3月21日〜3月27日のオーストリアのニュース



3月21日(月)

     国外ニュース

パレスチナ側はトゥルカレムの管轄権を引き継ぐ

イスラエルは、西ヨルダンランドのトゥルカレムの管轄権を、パレ
スチナ側に移譲した。これは昨日午後、パレスチナ治安部隊の代表
がアブ ファシャで発表したものである。イスラエル軍も移譲を確
認した。当のトゥルカレムでは、人々が路上に出てこれを祝った。
パレスチナ人の警官が巡回を開始した。これにより、イスラエルは
4年間以上にわたるパレスチナの蜂起の期間中占領していた西ヨル
ダンランドの5つの都市のうち、2つから撤退したことになる。す
でにジェリコは先週水曜日にパレスチナ当局に移譲されていた。4
週間以内にパレスチナ側が独力で安全確保を行なうことになってい
る。ラマラ、ベツレヘム、カルキリヤ、トゥルカレム、ジェリコの
5都市の管轄権の委譲は、2月上旬に行なわれたマハムード アッ
バスとシャローンの首脳会談で合意に達していた。火曜から始まる
アラブ首脳会談で、イスラエルに対して新たな和平提案を行なうこ
とと、アラブ連合の組織改革について話し合われる。

     国内ニュース

オーストリア経済会議は暫定選挙結果を発表

オーストリア経済会議は月曜日、先週火曜日に終了した選挙の暫定
結果(各州と連邦)を発表した。結果は、先週水曜日に公表された
数字とわずか0.1%しか代わらなかった。最終結果は異議申し立て
期間が終わる約10日後に発表される予定である。今回は合わせて
463,087人の有権者が投票した。前回2000年では396,222人が
投票した。委任投票の数は222,332であった。投票率は48%であ
る。今回は10,082人の代表と、279人の少数派の代表が選ばれ
た。




3月22日(火)

     国外ニュース

ベルルスコーニに対する新たな捜査

イタリア司法は、首相シルヴィオ ベルルスコーニに対して、脱税
容疑で新たな捜査を行なう。ローマの法務省筋によれば、彼には国
外企業を通じて2億8千万オイロが、彼の企業体メディアセットか
ら彼の子供ピエルシルヴィオとマリーナに移した容疑がかかってい
る。またベルルスコーニの弁護士デイヴィッド ミルズ(英国文化
大臣テッサ ジョウェルの夫)に対して、不正支出の疑いで捜査が
行なわれている、とのことである。また司法はメディアセットを通
じて行なわれた映画の権利の売買に関しても調査を行なっており、
すでにベルルスコーニの脱税容疑を固める複数の証言を集めた、と
の情報もある。

     国内ニュース

自由党内の対立でハイダーとシュトラーヒェは話し合いに

ケルンテン州首相イエルク ハイダー(自由党)とウィーン自由党
党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェの意見交換はより
密接になり、大きな連帯が軌道に乗り前進している、と昨日ウィー
ン同党側が発表した。それによればこのところ数回にわたり、シュ
トラーヒェとハイダーが面会し、話し合いは深まるだろう、とウィ
ーン同党の書記ハラルト フィリムスキーは述べた。話し合いの内
容は、「党の内容的な新方針」であって、人事問題については話し
合われていない、とのことである。自由党内の議論では、ハイダー
が4月23日の党大会で自由党の党首に復帰することがあれば、シュ
トラーヒェが執行部長などとして活動する可能性がある、との観測
が出ている。




3月23日(水)

     国外ニュース

コールの秘密警察文書が公表される

数年間にわたる法廷闘争をへて、元ドイツ首相ヘルムート コール
(キリスト教民主同盟)に関する秘密警察の文書が初めて公開され
る。74歳のコールは、この好評に対する異議を当初表明していた
が、これを撤回した、とベルリンの秘密警察連邦文書館は昨日午後
発表した。過去数カ月にまとめられた文書は、法律で規定されてい
る通り、今年初めにコールに示されていた、とのことである。連邦
行政裁判所は2004年6月に、コールに関する文書の一部の公表を
許可したが、極めて限定的なものである。同文書館長マリアンネ 
ビルトラーは、長年にわたる対立を経て、ようやくコールに関する
文書が公表できたのは喜ばしい、これにより(旧東独の)国家保安
省の活動の評価に大きな利益になる、と述べた。

     国内ニュース

自由党のシュトラーヒェは親ハオプナーの動議に関心なし

ウィーン自由党の一部が、連邦同党主ウルスラ ハオプナーを党首
の座にとどめておくことを求める動議をだすと予告しているが、同
党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェはこれに何の関心
も示していない。これに関してシュトラーヒェは水曜日のテレヴィ
番組で、自分がウィーンでだけ実力者であるとみているのは2人だ
けで、他の人々は「我々がウィーンで成功したやり方を連邦政治で
もより強力に押し通すことを」望んでいるのだ、と述べた。4月23
日にザルツブルクで開かれる連邦党大会で、筆頭候補に名乗りを上
げるかどうか、という質問に、彼は新たには答えなかった。最近党
首の座への関心を再び示しているケルンテン州首相イエルク ハイ
ダーとの話し合いをさらに集中して行なっている、と述べた。




3月24日(木)

     国外ニュース

スーダンの国連平和部隊派兵を採択

国連安全保障理事会は、約1万人の国連軍の兵士をスーダンに派遣
する和平作戦を、現地時間の今日委託した。この委託は21年間に
わたる内戦を経て同国政府と反乱勢力の間で結ばれた和平協定を監
視するものである。一方紛争が生じているスーダン西部のダルフー
ル州では、部隊が活動している。国連安保理の15カ国はこの「総
括的決議」の一部として数週間にわたって不必要だとして延期され
ていたこの委託に、全会一致で賛成した。

     国内ニュース

ザルツブルクは生活保護には過去の状況を考慮する制度導入か

ザルツブルク州と市町村は、生活保護を過去の状況に応じて支給す
る制度を取り入れる可能性がある。これは貧困対策会議がこれに関
して発表した意見に対する最初の反応として示されたものである。
目標は、貧困を防ぐために活動している市町村に報いることであ
る、とのことである。ある市町村が生活保護の費用を節約した場合
に、その予算の中にそれを含めることになる。




3月25日(金)

     国外ニュース

イラク反乱勢力はトンネルを掘ったが大量逃亡は失敗

テレヴィ局CNNの報道によれば、昨日イラクの逮捕者の収容施設か
ら、反乱勢力およびテロリストと目される人たちが大量に逃亡しよ
うとしたが、米軍憲兵隊はこれをぎりぎりで阻止した。それによれ
ば、同国南部のブッカ収容所の敷地内にいた逮捕者が、自ら作った
工具で堀ったトンネル2つを、監視人が発見した。1本は180メー
トル、もう1本は90メートルであった。この収容所には合わせて
6,400人の逮捕者が8つの施設に分けられて収容されている。CNN
によれば、長いほうのトンネルはこの収容所のまわりにめぐらされ
ている金網や鉄条網の外側まで伸びていた。

     国内ニュース

学校法に関し社民党は新たな提案

学校法の発布などの法律改正に必要な3分の2の賛成規定の廃止を
めぐる議論で、社会民主党党首アルフレート グーセンバオアー
は、教育大臣エリサベト ゲーラー(国民党)に文書で、新たな提
案を行なった。それによれば、学校の「目標設定」およびそれから
間接的に生じる宗教の授業の維持を憲法に基づくものにする場合、
3分の2の賛成が得られる、と「クリール」紙は報じた。グーセン
バオアーはこの問題では枢機卿クリストフ シェーンボルンと意見
が一致した、とも述べた。水曜日には、3分の2の賛成が必要であ
るという規定の廃止決定が、閣議を通ることになっている。その後
政府は、野党、教会、国民党が政権を持つ各州の完全な廃止の例外
とする要請をどの程度受け入れるか、決めることになっている。国
民党の教育問題の代表ウェルナー アーモンはグーセンバオアーの
提案は「偽善的」で、国民党はオーストリア集会で数ヶ月前に同じ
ような提案を行なっており、社会民主党はこれに賛成することもで
きた、と述べた。彼は水曜日には3分の2の規定を廃止する決定が
下される、と見ている。




3月26日(土)

     国外ニュース

ベイルート郊外で爆弾攻撃 死者2人

土曜午後レバノンの首都ベイルートのキリスト教徒が住む地域で爆
弾攻撃があり、すくなくとも2人が死亡した。また8人が負傷し
た、と国営通信社ANIが報じている。死者はインド人である、との
ことである。同市東部のデクアネフ近くの工業地域の中で爆発が起
きたが、爆発によって出来た穴のほか、自動車が燃えた残骸が、
AFP通信の写真に写っている。周囲には数階建の建物5軒、数軒の
商店が燃えていた。近くにある建物の前面は完全に破壊された。水
曜日と土曜日にはベイルートの北にあるキリスト教徒の居住地は、
今までも何回も攻撃を受けた。水曜日には3人が死亡していた。

     国内ニュース

新公務員法が成立すれば経費が余計にかかる

復活祭後には、新たな公務員法をめぐる交渉が始まる。政府は、新
たな俸給制度(1年おきに昇給する新たな規定)と新規採用の抑制
を計画している。公務員法の新たな規定は実際には経費には影響を
及ぼさない、と自由党の主席交渉役カーリン ミクラオチュは見て
いない。この点で国民党所属の政務次官アルフレート フィンツと
は意見が対立している。「当初は」おそらく経費が増大するとAPA
通信社に対して法務大臣であるミクラオチュは述べた。




3月27日(日)

     国外ニュース

欧州安保協力機構「キルギス情勢は予断を許さず」

欧州安保協力機構OSZEは、キルギスでは激しい暴力が勃発する危
険性がある、と警告した。キルギスでは野党側が数日前に権力を手
に入れた。「同国の政治情勢は改善したが、危機はまだ去ったわけ
ではない」と同機構キルギス特使アロイス ペーテルレは首都ビシ
ュケクで昨日述べた。同機構議長ドミトリィ ルペルは、「ヘラル
ド トリビューン国際版」に、「我々は各政治組織が合意に達せ
ず、大規模な暴力が噴出する場合に備えて、別の案を持っておかな
ければならない」と述べた。野党側は、大統領アスカル アカイエ
フを選挙での伏せいを行なったと非難し、3月24日に権力を奪取し
た。アカイエフはロシアに逃亡した、との噂である。2つの国会、
古いものと、不正が行なわれたとされている選挙で選ばれたものと
が別々に会議を行なって、国民の声を代表しているのはどちらかを
争っている。6月26日に大統領選挙が行なわれることになってい
る。

     国内ニュース

シュッセルは自由党内の争いを不安視していない

自由党が分裂し、そのため政府を壊す可能性がある、との不安を連
邦首相で国民党党首のウォルフガング シュッセルは持っていな
い。自由党首脳部(ゴルバッハ、ハオプナー、シャイプナー、ショ
イヒ)は「極めて信頼でき」、衝突することなく政府の責任を果た
してきた、とシュッセルは日曜日の「クリール」紙で述べた。4月
23日の自由党党大会は、このことを「示してくれる」だろう、と
の期待を述べ、どんな党にも対立はあるが、政府内部では逆に対立
は「一般にはない」のだ、とも語った。



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