１月２４日〜１月３０日のドイツのニュース
１月２４日（月）
国連はナチの絶滅収容所解放の記念式を行なう
（ニュー ヨーク）国連総会は特別会議を開き、ナチの強制および絶滅収容所の解
放の記念式を初めて行なった。各国代表が黙祷した後、国連事務総長コフィ アナ
ンは、国連は第2次世界大戦後「ナチの悪」に対する解答として設立された、と述
べた。ホロコーストを生き延び、ノーベル平和賞を受けたエリー ヴィーゼルは、
ナチの悪行の記憶が凡庸化しないように、と警告した。ドイツ外務大臣ヨシュカ
フィッシャーは、ドイツには、いかなる種類の反ユダヤ主義、人種差別、外国人排
斥とも戦う「歴史的・道徳的」責任がある、と述べた。
この特別会議は国連加盟国191のうち約150カ国が支持をした。これは、木曜日の
アウシュヴィッツ・ビルケナウ解放をきっかけとした会議であった。
その他のニュース
連邦政府はNPD禁止の可能性を検討
（ベルリン）連邦政府は、極右ドイツ国家民主党の禁止をを求める
方策を今後も探る、と首相シュレーダーは述べた。国家民主党の禁
止の必要性を司法に納得させる可能性があるかどうか、検討しなけ
ればならない、と彼はベルリンで述べた。一方連邦内相シリーは、
現在のところ禁止動議が認められる可能性はないと思う、との声明
を発表した。ドレスデン検察は、同党所属のザクセン州議会議員に
対する裁判手続きを行なうことはない、これは憲法に違反する、と
発表した。国家民主党の議員は金曜日に、1945年の連合国軍のド
レスデン爆撃をナチの犯罪と同党のものとみなす発言を行なってい
た。連邦議会に議員を送っている各党の代表は、この対決は主とし
て政治的な水準で行なわなければならない、と述べた。アル カーイダ支持者らしき人物への逮捕命令
（カールスルーエ）連邦裁判所は、日曜日にマインツとボンで逮捕
された2人のアル カーイダ隊員に対する逮捕命令を出した、とカ
ールスルーエの同裁判所が発表した。29歳のイラク人に対しては、
外国のテロリスト組織に加わった容疑が、31歳のパレスチナ人に
は、同種の組織を支援した容疑がかけられている。両者はイラクで
の自殺攻撃を計画した件で非難されている。イラク人の容疑者は、
ルクセンブルクから濃縮された核物質を密輸しようとしていた、と
も連邦検察は述べた。イラクではザルカウィの爆弾製造係りを逮捕
（バグダード）イラク治安部隊は、ヨルダン人ザルカウィの爆弾製
造の中心人物と目される人物と、彼の急進派組織の主要人物1人を
逮捕した。しばらく前に逮捕された爆弾製造の専門家サミ モハメ
ド サイード アル ジャフが、少なくとも32件の大規模な攻撃
に加担したことを認めた、とバグダードの移行政府の広報は発表し
た。彼は2003年8月にバグダードの国連本部を破壊した爆弾を乗
せたトラックを準備したことを認めた、とのことである。このとき
には22人が死亡した。月曜日にはバグダードでは首相アラウィの
党の本部近くで自動車爆弾が破裂し、少なくとも10人が負傷した
ことを厚生省が確認した。攻撃後ザルカウィの組織の犯行声明文が
インターネット上で示された。
１月２５日（火）
アウシュヴィッツの生存者たちが新たな反ユダヤ主義を警告
（ベルリン）極右勢力が再び力をつけていることに対して、木曜日に開かれた強制
収容所アウシュヴィッツ解放の60周年記念日に参加した生存者と政治家が、緊急
の警告を発した。連邦首相ゲアハルト シュレーダーはベルリンで開かれた国際ア
ウシュヴィッツ委員会の記念式典で、ネオ・ナチの盛り上がりとナチの犯罪を彼ら
が否定していることに断固抵抗することは、すべての民主主義者の義務である、と
述べた。ユダヤ人世界会議議長イスラエル シンガーは、ホロコーストの原因をよ
り詳しく検討するように述べた。フランス大統領ジャック シラクは張れで開かれ
たヨーロッパ最大のホロコースト記念施設の開幕式に出席し、反ユダヤ主義は死に
つながる倒錯である、と述べた。欧州評議会の行事に参加した同議会議長ルネ フ
ァン デル リンデンは、46の加盟国の議員に対して、人間性と民主主義のため
に今後も戦うよう呼びかけた。
その他のニュース
インドでは巡礼者の祭りで死者
（ニュー デリー）インド西部のヒンドゥー教の巡礼者の祭りの期
間中、大規模な混乱が発生し、警察の情報によれば、踏みつけられ
るなどして、少なくとも300人が死亡し、数百人の負傷者がでた。
犠牲者の多くは女性と子供である、とのことである。この混乱の精
確な原因はまだはっきりしていない。目撃者の話によれば、炎とガ
スボンベが爆発した、とのことである。30万人を越える信者がマ
ハラシュトラ州のワイ近くの寺院に巡礼を行なっていた。イラクでは暴力の行使が続く
（バグダード）イラク国会議員選挙を5日後に控え、蜂起勢力は攻
撃を大規模に強めている。戦闘と攻撃によってまた多くの人が死亡
した。組織「イスラーム軍」はインターネット上で、攻撃をさらに
強めるように訴えた。一方蜂起勢力側は、武器を突きつけられた誘
拐された米国人と見られる人が、助命を嘆願する様子が映ったヴィ
デオを放送した。この男性はイラクの米軍のために働いていた、と
みずから述べていた。一方、イラク移行政権は、逮捕者の取り扱い
で治安部隊の違反行為があったことを認めた。人権大臣バハティア
ル アミンは、関係者は責任をとることになる、と述べた。これは
米国の人権団体「人権監視」の報告に答えたものである。この報告
の中では、イラクの治安部隊の拘留を受けた逮捕者が、組織的に拷
問と虐待を受けている、とされている。外相フィッシャーのワシントン訪問
（ワシントン）独外相フィッシャーは、イランに対するEUと米国
の政治面での意見の調整を進めようとした。両者が立場を擦り合わ
せるなら、核をめぐる対立解決に重要な一歩となる、とフィッシャ
ーは米国訪問の冒頭で述べた。彼は、イランの核兵器による脅威を
どのように判断するかでは、欧州と米国はそれほど大きな違いはな
い、と述べた。米国政府はイランに対する軍事攻撃を排除しない、
との発言が紛争を巻き起こす、との懸念が欧州ではもたれていた。
フィッシャーはワシントン滞在中に、次期米国外相ライスと会談
し、間近に迫ったイラクの選挙についても話し合うことにしてい
る。
１月２６日（水）
イラクでヘリ墜落 死者31人
（バグダード）イラクでは米国の輸送用ヘリコプターが墜落し、少なくとも31人
の死者が発生した。バグダードの米軍によれば、この事件が起きたのはルトバ村落
近くである、このヘリコプターが撃墜されたのかどうか浜田不明である。蜂起勢力
の攻撃を受け、米兵5人とイラク人数人が死亡した。同国北部の自動車爆弾によ
り、この事件だけで少なくとも15人が死亡した。米軍の代表者は、日曜日に計画
されている選挙の前、および選挙期間中に、さらに攻撃があるかもしれないと警告
した。移行政府は選挙に備え、安全対策を強化した。そのため夜間外出禁止が拡大
される、と内務大臣ファラ アル ナキブが述べた。米国大統領ジョージ W. ブッ
シュはイラク人に対して、テロに動揺せず、選挙に行くように訴えた。
その他のニュース
米上院はライスの外相就任を承認
（ワシントン）米上院は、元安全保障担当の顧問ライスを、新外務
大臣への就任を認めた。上院議員85人が大統領ブッシュが推す彼
女に賛成し、18人が反対した。ライスはパウエルの後任となる。
上院はすでに先週この任命について議論していたが、採決が延期さ
れていた。上院で彼女に批判的な人々は、イラク政策の責任の一端
は彼女にもあると非難したが、ブッシュの共和党が多数派を占める
上院では、この意見を通すことはできなかった。近東では意見の接近が見られる
（エルサレム）パレスチナ治安部隊は、今後10日間、西ヨルダン
ランドの5つの都市の監視を担当する。パレスチナ人の代表は、エ
ルサレムで行なった交渉で、パレスチナ側の交渉役サイエブ エラ
カトとイスラエル首相シャローンの顧問ドフ ヴァイスグラスがこ
れに関して合意した、と発表した。シャローンとパレスチナ大統領
アッバスとの首脳会談実施でも合意した。一方パレスチナ警察は、
イスラエル兵および入植者に対する攻撃を阻止するため、ガザ地区
南部で初めて活動を開始した。一方イスラエルは、武装パレスチナ
人を一掃を断念する用意がある、とイスラエル治安筋は発表した。憲法裁判所は大学学費の禁止を取り消す
（カールスルーエ）連邦憲法裁判所は、入学最初の学期からの大学
の学費の徴収に道を開いた。社会民主党と緑の党の連立政権が決定
した手数料の禁止は無効である、連邦はこの問題に関して法律上の
権限を持っていないからである、とカールスルーエの同法廷は決定
を下した。これにより同法廷第2部は、キリスト教民主、社会同盟
が政権を握っているいくつかの州での裁判の主張を認めたことにな
る。バーデン・ヴュルテンベルク、バイエルン、ニーダーザクセ
ン、ハンブルク、ザールラントは約500オイロの学期ごとの学費を
徴収する方針である。逆に社会民主党が政権を持つほとんどすべて
の州では、最初の大学入学では学費がかからないままである。学生
団体はこの判決に対する抗議を行なう、と予告した。
１月２７日（木）
アウシュヴィッツ解放60年記念式
（ワルシャワ）ホロコーストの生存者、ロシアの退役兵、約40カ国の高官が、60
年前のアウシュヴィッツ絶滅収容所の解放を記念する感動的な式典に出席した。多
くの人が演説し、再び増えている反ユダヤ主義と人種差別に警告を発し、世界はこ
れ以上の大量殺戮を防止するために、あらゆることを行なわなければならない、と
述べた。イスラエル大統領モシェ カツアフは、アウシュヴィッツは人間性の歴史
に置ける犯罪のうちもっとも恐ろしい場所である、と述べた。ポーランド大統領ア
レクサンデル クワシニエフスキは、アウシュヴィッツ収容所は、25カ国の死者
をまつるヨーロッパ全体の墓地である、と述べた。ロシア首相ウラジミール プー
チンは、アウシュヴィッツで行なわれたような残虐行為を人間が行なえるというの
は不可解なことだ、と述べた。ドイツ大統領ホルスト ケーラーは、この記念式に
関連して、ホロコーストの記憶を生き生きしたものにとどめておくよう訴えた。
ドイツ占領下のアウシュヴィッツ絶滅収容所では、ナチが最大150万人を殺し、そ
の多くはユダヤ人であった。1945年1月27日にソ連兵がアウシュヴィッツを解放
した。
その他のニュース
ネオナチに対する抵抗を強めるようにとのよびかけ
（ベルリン）ネオファシズムとの戦いを強めるようにとの訴えが、
アウシュヴィッツ解放60周年記念式を迎えたドイツでは強まって
いる。連邦議会で行なわれた記念の時間では、国会議長ティールゼ
が警戒するように訴え、ザクセン州議会での国家民主党問題で誰の
目にも明らかになったのは、ドイツの議会にネオ・ナチが再び議席
を得ているということである、と述べた。いくつかの強制収容所と
死の行進を生き延びたユダヤの歴史家アルノ ルスティガーも、民
主主義の敵が生まれたときには、ドイツの憲法裁判所は最後には穏
健な態度を撤回しなければならない、と述べた。イラクでの虐待に関する裁判は英国兵に不利な情勢
（オスナブリュック）イラクの一般市民に対する虐待の疑いで訴え
られている英国兵3人は、不利な情勢である。オスナブリュックの
軍事法廷では、彼らが軍曹の指示に従ってテントの支柱を使って虐
待を行なった、その後イラク人4人が性的虐待の実験を強いられ
た、と目撃者が述べた。イラクの都市バスラでの虐待の写真をとっ
た兵士の証言が行なわれた。訴えられた兵士たちはイラクに派兵さ
れる前は、ドイツのニーダーザクセン州に駐留していた。イラクで攻撃 死者14人
（バグダード）イラクでの選挙まで3日、急進派の戦闘員の襲撃お
よび攻撃で、少なくとも12人のイラク人と2人の米兵が死亡した。
激しい攻撃がサマラ市で行なわれ、自殺攻撃犯が自動車とともに爆
死し、7人が巻き添えになった。米兵はルトバおよびバァクーバで
死亡した。
１月２８日（金）
国外在住のイラク人の投票始まる
（ケルン、バグダード）国外の14カ国に住む数千人のイラク人が、数十年ぶりの
自由な国会議員選挙の投票を開始した。ドイツだけで26,500人が選挙人名簿に登
録されている。投票所はベルリン、ケルン、マンハイム、ミュンヘンにある。郵便
による投票は認められていないので、ポーランドおよびチェコにいる有権者もドイ
ツで投票する予定である。このほかに大きなイラク人社会は、イラン、スウェーデ
ン、オーストラリアにもある。
イラクでは選挙を2日後に控え、占領軍と投票所に対する攻撃がいくつかの地域で
行なわれ、少なくとも10人のイラク人と5人の米兵が死亡した。イラクの国境は閉
鎖され、国内での旅行の自由は制限され、外出禁止措置は強化された。
その他のニュース
シュレーダーは投機税に賛成
（ダヴォス）独首相シュレーダーは、アフリカを中心とするエイズ
と貧困との戦いの財源を確保するため、国際的な投機税の導入に賛
成である、と述べた。ただし、ダヴォスで開かれている世界経済公
開討論会に出席している彼は、仏大統領シラクのこの提案が、工業
国諸国の間で合意に達することは難しい、とも付け加えた。シラク
は、大規模な投資に対する世界規模の税金を導入するように提案し
ていた。独蔵相アイヒェルは以前、このような税金に対して懐疑的
な意見を述べていた。ノーベル賞受賞者トービンの計画によれば、
しばらく前からこの税金に関しては議論が行なわれている。ドイツ
銀行連合は態度表明の中で、経済成長と雇用に対して悪い影響を与
える、と警告していた。サッカー審判ホイツァーは5万オイロを受け取っていた模様
（フランクフルト・マイン）ドイツサッカー連盟は、審判ホイツァ
ーの収賄事件で、次の試合日の前に予防措置を講じた。目撃者とし
て発言した審判の2人は、週末には予定を変更して試合には搭乗し
ない。サッカー連盟はその理由として、審判に対する保護義務があ
ることを挙げた。「南ドイツ新聞」の報道によれば、ホイツァー
は、自分に任された試合を操作し、5万オイロを受け取っていた、
とされている。彼自身は5桁の賄賂を受け取ったと述べていた。サ
ッカー連盟会長ツヴァンツィガーは、この事件のため、試合を再び
実施しなければならなくなる可能性がある、と述べた。一方いくつ
かのクラブとくじ会社は法的な手段に訴える、と予告した。連邦内
相シリーは、サッカー連盟に、この恥ずべき出来事を早急に解明す
るように求めた。ボッフムのオーペル社に新たな機会
（エッセン）自動車製造会社ジェネラル モーターズは、ボッフム
のオーペル工場を維持する方針であるが、さらに大規模な支出削減
を強いる。ジェネラル モーターズのヨーロッパの社長フォルスタ
ーは、エッセン州の事業所被雇用者総会で、ボッフムで今後も自動
車を製造することを検討している、これによりおそらく2010年ま
で同工場が稼働されることになる、と述べた。ただしその後の保証
はできない、とのことである。ジェネラル モーターズはオーペル
社で合わせて約1万人を馘首する方針である。従業員は長期的にも
約2割の収入減を覚悟しなければならない、と事業所被雇用者総会
では述べられている。オーペル社の事業所委員会の広報は、雇用を
長期的に安定させるためにさらに交渉を行なう用意がある、と述べ
た。
１月２９日（土）
イラク選挙を前に暴力が激化 米大使館に榴弾
（バグダード）大がかりな安全確保対策と、兵士と警官の動員が行なわれている
が、国会議員選挙の前日のイラクでは、再び多数の攻撃と襲撃があり、20人以上
が死亡した、と報じられている。夕刻には首都バグダードの米国大使館に榴弾が撃
ち込まれた。米国人2人が死亡し、4人が負傷した。米兵1人がバグダード西部で攻
撃を受け、犠牲となった。クルド人の住む北部のハナキンだけでも、米国とイラク
の調整を担当する事務所の前で自殺攻撃が行なわれ、8人が死亡した。イラク各地
の都市数ヶ所で、投票所が襲撃を受けたり銃撃を受けたりした。
反乱勢力の拠点ラマディとファッルージャでは、合わせて5人の兵士が死亡して見
つかった。蜂起勢力は、彼らは米国の占領軍に協力している、と非難していた。
イラクの非常事態は1カ月ほど続いている。
その他のニュース
大統領アル ヤワル「有権者の過半数が投票を行なわないだろう」
（バグダード、ベルリン）イラク暫定大統領アル ヤワルは、イラ
ク人の過半数が日曜日の国会議員選挙には参加しないだろう、と語
った。その原因は投票拒否ではなく、治安状況が劣悪であるための
不安である、とバグダードで開かれた記者会見で述べた。その後彼
はこの声明を撤回し、最大で有権者の3分の2が投票を行なう、と
述べた。移行政府はモースル地域で、スンニー派の反乱勢力に対し
て軍事攻勢にでる、と予告した。選挙後には、武力を持つ勢力に対
して厳しい措置が計画されている、と閣僚マーモ ファルハン オ
トマンは「新オスナブリュック新聞」のインタヴューで述べた。ま
た、イラクの安定にとって最大の危険は、アル カーイダに近い立
場の急進派ではなく、元大統領サッダーム フセインのバース党の
支持者である、とも発言した。インドネシアはドイツの早期警戒態勢を導入の方針
（マインツ）インドネシアはドイツの津波早期警戒態勢を導入する
ことを決定した。連邦研究大臣ブルマーンは、これに関連するZDF
の報道を確認した。インドネシア研究大臣クスマヤント カディマ
ンはZDFに、10月にはドイツの調査船が海上浮標を沿岸意設置す
ることになっている、と述べていた。インド洋に共通の早期警戒態
勢を備えるための国際会議は、先週の神戸での会議に引き続いて、
タイのプーケット党でも合意に達することはできなかった。タイ
は、バンコクにある災害予防の拠点を津波警戒の本部に拡大しよう
との提案を行なったが、過半数の賛成を得られなかった。今後本部
は国連の下に置かれることになる。アチェ州の和平協議は続く
（ヘルシンキ）インドネシア政府と、津波で荒廃した不穏な空気に
包まれるアチェ州の反乱勢力は、「近い将来に」和平対話を続行す
る方針である。フィンランドで開かれていた会談を予定より早く終
わらせた後、代表団がこれを認める発言を行なった。仲介役を務め
た元フィンランド大統領アハティサーリは、ヘルシンキでの最初の
話し合いは、主として洪水災害後の人道的な問題をめぐって行なわ
れた、と述べた。インドネシア情報相ジャリルは、話し合いの中心
は包括的な和平協定と、アチェ州の部分的な自治の問題であった、
と述べた。
１月３０日（日）
イラク国会議員選挙 投票率は60%
（バグダード）占領軍とイラクの治安部隊が大規模に警護態勢をとる中、イラク人
数百万人が移行国会議員の選挙を行なった。投票の大勢が判明するまでには数日か
かる見込みである。中央選挙委員会は、バグダードでの記者会見で、投票率の予想
を上方修正し、登録した有権者の60%以上が投票したと見られる、と発表した。国
際監視団は、予想通りシーア派とクルド人が積極的に投票を行なった、と述べた。
スンニー派の多く住む地域では、選挙に参加しないようにとの呼びかけに応えて、
多くの投票所が空っぽのままであった。政権とは独立の立場の監視委員会によれ
ば、「ごまかし」や違法行為は極めて少数に留まった、とのことである。攻撃が行
なわれ、選挙に暗い影を投げかけ、政府の情報によれば少なくとも36人が死亡し
た。
その他のニュース
ブッシュ「圧倒的な勝利」 独政府「民主化への一歩」
（ワシントン、ベルリン）米大統領ブッシュはイラクでの選挙を圧
倒的な勝利である、と評価した。イラク人多数が、大変な危険を冒
して、テロリストの宣伝を受け入れなかった、暴力は選挙後も続く
が、民主化までの道を進まなければならない、とブッシュはワシン
トンで述べた。ドイツ連邦政府は、今回の選挙は民主主義体制確立
のための重要な一歩を印し、イラクの命運を自分の手にとり戻すの
だ、とのイラク人の意志を示した、との声明を発表した。すべての
人種と宗教組織が政治的な方針の決定に完全に参加することが重要
である、とも発表した。国外のイラク人による投票も活発
（ベルリン）ドイツでは国外在住のイラク人数千人が、イラク国民
議会選挙で自らの票を行使した。3日間の投票日の最後である日曜
日には、ベルリン、ケルン、ミュンヘン、マンハイムでは良い雰囲
気の中、突発事件もなく、投票が行なわれた、と国際移民団体が発
表した。ドイツ各地には26,000人を越える有権者が選挙人登録を
行なった。この数字はドイツに住むイラク人の47%にあたる。世界
各地で暮らすイラク人は14の国で投票を行なうことができた。モファズ「西ヨルダンランドから即時撤退の用意」
ガザ地区からの撤退には抗議運動（エルサレム）イスラエルは西ヨルダンランドの各都市から早急に
撤退する用意がある、と国防相モファズは述べた。元パレスチナ治
安大臣ダーランとの会談後モファズは、監督権のパレスチナ側への
移譲は数日後にも可能である、と述べた。ラジオ報道によれば、ラ
マラとトゥルカレムが、パレスチナ自治当局の責任かに置かれる最
初の都市で、カルキリヤとジェリコがその次になる可能性がある。
ガザ地区からの撤退計画に反対して、イスラエル人数千人、そのほ
とんどは入植者が、エルサレムの国会の建物前で抗議活動を行なっ
た。警察によれば、参加したのは13万人で、首相シャローンの撤
退計画に対するものとしては最大の抗議集会である。