマニア 大統領イリエスクの後継者を選ぶ

(ブカレスト)ルーマニア人は新たな国会議員を選び、現大統領イ
リエスクの後継者を選ぶために、すくなくとも予備的な決定を行な
う。大統領選挙は、2週間後に決選投票が行なわれるものとみられ
ている。社会民主党の候補で現首相ナスターセが世論調査によれ
ば、保守的な攻勢と真実を求める野党連合の候補バセスクと接戦を
演じている。大統領イリエスクは、3期大統領を務めたため、今回
は立候補することができない。投票は日曜日に行なわれたが、双方
が相手を規則違反である、と非難しあって暗雲がたれ込めている。
この選挙は、ルーマニア人3,300人、外国人50人からなる監視団
が見守っている。

バローゾ EUに対しイラク支援を強化するよう訴える

(ハンブルク)新EU委員会議長バローゾは、EU加盟各国に対し、
イラクの安定に尽力するよう訴えた。そのためにヨーロッパ陣は軍
事的、政治的、経済的に貢献することができる、それ以外のことは
みな、国際テロ組織を力づけることになる、と彼は「ビルト アム 
ゾンターク」紙に述べた。イラク中心部のとしサマラでは自動車爆
弾が破裂し、警察の情報では少なくとも3人が死亡、5人が負傷し
た。バグダード空港へ続く道では、米軍の輸送車団の近くで自動車
爆弾が破裂し、米軍の情報では2人の兵士が負傷した。北部の都市
モースルでは手入れが行なわれ、反乱勢力と見られる43人が逮捕
された。

外交官筋 イランは核をめぐる対立で譲歩

(ウィーン)いったんは矛盾する方針を出していたイランは、外交
官筋によれば、核計画をめぐる対立で譲歩した。最初イラン外務省
は、ウラン濃縮のための遠心分離機20基の運転を続けたい、と述
べていた。その後、ウィーンの国際原発機構には、イランは欧州諸
国が要請していた通り、この要求を形式的に撤回した、と伝えられ
た。同機構に対する書簡の中で、イラン政府は、核計画の中断中は
この遠心分離機の実験を行なわない、と約束したが、この書簡の再
調査を行なわなければならない、とのことである。独、仏、英は、
これより前、研究目的でも例外は認められない、と明言していた。
イランの書簡は、月曜日に開かれる国際原発機構の評議会の意志決
定会議を前に届いたが、この会議では、国連安保理に対して核をめ
ぐる対立が起きていることを叱責する議論が行なわれる予定になっ
ていた。安保理はイランに制裁措置が課される可能性があった。



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