3月7日〜3月13日のドイツのニュース



3月7日(月)

イラクで射殺された秘密情報部員が国葬に

(ローマ)数万人のイタリア人が、感動的な国葬を行なって、イラクで殺害された
秘密情報部員ニコラ カリパリに別れを告げた。この式典には大統領カルロ アゼ
リオ チャンピと首相シルヴィオ ベルルスコーニも出席した。51歳の秘密情報
部員であったカリパリは、イラクで誘拐されたイタリア人記者ジュリアナ スグレ
ーナが解放された後、彼女を乗せた車団がバグダード空港に向けて走っている間
に、米軍の銃撃を受けて死亡した。スグレーナは車団に対する攻撃は意図的なもの
であった、と非難したが、米国はこれを否定した。米国大統領ジョージ W. ブッシ
ュはそれより前、事件の完全な解明を約束していた。

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シリアはベカー谷へ部隊の移動を開始

(ダマスカス)各国からの圧力にもかかわらず、シリアはレバノン
からの完全撤退の時期に関する決定を、再び延期した。当面今月末
までに約14,000人の兵士がレバノン東部のベカー谷に移すことで、
両国の大統領アサドとラフードはダマスカスで合意した。この合意
によれば、両国の軍の専門家が、その後今後のシリア軍のレバノン
東部駐在の期限について決定するになっている。完全撤退の時期に
ついては言及されなかった。米国は改めて即時かつ完全な撤退を要
求した。米国政府は中途半端な扱いを拒否する、と大統領府広報は
発表した。レバノンの首都ベイルートでは、7万人以上がシリア軍
の駐留に反対するデモを行なった。

シュレーダーはシラクを生まれ故郷に出迎える

(ブロムベルク)独首相シュレーダーと仏大統領シラクは、ヨーロ
ッパ安定一括法の規定を緩めるように強調した。シュレーダーは生
まれ故郷のヴェストファーレン東部のブロムベルクでシラクと会談
した後、この法律を経済成長に主眼を置いたものに作り替えていき
たい、と述べた。両者はこの法律の修正には容易に合意ができると
いう点で、楽観的な意見を述べた。彼らはそのほか問題となってい
る給与に関するEUの方針の抜本的な見直しに賛成である、とも述
べた。賃金の不当なまでの切り下げや社会福祉の削減は、いかなる
場合でも阻止しなければならない、とシュレーダーは述べた。彼ら
はシリアに対して、レバノンから完全な撤退を行なうように再び要
求した。

労働に関する首脳会談は近々行なわれるか?

(ベルリン)連邦首相シュレーダーは、野党キリスト教民主、社会
同盟と、失業との戦いに関する首脳会談を行なうことにいかなる前
提条件もつけない方針である。政府広報アンダはベルリンで、シュ
レーダーには真剣な会談を行なう用意がある、と述べた。ただし期
日は明言しなかった。一方「ザクセン新聞」は、シュレーダーはキ
リスト教民主、社会同盟の党首メルケルおよびシュトイバーを金曜
日に招いて話し合う方針である、と報じている。野党の党首2人
は、シュレーダーに対して書簡の中で、シュレーダーと野党が失業
者を減らすために協力することに関して話し合いを行なうよう提案
していた。



3月8日(火)

チェチェーニア指導者マスハドフ殺害

(モスクワ)元チェチェーニア大統領で反政府勢力の指導者アスラン マスハドフ
が殺害された、とロシア軍が発表した。ロシア治安部隊の広報によれば、マスハド
フは独立を求めているカフカスのチェチェーニア共和国での戦闘で死亡した。彼
は、チェチェーニアのテロリストシャミル バサイエフと並んで、ロシアがもっと
も重点的に行方を追求していた人物であった。ロシア政府は、ミュージカル劇場の
人質事件や、ベスランの学校占拠事件など過去数年間のテロ行為をバサイエフと共
に計画した、としてマスハドフに容疑をかけていた。マスハドフは1997年に当時
実質的に独立国であったチェチェーニアの大統領選挙で勝利した。その後ロシアの
侵攻が起き、彼は地下に潜伏していた。

     その他のニュース

ユシュチェンコはウクライナのEU加盟の願望を確認

(ベルリン)ウクライナ大統領ユシュチェンコは、同国がEUに加
盟する意志を持っていることを強調した。長期的な目的のうちもっ
とも重要なのは、ウクライナをEUに接近させることである、と彼
はドイッチェ ヴェレのベルリンでのインタヴューで答えた。また
彼は、加盟には時間が必要なことはよくわかっている、とも述べ
た。ユシュチェンコは2日間の日程でドイツを公式訪問をしている
が、その冒頭で連邦大統領ケーラーの軍隊式の出迎えを受けた。ケ
ーラーは彼に対して、公正で自由な選挙を行なったことに感謝し、
継続的な改革を支援すると約束した。入国査証問題ではユシュチェ
ンコは、両国関係を長期にわたって悪くするものではない、と述べ
た。

シリアとの連帯を求める大規模なデモ

(ベイルート)反シリアの野党が数週間にわたって抗議行動を行な
う中、ベイルートではおよそ20万人がシリアとの同盟関係に賛成
するデモを行なった。閣僚の中にも、シーア派のヒズブッラー運動
が組織したこの集会に参加するものがいた。レバノンにいるシリア
兵約15,000人の撤退を求める声が世界各国から上がっているが、
これは内政問題への介入である、と非難した。元レバノン首相ハリ
リが3週間前に暗殺されて以来、ベイルートでは毎日野党勢力のデ
モ隊が、犯行の解明とシリア軍の撤退を求めていた。シリア政府は
月曜日に、今月末までに兵士を当面シリア国境近くのベカー谷へ移
す、と予告した。新たな発表によれば、シリア秘密情報機関も撤退
する。

フィッシャーはレバノンの民主化への努力を歓迎

(ベルリン)独外相フィッシャーは、レバノンの民主化に向けた努
力を歓迎した。フィッシャーはレバノン社会主義進歩党党首ワリド
 ジュムブラットとベルリンで会談した後、レバノンが民主主義の
基盤の上に立って、自由な決断を下すことができる、ということが
大きな意義を持っているので、ドイツはレバノンからのシリア兵の
撤退要求に賛成する、と述べた。




3月9日(水)

ユシュチェンコ「ウクライナは統一された欧州の一部である」

(ベルリン)ウクライナ大統領ヴィクトル ユシュチェンコは連邦議会で演説し、
ドイツがウクライナの改革運動を支援していることを感謝し、ドイツは、ウクライ
ナでヨーロッパの歴史の新たな側面が開かれたことを見抜いていた、と述べた。ユ
シュチェンコはドイツとウクライナの間を旅行する学生、商人、報道関係者に対す
る入国査証発行の規定を自由化するように訴えた。また彼は、ウクライナはEUの
不可欠な一部になることを目標としている、と強調した。EU評議会議長ルクセン
ブルク外相ジャン アッセルボルンはドイッチェ ヴェレに、即時加盟交渉開始は
現実的ではない、と述べた。ドイツ首相ゲアハルト シュレーダーもユシュチェン
コとの会談後、ウクライナのEU加盟に関する日程を確言しなかったが、世界貿易
機関WTO加盟は支援する、と述べた。

     その他のニュース

シュレーダーは経済成長と雇用確保の対策をとると予告

(ハノーファー)連邦首相シュレーダーは、経済成長と労働市場を
活性化させるために、さらなる対策をとる、と予告した。改革の方
針を前進させるための措置を連邦議会に呈示し、キリスト教民主、
社会同盟と幹部と話し合う、とシュレーダーはハノーファーで開か
れるコンピューター見本市Cebitの開会式典で述べた。これより前
に政府広報アンダは、シュレーダーは3月17日にキリスト教民主同
盟党首メルケルおよびキリスト教社会同盟党首シュトイバーと会談
する、と発表した。外相フィッシャーもこの話し合いに出席するこ
とになっている。メルケルとシュトイバーは先週送った書簡の中
で、大量失業を批判し、経済成長とこよう確保のための10項目の
包括的計画を提案していた。

ベルリン市議会は極右組織2つを禁止

(ベルリン)ベルリン内相ケルティングは極右組織2つを活動禁止
にした。10人ないし15人からなるいわゆる「ベルリンの代案 南
東」と「同志ベルリンの門」は憲法に敵対的である、と彼は述べ
た。両組織は公然と反ユダヤ主義的、人種差別的な発言を行なって
注目されており、両者の状況は(極右の)国家民主党につながって
いる、と述べた。両組織の幹部の住居10箇所に対して捜査が行な
われ、警察はビラ、横断幕、書類を押収した。

ユダヤ人中央評議会は集会の権利を制限したことを歓迎

(ベルリン)ドイツユダヤ人評議会は、集会の権利と刑法が間近に
迫っていることを歓迎した。政府とキリスト教民主、社会同盟野間
で成立した妥協により、民主主義と少数派に向けられたデモは阻止
される、と同評議会議長シュピーゲルは「新オスナブリュック新
聞」に述べた。連邦議会の内務委員会は、社会民主党・緑の党とキ
リスト教民主、社会同盟の賛成でこの法案を可決した。連邦議会が
金曜日にも可決する予定のこの措置で、右派急進勢力は歴史的に注
意が必要な場所、ベルリンのホロコースト記念碑や強制収容所の記
念施設に対して示威行進をすることができなくなる。




3月10日(木)

イラクで自殺攻撃 死者少なくとも36人

(モスール)イラク北部の都市モースルのモスクで自殺攻撃があり、医師の話によ
れば少なくとも36人が死亡、20人以上が負傷した。シーア派の追悼式が行なわれ
ている間に、犯人は爆弾に点火した。米兵はこのモスク周辺の地域を封鎖した。ま
た警察の情報によれば、イラク北部のキルクークでも何者かがクルド人のテレヴィ
局クルドサットの従業員を射殺した。これより前、バグダードではイラク警察の高
官を暗殺しようとした事件があり、4人が死亡していた。
一方イラク企画立案大臣メフディ アル ハンフェドフに対する銃撃事件は、暗殺
を試みた者によるものではなく、外国の治安部隊による発砲であった、と彼の顧問
は発表した。

     その他のニュース

連邦議会は野党側の10項目計画を否決

(ベルリン)野党キリスト教民主、社会同盟と連邦首相シュレーダ
ーの会談を1週間後に控え、連邦議会は、社会民主党と緑の党の過
半数が反対し、キリスト教民主、社会同盟が提案した「ドイツのた
めの一括法案」を否決した。キリスト教社会同盟党首シュトイバー
とキリスト教民主同盟党首メルケルは、この10項目の綱領を、首
脳会談のたたき台とする方針を変えていない。古くからの経済刺激
策は連邦議会でいくつかの方面から拒否された。キリスト教民主、
社会同盟の国会議員はいくつかのインタヴューで、今まで拒否され
ていた個人用小住宅手当ての廃止を検討することにつながった、と
述べた。メルケルは、自分とシュトイバーはシュレーダーとの3月
17日の首脳会談にはどんな成果がでるかわからないまま臨む、と
述べた。緑の党の会派長ゲーリング・エックハルトと社会民主党党
首ミュンテフェリングは、キリスト教民主、社会同盟の計画では、
約110億オイロの財政赤字を残すことになる、と批判した。

入国査証委員会はさらに数日間の会議を行なう

(ベルリン)ウクライナでの入国査証の不正発給事件の解明は、予
定より早く行なわれることになる。キリスト教民主、社会同盟と社
会民主党、緑の党は、この問題を担当する調査委員会を夏までにさ
らに6回の追加会議を開催することで合意した。外相フィッシャー
がいつ発言するかはまだ決まっていない。彼の調査を行なう際に
は、同委員会は特にメミンゲンの国境検問担当者に対する審理を行
なう。連邦政府の入国査証政策の不備ため、彼らの犯罪はより軽い
ものとされるべきだ、とキリスト教民主同盟は判断している。
2,800の事例で不正に入国査証の請求が行なわれ、承認を受けたキ
エフの旅行代理店が、治安当局の目に止まっていた。不正に入国し
たウクライナ人は、その後スペイン、イタリア、ポルトガルに渡航
し、違法に働いている。

フランスでは再びストライキ

(パリ)今年の始めから3度目となるストライキが行なわれ、フラ
ンスの公共生活は大幅に麻痺している。150もの大規模な集会が開
かれ、労働組合は確実な雇用と賃上げを求めた。パリとその周辺地
域では、車が200キロに渡って渋滞した。飛行機および列車交通に
も大きな障害が出ている。パリの空港では3分の1の飛行が取りや
めとなった。外国との鉄道好悪通はストライキの影響を受けていな
い。教員の40ないし60%がストライキに参加したため、多くの箇
所では学校も休みとなった。




3月11日(金)

スペインはマドリードのテロ攻撃を追悼

(マドリード)スペインでは5分間の黙祷を行ない、2004年3月11日のテロ攻撃
の追悼を行なった。昼12時には全土の公共機関は活動を停止した。国王ホアン 
カルロスと王妃ソフィアはスペインの首都レティロ公演で191人の死者を追悼し
た。引き続き国王夫妻は、新たに作られた追悼施設に花輪をささげた。この式典に
は、多くの国々の首脳のほか、国連事務総長コフィ アナンが出席した。これより
前、マドリードで行なわれている反テロ会議の参加者たちは、テロとの戦いでは特
定の国の専横を拒否していた。国際的な協力関係だけが成果をあげられる、と元ブ
ラジル大統領フェルナンド ヘンリク カルドーソが会議を締めくくる論評を述べ
る際に語った。

     その他のニュース

連邦議会はネオナチの示威行進禁止措置発令を簡略化

(ベルリン)極右との戦いで連邦議会は、集会の権利を制限し、大
衆扇動に対する刑罰の措置を拡大した。賛成多数で国会はこの2つ
の法律の修正を可決した。これは戦争終結の60周年記念日より前
の5月8日に発効することになる。これによれば右翼急進派のネオ
ナチの犠牲者を追悼した施設への示威行進が禁止されることにな
る。ナチの暴力と恣意的な支配を公の場で承認し、たたえ、あるい
は正当化する者は、最高で3年の拘禁ないしは罰金刑を覚悟しなけ
ればならない。与党社会民主党と緑の党および野党キリスト教民
主、社会同盟がこれに賛成したが、自由民主党は反対投票を行なっ
た。連邦参議院の投票は不要である。連邦内相シリーは、この修正
を右派勢力との戦いでさらに有効な道具である、と評した。

シュレーダーはさらなる改革を急ぐ約束をせず

(ミュンヘン)ドイツ経済連合の代表者との首脳会談で、連邦首相
シュレーダーは、さらなる改革を急ぐという約束をしなかった。経
済界の上部連合が要求していた雇用保険の払込金の1%値下げは行
なわない、とシュレーダーは述べた。またさらなる改革の財源とし
て付加価値税の増税も拒否した。経済連合は、政府と野党に520万
人が失業している状況に鑑みて、緊急対策をとるように訴えてい
た。その要求には、社会保険の経費を40%におさえ、短期間の減
税、官僚主義の撤廃が含まれていた。

シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州政府政権の連立合意

(キール)シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州議会選挙からほぼ
3週間、社会民主党と緑の党は、計画されていた少数政権にむけて
連立協定で合意した。11時間にわたる会議の末、両党は最後の争
点を解決した。州首相ズィモーニス(社会民主党)は両党では多数
に達しないが、安定的な連立が組める、と見込んでいる。デンマー
ク系および北フリースラント系の少数民族政党SSWがこの少数派政
権を支持する方針である。社会民主党、緑の党、SSWは、これに関
する容認協定を結ぶ準備を金曜夜に行なっていた。州首相選挙は来
週木曜日に予定されている。




3月12日(土)

イランはさしあたり核計画を維持

(テヘラン)米国側から経済的な優遇措置が呈示されたにもかかわらず、イランは
問題となっている核計画をさしあたり変更しない。威嚇があっても圧力がかかって
もイラン政府は、この計画を破棄することはできない、と外務省は発表した。米国
は前日、イランの世界貿易機関加盟と飛行機部品の輸出に反対するのを辞める、と
提案していた。これはドイツ、フランス、英国はイランがウラン濃縮を断念するよ
うに働きかけているのを、後押しするためのものであった。イランは改めて、この
核計画は非軍事的な平和目的のためだけに使われる、と改めて約束した。ロシアは
米国の提案を賞賛し、米国のこの姿勢は、ロシアとEUのイラン政策に合致してい
る、とした。ロシアはイランに原子力発電所ブシェールを建設している。

     その他のニュース

国連特使「シリアは全面的な撤退の準備をしている」

(ベイルート)国連特使ロエド・ラーセンはシリア大統領アサドと
ベイルートで会談した後、アサドにはすべてのシリア兵と秘密情報
局員をレバノンから完全に撤退させるための準備ができている、と
の声明を出す、と述べた。今までアサドは、レバノン北部および中
部に駐留している部隊を、シリアとレバノンの国境に移す、とだけ
約束していた。またロエド・ラーセンは、国連事務総長アナンに来
週始めに撤退の時期に関する計画を伝える、と述べた。シリア政府
の情報によれば、すでに6千人の兵士がレバノン北部から撤退し
た。シリアは合わせて14,000人の兵士を隣国レバノンに駐留させ
ている。シリアに批判的なレバノン元首相ハリリが暗殺されてか
ら、シリア政府に対し軍を撤退させるように、との圧力が強まって
いる。

パレスチナのハマースは国会議員選挙に参加

(ナーブルス)ガザ地区での地方議会の一部選挙で明確な勝利を収
めた、急進派イスラームのハマース運動は初めてパレスチナ議会選
挙に参加する。この決定はハマース幹部がパレスチナ人居住区内外
でくだしたものである、と同組織の幹部がナーブルスで発表した。
国会議員選挙は7月17日に行なわれる。1996年にハマースはパレ
スチナ立法府評議会の第1回選挙とその後の大統領選挙への参加を
拒否していた。11月に死亡したパレスチナ大統領アラファトの後
継者を選ぶ選挙にも加わらなかった。

香港は新たな行政長官をもつ

(香港)中国南部の特別区香港の行政長官董の辞任から2日、彼の
後継者として曽がその職務を引き継いだ。記者会見で曽は、7月10
日まで彼の前任者の仕事を行なうつもりである、と述べた。この期
日は香港の最強代表者の正式の選挙の日である。中国政府は董の辞
任は、公式には健康上の理由による、としている。北京政府が、董
の職務遂行に不満であり、舞台裏で彼に辞任を迫ったのは確実であ
る、と見られている。




3月13日(日)

シュレーダーとメルケルは雇用首脳会談を前に自信をのぞかせる

(ベルリン)連邦首相ゲアハルト シュレーダーとキリスト教民主同盟党首アンゲ
ラ メルケルは、4日後に行なわれる記録的に高い失業率からの脱出口を探る首脳
会談で合意が得られる可能性がある、と見ている。他の苦言についても話し合う用
意があり、成果をあげるつもりである、とシュレーダーはドイツ テレヴィに語っ
た。メルケルは、政府の提案を建設的に検討することを約束し、国を挙げての奮闘
が必要である、と述べた。ただし彼女は、与党社会民主党と緑の党の中心的要求で
ある個人用小住宅手当の撤廃は、包括的税制改革の一環としてのみ話し合う方針で
ある。

     その他のニュース

雇用首脳会談を前に住宅手当をめぐって対立

(ベルリン)連邦首相シュレーダーとキリスト教民主同盟党首メル
ケル、キリスト教社会同盟党首シュトイバーが出席する雇用首脳会
談まで後数日となっているが、キリスト教民主、社会同盟は個人用
小住宅手当をめぐってあいかわらず対立している。ザクセン州首相
ミルブラントは、企業側が支払う税の抜本的な改革に役立つよう
に、住宅手当を維持するのを断念するように求めた。ヘッセン州首
相コッホも、同州同党はこの手当の縮小について話し合う準備があ
る、と述べた。この補助金の完全な維持に賛成しているのは、バー
デン・ヴュルテンベルク州首相トイフェルである。メルケルは、大
規模な税制改革の財源として巨額の資金が利用できるのであれば、
この手当を犠牲にする方針である。

厚生大臣は2006年の年金増額を行なう可能性を指摘

(ベルリン)厚生大臣シュミットは、来年は年金の増額を行なわな
い可能性を否定しない。この年金は、経済がそれまでに強く成長し
ている場合にのみ、増額される、と彼女はドイツラジオで述べた。
賃金がそれまでに上がらなければ、増額はできない、とも語った。
2千万人近くの年金受給者はすでに昨年増額なしを甘受しなければ
ならなかった。今年も老齢年金の増額は行なわれないことになって
いる。

コロニア ディグニダ代表はチリに引き渡される

(サンティアゴ)アルゼンチン司法は、宗教に類似したコロニア 
ディグニダの元指導者シェーファーをチリに引き渡した。83歳の
彼はサンティアゴ空港に到着した直後に逮捕された。ドイツ生まれ
のシェーファーは、児童虐待の26の事件で訴えられている。3百人
を越えるドイツ人とチリ人が、自分の意志に反して、チリ南部の居
住地に留め置かれていた、とのことである。さらにシェーファー他
の指導者は、1973年から90年の間のピノチェト軍政下で、脱会者
の虐待と処刑を行なっていた容疑がかけられている。シェーファー
は1996年以来国際的に逮捕命令が出されており、行方が追求され
ていた。彼は木曜日にブエノス アイレス近郊で逮捕された。



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