5月30日〜6月5日のドイツのニュース



5月30日(月)

CDU/CSUはメルケルを首相候補に選ぶ

(ベルリン)キリスト教民主同盟党首アンゲラ メルケルは、ドイツ連邦共和国の
歴史で初めて女性として、首相の座をめぐって争う。野党キリスト教民主、社会同
盟の幹部会は、50歳の東独出身のメルケルを、連邦首相ゲアハルト シュレーダ
ーの対立候補として任命した。この決定は全会一致で下された、とキリスト教社会
同盟党首エドムント シュトイバーはベルリンで発表した。メルケルは、キリスト
教民主、社会同盟が政権を取った場合の政策の中心は、失業との戦いである、と述
べた。与党社会民主党および緑の党の連立政権の政治家たちは、キリスト教民主、
社会同盟は計画性に欠けている、と非難した。
シュレーダーの提案に基づいて、本来は2006年秋に予定されていた連邦議会選挙
は、今年9月に時期を早めて実施される見込みである。

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シュレーダーは今後の対策を明言せず

(ベルリン)連邦首相シュレーダーは、7月1日に連邦議会で信任
投票を行なう際にようやく、9月に選挙を行なうための道を開くた
めの措置を明確にする方針である。最初に情報が与えられる権利を
持っているのは国会である、とシュレーダーは社会民主党の党評議
会で述べた。緑の党党首ビューティコファーは、信任投票の提案は
首相の案件であり、緑の党は社会民主党との間で火曜日に行なわれ
る連立協議では今後の対策について協議が行なわれる、との立場に
立っている。連邦議会の解散とその後の選挙を行なうための条件
は、シュレーダーが信任投票で敗北することである。

左派同盟は実現の見込みがたたず

(ベルリン)民主社会党(東独の元共産党)と左派の「有権者の選
択」WASGは、連邦議会選挙で共同で立候補者を建てる可能性につ
いて初めて話し合ったが、成果はえられなかった。当面選挙法に関
する問題が解決されねばならない、と民主社会党党首ビスキーは述
べた。社会民主党元党首ラフォンテーヌが、左派同盟の筆頭候補と
して、交渉に臨んでいた。

フランスのEU憲法拒否にドイツでは失望感

(ベルリン)ドイツ政府および野党は、フランス人がEU憲法に関
する国民投票で反対したことに失望した。連邦首相シュレーダー
は、国民投票の今回の結果は憲法を作る道を逆戻りさせるものでは
あるが、これで終わりではない、と述べた。外相フィッシャーは、
フランスの決定はヨーロッパに課題をつきつけている、と述べた。
キリスト教民主同盟党首メルケルは、人々の不安を真剣に受け止め
るように求めるとともに、拡大政策によってEUを拡大しすぎない
ように、と警告した。EU委員会議長バローゾは、EU憲法をめぐっ
て新たな話し合いを行なう可能性はない、と述べた。現在評議会議
長を務めるルクセンブルク首相ユンカーは、EU加盟各国での批准
の手続きを続行するように求めた。日曜日に行なわれたフランスの
国民投票では、市民の55%がこの憲法に反対した。この条約は、
EU加盟国25カ国すべてで批准された場合にのみ、効力を持つこと
ができる。




5月31日(火)

仏大統領シラクは新首相を任命

(パリ)大統領ジャック シラクは新たな首相をたてて、フランス政府を危機から
救出する方針である。フランス人がEU憲法を明確な形で拒絶してから2日、シラク
は今まで内務大臣を務めていたドミニク ド ヴィルパンを首相に指名した。彼は
シラクの信任厚い人物で、経済改革で任期を失って批判を受けていた首相ジャン・
ピエール ラファランの後継者となる。内務大臣として内閣に復帰するのは、政権
党国民運動連合UMPの党首ニコラス サルコズィである。
日曜日に行なわれた国民投票では、フランス人の55%がEU憲法に反対し、政府の
政策に対する不満を表明した。
ドイツ首相ゲアハルト シュレーダーは、新首相ド ヴィルパンを支持する、と約
束した。

     その他のニュース

ユコスの創業者ホドルコフスキーに対する厳しい拘留刑

(モスクワ)ロシアの石油企業の元経営者ホドルコフスキーに対す
る刑事裁判の中で、被告は9年の拘留刑を言い渡された。モスクワ
の裁判所は41歳のユコス社の創立者である彼に対して、ほぼすべ
ての容疑に責任がある、と述べた。彼の共同経営者レベデフにも9
年の拘留が言い渡された。ホドルコフスキーの弁護士は、控訴を行
なう、と予告した。ロシア政府を批判する者たちは、これはロシア
政府による「報復」である、と述べた。ホドルコフスキーはかつて
はロシア最高の金持ちであったが、逮捕前に野党各党を財政的に支
援していた。ドイツおよび西側諸国では、この判決が怒りを招いて
いた。

イスラエル大統領カツアフは連邦議会で演説

(ベルリン)イスラエル大統領カツアフはドイツに、反ユダヤ主義
と断固戦うように呼びかけた。連邦議会で行なわれた演説の中で彼
は、ネオ・ナチ勢力の認知が進み、その活動が日常的に根づいてい
くことに懸念を表明した。ドイツ政府は確かに反ユダヤ主義対策を
強く進めているが、ネオ・ナチの協議のあらゆる表現は萌芽のうち
に摘み取らなければならない、とカツアフは強調した。連邦議会議
長ティールゼは、ドイツは今後も、イスラエルが暴力を受けること
なく安全な国境の中で暮らしていく権利のために努力する、と述べ
た。また彼はドイツ・イスラエル青年会の創設を提案した。

社民党・緑の党は重要な改革を今後も進める方針

(ベルリン)連邦政府は、9月に予定されている連邦議会選挙前に
も、改革政策の中心点を軌道にのせる方針である。社会民主党党首
ミュンテフェリングと緑の党党首ロートは、特に法人税改革と、最
低賃金を維持するための従業員派遣法を成立させる、と発表した。
同時に彼らは、実現の可能性に関して疑問がある、とも述べた。蔵
相アイヒェルが選挙前に2006年予算案を提出するかどうかについ
ては、ミュンテフェリングは明言しなかった。連邦首相シュレーダ
ーは緑の党に対し、外相フィッシャーに連邦議会で予定されている
信任投票の詳細について、適切な時期に情報を伝える、と約束し
た。




6月1日(水)

オランダでEU憲法に関する国民投票

(デン ハーグ)フランス人がEU憲法を拒否してから3日、水曜日にはオランダ人
も、この条約に投票を行なう。オランダ全体で行なわれる国民投票はこれで初めで
あるが、フランス同様に明確な拒否が下される見通しである。調査によれば、午後
遅くまでに30%を越える人々が投票を行なった。フランスとは違って、オランダで
は国民投票の決定が議会の決定を拘束するものではない。ただし大政党は、127万
人の有権者の30%以上が投票を行なった場合には、この結果を尊重する方針であ
る、と発表していた。
EU加盟国のうち9カ国は、この憲法条約をすでに批准しており、その中にはドイツ
も含まれている。この憲法が発効するためには、加盟25カ国すべてによって承認
される必要がある。

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アフガニスタン南部のモスクで自殺攻撃

(カブール)アフガニスタン南部の都市カンダハルでは、モスクで
行なわれていた葬儀を狙った自殺攻撃があり、少なくとも19人が
死亡した。犠牲者の中には、カブール警察署長も含まれている。公
式の情報では、週末に暗殺された高位の聖職者と反タリーバンの活
動家を追悼する葬儀が行なわれている間に、この事件は起きた。死
者の外に、52人が負傷した。同州の知事によれば、犯人はあるア
ラブ国家の出身で、テロ組織アル カーイダの隊員である。国連事
務総長アナンは、犠牲者の関係者のほか、アフガニスタン政府に対
して、弔意を述べた。

イラクの治安部隊に対し攻撃

(バグダード)水曜日にはバグダード空港にある米軍の監視所で自
殺攻撃が行なわれ、15人が負傷した。インターネット上で公表さ
れた声明によれば、イラクのアル カーイダ組織が犯行を行なっ
た、とのことである。同国北部では、現地の兵士1人が毒入りのス
イカを食べた後に死亡した。その同僚12人が病院で手当を受け
た。ある農民がこの毒を仕込んだ果物を、道路の検問所にいた兵士
に配った、と警察は発表した。一方ブリュッセルで開かれるイラク
の再建に関する国際会議の日程は、6月22日に決定した。この会議
はEUと米国が共同で開催する。

異論のあるトルコ刑法が発効

(アンカラ)トルコでは新刑法典が発効した。この法律は、EUが
定めた法治国家の基準を満たすためのもので、80年前に制定され
た古い刑法の代わりになるものである。改善された点があるにもか
かわらず、意見発表や報道の自由が制限されているため、この新た
な法律には異論がある。国家の基本的な立場に対する批判を行なっ
た場合などには、最大で10年間の拘留が言い渡される可能性があ
る。エルドアンを首相とする同国政府は、このような判決が言い渡
される事例として、トルコ軍のキプロスからの撤退や、アルメニア
人に対する民族虐殺の承認を要求した場合を挙げている。そのため
トルコ報道評議会は、エルドアンを激しく非難している。新憲法は
拷問を行なう者に対する刑罰を強化しており、今までは認められて
いたいわゆる「名誉の殺害」に対する刑の減免も廃止されている。




6月2日(木)

EU憲法に対する2度目の反対を受け対策会議

(ブリュッセル、ルクセンブルク)フランスとオランダでのEU憲法承認が失敗に
終わったのを受け、各国の首脳が危機からの対策を集中して探し求めている。EU
委員会では今後の交渉を行なう可能性も排除されていない。EU委員会議長ジョゼ
 マヌエル バローゾは、早まって独断に陥ることがないように、と警告した。
EU評議会議長でルクセンブルク首相ジャン・クロード ユンカーは、2週間後の
EU首脳会談に具体的な提案を提出し、「ヨーロッパが機能していることをその他
の国々に証明する」と予告した。ユンカーはルクセンブルクでドイツ首相ゲアハル
ト シュレーダーと緊急会議を行なった。シュレーダーは、EU内部で意見の不一
致があるにもかかわらず、「物質面で可能な点で」EUの財政問題をめぐる対立の
流れを転換するための準備がある、と述べた。フランス大統領ジャック シラクは
土曜日にベルリン入りする予定である。
EUの首脳とドイツは、批准を今後も続けていくことを支持している。英国外務大
臣ジャック ストローは、オランダがEU憲法を拒否したことを「今後のEUの方針
に関する抜本的な問題を投げかけている」と述べた。ストローは英国での国民投票
中止を月曜日にも発表することにしている。

     その他のニュース

蘭首相バルケネンデは国民の拒否を受けEU憲法から撤退

(デン ハーグ)オランダ人がEU憲法を明確に拒否してから1日、
同国政府はEU憲法から撤退を開始した。首相バルケネンデは議会
に、EU憲法の批准にむけた法案を撤回する、と発表した。これに
より、同国会は秋に計画されていた投票を行なう根拠を失うことに
なる。オランダ人は前日、61.6%が反対して、同憲法を拒否してい
た。賛成はわずか38.4%であった。キリスト教民主党のバルケネン
デは、国民の一体感と主権を喪失するかもしれないと感じ、オラン
ダがEUに財政的に寄与しなければならないことに批判的な国民が
躊躇しているのだ、と理解している、と述べた。野党の緑の左派党
と労働党は、オランダ憲法の中に国民投票実施を義務づけるための
法案を提出する、と予告した。

仏新外相にドゥスト・ブラジ就任 新閣僚出揃う

(パリ)大統領ジャック・シラクの側近で今まで厚生大臣を務めて
いたドゥスト・ブラジが新フランス外相に、新欧州大臣には今まで
シラクの広報を務めていたコロナが就任する、とパリの大統領府は
発表した。内閣の2番目の有力者で、政権党である国民運動連合
UMPの指導者サルコジは、大統領の最有力の競争相手と見られてい
るが、職権を拡大した内務大臣の職を引き受ける。EU憲法批准が
失敗に終わってから4日、新首相ド ヴィルパンは、大量失業対策
の努力を強化する、と約束した。世論調査によれば、シラクの人気
は最低を更新した。

イラクでの攻撃は続く 大量の死者が再び発生

(バグダード)イラクでは複数の攻撃が起こり、少なくとも24人
が殺害され、多数が負傷した。重大な攻撃が、キルクーク近郊のト
ゥス フルマツ市で起こったが、これは首相代理のクルド人ロジュ
 シャワイスを狙ったものであった。警察によれば、この事件では
護衛兵がいた食堂の前で自動車が爆発し、少なくとも12人が死亡
したが、シャワイス自身はこの建物の中にはいなかった。バァクー
バでは攻撃犯が、行政府の輸送車団の中で車を爆破し、この地域の
政治家1人を含め5人が死亡した。モースルでは、オートバイに設
置されていた爆薬が破裂し、5人が死亡した。




6月3日(金)

シュレーダーはEU内で原則に関する議論を行なうのに賛成

(ベルリン)連邦政府は、フランスとオランダではEU憲法に関する国民投票で賛
成が得られなかったため、欧州政策の新たな方針をたてる。そのため連邦首相ゲア
ハルト シュレーダーは、6月中旬にブリュッセルで開かれる首脳会談では、欧州
の未来に関する原則の話し合いを始めるために、考える時間を設けるのに賛成する
方針である。両国の国民投票で否決されたことにより生じているEUの危機は、土
曜日に計画されているフランス大統領ジャック シラクとのベルリンでの会談の議
題でもある。EU議会の外務委員長エルマー ブロック(キリスト教民主同盟)
は、加盟7ヶ国がEU憲法に反対した場合には、完全に死んだものとなる、との懸念
を述べた。

     その他のニュース

シュレーダー「ルーマニアに対するEUの約束は守る」

(ベルリン)独首相シュレーダーは、EUに新規加盟国を受け入れ
る際の方針を転換することを拒否した。EUは、ルーマニアとブル
ガリアに対して負っている義務は、細かい点まで守らなければなら
ない、とルーマニア首相タリチャーヌとベルリンで会談した後、シ
ュレーダーは述べた。両国が条件を満たせば、2007年の1月には
EU加盟国に必ずなる、とも述べた。タリチャーヌは、EU加盟国の
「内部の問題」が原因となって、ルーマニアの加盟が妨げられると
すれば、不公正である、と述べた。ルーマニアは4月にEU加盟条約
に署名した。EU委員会はルーマニアとブルガリアに対して、改革
が不十分であるとの「警告の書簡」を送ると予告した。

ユンカーはEU憲法がルクセンブルクで否決されれば辞任する方針

(ルクセンブルク)EU憲法の今後をめぐる議論は、さらに緊迫し
ている。ルクセンブルク首相ユンカーは、同国民がEU憲法に反対
する場合には、辞任する意向である、と発表した。6月末まで彼は
EU評議会議長を務めている。ルクセンブルク国民は7月10日に同
憲法に関する投票を行なう。これより前スウェーデン政府は、フラ
ンスあるいはオランダが憲法の内容に関する新たな交渉の実施を求
めるのであれば、同憲法の批准手続きをただちに中止する計画であ
る。報道によればアイルランドは、6月中旬のEU首脳会談の結果に
よって、批准を続けるかどうかを決定する方針である。

連邦議会は長期失業者の副収入増額を認める

(ベルリン)今後長期失業者は、失業給付金IIに加えてより多くの
お金を稼ぐことが許される。連邦議会は、与党社会民主党と緑の党
の他、キリスト教民主、社会同盟も賛成して、これに関連する規定
を承認した。自由民主党は保留した。より高額の副収入を得ること
を認めることに合意することによって、政府とキリスト教民主、社
会同盟が3月に取りまとめた雇用首脳会談の合意が実施に移され
た。新たな規定には、より高額の副収入に対する非課税措置が含ま
れている。それによれば、長期失業者が副業についた場合に、一括
して100オイロを課税免除にし、失業給付金IIにはその額を含めな
いことが認められる。101オイロから800オイロの副収入がある場
合には、20%が免除される。失業給付金IIの受給者が400オイロの
副業についた場合には、今後は160オイロを受給できることにな
る。




6月4日(土)

シュレーダーとシラクが会談

(ベルリン)ドイツ首相ゲアハルト シュレーダーとフランス大統領ジャック シ
ラクはベルリンで会談した。2時間の予定で行なわれた会談では、失敗に終わった
EU憲法に関する国民投票に、どのように対処するかが話し合われている。両者は
当面、現状およびフランスとオランダでの国民投票の分析に取り組む意向である、
とドイツ政府筋は発表した。一方、EUの危機を乗り越えるための道に関する議論
も続けられる。EU委員会議長ジョゼ マヌエル バローゾは、EU憲法の事後協議
を行なうことを拒否し、憲法条約の文言は困難な妥協の産物であって、これを練り
あげるために長い年月を費やしてきた、とイタリアのメッシーナで述べた。イタリ
ア大統領カルロ アゼリオ チャンピは、この危機で前向きの気持ちを失わないよ
うに、と呼びかけた。

     その他のニュース

トルコはEUの完全な加盟国になることに固執

(アンカラ)EU憲法が危機に陥っていることを視野に入れつつ、
トルコ首相エルドアンは、トルコが完全な加盟国になるとの目標を
後回しにすることがないように、と警告した。「ビルト アム ゾ
ンターク」紙にエルドアンは、トルコには完全な加盟以外のものを
受け入れる準備はない、と述べた。キリスト教民主、社会同盟が提
案した特権的な協力国という考え方は、EUとトルコの関係の精神
に矛盾している、とも述べた。一方英国の欧州担当大臣アレクサン
ダーは同じ新聞に、EU拡大は疑問である、と述べた。

パレスチナ大統領アッバスは総選挙を延期

(ラマラ)パレスチナ大統領アッバスは、予想通り、7月17日に予
定されていた国会議員選挙をさしあたり延期した。必要な選挙法を
可決するために、時間が足りない、新たな期日は近々発表される、
とラマラで公表されたアッバスの司令には印されていた。ガザ地区
の急進派ハマースの広報は、選挙の延期を批判した。イスラエルと
の停戦を指摘しつつ、この延期はすべてのパレスチナの合意に違反
するものだ、と広報は述べた。ハマースに有利な選挙の結果が出る
と見られている。

アナンは各国政府に国連改革を支持するように改めて要請

(ニュー ヨーク)国連事務総長アナンは各国首脳に対して改め
て、国連の抜本的改革を行なうことを支持するように呼びかけた。
2015年までに貧困を半減し、戦争およびテロの危険性に対処する
ために、国連は重要な一歩を踏み出さなければならない、と彼は述
べた。アナンは、9月のニュー ヨークでの国連首脳会談では国連
史上で最も積極的な改革が支持されることに自信を示した。一方国
連総会議長であるガボン外相ピンは国連改革のための広範な提案を
行なった。ただし、ドイツも含めた国にあらたに常時議席を与える
という中心課題には触れられていない。




6月5日(日)

スイス人はシェンゲン条約に賛成

(ベルン)スイス市民は2007年までに入国管理を廃止することに賛成した。公の
最終結果によれば、国民投票では54.6%が、シェンゲンとダブリンで結ばれた法律
および警察に関する条約に加盟することに賛成した。これによってスイスはノルウ
ェーとアイスランドに続いて、シェンゲン条約に加盟する3番目のEU非加盟となっ
た。今後は国境での旅券検査は事実上行なわれなくなる。さらにスイスはEUの亡
命規則を取り言えることになった。
第2の議題である同性同士の結婚の登録は58%の賛成で認められた。これは、税制
および年金での同党の扱いを内容としている。
EU議長国ルクセンブルクとドイツ内務大臣オットー シリーは、スイス人がシェ
ンゲン条約に賛成したことを歓迎した。

     その他のニュース

シュレーダーとシラクはEU憲法を成立させるという目標を堅持

(ベルリン)ドイツとフランスは、フランスとオランダがEU憲法
を拒否したにもかかわらず、EU内部で批准の手続きを進めていく
ことを求めている。独首相シュレーダーと仏大統領シラクは、欧州
の憲法という着想を断念してはならない、という点で意見が一致し
ており、まさに今この共同体が放棄されてはならない、とベルリン
での協議後に発表した。英国政府は慎重な態度を取っている。首相
ブレアの広報は、6月16日のブリュッセルでのEU首脳会談まで考
える時間が必要だ、と述べた。首脳会談の3日前、ブレアはベルリ
ンで首相シュレーダーと会談する予定である。英国はEU評議会の
議長職を7月に受け継ぐ。新聞報道によれば、英国政府はEU憲法に
関する国民投票を当面凍結する方針である。

レバノンの第2期選挙では投票率下降

(ベイルート)レバノンの国会議員選挙の第2期投票では、投票率
が下がっている模様である。地元での報道によれば、約34%の投票
率である。約67万人の市民が、シーア派が主流の同国南部で、投
票を行なうことになっている。専門家はヒズブッラーとアマル運動
の選挙連合が勝利する、と見ている。両イスラーム組織は、シリア
に忠実な同盟者と見られている。一方スンニー派が主流の首都ベイ
ルートでは、1週間前にサアド アル・ハリリ率いる反シリアの野
党が、選挙が行なわれたすべての議席19を獲得した。シリアは約
30年にわたり、小さな隣国であるレバノンの政治を支配しており、
4月にようやく国際的な圧力を受け、レバノンから部隊を撤退させ
ていた。

米軍はイラク反乱勢力の貯蔵庫を発見

(バグダード)米国とイラクの兵士はイラク西部で、大規模な武器
庫を備えた蜂起勢力の地下の防空壕を発見した。米軍の情報によれ
ば、この防空壕はアンバール州のファッルージャ近郊のカルマ市近
くにあり、完全な設備の居室4つ、新鮮な食料を貯蔵した台所、シ
ャワー2基、稼働する空調設備を備えている。その他児童で動く武
器、榴弾、ミサイル、野戦砲が貯蔵されていた、とのことである。
アンバール州は、蜂起勢力が最も激しい戦闘を米軍およびイラク治
安部隊との間で繰り広げている地域と目されている。



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