5月2日〜5月8日のオーストリアのニュース



5月2日(月)

     国外ニュース

カリパリ事件のイタリア側報告書は米国のものと矛盾

イラクで米兵によって射殺されたイタリアの秘密情報部員ニコラ 
カリパリの死亡に関するイタリアの調査報告は、米国のものと多く
の違いを見せている。月曜午後にローマで発表されたイタリア政府
の報告書の中では、巡回中の米兵が「未熟であり、緊張していたた
め」カリパリと解放された人質ジュリアナ スグレーナが乗ってバ
グダード空港に向かっていた車に向かって発砲した、とされてい
る。また、銃撃後この場所は現状確保がなされなかった、とも述べ
られている。この報告書は在ローマ米大使メル センブラーに手渡
された。4時間後ようやくこの報告書は公開された。おそらく米兵
数人が本能的に、自制心を失って発砲したのだろう、と述べられて
いる。同時に米軍に対してこの検問所を作った手法について批判が
行なわれ、「一般の住民の通行や兵士自身にとっても基本的な準備
対策が欠けていた」と述べられている。

     国内ニュース

フィッシャーは村落名標問題を善意で解決できると見ている。

連邦大統領ハインツ フィッシャーは月曜午後、ケルンテン州で開
かれた記念式典の催しで、村落名標の2ヶ国語表記の問題で協力を
して現実的な解決を図るように訴えた。彼は、さまざまな民族の集
まるタイナーハへの招待を受けたのは、まさにさまざまな民族集団
に対する敬意を表明したかったからだ、民族集団は「我々の文化、
我々の知識にとって」重要だ、と述べた。フィッシャーは、憲法裁
判所が下した判決は、「自分の理解が正しければ」2ヶ国語による
表記は、スロヴェニア後を話す国民にとって、自分の場所で自分が
行く道を見つけることができなければ、自分の素性を確認する手助
けとなる上で、全くあるいは第一義的な意義を持っていない、とい
うことを表現したものだ、と述べた。また2カ国語による村落名標
は、ここには少数派が住んでいる、ということを示すもので、少数
派が尊重されており、法的に注意を払われていることを表わしてい
る、とも述べた。




5月3日(火)

     国外ニュース

イラク新内閣宣誓

イラクでは選挙から3カ月以上たち、新政府が火曜日に国民集会で
宣誓を行なった。最初に首相イブラヒム エル ジャアファリが宣
誓を行なった。いくつかの閣僚の席はまだ空席のままである。国防
大臣と並んで、重要な石油大臣の席が空席であった。それより前に
は、米国で教育を受けた技術者イブラヒム バハル エル ウルム
が最後の瞬間に、当初予定されていたアハメド チャラビに代わっ
て就任する、との噂であった。米国は以前は支持していたチャラビ
とは、最近は明確に一線を画すようになっている。彼が石油大臣に
就任すれば、米国を侮辱することになる、と専門家は見ていた。バ
ハル エル ウルムは、シーア派の主要な聖職者の息子で、米軍の
侵攻後の2003年にはすでに9ヶ月間石油大臣を務めていた。彼が
就任することがあれば、米国の賛成を得られるものとみられてい
る。

     国内ニュース

学校改革をめぐる駆け引きは続く

学校法改正をめぐる3分の2の賛成条項の撤廃をめぐる駆け引き
は、国民評議会の教育部会で今日も行なわれる。山場となるのは、
異なる学校制度を維持するという原則、つまり特に一般高等教育の
初等段階と本課程校の分離を憲法に依拠したものにするかどうか、
という問題である。国民党はこれに賛成しているが、社会民主党は
反対している。社会民主党はやむを得なければ、授業料不要、就学
義務、宗教の授業、カトリックの私立学校、公立学校制度を憲法に
基づいて確実なものとするようにとの要求を断念し、3分の2の賛
成の条項の完全な廃止という政府提案に賛成する意向である。しか
し国民党はこれに応ずるつもりはない。この「機会の窓」は社会民
主党が認めたものだ、と教育大臣エリサベト ゲーラー(国民党)
は述べた。社会民主党党首アルフレート グーセンバオアーは、国
民党は教育政策の「改革を阻止」しているとふたたび非難した。社
会民主党、緑の党、オーストリア未来連合と教会は、この妨害に反
対しており、国民党だけが「すねて」いる、と語った。




5月4日(水)

     国外ニュース

英国では下院選挙

英国では木曜日に国会議員選挙が行なわれる。合わせて4,420万人
の有権者がイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイル
ランドで、英国の下院の勢力図を決する投票を行なう。世論調査に
よれば、首相トニー ブレアが、イラク戦争に英国が参戦したこと
をめぐる議論が発生した結果、大衆的な人気を失ったにもかかわら
ず、与党労働党が3期続けて勝利する可能性が高い。選挙区の数が
減少したことを受け、今回の下院の議席は646議席である。前回選
挙では労働党が、英国の選挙法が定めている過半数保護に基づき、
40.7%の得票率で、659議席のうち412議席を獲得した。保守党は
31.7%で166議席、自由民主党は18.3%で52議席を得た。その他
の議席は、北アイルランド、スコットランド、ウェールズの民族政
党が占めている。また前回選挙の投票率は1918年以来最低の59%
であった。

     国内ニュース

クラーゲンフルトのEM競技場発注に向け準備が整う

クラーゲンフルトのEM競技場の建設発注の決定は、数ヶ月間にわ
たって駆け引きが続いていたが、水曜日核心的な部分で決定が下さ
れた。ウィーンの連邦発注局の決定により、建設開始のための法的
な障害は最終的に取り除かれた、とラジオ局は報じている。連邦発
注局がこの業務を担当しない、と発表したため、これはクラーゲン
フルト市の担当となる。当初この建設計画を2つの官庁が検討して
いた。ケルンテン州の中立行政評議会が、これを担当しないと宣言
し、引き続きクラーゲンフルト市が時間的優位を利用し、ポル・ア
ルピネ・マレーダー企業体にこれを委託していた。この競技場は
2008年にスイスとオーストリアで行なわれるヨーロッパ選手権の
試合が行なわれる計画になっている。




5月5日(木)

     国外ニュース

イラクでは新たな攻撃の波 死者少なくとも24人

イラクでは、蜂起勢力が流血の攻撃を続けることで、新政権の元で
の治安部隊の拡大を妨害しようとしている。昨日だけで新人募集事
務所に対する攻撃の他、バグダードとモースルでは警察の巡回に対
する襲撃があり、少なくとも24人が死亡した。前日には自殺攻撃
犯が60人を殺害していた。これはここ2ヶ月間で、最悪の攻撃であ
った。蜂起勢力はこの暴力の波によって、先週成立し、火曜日に宣
誓を行なった新政権に揺さぶりをかける方針である。しかし首相イ
ブラヒム エル ジャアファリはシーア派およびスンニー派との対
立を調停するための会談を行ない、閣僚37人のうち7人の人事につ
いて協議しはじめた。最後の閣僚が土曜日には任命され日曜日に国
会で承認される、とジャアファリ側からは発表があった。

     国内ニュース

村落名標をめぐり合意を得るための会議は延期

金曜日に予定されていた、ケルンテン州の村落名標の2ヶ国語表記
に関して合意を得るための会議は、今年の秋遅くまで延期される、
と同州首相イエルク ハイダー(オーストリア未来連合)は木曜日
に発表した。彼は、まずケルンテン州の住民と、関係する市町村と
合意に達しなければならない、と語った。それまでは各市町村で情
報を伝える集会を行なうことになっている。この延期は、水曜午後
に行なわれた、同州閣僚、郷土連合、各党党首、ケルンテン州スロ
ヴェニア人との予備会談の結果である、とハイダーは述べた。彼の
広報ハイディ グリュックは、連邦首相ウォルフガング シュッセ
ル(国民党)が電話でこの会議に参加していた、と明らかにした。




5月6日(金)

     国外ニュース

ブッシュ「ロシアだけが悪いわけではない」

米国大統領ジョージ W. ブッシュは、ヨーロッパ訪問を前にロシア
のテレヴィ局NTVのインタヴューを受け、バルト諸国の戦後の運命
を左右したのは、ロシアだけではなく米国と英国にも責任があるこ
とを認めた。ラトビアの通信社LETAはロシアの通信社リア ノヴ
ォスティの報道として、これを伝えた。ブッシュは今日からヨーロ
ッパ訪問の公式日程を開始し、まずラトビアのリガを訪問する。引
き続きオランダ、モスクワ、グルジアを訪問する。

     国内ニュース

社民党「減税では女性が無視されている」

社会民主党は2005年の減税の修正を求めている。社会民主党の予
算の専門家クリストフ マッツネッターは金曜日、150万人以上の
女性が税制改革では無視されている、と述べた。彼によれば、
2005年の税制改革は、男女間の収入の格差を縮小するのではな
く、情勢をさらに悪化させており、この改革は男性に有利になって
いる、この税制改革で恩恵を受けない男性の数はより少なく88万
7千人である。具体的には雇用されている女性の47%が無視されて
おり、自営の女性の場合は53%である。年金を受け取っている女性
の場合も状況はこれよりよいとはいえない。特に戦後瓦礫の山を片
づけた女性たちの世代が含まれる年代は、政府側からひどい扱いを
受けている、などとも述べた。




5月7日(土)

     国外ニュース

ブッシュのモスクワ訪問を前に意見の相違

60年前の第2次世界大戦終了を記念し、自由と民主主義を訴える
催しが、米国大統領ジョージ W. ブッシュのヨーロッパ訪問の中心
である。モスクワで開かれる大規模な終戦記念式には、ブッシュの
ほかロシア大統領ウラジミール プーチンも出席する。ただし、プ
ーチンはブッシュ訪問のその他の部分では侮辱されたと感じてい
る。訪問全体の計画の中でブッシュは、元ソ連の共和国で現在ロシ
アとの関係が緊張しているラトビアとグルジアをよりによって訪問
するためである。

     国内ニュース

ケルンテン州では2ヶ国語による村落名標が設置される

村落名標問題に関する話し合いが州の水準に移行したことを受け、
来週には4年ぶりに新たな2ヶ国語による村落名標が、ケルンテン
州に設置される。木曜日には、なくなっていた20ヶ所のうち3つの
掲示が披露される。州首相イエルク ハイダー(オーストリア未来
連合)の事務所の土曜日の発表によれば、連邦大統領ハインツ フ
ィッシャー、連邦首相ウォルフガング シュッセル(国民党)、州
首相ハイダー、各市町村長がこの式典に出席する。「このお披露目
は、団結、友情、平和の式典である」とハイダーは述べた。




5月8日(日)

     国外ニュース

モスクワでの終戦記念式には50ヶ国の首脳が参加

第2次世界大戦の終了60周年を記念する式典が月曜日にモスクワで
行なわれるが、これには約50ヶ国の首脳が出席する見込みである。
参加者の中にはオーストリア大統領ハインツ フィッシャー、米大
統領ジョージ W. ブッシュ、独首相ゲアハルト シュレーダー、仏
大統領ジャック シラクが含まれている。赤の広場での伝統に則っ
た閲兵式のほか、無名兵士の墓地に花輪を供える計画である。正午
には大統領ウラジミール プーチンは招待客をクレムリンに迎え
る。モスクワでの式典は、大規模な安全対策を取った中行なわれ
る。2万人を越える警官が動員されている、との話である。終戦60
周年記念日には、ソ連時代の独裁者スターリンにかわって、フラン
スの戦争の英雄シャルル ド ゴールの銅像が設置される。

     国内ニュース

亡命希望者には労働許可は与えない

閣議は火曜日に、亡命法、外国人警官法、居住権、滞在権などを規
定する新たな外国人雇用法を決定する。「クリール」紙の報道によ
れば、亡命希望者は現在は認められている労働許可を得る機会が失
われる。労働許可は今後は、オーストリアに「合法的に定住」して
いる人だけが受けられる。ただs亡命希望者は「一時的に」オース
トリアに滞在できる。3月初めには内務大臣リーゼ プロコプ(国
民党)は亡命希望者の雇用の可能性をさらに増やすことに賛成であ
る、と述べていた。



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