2月7日〜2月13日のドイツのニュース



2月7日(月)

近東停戦に関する声明が出されると発表

(エルサレム)イスラエル首相アリエル シャローンとパレスチナ大統領マハムー
ド アッバスは、火曜日にエジプトで首脳会談を行ない、停戦状態が発表される、
と交渉を担当する両者の高官が述べた。シャルム エル シャイクの議場には関連
する協定が署名を待つばかりになった状態で準備されている、とのことである。イ
スラエル側は、自殺攻撃を図る者を殺害する権利を留保している、と強調してい
る。
パレスチナ人数千人がガザ地区でデモを行ない、イスラエルの収容所にいるパレス
チナ人の解放を要求した。アッバスに対しては、パレスチナ人被拘禁者に自由が与
えられないのであれば、この首脳会談で譲歩してはならない、との圧力が自分の陣
営からかかっている。

     その他のニュース

米外相ライスはパレスチナ人に支援を提案

(ラマラ)米国は近東和平実現に向けてさらに努力を行なう方針で
ある。外相ライスは、ラマラで開かれた記者会見にパレスチナ大統
領アッバスと共に出席し、パレスチナ人にその治安部隊改革を支援
し、今後実現する可能性のある停戦を監視を担当する米国の治安調
整官を任命する、と予告し、海軍少尉ウォードがこれに就任する、
と述べた。さらに米国は今後3カ月で、雇用を産み出し、産業基盤
を再建するために、4千万ドル以上をパレスチナ自治当局に支払う
、とも述べた。アッバスとイスラエル首相シャローンは米大統領ブ
ッシュの招待を受け、春にワシントンを訪れ会談を行なう、ともラ
イスは発表した。新米国外相である彼女は、対立する両者に対し
て、意見を近づける機会を利用するように訴えた。

バァクーバとモースルで自殺攻撃 死者多数

(バグダード)イラクのバァクーバとモースルではほぼ同時に攻撃
が行なわれ、少なくとも27人が死亡、多くの人が負傷した。いず
れも警官を狙った攻撃であった。反乱勢力の拠点バァクーバでは、
新兵募集事務所を破壊すべく、爆薬を積んだ自動車が爆発した。も
う一つの攻撃はモースルで、爆薬を体に巻きつけた男が警官の集団
の近くで爆死した。インターネット上で、イラクのアル カーイダ
組織がこの攻撃を行なったことを認めた。またイタリア人記者を誘
拐したイラクの急進派組織は、彼女の釈放を検討している。彼女は
スパイではないので釈放する、との声明を誘拐犯は出した。

ブッシュの予算は武器と国土防衛に多額の支出

(ワシントン)教育、公正、環境、住宅建設に対する支出を削減す
ることで、米国大統領ブッシュは、来年度の国家予算の赤字を370
億ドル減らし、3,900億ドルに削減する。これは昨日公表された大
統領府の予算案で示されている。武器調達、国土防衛、国際支援の
予算は増額した。この予算には、イラクおよびアフガニスタンに対
する軍派遣のために今後予想される支出は含まれていない。またブ
ッシュが目指している国の年金保険改革に必要な費用も取り上げら
れていない。大統領府は今後数ヶ月かけて議会と討議するこの予算
案は、総額2兆5千億ドルである。




2月8日(火)

パレスチナとイスラエルが停戦に合意

(カイロ)イスラエルとパレスチナは停戦に合意した。イスラエル首相アリエル 
シャローンとパレスチナ大統領マハムード アッバスが、エジプトのシャルム エ
ル シャイクでの近東首脳会談後、これを発表した。これにより4年以上続いたパ
レスチナ人蜂起は、正式には終了することになる。ただし急進派イスラーム運動ハ
マースは当面の反応として、停戦には拘束されていない、とみ見ており、アッバス
の発言は、パレスチナ人内部の対話がもたらしたものではない、と述べた。
シャルム エル シャイクでは、イスラエル軍が3週間以内に西ヨルダンランドの
5都市から完全に撤退し、管轄権を自治政府にゆだねる、ことが決定された、とパ
レスチナ側は発表している。水曜日にも、ジェリコの移譲の準備をするために、軍
代表部が会合を持った、とのことである。
またシャローンもパレスチナ人500人のイスラエル収容所から釈放することを約束
した、とのことである。その後、400人の収容者が解放されることになっている。

     その他のニュース

エジプトとヨルダンはイスラエルに大使派遣

(カイロ)近東首脳会談の成果に対して、エジプトとヨルダンはイ
スラエルとの完全な外交家行けいを再開する方針である。エジプト
外相アフメド アブル ゲイトは、同国とヨルダンは2週間以内に
イスラエルに大使を派遣する、と発表した。両国は2000年9月以
来、外交代表部を派遣していなかった。独首相シュレーダーはイス
ラエルとパレスチナの暴力行使の中止を、近東和平にむけた重要な
一歩である、と評した。EU外務委員フェレーロ・ワルトナーは、
EUが総額2億5千万オイロの支援を約束し、諸外国が提案した和平
計画いわゆる「行程表」を実施に移すことが重要だ、と述べた。こ
の計画には独立したパレスチナ人国家の創設が含まれている。

米外相はヨーロッパとの一体となることを誓う

(パリ)新米外相ライスは、欧米関係を新たな章に入れるように呼
びかけた。米大統領ブッシュは、米国とヨーロッパの関係を強化す
る決意である、とライスはパリで開かれた環大西洋関係にむけた基
調演説の中で述べた。ライスの言葉どおり引用すれば、正しい側、
すなわち自由に基づいて立っている国々は、他の国々が自由への道
を歩むのを協力する義務を負っている、と述べた。またライスは、
ヨーロッパ統一の過程を歓迎するが、米国政府はEUを敵対勢力と
してではなく、協力者として捉えている、と強調した。ライスはこ
の前にイタリアを公式訪問していた。イタリアでは彼女は、イラク
戦争をめぐる対立を最終的に解決するように呼びかけた。

バグダードで攻撃 死者20人を越える

(バグダード)バグダードでは自殺攻撃があり、複数の情報によれ
ば、21人が死亡した。当局によれば、この犯人はイスラエル国軍
の新兵募集所前で爆死した。蜂起勢力と治安部隊がバグダード西部
で交戦し、イラク人3人が死亡した。またバグダードでは国民党の
指導者ミタル アル アルシの車が銃撃を受けた。その際彼の息子
2人が死亡したが、アルシ自身は負傷もしなかった。北部の都市モ
ースルでは、クルド人民主党の党員2人が暗殺された。一方イスラ
ーム教徒組織がインターネットで、金曜日にバグダードで誘拐した
イタリア人記者スグレナを殺害した、と発表した。56歳の彼女
は、米国のスパイであったために処刑された、と述べている。




2月9日(水)

公勤務従事者の労働契約改革決定

(ポツダム)労働組合と使用者側は、連邦および地方自治体の公勤務従事者230万
人の労働契約の改革を決定した。連邦内務大臣オットー シリーおよび地方自治体
の使用者側と労働組合ver.diがこれをポツダムで発表した。合意の核は、業績重視
の給与制度の強化である。西側の公務員は、各回300オイロの一時金を3回受けと
り、東部では賃金水準が92.5%から97%にあげられる。連邦の公務員は、一律週
39時間労働となる。地方自治体の労働時間は、東部では今まで通り週40時間、西
部では38.5時間である。勤務時間は今後は仕事内容によって柔軟に定められる。
新たな契約の有効期間は35カ月である。各州の公勤務従事者にはこの契約締結は
当面行なわれない。

     その他のニュース

政治の灰の水曜日で激しいやりとり

(パッサオ、ケルン)政治の灰の水曜日は、高い失業率と国家民主
党NPDの成功を背景に、各党の対立が強まっている。パッサオで
は、キリスト教社会同盟党首シュトイバーが、この両者の責任は連
邦政府の経済政策にある、と述べた。連邦首相シュレーダーは、ケ
ルンで開かれた社会民主党の集会で、労働市場改革を擁護し、シュ
トイバーこのように批判することで、右派急進勢力を利していると
非難した。緑の党はビーベラッハで集会を開き、会派の代表ゲーリ
ング・エックハルトは、シュトイバーに発言を撤回するよう求め
た。キリスト教民主同盟党首メルケルも、シュレースヴィヒ・ホル
シュタイン州のノイミュンスターで、連邦政府の経済政策を攻撃
し、シュトイバーの後押しをした。自由民主党党首ヴェスターヴェ
レは、シュトイバーとシュレーダーに、国家民主党をめぐる対立で
は双方に責任を押しつけあうのを止めるように求めた。

イスラエルはパレスチナに対する制限を解除

(エルサレム)パレスチナ側との停戦協定が結ばれて1日、イスラ
エルは制限措置の解除に着手した。ガザ地区への境界通過地点エレ
スが再び開かれ、イスラエルの報道によれば、約1,500人のパレス
チナ人労働者と商人が、イスラエルへの立ち入り許可を得た。また
イスラエルは、さらに5百人のパレスチナ人逮捕者を釈放し、国際
支援組織の約4百人が、今後自由に西ヨルダンランドおよびガザ地
区へ移動することを許可する方針である。 ガザ地区では、道端に
爆弾を仕掛けようとしたパレスチナ人が、誤って爆発させ、死亡し
た。

イラクでは暗殺と誘拐が続く

(バグダード)イラクでは暗殺と誘拐が続いている。バスラ市では
米国から財政支援を受けているアラビア語のテレヴィ局エル フラ
の通信員が殺害された。バグダードでは何者かが内務省の幹部職員
を誘拐した。また建設省の高官が車に乗っていたところを射殺され
た。金曜日に誘拐されたイタリア人記者スグレナの運命はまだ不明
である。イスラーム急進派組織はインターネットサイトで、スグレ
ナを殺害した、と発表した。イタリアの新聞「宣言」紙と「コリエ
レ デラ セラ」は、彼女はまだ生存している、と報じた。




2月10日(木)〜12(土)
お休みです。




2月13日(日)

1945年2月ドレスデン爆撃の追悼式典

(ドレスデン)ドレスデンが破壊されて60年目の日に、5万人以上の人が右派急進
勢力に反対する声をあげた。ドレスデンの住民と来客が、ろうそくに火をともし
て、戦争と暴力の犠牲者を追悼し、右派急進勢力による歴史の正当化に抗議する声
をあげた。これに先立ち、約4千人のネオナチが、ドレスデンの街を示威行進して
いた。正式の追悼式典はあさに行なわれたドレスデン十字架教会での礼拝で始まっ
ていた。ザクセン州首相ゲオルグ ミルブラントとドレスデン市長インゴルフ ロ
ースベルクが犠牲者の追悼碑に花輪を供えた。彼らのほかに、米英仏の大使も出席
した。東部復興大臣マンフレート シュトルペは、全体が和解することが重要であ
る、と述べた。
1945年2月13日と14日の連合軍の空爆では、約3万5千人が死亡した、と見られ
ている。

     その他のニュース

シーア派政党がイラクの国会議員選挙では勝利

(バグダード)大アヤトッラーのシスターニが支援するシーア派の
選挙連合「統一イラク連盟」が、イラク移行国会の選挙で勝利した
が、絶対多数には達することができなかった。バグダードの選挙委
員会は、投票の48.2%を同連盟が獲得した、と述べた。また、クル
ド人政党のうちもっとも力のある2つの政党からなる選挙連合は
25.4%、移行政府の首相アラウィの選挙人名簿は13.6%を得た、と
のことである。合わせて12の政党が国会に代表を送った。投票率
はおよそ59%である、と選挙委員会は発表した。少数派スンニー派
は、1月30日の選挙に参加しなかった。勢力関係から見て、組閣に
は時間がかかるものとみられている。

シリーは湾岸諸国での安全確保への協力で合意

(マナマ)連邦内相シリーは、湾岸諸国訪問の第2の訪問先である
バーレーン入りした。同国の首脳との会談では主として、ドイツが
中心となって進めているアフガニスタン警察の立て直しに、同国が
参加することが取り上げられる。これより前にカタールでの会談で
は、安全保障分野でさらに密接な虚慮区をすることが取り上げられ
た。カタールではシリーは、安全保障協定に署名をしていた。これ
は、テロ組織との戦い、国境および沿岸防衛の再建、スポーツ競技
場の安全確保での協力を内容とするものである。高速鉄道トランス
ラピートも議題に取り上げられた。いくつかの湾岸の国々が、この
リニアモーターカーに関心を示している、とのことである。シリー
の訪問先は次は月曜日のアラブ首長国連邦である。

フィッシャーとアナンは国連改革に理解を訴える

(ミュンヘン)国連事務総長アナンと独外相フィッシャーは、ミュ
ンヘン安全保障会議で、国連改革に理解を求めた。アナンは欧州と
米国の安全保障の専門家約250人を前に、世界全体の安全の前提を
整えることに協力するように訴えた。独外相フィッシャーは、国連
はさらに効率的になり、透明性を高めなければならない、と述べ
た。彼は米国に対して、これを進めるにあたって主導的な立場を引
き受けるように求めた。米国上院議員クリントンは、米国で国連の
包括的な改革に努力すると約束した。フィッシャーはミュンヘン
で、首相シュレーダーのNATO革新計画の提案を再び擁護し、これ
は決してNATOの終わりを意味するものではない、NATOは欧米双
方の文明の精華である、と述べた。



今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system