4月18日〜4月24日のオーストリアのニュース



4月18日(月)

     国外ニュース

イタリアの政権の危機は新たな段階へ

イタリアの政権の危機はまだ続いているようだ。首相シルヴィオ 
ベルルスコーニ率いる政権に今まで参加していた勢力は、ベルルス
コーニが正式に辞任し、第2期の内閣を組閣する計画を国会に提案
することで合意した。問題は、辞任もしたがって新政権樹立のため
の動議も出されなかったことである。中道右派連立政権の長ベルル
スコーニは昨日、大統領カルロ アゼリオ チャンピとの会談後、
論評抜きで「私は辞任しない」と述べた。今回の危機はキリスト教
民主党の4人の閣僚が辞任したことで引き起こされた。危機回避の
ための話し合いでベルルスコーニは、以前の連立相手である同党
に、経済および税制面での措置を含む計画に賛成を取りつけていた
が、連立を確固としたものにすることはできなかった。チャンピは
ベルルスコーニに対して、国会内部での解決を探るように求めた。
ローマではこれは、ベルルスコーニが信任投票を行なうべきであ
る、という意味であると解釈されている。彼は数日後に議会に出席
する方針である。

     国内ニュース

オーストリア未来連合議員 脱走兵は「仲間の殺害者」

ケルンテン州の連邦評議会議員シークフリート カンプルは、自由
党のオーストリアでもっとも南にある州ケルンテン州の州組織とと
もに、自由党から離脱してイエルク ハイダーのオーストリア未来
連合に入党したが、彼は国防軍の脱走兵は「一種の仲間殺し」であ
ると評した、と新聞が報じている。緑の党の連邦評議会議員シュテ
ファン シェナハは、ナチの犠牲者の社会復帰問題に関して緊急動
議を提出したが、これに対してカンプルは「これをどの人に対して
行なうのか」見極めなければならない、これらの「殺人者」は「特
殊な事例ではなく、悲惨な状況であった」と述べた。




4月19日(火)

     国外ニュース

パロウベクがチェコ首相に就任

チェコ社会民主党は、不動産をめぐる事件に巻き込まれた首相スタ
ニスラフ グロスの代わりに、今まで地方発展大臣を務めていたジ
リ パロウベクを殊勝に就任させる方針である。同党は、これによ
り現在の政権の危機を突破する、と述べた。変革に賛成であったグ
ロスの辞任によって、3月末に崩壊していたキリスト教民主同盟お
よび自由党との連立の新たな基盤が出来上がった、と社会民主党の
広報は発表した。ただし連立相手の賛成はまだ得られていない。こ
の直前外交官ヤン コホウトは「暫定首相」就任の申し出を拒否し
ていた。彼はグロスを解任するため妥協的な候補者と目されてい
た。グロスは彼に、破綻した連立を修復する土台を築くために、首
相職に就任するように提案していた、とコホウトは述べた。彼は
EUでチェコを代表する立場である。

     国内ニュース

連邦評議会は投票をめぐる混乱を経験し改革に賛成

新たな選挙の動議に関する連邦評議会の投票をめぐって混乱が生じ
たが、その成果が生まれた。連邦評議会議長団は火曜日、連邦評議
会の議員規則を改正することで合意した、と連邦評議会議長ゲオル
グ ペーム(社会民主党)は会議後発表した。国民党の評議会議員
ミヒャエラ ガンシュテラーとシシー ロート・ハルファックス
は、4月14日の投票で、自由党のジョン グーデヌスが、オースト
リア未来連合と国民党の連立に反対する投票をさせないように実力
を行使しようとしたが、彼女たちには後から静粛を保つように注意
がなされる。




4月20日(水)

     国外ニュース

エクアドルで権力争い

エクアドルの政治的危機は昨日さらに激しさを増した。大統領ルシ
オ グティエレスの解任を目指す国会の投票を承認することを政府
は拒否した。しかしグティエレスはその後ヘリコプターで政府の建
物から立ち去った、とAFP通信の記者は報告している。これより
前、国防大臣ネルソン ヘレラは声明を読み上げていた。それによ
れば、軍隊はグティエレスを支持することを拒否した、とのことで
ある。首都キトーの要衝に配備されている兵士はその後、政府の建
物にいたものを中心に、自分の持ち場を離れた。昼ごろには野党の
国会議員が、グティエレスの解任に賛成する投票を行ない、賛成多
数で可決していた。出席していた62人の議員のうち60人が賛成し
た。国会議員の数は会わせて100人である。国会議員は副大統領ア
ルフレード パラシオをを後継大統領に指名した。48歳のグティ
エレスは2004年12月上旬に、最高裁判所の裁判官の多数を自らの
指示で交代させたが、これが批判の引き金となっている。新たに選
ばれた裁判官は、汚職容疑をかけられた2人の元大統領に無罪判決
を下していた。先週末から大統領に反対するデモが行なわれてい
た。

     国内ニュース

会計検査院「オイロファイターでは領空監視は不十分」

会計検査院所長のヨーセフ モーサーは昨日、迎撃戦闘機オイロフ
ァイター購入問題で、経費削減の効果は出ない、と警告した。彼に
よれば、購入する機の数を24機から18機に減らし、武装の一部の
購入を断念した場合には、オイロファイターによる領空監視に期待
される役割がかなり限定された形でのみ実施されることになる。国
防大臣ギュンター プラター(国民党)はこの発言を強く否定し
た。




4月21日(木)

     国外ニュース

スペインは同性同士の結婚を認める

スペイン国会は木曜日、問題となっている同性同士の結婚に関する
法律を承認した。この規定は、同性同士の結婚を認めるだけでな
く、子供を養子にすることも認めている。183人の国会議員がこの
措置に賛成し、136人が反対、6人が棄権した。この法律に反対し
ているのは、主として保守的な国民党の国会議員である。カトリッ
ク教会と並んで、その他の宗教団体も同性同士の結婚には反対して
いる。世論調査では、66%のスペイン人がこの法律に賛成し、反対
はわずか26%であった。

     国内ニュース

オーバーエスターライヒ州自由党は独立を可決

オーバーエスターライヒ州自由党は、木曜日夜に今後の命運を決す
る党内部の会合をリートの見本市ホールで行ない、同州同党の連邦
自由党からの独立を、必要な数をかろうじて越える賛成で決定し
た。出席者の67.68%が、同州同党の地位の変更に関する採決に参
加した。これにより必要な3分の2の多数の賛成をかろうじて越え
た。これに反対したのは32.32%であった。有効投票は合わせて
427票で、無効票は3票であった。




4月22日(金)

     国外ニュース

ベルルスコーニは新内閣組閣の委託を受ける

辞任から2日、イタリア首相シルヴィオ ベルルスコーニは金曜午
後、大統領カルロ アゼリオ チャンピから、新たに組閣を行なう
ように委託を受けた。ベルルスコーニはチャンピとの会談後、来週
初めには国会で信任投票をうけられるようにしたい、との期待を述
べた。土曜日にベルルスコーニは新閣僚の名簿を提出する。チャン
ピによる就任式は同日中に行なわれる計画である。ベルルスコーニ
は水曜日、連立相手のキリスト教民主党と右派の国民同盟からの圧
力を受け辞任していた。チャンピは、政権に空白ができるのを避け
るため、この辞任を受け入れなかった。政権の危機は主として、4
月上旬に行なわれた地方選挙でベルルスコーニ率いる連立与党側が
大敗したことがきっかけであった。選挙が行なわれた8つの地域の
うち6つで左派勢力に敗れた。世論調査によれば、国会議員選挙が
行なわれれば、政権交代の可能性が高かった。

     国内ニュース

シュトラーヒェは新自由党党首に

ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェが土曜日、自由党第
10代党首に選ばれる。彼は35歳でウィーン同党の党首であった
が、4月初めに辞任し、オーストリア未来連合にくら替えしたウル
スラ ハオプナーの後継者となる。9時半に始まる今回の党大会
も、分裂一色に塗りつぶされている。シュトラーヒェはすでに、離
脱してオーストリア未来連合党種イエルク ハイダーの元に集まっ
た自由党党員との決着をつける、と予告した。シュトラーヒェの代
理として他の8州の代表が選ばれた。その中にはニーダーエスター
ライヒ州のバルバラ ローセンクランツ、ティロール州のゲラルト
 ハオサー、ザルツブルク州のカール シュネル、シュタイアーマ
ルク州のレオポルト シェグルも含まれている。オンブズマンには
国民評議会議員のヘレネ パルティク・パーブレが選ばれる。




4月23日(土)

     国外ニュース

ベルルスコーニ内閣はローマで宣誓

イタリア大統領カルロ アゼリオ チャンピは昨日、シルヴィオ 
ベルルスコーニを首相とする内閣を、戦後60代目の内閣として宣
誓させた。中道右派連立の内閣は24人の閣僚からなる。右派大衆
迎合政党北部同盟の他、国民同盟からも数人が入閣している。フォ
ルツァ イタリアの党首ベルルスコーニは、報道会社を経営する大
金持でもあるが、すでに1994年に7カ月間首相を務めたが、その
時の連立政権は瓦解していた。前内閣は2001年3月から先週のベ
ルルスコーニ辞任まで、職務を続けていた。おそらく新内閣は火曜
日に国会両院で信任投票を受ける。これはベルルスコーニの率いる
「自由の家」が上院でも下院でも、フランチェスコ ルテリ率いる
中道左派の野党連合を抑えて多数派であるため、形式的な投票であ
る。

     国内ニュース

EUの戦闘部隊に関してフィッシャーは国連憲章に従うよう指示

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、EU機動部隊の一部として、
兵士を今後派遣する問題に関連して、国連憲章と国際法に基づくよ
う指示した。昨日彼はフィンランド大統領タルヤ ハロネンとヘル
シンキで二者会談を行ない、この種の派兵は「どんな場合でも、国
連憲章と国際法の枠組みの中でのみ可能である」という点で意見が
一致した。フィッシャーは昨年11月にオーストリアがEU戦闘部隊
に参加することに原則的に賛成していたが、その際オーストリアが
中立を保つべきであるとして、オーストリアが参加するのは国連の
委託がある場合に限定するように求めていた。「EUの立場からす
れば、国連の委託は不要ではあるが、オーストリアの立場からはそ
れがあるのがよい」とその時「クリール」紙に述べていた。




4月24日(日)

     国外ニュース

バグダードで攻撃 死者少なくとも15人

日曜日バグダードではシーア派のモスク近くで爆弾が2発が破裂
し、警察の情報では少なくとも15人が死亡、57人が負傷した、と
のことである。ショラア地区にあるモスクの近くで、まず爆弾1発
が破裂し、約3分後には車に乗った自殺攻撃犯が、爆発後に集まっ
てきていた人々の中に突入し、その後爆死した、と内務省は発表し
た。病院の職員によれば、生存者はこの攻撃はアイスクリームやの
前で起きた、と述べている、とのことである。このバグダードでの
攻撃は、数時間前にティクリート市で2回立て続けに起き、少なく
とも7人の死者を出した自殺攻撃に続くものである。この攻撃は20
分の間隔で2回の爆発が起き、37人が負傷した、と警察は発表し
た。ティクリートはイラク元大統領サッダーム フセインの故郷
で、首都バグダードの北180キロにある。

     国内ニュース

ブレゲンツ市では国民党が市長の座を守る

ブレゲンツ市長マルクス リンハート(国民党)は決選投票の末、
52.56%の得票で、市長の座を守った。対立候補のミヒャエル リ
ッチュ(社会民主党)は47.44%を獲得した。5年前の選挙ではリン
ハートは72.98%の支持を受けていた。4月11日の市長選挙では、
リンハートは40.68%(3,837票)、リッチュは37.32%(3,520
票)の支持であった。市政府に関してはまだ何も決めていないが、
緑の党に対しては一定の理解を持っているが、個人的な好みはこの
ような場合には関係がない、とリンハートは述べた。



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