2月21日〜2月27日のドイツのニュース



2月21日(月)

ブッシュはヨーロッパに連帯を呼びかける

(ブリュッセル)米国大統領ジョージ W. ブッシュは、ヨーロッパ人に対して、と
もに民主主義と自由を守るために、あらためて連帯するよう呼びかけた。過去の立
場の相違は薄まった、とベルギーの首都ブリュッセルでブッシュは述べ、欧州と米
国は新たな時代に入った、とも述べた。彼は同時にヨーロッパ人に対して、近東及
び中東地域で自分が進めている新秩序確立に協力するように訴え、ヨーロッパは特
にイラク問題に関与すべきだ、と求めた。彼はシリアにはレバノンから撤退するよ
うに求め、またアラブ諸国には民主主義の基準により忠実であることを求めた。ブ
ッシュは、近東の未来は、欧米の未来と結びついている、と確信している、と述べ
た。5日間のヨーロッパ訪問の中でブッシュは、水曜日にはドイツ首相ゲアハルト
 シュレーダーとマインツで会談する予定である。

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EUはイラクの司法を支援

(ブリュッセル)EUはイラクの司法に従事する公務員育成計画を
可決した。加盟各国の外相はブリュッセルで会議を行ない、裁判
官、検察、警官約700人の養成計画を可決した。ただしこの養成は
安全面の理由から、イラク国外で行なわれることになっている。ま
た同時に各大臣はイラクで人質になっている人たちの解放を求め
た。イラクでは新たな攻撃が起こり、3人の米兵が殺害され、数人
が負傷した。

イスラエルはパレスチナ人逮捕者を釈放

(テル アヴィヴ)イスラエルはパレスチナ人逮捕者500人を釈放
し、これによって和平実現に向け重要な約束を果たしたことにな
る。家族たちは喜びの声をあげて、西ヨルダンランドの5ヶ所とガ
ザ地区との国境で、逮捕された人たちを出迎えた。当局の発表によ
れば、釈放された中にはイスラエル人を殺害したものは含まれてい
ない。逮捕者の釈放は、両者が停戦を宣言した後、パレスチナ人に
対してイスラエルが譲歩したことの一部である。イスラエルは今後
3ヶ月でさらに400人の逮捕者を釈放する。一方パレスチナ首脳部
は、イスラエルが逮捕している約8千人全員の釈放を求めている。

国連はアフガニスタンの悲惨な情勢を訴える

(カブール)アフガニスタンのタリバーンによる支配体制が終了し
てから3年以上たち、国連は中央アジアの同国の情勢について、悲
惨な総括を呈示した。カブールで酷評された報告書の中では、アフ
ガニスタンは世界の最貧国の一つである、とされている。同国の経
済は過去3年大きく発展したにもかかわらず、国民の半分は深刻な
貧困の中で暮らしている。また同国は安全確保に関して壊滅的な状
況にあると総括され、恐るべき高さの母親の死亡率と蔓延する文盲
と戦わねばならない、とされている。特に阿片の開墾と売買、民兵
の影響力がアフガニスタンの暴力の傾向を加速している、とも報告
書では述べられている。




2月22日(火)

ブッシュはNATOとEUとの連帯の道を探る

(ブリュッセル)NATO首脳会談の後、ジョージ W. ブッシュは米大統領として初
めてEU加盟25カ国の首脳と会談した。両者はブリュッセルで近東紛争で共通の対
策を取ることで合意し、さらにイラクに対して新たな支援会議を提案した。またブ
ッシュは、イランの核計画をめぐる紛争に関連して、米軍による即時攻撃が行なわ
れる恐れは「取るに足らないほど小さい」である、と述べた。これより前NATO加
盟国は、NATOにより大きな政治的な意義を与えることで合意した。これは独首相
ゲアハルト シュレーダーの要請を支持したものである。ブッシュとNATO事務長
ヤープ デ フープ シェファーは、過去の対立した年月は過ぎて、重要な問題で
意見が一つにまとまる傾向が強まった、と述べた。NATO加盟26カ国は、イラクの
治安部隊育成を支援する準備があることを発表した。

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シュレーダーはさらなる意見のすり寄せに期待

(マインツ)独首相シュレーダーは、ドイツ訪問中の米大統領ブッ
シュと、独米関係でさらに意見をすりよせることができる、と見て
いる。ブッシュのマインツ訪問を前にシュレーダーは「ビルト」紙
に寄稿し、両国はお互いを必要としており、テロとの戦いだけでな
く、エイズや地球温暖化との戦いでも、お互いに協力しあわなけれ
ば勝利を収めることができない、と述べた。マインツではブッシュ
訪問のための準備がとられた。市中心部は攻撃を受ける恐れから、
郵便ポストが取り外され、道路の側溝が溶接された。明日水曜日に
は学校は閉鎖され、マインツ周辺の高速道路はしばらく封鎖され
る。合わせて9千人の警官が投入される。

キールで州政府組閣のための初めての会談

(キール)シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州の州議会から2
日、社会民主党は少数派のデンマーク系の住民の政党と、社会民主
党と緑の党の少数政府を容認するかどうか、意向を探る会議を始め
て行なった。州首相ズィモニスは、「南シュレースヴィヒ有権者連
合」との会談後、この話し合いは友好的な雰囲気の中行なわれた、
今後も会談が行なわれる、と述べた。選挙では、社会民主党と緑の
党の連立政権も、キリスト教民主同盟と自由民主党が連立を組んで
も、それだけでは過半数には達しなかった。そのため「南シュレー
スヴィヒ有権者連合」が新州政府を結成する上で、鍵を握ることに
なっている。同連合はキリスト教民主同盟との話し合いも行なうつ
もりである、と予告している。

CSUとFDPは州選挙結果をめぐって対立

(ベルリン)キリスト教社会同盟と自由民主党は、シュレースヴィ
ヒ・ホルシュタイン州議会選挙で、過半数を取れなかったのは、相
手の責任であると主張している。自由民主党党首ヴェスターヴェレ
は「ビルト」紙に、バイエルン州首相シュトイバー(キリスト教社
会同盟)が、数ヶ月前からキリスト教民主同盟と自由民主党に対し
て弾幕をはったため、キリスト教民主、社会同盟側が選挙前の最後
の数ヶ月間で優位な状況を悪化させた、と述べた。これより前シュ
トイバーは、自由民主党が得票を減らしたことが、シュレースヴィ
ヒ・ホルシュタイン州でキリスト教民主同盟が勝利したにもかかわ
らず、政権を取れないことの原因である、と述べていた。キリスト
教民主同盟の幹部の中にも、自由民主党の熱意のなさを指摘する声
が上がった。




2月23日(水)

シュレーダーとブッシュが密接な協力を強調

(マインツ)ドイツ首相ゲアハルト シュレーダーと米国大統領ジョージ W. ブッ
シュは、立場が一つであることを示すことで、独米関係が新たな始まりに入ったこ
とを強調した。ブッシュはマインツを1日の日程で公式訪問しているが、イラク戦
争中の意見の対立は過去のものである、と両者は再び強調した。ブッシュは、ドイ
ツが民主的なイラクを建設する上で積極的に関与していることに感謝した。シュレ
ーダーは更なる支援を提案した。イランの核計画に関する対立では、ブッシュはド
イツ、フランス、英国による外交的手段で解決を図ろうという努力を支持した。2
人は、京都議定書に対する考え方の違いにもかかわらず、気候保護のための活動計
画に合意した。最後のブッシュはヴィースバーデンに駐留している米兵を面会し、
イラクでの活動に感謝した。その後ブッシュはスロヴァキアへ出発した。スロヴァ
キアでは木曜日にロシア大統領ウラディミール プーチンと会談する予定である。

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EUはトーゴに制裁を課すと威嚇

(ブリュッセル)EUは西アフリカのトーゴ共和国に、制裁措置を
課すと威嚇した。同国が憲法に基づく秩序を回復するために前向き
に取り組まないのであれば、EUは西アフリカ諸国経済共同体
ECOWASによってすでに課されている制裁を後押しするかもしれ
ない、とブリュッセルで発表した。トーゴでは死亡した大統領ニヤ
シンベ エヤデマの息子ファウレ ニヤシンベが、父の死後2日目
に大統領就任宣誓を行なっていた。国会はこれを憲法修正によって
正当化したが、国際的な抗議を受け、これを破棄していた。ただし
国会はニヤシンベの辞任を要求してはいない。

ウクライナはEU加盟に向け理解を求める

(ストラスブール)ウクライナ大統領ユシュチェンコは欧州議会
で、同国のEU加盟に向け宣伝活動を行なった。交渉は、ウクライ
ナが加盟条件を満たせば、2007年にも始まる可能性がある、と彼
はストラスブールで述べた。ユシュチェンコは早期の包括的な改革
を視野に入れている。その例として彼は、司法と報道機関の独立、
麻薬取り引き、不法移民、汚職との戦いを挙げた。

英兵がイラク人の虐待で有罪

(オスナブリュック)英国軍事法廷は兵士3人に対し、イラク人一
般市民への虐待で有罪判決を下した。ただし25歳から33歳のこの
兵士たちが有罪であると立証されたのは、当初の9つの容疑のうち
5つだけである。この兵士たちには最大で2年の拘禁刑と不名誉除
隊が言い渡される可能性がある。彼らは2003年5月にイラク南部
の都市バスラ近郊で、一般市民を打ち、いやしめた。判決は金曜日
に予定されている。




2月24日(木)

教皇は手術を受ける模様

(ローマ)教皇ヨハネ パウロ2世は、気管にメスを入れざるをえなくなるかもし
れない。ローマのジェメリ病院でまもなく手術が行なわれることになっている、と
イタリアの通信社ANSAが報じた。未確認の情報として報じられているのによれ
ば、教皇はすでに手術室へ向かっている、とのことである。84歳のカトリック教
会の指導者である彼は、インフルエンザが再発し、呼吸に困難を抱えて再び入院し
た。2月上旬に教皇はインフルエンザの兆候で10日間にわたって入院し、手当てを
受けた。退院後医師は、教皇はインフルエンザが再発しないとはいえない、と述べ
ていた。

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社民党のヴィシュネフスキ死去

(ケルン)社会民主党の政治家ヴィシュネフスキが死去した。彼は
82歳でケルンの病院でなくなった。東プロイセンに1922年に生ま
れた彼は、すぐれた外交手腕のゆえに、長い間微妙な問題を取り扱
うのに長けた人物と目されていた。多くの人にとって彼は「モガデ
ィシュの英雄」として記憶されている。1977年に連邦国境警備隊
GSG9がソマリアで乗っ取られたルフトハンザ機「ランツフート」
を急襲し、90人の人質を解放した事件を、彼は指揮した。彼はア
ラブ世界と良質で多方面でのつながりを持っていたため、ドイツで
は「ベン ヴィッシュ」として知られていた。

ブッシュはロシアの民主化不足に言及

(ブラスティラヴァ)米大統領ブッシュは、ロシア大統領プーチン
との首脳会談で、ロシアの民主化が不十分である、と述べた。プー
チンはロシアは民主化を義務としているが、これが無政府状態に陥
ってはならない、と述べた。民主化問題に関しては意見の違いがあ
るが、両首脳は密接な協力が行なわれていることを賞賛し、一致し
て事に当たることが重要である、と強調した。彼らはイランと北朝
鮮が核兵器をもつことは許されない、という点では意見が一致して
いる、とブッシュは述べた。さらに彼らは、国際テロ組織との戦い
と、両国の核施設の安全確保のためにさらに協力しあうことで合意
し、核兵器によるテロの危険が高まっているのに対処するのがその
目的である、と述べた。プーチンとの会談は、ブッシュの欧州お訪
問の最後である。ブッシュはドイツも訪れ、連邦首相シュレーダー
と、両国関係が新しい段階に入ったことで合意した。

パレスチナ国会は新内閣を承認

(ラマラ)パレスチナ国会は数日間にわたる対立を経て、新内閣人
事を承認した。議員54人が賛成、12人が反対ないしは保留した。
国会議員が、あまりに多くの政治家が死亡した大統領アラファト時
代から引き続いて入閣していることを非難したため、投票は3回に
わたって延期された。閣僚24人のうちほぼ半分が新人であり、外
相に指名されているナセル エル キドワと内相に指名されている
ナスル ユスフも新人である。国際的な評価の高い蔵相サラム フ
ァヤドは留任する。新内閣は当面7月の国会議員選挙までの任期で
ある。




2月25日(金)

イランの核計画に関する会談にむけゆっくりと前進

(ベルリン)問題となっているイランの核計画放棄に関する交渉は、ゆっくりなが
ら前進している。双方の立場は込み入っており、その間を取り持つのは極めて困難
だ、と外務大臣ヨシュカ フィッシャーはイランの主席交渉役ハッサン ルハニと
ベルリンで会談した後述べた。イランが核計画を平和的目的にのみ用いるというこ
とを客観的に保証するにはどのようにすればよいのかが、中心的な問題である、と
フィッシャーは語った。ただし2人は、この紛争は外交的に解決できるということ
に自信を見せた。ルハニは、これはイランとヨーロッパの関係が確実なものにし、
この地域の多くの問題解決の道を示すものになる、と強調した。
ドイツ、フランス、英国はEUの委託を受けたこの交渉で、イランが核計画を放棄
するかわりに経済支援を行なう計画を進めようとしている。

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シュレーダーは米国に近東和平を進めるように求める

(ベルリン)独首相シュレーダーは、米国が近東和平実現に向け
て、より積極的に関与するよう求めている。ヨルダン国王アブドゥ
ッラーとベルリンで会談した際に彼は、米国はきっぱり責任を取る
ことが重要である、と述べた。アブドゥッラーは、パレスチナとイ
スラエルの交渉が進展を見せることは十分あり得る、との楽観的な
意見を述べた。彼とシュレーダーはイラク再建とイランが核武装し
ているかどうかについても話し合った。

教皇は回復途上に

(ローマ)重病にかかっている教皇ヨハネ パウロ2世は、回復の
途上にある。84歳の彼は、期間の手術を受けた後、再び自力で呼
吸しているが、医師の勧めで数日間話すことができない、とのこと
である。発熱や肺炎などの合併症は現れていない、とヴァティカン
の広報ナヴァロ・ヴァルスは発表した。教皇がどのくらいの期間入
院していなければならないかは不明である。世界中で信徒が祈りの
ために集まっている。ローマ・カトリック教会の最高位の彼は、木
曜日に急性呼吸器障害でローマのジェメリ病院に運びこまれた。

コンゴでは少なくとも9人の国連兵士が殺害される

(キンシャサ)コンゴ民主共和国の紛争地域イトゥリ州では武器を
用いた衝突が起こり、国連兵士少なくとも9人が死亡した。当初は
行方不明とされていた4人は無事安全な場所に移動した、負傷者は
11人で、犠牲者はすべてバングラデシュ人である、とキンシャサ
の国連報道官は発表した。数週間前から国連軍へ医しは、イトゥリ
で複数の民兵施設を解体し、一般市民に対する襲撃を阻止しようと
していた。あいかわらず続いている戦闘によって過去数カ月で、約
7万人が故郷から追放された。




2月26日(土)
お休みです。



2月27日(日)

首相はドイツ企業がサウジ・アラビアで伸びる可能性を見る

(リヤド)ドイツ首相ゲアハルト シュレーダーは、サウジ・アラビアとの経済的
な関係を拡大することに乗り出している。王子アブドゥラとリヤドで会談した後に
彼は、いくつかの大きな計画が準備されており、これはドイツ企業にとって大きな
可能性である、とのべた。大規模な経済代表団とともに訪問したシュレーダーは、
国王ファハドの出迎えを受けた。シュレーダーはサウジ・アラビア指導部にさらに
改革を進めるよう鼓舞し、すでに取り入れられている開放の方針では不十分であ
る、と述べた。近東紛争に関しては、イスラエル人とパレスチナ人の間で図られて
いる解決に、米国が中心となる役割を果たすことで、両者は意見が一致した。夜に
はシュレーダーは、発効して75年となるドイツ・サウジアラビア友好条約を記念
する博覧会を開会した。彼は若いサウジ・アラビア人に、ドイツに留学するように
勇気づけた。

     その他のニュース

シリア外相はイスラエルの非難を退ける

(カイロ)イスラエルは、シリア政府が金曜日夜にテル アヴィヴ
で起きた自殺攻撃に関っている、と非難下が、シリア外相シャラは
これを退けた。イスラエルのこの非難は間違っており、何の根拠も
ない、と彼はアラブ連盟事務長アムル ムサとの会談で述べた。彼
は、この背後にはイスラエルがいる可能性があることを否定しなか
った、ともシャラは述べた。この自殺攻撃では、4人が死亡、50人
以上が負傷した。犯人は急進派パレスチナ人組織「イスラーム ジ
ハード」の名前で、犯行を行なったと発表していた。同組織に本部
はシリアの首都ダマスカスにある。首相シャローンは、パレスチナ
指導部がテロ組織に断固たる措置をとらないのであれば、和平対話
を中止する、と威嚇した。

ロシアとイランは各協定を締結

(テヘラン)イランとロシアは長い交渉を経て、各協定を結んだ。
これに関する条約への署名はイランの港町ブシェールで行なわれ
た。ここでは現在ロシアの技術者の協力のもと、原発建設が行なわ
れている。この協定でロシアは、半のうろのための燃料棒の輸出を
行なうことを約束している。イラン側は、使用済みの燃料棒を再び
ロシアに運ぶ義務を負っている。これは、イランで核兵器に使用す
ることを阻止するための措置である。原発は2006年末には稼働す
ることになっている。米国はこの交渉を厳しく批判していた。

サッダームの兄弟がイラクで逮捕

(バグダード)イラクでは失脚した大統領サッダーム フセインの
異父兄弟が逮捕された。政府の発表によれば、サバウィ イブラヒ
ム ハッサンは、米国が行方を追求しているイラク人の一覧表の
36番目に載っている人物である。彼は同国の蜂起勢力のもっとも
重要な財源の1人であった、とのことである。米国政府は百万ドル
の賞金をかけていた。一方イラク北部のモースル市近郊では爆弾攻
撃があり、警察の情報によれば、8人が死亡、2人が負傷した。死
者の中には治安部隊の数人が含まれている、とのことである。



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