1月24日〜1月30日のオーストリアのニュース



1月24日(月)

     国外ニュース

ブッシュは軍にさらに800億ドルを支出する方針の模様

ジョージ W. ブッシュを大統領とする米国政府は、イラクおよびア
フガニスタンへの派兵の財源として今年さらに800億ドルを支出す
る提案を行なう方針をたてている模様である。昨日の政府および議
会筋からの情報では、関連する通告は火曜日にも出される。すでに
可決されている緊急措置の250億ドルとあわせて、2005年の軍の
作戦活動にかかる全経費は、過去最高の1,050億ドルにのぼる。補
正予算は2月に形式的に議会に提出される。アジア南部のでの洪水
被災地域での軍の作戦活動および再建の費用として、6億5千万ド
ルもその中に含まれることになる、と見られている。

     国内ニュース

郵便局首脳会談では補償による解決を検討

火曜日午後、運輸省では4回目となるいわゆる郵便局首脳会談が開
かれる。ここの会議では357箇所の郵便局の閉鎖予定と、これを補
償することによる解決を目指す話し合いが行なわれる。郵便側はい
わゆる閉鎖の危機にある郵便局を持つ市長の会議での中間報告を提
出する。郵便の経営陣は、関係する地方自治体の市長とのこの会談
で、別の案出合意に達するべく努力している。この首脳会談には政
務次官エドゥアルト マイノニ(自由党)と郵便、地方自治体連
合、経済会議の代表者が出席する。




1月25日(火)

     国外ニュース

ダヴォスでは経済公開討論会
ポルト アレグレでは社会福祉公開討論会

スイスの冬のスポーツの拠点ダヴォスでは水曜日に第35回世界経
済公開討論会が始まる。これと並行してブラジルのポルト アレグ
レでは世界社会福祉公開討論会が行なわれる。これは経済の世界規
模化に反対する勢力が主催するものである。ダヴォス会議の議事日
程の最重要項目としては、貧困およびエイズとの戦いが掲げられて
いる。5日間のこの会議には、例年通り政治家と主要な企業の経営
者が参加する。フランス大統領ジャック シラクと英国首相トニー 
ブレアが冒頭で演説を行ない、ドイツ首相ゲアハルト シュレーダ
ーは金曜日に報告を行なう。ポルト アレグレの討論会では、約
10万人の参加者が6日間にわたり、経済の世界規模化の影響、貧困
との戦い、イラク戦争について話し合うことにしている。アジアで
起きた洪水災害も、一つの分科会の議題となる。ブラジル大統領ル
イス イナシオ ルラ ダ シルヴァと文化大臣ジルベルト ジル
が出席することになっている。

     国内ニュース

内閣改造が2005年最初の国会の会議で取り上げられる

自由党の閣僚の人事が新年最初の国民議会の主要議題である。新社
会福祉大臣ウルスラ ハオプナーとその政務次官シーギスベルト 
ドーリンシェクは、大統領ハインツ フィッシャーによる就任宣誓
に続いて、午前中に彼らの新たな役割について国会議員に自らの考
えを述べる。国民党の代表が、首相ウォルフガング シュッセルと
共に、国会の論戦の冒頭の言葉を述べる。前日には副首相フーバー
ト ゴルバッハ(自由党)は、国民評議会議員選挙前に自由党の閣
僚のこれ以上の交代はない、と述べていた。自由党党首ウルスラ 
ハオプナーの副首相就任は取り上げられない、と閣議後ゴルバッハ
は強調した。




1月26日(水)

     国外ニュース

イラクではヘリが墜落 米兵31人が死亡

イラクでは水曜日ヘリコプターが墜落し、少なくとも31人の米兵
が死亡した、と軍の情報として米国では報道された。このほかに2
件の事件があり、5人の米兵が死亡した。合わせて36人の死者がで
たこの日は、2003年3月23日以降、米軍が出した損害がもっとも
多い日となった。この日には米国人31人が死亡していた。ヘリコ
プター墜落の原因は今のところ不明である。ただし目撃者は、ミサ
イルが命中した後、爆弾が爆発したような印象を持っている、と述
べた。米軍はその後、撃墜されたとの証拠はない、と発表した。
「天候が悪く、敵が活動していたとの情報を持っていない」と米国
中央司令部長官ジョン アビザイドはワシントンの記者会見で述べ
た。

     国内ニュース

兵役代替役務委員会の活動終了

兵役代替役務の検討委員会は木曜日に最後の会合を行なう。兵役代
替役務の期間短縮問題に関する合意には至らない見通しである。そ
のためには議会で3分の2の多数の賛成が必要であり、すなわち社
会民主党の賛成が不可欠であるからである。今日採決され、内務大
臣リーゼ プロコプ(国民党)に送られる同委員会の報告書の中
で、同委員会議長フレディ マイアーはあるひな形を提案してい
る。兵役期間の短縮計画と並行して、現在12ヶ月の代替役務の期
間を最初の段階として、9カ月に短縮する、と言うものである。自
由意志でこの期間を後3ヶ月延長することが可能である。3年後に
は、さらなる短縮が可能かどうかを判断する。給与の問題に関して
はこの報告書では具体的な評価をしていない。




1月27日(木)

     国外ニュース

アラウィの秘書の殺害を写したヴィデオが公開

イスラーム系のインターネットサイトでは、ある男の殺害を写した
ヴィデオが流された。射殺されたのは、イラク首相イヤド アラウ
ィの秘書サレム ジャアファル エル カナニである、とされてい
る。このヴィデオはアル カーイダとつながりのあるアブ ムサブ
 エル ザルカウィの組織が作ったものだ、とのことである。殺さ
れる前に彼はカメラに向かって「すべてのイラク人、特に若者は、
敵意ある占領者を支援したり、協力してはならない」と述べてい
た。カナニは、アラウィの政党に属し、日曜日に予定されている国
会議員選挙の準備を行なっていた、と述べた。エル ザルカウィの
組織と、その他の急進派イスラーム教徒は数週間前から攻撃を行な
ってこの選挙を妨害しようとしている。

     国内ニュース

国民党は2006年に兵役期間を短縮する方針を堅持

国民党は基礎的兵役期間の短縮を単独でも実施する構えである。
2006年1月1日から、兵役は現在の8カ月にかわって、6カ月に短
縮される、と「クライネ ツァイトゥング」紙は報じている。国防
大臣ギュンター プラター(国民党)は、兵役法が6カ月の兵役期
間を予定しているのであるから、単独でもそのように支持すること
はできる。一方連立与党の自由党は「同じ船には乗っていない。国
民党がその責任を負わなければならないが、これはうまい解決では
ない」と副首相フーバート ゴルバッハは述べた。プラターは国防
軍改革委員会議長ヘルムート ツィルクとの共同記者会見で、兵役
期間の短縮を発表することになっている。兵役法の第20条では、
兵役期間は6カ月と定められており、必要がある場合には8ヶ月を
上限として延長できる。




1月28日(金)

     国外ニュース

台湾と中国間の直行便が数十年ぶりに

55年ぶりに台湾から中国本土への直行の旅客機が出発した。中国
航空のエアバスA330-300が台北空港から、北京へ向けて飛び立
った。しばらく後に中国南方航空の飛行機が広州から台湾に向け
て、1949年以来となる路線に飛び立った。この飛行は、台湾と中
華人民共和国政府の間の合意の一部である。この合意に基づき、1
月末から2月20日までの間、台湾の旅客機会社が中国の正月の祭り
に合わせて直行便を飛ばすことが認められた。合わせて48機のチ
ャーター便が予定されている。今までは台湾人は故郷を訪問するた
めには、直行便がなかったため、のり継ぎ便を利用しなければなら
なかった。内戦後誕生した両国の関係は、数十年前から緊迫してい
た。人民共和国側は、国民党が建国した台湾を自らの高権の及ぶ地
域であると見なし、全中国を代表する権限を有している、と主張し
ていたためである。

     国内ニュース

フィッシャーはロマ襲撃の慰霊式で警告

金曜午後、10年前にオーバーワルトの爆弾事件で死亡した4人のロ
マの戒めの記念碑のとろこで、記念式典が行なわれた。連邦大統領
ハインツ フィッシャーは、暴力が政治の道具として使われてはな
らない、と戒めた。1995年2月4日夜、オーバーワルトのロマの入
植地出身の4人の男が、「ロマはインドへ帰れ」とかかれた標識を
はがそうとしたところ、殺された。犯行の首謀者として、爆弾を製
造したフランツ フクスが1999年に有罪判決を受けた。




1月29日(土)

     国外ニュース

シャローンとアッバスの会合が設定される

イスラエル首相アリエル シャローンは、2月の2週目にパレスチ
ナ大統領マハムード アッバスと会談する方針である、とシャロー
ンの広報は発表した。その会合では、両者の関係の改善と、暴力の
阻止にむけた対策が話し合われるだろう、と述べた。今月初めにパ
レスチナ大統領に選ばれたアッバスは、今までシャローンとは会談
していなかった。話し合いでは、暴力行為が続いていたため長期間
にわたって中断したままになっている、和平に向けた協議が行なわ
れることが期待されている。一方イスラエル国防相シャウル モフ
ァスとパレスチナ治安大臣モハメド ダーランは、昨日午後、西ヨ
ルダンランドの治安をパレスチナ人にゆだねる計画について議論し
た。シャローンとアッバスの会談後、パレスチナ警察がラマラ、カ
ルキリヤ、トゥルカレム、ジェリコ、ベツレヘムの5つの都市の監
督を引き受けることになっている。急進派パレスチナ人組織は、再
び暴力行使を中止すると提案しているが、ただしそれには大規模な
条件がつけられている。

     国内ニュース

プロコップは亡命法を「防水」にする方針

内務大臣リーゼ プロコプ(国民党)は、自由党から批判が出てい
るにもかかわらず、自分の亡命政策の方針を断固維持している。
「現実の要請に即した亡命法を作らなければならない。我々は亡命
の乱用を止めたいと思っている」と彼女は「クリール」紙に述べ
た。「我々はこの法律を大きく修正し、また新たに起草するつもり
だ。必要とされているのは水も漏らさぬ法律と憲法に明確に合致し
ていることである」とも語った。EU委員会は、外国人の専門家に
対して特別な労働許可(グリーンカード)を発行することを計画し
ているが、彼女はこの計画に賛成する意向を示した。




1月30日(日)

     国外ニュース

イラクでは英軍機が墜落 最大15人の死者

英国の輸送機が日曜日、首都バグダード近郊で墜落した。ロンドン
の英国国防省広報がこれを確認した。この墜落では、10ないし15
人の英国兵が死亡した、と軍情報として英国では報じられている。
英国首相トニー ブレアは、何人かの兵士が死亡したことを認め
た。ただし彼自身は犠牲者の数に関する情報も、墜落に関する情報
も発表しなかった。米国の放送局CNNの情報によれば、墜落したの
はハーキュリーズC130型機で、残骸が広い地域に広がっており、
乗組員が何人であったかは不明で、ヘリコプターが事故現場に向か
った、とのことである。

     国内ニュース

ハイダー「連立は私にはもはや関係ない」

ケルンテン州首相で自由党元党首イエルク ハイダーは、自分の政
治活動に対して国定的な評価を下した。「デア シュタンダルト」
紙のインタヴューの中でかれは、今は党の幹部に復帰するとの野心
は持っていない、と述べた。「今はこれは問題にならない。私が全
幅の信頼を置く人たちが党幹部職にいるからだ」と強調した。彼は
1999年にケルンテン州の住民に対して、「5年間は完全にケルン
テン州首相を勤める」と約束しており、「私は2000年にシュッセ
ルとともに署名したことを守る責任を感じている。現在の連立政権
はもはや私には関係がない」と述べた。



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