4月11日〜4月17日のオーストリアのニュース



4月11日(月)

     国外ニュース

ブッシュ「イスラエルは入植地拡大を中止しなければならない」

米大統領ジョージ W. ブッシュはイスラエル首相アリエル シャロ
ーンと月曜日に会談し、イスラエルがパレスチナ人居住地区での入
植地拡大を中止するように求めた。国際和平計画いわゆる路程表に
従えば、イスラエルには新たな入植地を建設することは許されてい
ない、とブッシュはクロフォードで述べた。また彼はシャローンの
進めているガザ地区からの撤退計画を、パレスチナ人にとって好機
である、と評した。シャローンは共同記者会見で、イスラエルは路
程表を堅持するが、和平計画に従ってパレスチナ人はテロ組織との
戦いを行なわなければならない、と強調し、これが守られた場合に
のみ平和的な解決にむけた交渉が行なえる、と述べた。彼は、路程
表によれば、西ヨルダンランドの状況を変えるために、一方的な措
置を取ってはならないことになっていることを認めたが、ユダヤ人
入植地のもっとも重要な一画はいかなることがあっても今後もイス
ラエルのもとに留まる、と述べた。今特に問題になっているのは、
エルサレム近くのマアレ アドゥミムの入植地の拡大である。

     国内ニュース

国民評議会の特別会議で自由党とオーストリア未来連合が議題に

国民評議会の特別会議では火曜日、再び自由党の分裂と、オースト
リア未来連合の結党が話し合われる。この会議で社会民主党は、選
挙の実施を提案する。ただし多数の賛成を得られる可能性は「高く
はない」と同党連邦執行部長のノルバート ダラボスは月曜日に述
べた。社会民主党は、自由党およびオーストリア未来連合の党の政
党助成金を今後どのように取り扱うかを明確にし、そのために緊急
動議を連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)に呈示する
方針である。会議は12時に始まり、中断をはさんで15時まで行な
われる予定である。




4月12日(火)

     国外ニュース

EU議会はブルガリアとルーマニアの加盟を認めるか?

欧州議会は今日、2007年初めに予定されているブルガリアとルー
マニアのEU加盟に関する投票を行なう。有力な会派の代表がこの
EU拡大に賛成していたため、さしあたり承認は確実視されていた。
ただし同議会は、一連の条件をつける方針である。特に法務改革と
汚職および組織犯罪とより激しくと戦うことを求めている。欧州国
民党は、昨日午後激しい議論の後、両国のEU加盟に関する欧州議
会の承認を延期したい、という決定を下した。しかしこれが認めら
れるためにはストラスブールでの本会議で過半数の賛成が必要であ
るが、その可能性は極めて低いものとみられている。国民党内部で
も、延期に関しては得られなかった、とのことである。2番目に大
きな会派社民党では、両国の加盟の承認を拒否する方向はほとんど
ない、とオーストリア国民党の代表ウルスラ シュテンツェルは述
べた。

     国内ニュース

学校の未来委員会は最終報告を提出

ザルツブルク州の教育学者で学習到達度調査の調整官ギュンター 
ハイダーを議長とする、学校組織改革のための未来委員会は、2年
間にわたる検討の末、数回にわたる延期を経て、最終報告を提出す
る。最終報告には、落第に関する抜本的な制限、一般高等教育の上
級学年の履修制度の導入、小学校から一般高等教育の下級段階まで
の教員を教育大学でまとめて養成すること、教員養成を受けるため
の条件をつけることを含んでいる。




4月13日(水)

     国外ニュース

レバノン組閣にカラメは失敗

レバノン暫定首相オマール カラメは内閣の結成に向け努力してい
たが、昨日改めてこれに失敗した、と発表した。これにより同国の
政治的な危機はさらに深まった。親シリアの政治家である彼はベイ
ルートで記者会見に臨み、新政権は組閣しない、「自分は全力を尽
くしてきた」が、すべての努力は無駄に終わったので、大統領エミ
ール ラフードから委ねられた首相職を辞する、と述べた。カラメ
内閣は6週間前に大規模な抗議活動で辞任した。デモ隊は、カラメ
政府とシリアの行政当局が元レバノン大統領ラフィク ハリリの暗
殺に関与した、と非難していた。ハリリは、シリア軍のレバノン駐
留に反対していたが、2月14日にベイルートで自動車爆弾で殺害さ
れていた。カラメは、反シリアの野党側から挙国一致内閣への入閣
を求めていたが、これは無駄に終わった。シリアはハリリの暗殺
後、国際的な批判を受け、5月末の予定を早めて軍隊をレバノンか
ら撤退させた。野党の国会議員マルワン ハマディは、カラメの決
定には驚く点はない、組閣の延期の目的は選挙の延期である、と述
べた。

     国内ニュース

プロコプは亡命法を厳格化する意向

内務大臣リーゼ プロコプ(国民党)は、彼女が提案した新亡命法
案に対する批判を受けて、これを厳格なものにする、と予告した。
自分の「最終目標」は憲法に合致した亡命法である、と「プレッ
セ」紙で彼女は強調した。審査の期限は木曜日である。彼女は最長
6週間の強制週間の期限の撤廃を亡命法案の中に含めていたが、こ
れを憲法学者や非政府組織が問題視した。一方プロコプはいわゆる
本国送還中央局を国際的な基準に倣って作るように指示した。ここ
では、帰国決定が下された人々が、祖国に帰国する準備をすること
になっている。この種の施設をオーストリアに作ることも考えられ
る、と彼女は見ている。




4月14日(木)

     国外ニュース

EU外相は対中国武器禁輸に関して審議

EU加盟25ヶ国の外務大臣は金曜日、非公式会議をルクセンブルク
で行ない、問題となっている対中国武器禁輸措置の廃止について話
し合う。外相会議の議長を務めるルクセンブルク外務大臣ジャン 
アッセルボルンは、この問題には午後一杯かかるものとみている。
また決定に達することはない見通しである。EU首脳は12月に6月
末の禁輸措置解除にむけて努力を行なう、との決定を行なってい
た。ただし昨日になってEU主席外交官ハヴィエル ソラナは精確
な日時はそれほど重要ではない、と述べていた。禁輸措置の撤廃は
米国が厳しく批判している。また多くのEU加盟国のなかでも、仏
大統領ジャック シラクと独首相ゲアハルト シュレーダーが押し
進めている廃止に反対する国が多い。土曜日の外相会談では近東問
題を取りあげる方針である。

     国内ニュース

シュトラーヒェ「ハイダーはとりまきを引き連れていた」

ウィーン自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェ
は、州党大会に昨日に出席した機会を利用して、元自由党党首イエ
ルク ハイダーに対して正面攻撃を行なった。ハイダーは「とりま
きを引き連れ」ていたが、「彼らを見捨てた。以前彼は有力者たち
の目の上のたんこぶであったが、現在彼は有力者と妥協している」
とシュトラーヒェはハイダーについて述べた。またオーストリア未
来連合にとって重要なのは、不労所得と安楽椅子、収入の確保であ
り、有権者はそれを見抜いているので、同党は「自由主義討論会」
同様消滅する、と述べた。「自由党が心意気を同じくする人の集ま
りであるとすれば、それほど簡単になくなるようなことはなかった
だろう」とも述べた。




4月15日(金)

     国外ニュース

イラクの反乱勢力は人質60人を殺害すると脅す

シーア派の情報によれば、スンニー派の反乱勢力はバグダード近郊
の村で、少なくとも60人のシーア派を人質に取り、彼らを殺害す
ると脅した。反乱勢力は、シーア派がマダエンの町から退去するよ
うに求めている、とこの村の住民が連絡してきたシーア派の代表が
昨日発表した。反乱勢力は重器で武装しており、首都バグダードの
南のこの村を管理下に収めているようで、警官や兵士の姿は見かけ
られない、と彼は述べた。反乱勢力は繰り返しシーア派社会を攻撃
して、イスラーム組織を分裂させようとしている。シーア派は同国
では多数派で、新たに選ばれた国会ではもっとも多くの国会議員を
出している。失脚した大統領サッダーム フセイン政権下では彼ら
は圧力を受けていた。

     国内ニュース

ウィーン社会民主党は党大会を開催

「強い連帯。強いウィーン」これが今日開かれる第60回ウィーン
社会民主党の州党大会の標語である。今回の党大会の中心議題は、
市長ミヒャエル ホイプルの同州同党主への再選である。またオー
バーエスターライヒ州社会民主党も党大会を行なう。リンツデザイ
ンセンターで今日開かれる同州党大会には、約3千人の出席が見込
まれている。「未来。新たな勇気を求む!」との標語を掲げて行な
われるが、州首相代理エーリヒ ハイダーが、党首に再選される見
通しである。「オーバーエスターライヒのために積極的に働くとの
演説を行なう」と彼は予告した。




4月16日(土)

     国外ニュース

ベルルスコーニは政権の危機から休養をとる

4年前に就任して以来もっとも厳しい政権軒ににあるにもかかわら
ず、連立の今後を協議するために中道右派の閣僚が会談をしている
中、イタリア首相シルヴィオ ベルルスコーニは昨日ローマを離れ
た。一方、イタリア キリスト教民主党党首マルコ フォリーニ
は、新たな政権を結成するよう呼びかけた。同党と小政党である新
社会党派金曜日、中道左派連合から離脱していた。ベルルスコーニ
は、自分は週末も仕事をするが、ミラノで休養も取らねばならな
い、と述べたようである。専門家はこの発言を、一方では自分が落
ち着いていることを示す陽動作戦であり、もう一方では時間稼ぎで
ある、と見ている。

     国内ニュース

オーストリア未来連合は「結党集会」を開催

オーストリア未来連合BZOeは日曜日、「結党集会」を開く。自由
党の激しい派閥争いと分裂を経て、元自由党政権に属していた党員
たちが、「オーストリア未来連合」の形で新たな出発を切ることを
望んでいる。それに合わせて、この新党に規約、綱領、および執行
部を整えるためにザルツブルク空港の第2ビルに人々が集まった。
初代オーストリア未来連合の党首は、ケルンテン州首相イエルク 
ハイダーである。ハイダーの側に立つのは、執行部長で副首相を務
めると見られるフーバート ゴルバッハである。その他、党首代理
に2人が就任する予定である。この職につくと見られているのは法
務大臣カーリン ミクラオチュである。党執行部の情報によれば、
参加者するのは約800人の代表で、彼らは最初の党綱領を可決する
ことになっている。この集会の費用は最大で10万オイロと見積も
られており、この額は今までの同党の資産であるとされている。




4月17日(日)

     国外ニュース

バスク地方の選挙で与党連合は絶対多数を失う

スペインのバスク地方の選挙では、首相ファン ホセ イバレッチ
ェの穏健なバスク国民党PNVは、議席を失ったが、最大勢力の座は
保った。同党は選挙では選挙協力を行なったエウスコ アルカルタ
スナEAと統一左派IU/EBと合わせても、絶対多数に達しなかった。
この国民党とエウスコ アルカルタスナの選挙連合は75議席中29
議席、協力した統一左派は3議席であった。ラジオ報道によれば、
もっとも票を伸ばしたのはバスク社会党PSE-EEで、地方議会で2
番目に大きな勢力となった。活動が禁止されたバタスナ党の代わり
に選挙での候補者を出したバスク諸州共産党は、9議席を獲得する
模様である。バタスナ党はテロ組織ETAの政治部門と目されてい
る。敗北したのは保守的な国民党で、19議席から15議席に減らし
た。全体としてみると左派と右派の勢力図には大きな変化はない。

     国内ニュース

両教会は学校改革で国民党を攻撃

カトリック教会とプロテスタント教会は、改正のために3分の2の
賛成を必要とする条件の撤廃および学校法改正の計画に関して、異
例の激しい調子で国民党を攻撃した。枢機卿クリストフ シェーン
ボルンは国民党のこの問題に関する態度は「想像するのも困難だ」
と述べた。プロテスタントの監督ヘルウィヒ シュトルムは、政府
には対話を行なう態度がかけているのに困惑しており、この問題で
は「キリスト教的・社会福祉政党が特に必要とされている」と見て
いる。政府は、学校法改正のために3分の2の賛成を必要とする条
件を撤廃する計画である。



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