5月30日〜6月5日のオーストリアのニュース



5月30日(月)

     国外ニュース

ザルカウィは重傷説を否定

テロリストとして行方を追求されている急進派指導者アブ ムサブ
 エル ザルカウィは昨日、彼のものとされるインターネット上で
公開された信書の中で、自分が重傷を負っているとの報道を否定し
た。録音の中では自分が軽傷を負っていることを認めている。この
広報が実際に行方を追求されているテロリストのザルカウィの発言
であるかどうかははっきりしない。以前にはテロ組織アル カーイ
ダの組織はインターネット上で、その指導者ザルカウィが支持者に
向けて演説を行なう、と予告していた。

     国内ニュース

ゴルバッハはカンプルに理解を示す

オーストリア未来連合の党首で副首相のフーバート ゴルバッハ
は、同党の元党員シークフリート カンプルの行動に一定の理解を
示した。彼の発言は非難されるべきではあるが、彼は自分の非を認
めており、辞任すると予告していたので、社会民主党からの非難は
不要であった、と述べた。カンプルは4月中旬の連邦議会での演説
で、逃亡は一種の仲間殺しであり、1945年の後の「ナチにたいす
る訴追は残酷であった」と述べていた。一方連邦首相ウォルフガン
グ シュッセル(国民党)は月曜日、問題となっている連邦議会議
員カンプルに対して、言及しようとしなかった。記者会見でシュッ
セルは、今日閣議を行なうと指摘した。カンプルは日曜日に連邦議
会議員を辞職することはない、と予告していた。




5月31日(火)

     国外ニュース

ド ヴィルパンが仏新首相に シラクは雇用促進を約束

フランス人がEU憲法に反対してから2日、大統領ジャック シラク
は失業対策として「国をあげて結集」することを約束した。労働市
場政策は、ドミニク ド ヴィルパンを新首相とする政府の行動の
最重点項目である、とシラクは火曜午後のテレヴィ演説で述べた。
そのためにはアングロサクソン世界のやり方は、見本にはならな
い、逆に民間企業の独創、一致団結、および社会的対話を同時に進
めていくことが重要だ、と述べた。フランスの失業率は過去数年7
から10%に増加した。今日解任された首相ジャン・ピエール ラフ
ァランは何度も流れを変える、と約束していた。EU憲法を拒否し
た後、フランスは「大きなヨーロッパを作るという野望」を持ち続
ける努力をする、この拒否によって、フランスとヨーロッパは「困
難と不確実」の時代に入った、とシラクは述べた。シラクは首相交
代によって、月曜日の投票の失敗の責任をラファランに押しつける
つもりであった。ド ヴィルパンによって、もっとも人気のある候
補者の登場とはならなかった。シラクはどんな代償を払っても、彼
の直接的な好敵手であるサルコズィには、好機を与えない方針であ
った。

     国内ニュース

ヒルシュマンは立候補を発表する意向

国民党の重要な州閣僚で元EStAG社の経営者であるゲアハルト 
ヒルシュマンは今日、秋に行なわれるシュタイアーマルク州議会選
挙に、自分の候補者団を代表して立候補するかどうかを発表する。
この発表は、グラーツ近郊のウンタープレムシュテッテンで行なわ
れる。彼が自分の候補者団「ヒルシュマンの候補者団」を提案する
かどうかは、シュタイアーマルク州国民党の頭脳である彼は明確に
しなかった。




6月1日(水)

     国外ニュース

仏首相ド ヴィルパンは失業対策を約束

フランス新首相ドミニク ド ヴィルパンは、失業との戦いを彼の
政府の中心化だいと位置づけ、この問題では「大胆で構想力に富む
措置」をとる方針である。市民は、EU憲法を拒否した後、成果が
迅速に現れると期待しており、自分はそれに向け個人的に努力をす
る、とド ヴィルパンは氏名を受けた後初めて火曜日にテレヴィに
出演して述べた。彼の内閣の人事は金曜日までに取りまとめられ
る、とも彼は語った。与党国民運動連合UMP党首ニコラス サルコ
ズィが、政府の要人に復帰するのは間違いない。ド ヴィルパン
は、野心的なサルコズィと対立しているとは認めるつもりはない。
「我々の間でに問題があれば、はっきりと話し合う」と彼は述べ
た。労働組合の代表はド ヴィルパンを、具体的な対策を提案して
いこなかった、と非難した。

     国内ニュース

失業率は7年ぶりの高水準

5月の失業率の上昇はさらに激化した。先月の求職者の数は22万
3,352人で、昨年の同月と比べた場合、3.6%つまり7,857人増加し
ている。これは7年ぶりの高い数字である。特に大きな影響を受け
たのは、女性の失業率で、5.1%増加した、と産業省が水曜日午後
遅くに発表した。先月と比べた場合、季節変動を修正した場合、失
業率は9.1%減少した。




6月2日(木)

     国外ニュース

トルコで内閣改造 理由は不明

トルコ首相レジェップ タイップ エルドアンは木曜日、内閣改造
を発表した。国務大臣サミ ギュクリュと開発大臣ツェキ エルゲ
ツェンが辞任した、と彼は述べた。内閣改造の理由は今のところ不
明である。両閣僚の後任として、ニメット クブック、ファルク 
ナフィツ エツァクおよびメフメト エケルを任命した。辞任した
閣僚は「改革の必要性」があることを理解しているだろう、閣僚が
時間とともに変わるのは当たり前のことである、と疲れ切ったエル
ドアンはアンカラで述べた。

     国内ニュース

国民党の一般党員はヒルシュマンの言動に驚く

ゲアハルト ヒルシュマンが州議会選挙に立候補すると発表した
後、シュタイアーマルク州国民党のなかでは、驚きが広がってい
る。同党の一般党員は、以前は慎重派であった彼の行動に驚きを隠
せなかった。ヒルシュマンは繰り返し、シュタイアーマルク州国民
党の中に今なお多くの友人がいる、と繰り返し発言していたが、
10月の州議会選挙で独自の候補者団を結成して立候補する、との
予告は国民党に衝撃を与えた。




6月3日(金)

     国外ニュース

シュレーダーとシラクは今後のEUの方針について話し合う

ドイツ首相ゲアハルト シュレーダーとフランス大統領ジャック 
シラクは、ベルリンで今日、EU憲法が国民投票で承認されなかっ
たことを受け、今後の対策を話し合う。ドイツの首相府での会談で
は、午後にフランスとオランダでの国民投票の分析が行なわれこと
になっている、とドイツ政府は発表した。シュレーダーとシラクの
間では、多くの加盟国の公民の中では不満感が高まっているますま
す大きな権限をEUに集める計画を再検討しなければならないかど
うかが話し合われる。その他には、ヨーロッパの経済の刺激策およ
び収支の新たな配分をめぐる対立から生じるEUの財政危機を回避
する方法について話し合われる。

     国内ニュース

フロインシュラーク問題でハイダーは社民党を攻撃

ケルンテン州首相イエルク ハイダー(オーストリア未来連合)は
昨日午後、連立与党の社会民主党を激しく攻撃した。社会民主党
は、同州議会議長イエルク フロインシュラーク(オーストリア未
来連合)が「ナチは追い詰められていた」と発言をした件で、彼の
辞任を要求していた。フロインシュラークは既に謝罪をしたが、こ
れでは不十分だと考えているのは社会民主党だけではない。しかし
ハイダーは、辞任要求は「スターリン的な手法」であるとみてい
る、とケルンテン州自由党50周年を記念して行なった演説の中で
述べた。




6月4日(土)

     国外ニュース

ザルカウィの同盟者がイラクで逮捕

イラク国防省の情報によれば、イラク兵がヨルダンのイスラーム系
急進派アブ ムサブ エル ザルカウィの重要な同盟者を逮捕し
た。「王子の中の王子」とも呼ばれるムッラー マハディが昨日、
イラク北部の都市モースルで、米軍の支援を受けた部隊に逮捕され
た、と同省広報が発表した。「これは極めて重要な成果である。ム
ッラー マハディは、同国で最も危険なテロリストの一人である」
とも語った。マハディと共に、彼の兄弟を含め6人が逮捕された。
マハディは、アンサル・アル・スンナ軍の要人と見られている。こ
の組織にはイラクで起きている一連の攻撃の責任があるとされてお
り、エル ザルカウィ率いる急進派組織アル カーイダのイラク支
部と繋がりがあるとの情報がある。

     国内ニュース

シュタイアーマルク州オーストリア未来連合は設立集会を開く

シュタイアーマルク州オーストリア未来連合は日曜日、ハルトベル
クで設立集会を開く。その集会には同党所属の閣僚および政務次官
のほか、ケルンテン州首相イエルク ハイダーも出席する予定であ
る。この集会では、党組織が決定され、同州同党主の演説が行なわ
れる。話題にのぼっているのは、元社会福祉大臣の広報であったゲ
ラルト グロシである。この集会で選挙されるのは、選挙対策半の
責任者、党首、選挙戦の準備を進める5人の担当者、党仲裁担当、
財政責任者である。行動計画も提案される。州調整官のテレシア 
ツィールラーによれば、300人以上が集会には出席する予定であ
る。グロシの他、元州閣僚で自由党の元事務長であったマグダ ブ
レックマンとハイダーの友人ハラルト フィシュルが幹部入りする
かが検討される。オーストリア未来連合は秋に行なわれる州議会選
挙に候補者を送る方針である。




6月5日(日)

     国外ニュース

英国の国民投票は凍結 EUの将来はブレアの手に

EU各国首脳と彼らの建てた欧州という未来像に2度にわたって平手
打ちが食らわされた後、すべの人の関心は英国に向けられている。
首相トニー ブレアは月曜日、予定されていた国民投票を凍結する
見込みである。これによりブレアは、EU憲法批准の手続きを続け
るように訴えている仏、独政府の意向を無視することになる。新聞
報道によれば、今のところ彼は欧州には未来がない、と見ている。
一方彼は今アフリカに関心を寄せている。またEU財政の今後と改
正されたオイロ安定化法案の実施について、月曜日にルクセンブル
クで行なわれるオイロ使用地域の蔵相会議で話し合われる。25の
国と経済地域の蔵相の会議では、明日改めてEUの財政について話
し合う。その後、6月16日の首脳会談で財政条約を結ぶために、日
曜日には外相会談が行なわれる。

     国内ニュース

シュッセルは欧州で「積極的な戦略」に賛成

EU憲法が2度にわたって否決されたことを受け、連邦首相ウォルフ
ガング シュッセル(国民党)は、悲観的な声を退け、「積極的な
戦略」をとるように求めた。「我々は正しいと考える方向を取らな
ければならない」と日曜日ワッハウでのヨーロッパ公開会議で述べ
た。市民が臨んでいるのは「弱いヨーロッパではなく、強いヨーロ
ッパである」と彼は確信している。私たちはヨーロッパ全体を再び
自らの足で立たせることを学ばねばならない。」ヨーロッパを生き
生きした状態に保つことが重要だ、と述べた。彼によればヨーロッ
パは現在重要な方針転換の時期にあり、それぞれの国の住民に憲法
を拒否する責任を負わせるのは「非合理」である、ローマでの条約
への署名が「ヨーロッパ全体の式典であった」ことを想起させ、今
日ヨーロッパは問題の一部として存在しており、解決とはなってい
ないとも述べた。



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