５月１６日〜５月２２日のオーストリアのニュース
５月１６日（月）
国外ニュース
ホドルコフスキーに対する判決言い渡しは続く
モスクワでは、ユコス社の創設者であるミハイル ホドルコフスキ
ーに対する判決言い渡しが続けられている。月曜日に裁判所は既に
11の罪状のうち6つを読み上げ、これにより実質的にはホドルコフ
スキーは有罪である、とされている。41歳の石油企業ユコスの元
社長で、以前は同国でもっとも富裕な男であった彼は、最長で10
年間の拘留を受け、個人資産が差し押さえられる可能性がある。彼
には背任、脱税、資金洗浄の容疑がかけられている。ロシアではこ
の裁判は、ホドルコフスキーが2003年の国会議員選挙前に、野党
を財政的に支援し、大統領ウラジミール プーチンの政策に公然と
反対したことに対する、ロシア政府の報復である、と批判している
者も多い。米国は改めてこの裁判に関して懸念を表明した。外務省
広報のリチャード バウチャーは昨日ワシントンで、米国は最終的
な評価を公表するためにホドルコフスキーに対する判決言い渡しが
終わるのを待つ方針だ、と述べた。
国内ニュース
国際条約記念日をきっかけに中立をめぐり議論
条約締結記念日は改めて、オーストリアの中立はかつては厭われて
いた義務であったが、現在では愛国的な義務の一部になっているこ
とを証明した。有権者の間で得点を稼ぎたいものは、これに賛成す
る態度を表明しなければなくなっている。ただし現在の中立は、か
つての中立と同じものではない。国民党と社会民主党は中立を重視
しているが、自由党がこれを踏みにじっている、と見ている。オー
ストリア未来連合内部では、オーストリア人は中立が何を意味して
いるか知っていないと見ており、国民投票を行なう方針である。
５月１７日（火）
国外ニュース
スペイン国会はETAとの交渉を可決
スペイン国会は火曜日、暴力行使を行なわないことを条件に、政府
がバスク地方の地下組織ETAがとの間で交渉を進めることに賛成し
た。これに関する与党社会党の決議には、192人の国会議員が賛成
し、147人が反対した。保守的な国民党だけが、ETAとの交渉に反
対した。政府はこれに先立ち、ETAに対し政治的な承認を与えたり
バスク地方の独立を認めることはない、としていた。
国内ニュース
ムーツィカント「オーストリアの反ユダヤ主義は拡大せず」
イスラエルの宗教組織の代表アリエル ムーツィカントは、オース
トリアでは反ユダヤ主義は、他の国ほどははびこっていないが、
「特によい」わけではない、と述べた。ただし、ここ20年間で
「かなり多くの点で前向きに変わった」と火曜夜の番組で述べた。
最近ある調査が目を引いていた。それによればオーストリア人の
54%がユダヤ人に対する新たなホロコーストが起こりうる、と見て
おり、ユダヤ人に対して「共感できる」としたのは18%に過ぎなか
った。しかし89%の人が、ホロコーストに関する情報は重要である
と考えていた。
５月１８日（水）
国外ニュース
ザルカウィの声の新たな録音が見つかる
テロ組織アル カーイダのイラクでの指導者と見られるアブ ムサ
ブ エル ザルカウィは昨日、録音テープによる声明を公表した模
様である。ヨルダンの急進派がかかわっていると見られる、インタ
ーネット上で公開された声明の中で、イラクのシーア派は米国に協
力している、と非難する声が流れている。シーア派が多数を占める
イラクの新政府は、裏切り者である、とその声は述べている。この
録音が本当にザルカウィのものであるかどうかは、中立の機関によ
る解明がまだなされていない。
国内ニュース
ゴルバッハ「雇用は今後、全面的に正常な方向に動く」
副首相フーバート ゴルバッハ（オーストリア未来連合）は昨日午
後のテレヴィ番組で、自分の任期が終わった後には私経済はおそら
く成長するだろう、との予告を再び強調した。自分が観光業のワル
ター クラオスの元に転職した場合、意見の不一致の問題は生じな
いだろう。「すべては正常に動くだろう」と彼は述べた。彼は自分
の予告に対する批判を「わざと興奮している」だけだ、と述べた。
５月１９日（木）
国外ニュース
ホドルコフスキーに対する刑罰は軽くなる？
ロシアの実業家ミハイル ホドルコフスキーに対する拘禁刑は、検
察が要求している10年を下回る模様である。裁判官イリーナ コ
レスニコーワは、ユコス社元社長に対する裁判の判決言い渡しの4
日目にこれを示唆した。木曜日には正式な判決言い渡しには至らな
かった。同法廷は今日まで延長された。同裁判官は、可能な量刑と
して、訴えられている点のうち1つに対しては、1995年の刑法典
を根拠にして判断することになる。彼女はその理由として、ホドル
コフスキーが競売を偽装した詐欺事件は1994に起きており、古い
法律が適用させるということを上げた。それによればホドルコフス
キーと共犯のプラトン レベデフはこの点で4年から10年の罰を受
ける可能性がある。
国内ニュース
ハオプナー「5月末までに重労働従事者に対する法案を準備」
社会福祉大臣ウルスラ ハオプナー（オーストリア未来連合）は、
計画中の5月末までには新たな重労働従事者に対する新たな規定の
草案が提案できる、と期待している。現在労使双方の専門家が、
「重い肉体労働」の概念をどのように定義するべきか、協議してい
る、と彼女は木曜日にストックホルムでAPA通信に述べた。また重
労働従事者は今後はより早く年金が受給できることになる。その前
提として少なくとも15年間重労働を行ない、45年間保険に入って
いることが条件である。
５月２０日（金）
国外ニュース
ライス「テロ攻撃はシリア地域から」
米外務大臣コンドリーザ ライスは、シリアに対する米国の非難を
強め、シリア政府はイラクの蜂起勢力を支援している、と非難し
た。シリアは、蜂起勢力がシリアとの国境地帯を利用して、「無実
のイラク人に対するテロ攻撃を組織することを許している」とライ
スは昨日ワシントンで述べた。その他シリアはイラク人のテロリス
トを財政面で支援している、ともイラク計画立案大臣バルハム サ
リーとの会談後に述べた。ライスは数ヶ月前から、シリアは国境地
帯を十分監視していない、と非難していた。
国内ニュース
カップは秋の地方選挙と同時に総選挙を行なうのに賛成
社会民主党の会派の執行部長ヨーセフ カップは金曜日、ウィーン
同党員ミヒャエル ホイプルの提案したこの秋に行なわれる国民評
議会選挙と同時にウィーン市議会選挙も行なうことに賛成した。ウ
ィーン市長であるホイプルは、国民党党首で連邦首相のウォルフガ
ング シュッセルに対して機会を与えるつもりであり、オーストリ
ア未来連合と自由党が合併する場合に、これを決断するかどうかは
シュッセル次第である、とカップは述べた。ホイプルは、オースト
リアがEU議長を務める2006年前半には恥をかかないで済むように
協力するつもりだ、とともカップは語った。秋は少なくとも政局は
熱くなる。ブルゲンラント州、シュタイアーマルク州、そしていま
やウィーンで地方議会選挙が行なわれ、これは連邦政府に対する住
民の支持を問うものになる。
５月２１日（土）
国外ニュース
独州議会選挙で社民党は再び手痛い敗北を受ける可能性
日曜日にはドイツでもっとも人口の多い州であるノルトライン・ヴ
ェストファーレン州で、州議会選挙が行なわれる。社会民主党はそ
の拠点ではっきりした敗北を喫する可能性がある。39年間にわた
って同党は同州で政権を握っていたが、キリスト教民主同盟に政権
が移る可能性がある。これは連邦政治での社会民主党と緑の党の連
立に対する信を問うものになる。州首相ペーア シュタインブルッ
クが、対立候補のユルゲン リュトガースに敗北すれば、連邦政治
での連立に変化が起こる可能性もある。ただしこれについては社会
民主党内部で方針が対立している。
国内ニュース
世論調査では多数がグラサーの私生活に興味なし
オーストリア人の過半数が、政治家の私生活に対する干渉、たとえ
ば大蔵大臣カール・ハインツ グラサーをめぐって現在どんなこと
が起きているのかに報道機関や政治家が口を出すことは、正当化で
きない、と考えている。これはリンツの世論調査研究所marketの
世論調査の結果である。5月中旬に18歳以上のオーストリア国民
400人に対する調査を行なったところ、政治家の私生活に対する介
入は「決して」あるいは「どちらかと言えば」正当化されない、と
する人が83%で、この意見は国民全体でも同じだと確言できる、と
同研究所は発表した。
５月２２日（日）
国外ニュース
イランの改革派は大統領選挙に参加が許されず
来月イランで行なわれる大統領選挙には、改革派の参加が認められ
ていない。国営テレヴィ局の昨日の報道によれば、権限を持つ監督
評議会は、1.010人のうちわずか6人だけの立候補を認める、との
決定を下した。6人の候補者のうちには女性は含まれていない。昨
年の国会議員選挙前には、監督評議会は2千人を越える人の立候補
を許可せず、怒りの波が押し寄せていた。1997年に選ばれだ大統
領モハメド ハタミは2期を勤めたため、これ以上の再選を受ける
ことは出来ない。6月17日の選挙で立候補を認められた7人の中に
は、元大統領ハシェミ ラフサンジャニが含まれており、有力な候
補である。彼は、現実路線の政治家でアヤトッラー アリ ハメネ
イと改革派の陣営の間で立場を変えることができる人物と見られて
いる。
国内ニュース
シュタイアーマルク州自由党党大会でシェグルが党首に再任
シュタイアーマルク州自由党党大会が日曜日にクニッテンフェルト
近郊のコーベンツで開かれ、自由党が一体であることを示した。党
州同党主レオポルト シェグルが93.7%の支持を集め、党首に再選
された。シェグル対クネルツルの戦いは起こらなかった。同州議会
選挙を5ヶ月後に控え、同党は団結を示す必要があった。ただし同
党の次席で議員団長ワルトラウト ディートリッヒとその代理カー
ル ウィートナーが、州議会選挙にはもはや立候補しない、と発表
した点が手痛い失点であった。