1月10日〜1月16日のオーストリアのニュース



1月10日(月)

     津波関連のニュース

オーストリア人307人が行方不明

新年の本当の就業日に、アジア南部の被災地域で行方不明になって
いるオーストリア人の数が減少する望みが、確実になった模様であ
る。日曜日と比べて77人行方不明者が減少し、307人となった。
危機対策班は、今後数日間でできるだけ多くの人からの帰国報告が
あるものと期待している。もしそれがない場合には帰還する可能性
は極めて小さくなる。

     国外ニュース

アッバスはイスラエルとの交渉を再開する方針

新たにパレスチナ大統領に選ばれたマハムード アッバスは、イス
ラエルとの和平交渉を再開する方針である。月曜日にラマラで行な
われた国際選挙監視団の歓迎会で、自分は諸外国が呈示した和平計
画(路程表)に従う義務がある、と述べた。「我々は隣人に手を差
し伸べ、本当の和平に向け準備をしている。彼らから前向きの答え
があることを期待している」と述べた。世界各国の主要な政治家
は、アッバスの勝利を歓迎している。米国大統領ジョージ W. ブッ
シュは「歴史的な日」であると述べ、アッバスとの密接な協力関係
を築き、ワシントンに早期に招待する、と予告した。またパレスチ
ナ人は民主主義に向け大きな一歩を踏み出した、とも語った。イス
ラエル首相アリエル シャローンは、新パレスチナ大統領に、テロ
との戦いを進めるよう求めた。EU委員会議長ジョゼ マヌエル バ
ローゾは、パレスチナ人はこれによって独自の国家建国にはっきり
と近づいた、と述べた。オーストリア外相ウルスラ プラスニク
(国民党)は、アッバス当選は、パレスチナ人の多数が平和を望ん
でいることの証しである、と述べた。

     国内ニュース

グラサーの休暇旅行の飛行機のアップグレードは公式のものか?

大蔵大臣カール・ハインツ グラサーは、モルディヴへの休暇旅行
で、彼は私人としてではなく、大臣としてそしてAUA社の所有者の
代表として、便宜を受けた模様である。グラサーは自分と愛人用に
エコノミークラスを予約していたが、実際にはビジネスクラスで旅
行した。AUA社広報リヴィア ダンドレアは、雑誌の中でその理由
として、グラサーは所有者の代表であるからだ、と述べた。AUAは
約40%が国家の所有になっている。




1月11日(火)

     津波関連のニュース

プラスニク「現状は希望と嘆きの間にある」

アジア南部での洪水災害から2週間以上たつが、情勢は「希望と嘆
きの間」にある、と外務大臣ウルスラ プラスニク(国民党)は昨
日のテレヴィ番組の中で語った。「私たちはまだ希望を捨ててはい
ない」が、今なお行方不明のオーストリア人266人のうち多くはも
はや生還しないだろう、ということは認めなければならない、と述
べた。また彼女は政府の危機管理のあり方を擁護した。津波災害の
第一報があって数時間後には緊急対策班が設置されたものの、確か
に道は広くはなかったし、手違いが起こらなかったわけではない、
とも述べた。公式の情報によれば、タイの洪水災害で負傷したオー
ストリア人が帰国した。火曜日には最後のケガ人の輸送機がウィー
ンに到着した。

     国外ニュース

アラウィ「暴力のためイラクの一部では選挙は不可能」

イラク政府は、国内で続いている攻撃のため、安全確保が困難とな
り、1月末の選挙はいくつかの地域で不可能である、ということを
認めた。「おそらく選挙に加われない地域がいくつか発生する。し
かし我々はこの傾向がさらに拡大するとは見ていない」と首相イヤ
ド アラウィはバグダードで述べた。また彼は約20億ドルを治安
部隊に投入し、1月30日に予定されている選挙を妨害しようとして
いる反乱勢力との戦いを強化する、と予告した。反乱勢力の1人は
イラク南部の都市バスラの、選挙委員会が入っている建物近くで爆
死した。不穏な地域のアンバル州では、13人からなる選挙委員会
が辞任した。選挙委員長がその理由として、委員が死の危険にさら
されていることを挙げた。先週米軍高官が、イラクの18州のうち
4州で選挙が行なえるかわからない情勢だ、と述べていた。

     国内ニュース

ハオプナー「ハイダーの自由党党首復帰はあり得る」

自由党党首ウルスラ ハオプナーは、春の党大会で彼女の後任とし
て兄であるケルンテン州首相イエルク ハイダーが再び党首に就任
する可能性がある、とテレヴィ番組のなかで述べた。「イエルク 
ハイダーが党を引き受ける、再び党首に立候補する、と言えば、お
そらく連邦同党の幹部会はそれを認める決定を行なうだろう」と新
年の同党の活動計画の質問に対して答えた。同党内部では、党首問
題をめぐる議論はない、と事務長ウーウェ ショイヒは述べた。
「ハイダー自身が何度も党首になるつもりはない、と言っている以
上、その主の議論を行なう理由もきっかけもない」とショイヒは
APA通信に述べた。




1月12日(水)

     津波関連のニュース

インドネシアは米国に兵士の撤退に関する期限を設定

インドネシア政府は、津波の犠牲者の支援のために投入されている
外国人兵士を3カ月以内に撤退させるように求めているが、米国政
府はこれに不満の意を示した。「3カ月あれば充分であるが、撤退
は早ければ早いほどよい」とインドネシア副大統領ユスフ カラは
水曜午後に述べた、と国営アンタラ通信は伝えた。「私たちあこれ
が何を意味しているのか、インドネシアからさらに詳しく聞かなけ
ればならない」と米国大統領府広報スコット マクレランは述べ
た。当面被災地域のアチェ州の人々を助けることが重要であって、
インドネシア政府と軍首脳部が国際支援の努力を後押ししてくれる
ことを期待している、とも述べた。インドネシアは外国の支援組織
の移動を制限していた。30年前から続くムスリムの反乱勢力との
戦いが続いているためである。アチェ州への外国人部隊派遣は、イ
ンドネシア軍内部では当初から抵抗にあっていた。現在アチェ州で
は、米国、シンガポール、豪州、日本、マレーシアの兵士が支援活
動に参加している。

     国外ニュース

米国のイラクでの大量殺戮兵器捜索終了

米国はイラクの核、化学、生物兵器の捜索を終了した。大統領府広
報スコット マクレランは、「ワシントン ポスト」紙のこれに関
する報道を認めた。この種の兵器が存在する証拠は見つからなかっ
た。米国大統領ジョージ W. ブッシュは、2003年にイラクに進攻
する理由として大量殺戮兵器が存在することを挙げていた。捜索団
は2年にわたり大量殺戮兵器の証拠を求めてイラクをくまなく捜査
した。最大で1,200人の軍と秘密情報部の専門家がこれに加わっ
た。

     国内ニュース

緑の党議員団は亡命・教育について議論

緑の党は木曜日に、ブルゲンラント州で今年の国会議員の非公開会
議を開会する。この会議の主要議題は、教育と亡命の分野である。
具体的には緑の党は、いわゆる教育到達度PISAの調査から結論を
引き出すことを求めている。また亡命政策に関しては、新内務大臣
リーゼ プロコプ(国民党)の新たな提案が、前任者エルンスト 
シュトラサー(国民党)の路線を全く踏襲したものであるとして批
判される。政府は刑務所を犯罪者ではなく、難民で一杯にしようと
している、と非難している。




1月13日(木)

     津波関連のニュース

スウェーデン政府の危機管理をめぐり批判

スウェーデンでは、洪水に関連して危機管理体制に対する批判が強
まっている。「市民委員会」は首相ヨーラン パーション内閣が、
洪水災害問題で機能しなかったのではないか、調査を行なう。特に
外務大臣ライラ フライヴァルスが非難を受けている。彼女は率直
に、災害が発生した日の夜劇場におり、その日は一日中「私的な用
事」を片づけていたことを認めた。国王カール グスタフは、テレ
ヴィで洪水災害を見守るしかなく、政府から彼には24時間後によ
うやく情報が届いたことに衝撃を受けている。

     国外ニュース

イスラエルでは境界地域で攻撃 複数の死者

木曜日午後遅くイスラエルのガザ地区での境界の通過地点で爆発物
による攻撃があり、5人が死亡、10人が負傷した。死者のうち2人
は犯人である。イスラエル側の情報によれば、武装パレスチナ人2
人が自殺攻撃を行なった。ファタハ組織の武装勢力であるアル・ア
クサ旅団がこの犯行を行なったことを認めた、との情報がある。新
首相マハムード アッバスもファタハに属している。犯人は約150
キロの爆薬を持っていた。通過地点カルニでは、爆発後銃撃戦が行
なわれた、と報道された。

     国内ニュース

国会では記念の年の公式の冒頭の活動が行なわれる

金曜午後、オーストリアは公式に、記念の年である今年の冒頭の行
事を国会で祝う。東南アジアでの津波災害のため、この催しの計画
は修正された。国民評議会議長アンドレアス クホール(国民党)
の演説の後、参加者が津波災害の犠牲者を悼んで黙祷を行なう。こ
の模様は15時半からはテレヴィで中継される。この催しでは、連
邦大統領ハインツ フィッシャー(社会民主党)、連邦首相ウオル
フガング シュッセル(国民党)、副首相フーバート ゴルバッ
ハ、国会各会派の代表が演説する。今年は第二次世界大戦終了およ
びナチ体制終了の60年記念であるほか、オーストリアが完全な主
権を回復して50周年、EUに加盟して10年の記念の年である。




1月14日(金)

     国外ニュース

アルゼンチンは債務返済繰り延べを提案

アルゼンチンは昨日、予告していた不渡りになった巨額の国際の返
済繰り延べを提案した。この提案には、投資者が、最大で当初の投
資の70%を放棄することが含まれている。大統領ネストル キルヒ
ナー率いる同国政府あ1,026億オイロの借金をしている、少なくと
も10カ国からなる債権国に対しては、アルゼンチンは新たに418
億ドルの債権を発行する。期限切れの同国国債の約17%を抱えるア
ルゼンチン基金は、この提案を期待通りに受け入れた。市場の危機
を回避するために昨日、アルゼンチンの各銀行と民間投資会社もこ
の提案を受け入れた。

     国内ニュース

新聞報道「鉄道職員今年既に600人が早期年金を受給」

オーストリア連邦鉄道では2005年冒頭からすでに600人近くの従
業員が早期年金を受給している、と「デア シュタンダルト」紙は
報じている。「財政的な砂糖」による優遇措置のため、今年さらに
多くの従業員が追随するだろう、とも伝えている。鉄道側からの正
式な確認はすぐには行なわれることはない。早期退職が行なわれる
理由として鉄道の上級経営責任者は「彼らを雇用し続けるよりも、
こちらのほうが安くつく」と述べている。




1月15日(土)

     津波関連のニュース

インドネシアで激しい余震

インドネシア沿岸地域で壊滅的な海底地震があってから3週間、島
国である同国は再び激しい地震に揺れた。ジャカルタの南西200キ
ロを震央とする自身は、リヒター指標の5.5の震度を記録した、と
同国気象庁は発表した。この自身は差ほどお置きな被害を引き起こ
さず、負傷者はいない模様である。甚大な被害をもたらした津波を
生んだ12月26日の海底地震の強度は9.0で、インド洋岸の被災地
域では163,000人が死亡した。インドネシアではそれ以来余震が
続いている。

     国外ニュース

クロアチアで大統領選挙の決選投票

日曜日クロアチアでは大統領選挙の決選投票が行なわれる。政党に
属さない現職のスティッペ メシッチが選挙戦を優位に進めてい
る。世論調査によれば彼は約56%の支持を集めており、はっきりと
した勝利を収めるものとみられている。対立候補は保守的な政権党
クロアチア民主同盟HDZジャドランカ コソルには、わずか24%が
投票する見込みである。70歳のメシッチは「国民の父」と目され
ており、極めて人気がある。彼の前任者フランジョ ツジマンは長
年にわたり強権を発動していたが、メシッチは同国を国際的孤立か
ら救い出した。彼は2007年にクロアチアをEUに加盟させる方針で
ある。1月2日の最初の投票では絶対多数にわずかに届かない48.9
%の得票であった。

     国内ニュース

鉄道職員600人が年頭から早期年金受給

今年の始めから、オーストリア連邦鉄道の職員600人以上が早期年
金の受給を始めた。12月の時点では50人出会った。彼らにとって
は財政的な魅力があるため、今後さらに続く者がでる可能性があ
る。大きな額の減額がある年金改革の影響を受ける人がいるため、
鉄道の幹部は、損失を補填することを想定しているだろう、と運輸
大臣ゴルバッハ(自由党)は昨日この計画に対して不満を述べた。




1月16日(日)

     津波関連のニュース

インドネシアではさらに5千人の死者が埋葬された

アジア南部での洪水の死者は、被災後3週間たってもなお増え続け
てている。インドネシアのアチェ州の西岸にはまだ立ち入りが困難
であるが、さらに5千人の遺体が埋葬された、と昨日当局が発表し
た。これにより全地域での死者の数は16万人を越えた。最新の情
報によれば、インドネシアだけでも115,000人が死亡した。

     国外ニュース

クロアチア大統領選挙ではメシッチが圧勝

投票後の調査によれば、クロアチア大統領スティペ メシッチが昨
日の大統領選挙で、予想通り再選された。メシッチは決選投票で
71%近くの票を獲得した、とクロアチアの放送局は投票所での世論
調査の結果として報じている。保守陣営の候補ジャドランカ コソ
ルは、わずか30%弱の得票であった。全国で約6千ある投票所は19
時に閉鎖された。その3時間前の公式情報によれば、1月2日の第1
回投票より2%投票率が下がっている。16時までに投票を行なった
のは有権者の約40%であった。2週間前の第1回投票ではメシッチ
は当選に必要な半数の票の1%だけ足りなかった。メシッチの2期め
の目標は、クロアチアのEU加盟である。年内に計画されている加
盟交渉を始める条件は、デン ハーグの国連法廷にクロアチアの戦
争犯罪者アンテ ゴトヴィナを逮捕し、引き渡すことである。メシ
ッチはこれに賛成していたが、対立候補のコソルは反対していた。

     国内ニュース

村落名標問題でハイダーは「美徳に対するテロリスト」を批判

ケルンテン州首相イエルク ハイダー(自由党)はケルンテン州自
由党の新年の会合で、連邦政治に対して、記念行事が続く2005年
には、オーストリアの民主的な発展の観点から、ケルンテン州の役
割を評価するように求めた。一方「美徳に対するテロリスト」に関
して「悪しきケルンテン州人」が、条約の規定を今なお満たしてい
ない、と主張した。これは、憲法裁判所長官カール コリネクが、
屋外に設置されている村落名標問題で行なった批判に対抗するハイ
ダー側からの発言である。



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