6月27日〜7月3日のオーストリアのニュース



6月27日(月)

     国外ニュース

イラクでは米国がアブ ゴライブ収容所を拡張

米国は5千万ドルを投入して、イラクの反乱勢力と見られる人たち
を入れる収容所を拡張し、拘留刑務所1カ所を解説する方針であ
る。アブ ゴライブ収容所は既に400人分の拡張が行なわれた、と
米軍は昨日発表した。これに加えてさらに400人を収容できるよう
にする、とのことである。同収容所で虐待事件が起きたことを受
け、政府の代表は、この収容所を閉鎖するように、との要望を表明
していた。バグダードの北330キロにあるスライマニヤでは、元兵
舎が拘留刑務所に改築される。あわせて米国は1万6千人分の収容
所を作る計画である。

     国内ニュース

フィンツは大規模な公務員法改革に賛成

公勤務従事者に対する職員法に関する交渉を翌日にひかえ、大蔵政
務次官アルフレート フィンツ(国民党)は今一度圧力をかけた。
今後も保護を受ける公務員は、法務、行政、軍などの扱いにくい問
題を担当する分野でだけにするべきだ、と述べた。「原則的には、
契約を交わした職員および上級公務員に階級を設けることはすべき
ではない」と彼は「クリール」紙で述べた。また彼は、労働組合と
の合意は成り立つとの意見を述べた。




6月28日(火)

     国外ニュース

シュレーダーは各大臣に信任投票問題で情報を伝達

ドイツ連邦首相ゲアハルト シュレーダーは水曜日に各大臣に、信
任投票問題の動機に関して信頼を得るための話し合いを行ない、情
報を呈示する。いつも行なっている閣議とは異なり、ベルリンの首
相府での会談には、政務次官や官僚は出席しない。シュレーダーは
月曜日に、信任投票実施に関する動議を連邦議会に提出した。彼
は、9月に国会議員選挙を行なおうとしている。この動議に関する
投票は金曜日に行なわれることになっている。その直前に彼は本会
議で、彼の行動について正式にその理由を説明する方針である。社
会民主党党首フランツ ミュンテフェリングは、同党所属の国会議
員に対して、棄権するように勧告したが、圧力をかけるつもりはな
い。多くの国会議員はすでに、この勧告に従う、と述べた。

     国内ニュース

シュタイアーマルク州選挙は10月2日に

シュタイアーマルク州議会選挙は、予定より早まって実施されるこ
とになる。同議会に議員を送っている政党の多数は、10月2日に選
挙を実施することに賛成した。今までは最も有力な選挙期日は10
月16日と見られていた。緑の党も含めてすべての政党が、火曜日
にこの選挙をより早く実施することに賛成した。国民党会派長クリ
ストファー ドレクスラーは、選挙戦を短くし、資金を節約できる
点で、この日が最良の日であり、これによって同州の決断がより早
く明確になる、と述べた。




6月29日(水)

     国外ニュース

ガザからの撤退問題で入植者は警察と一戦交える

昨日イスラエルでは急進的なガザ帯状地帯からの撤退反対派が、全
土を封鎖して、交通の要衝で道路交通を麻痺させた。警察は水曜日
に、エルサレムとテル アヴィヴへ繋がる高速道路を封鎖した10
人あまりを逮捕した。一方ユダヤ人入植地グーシュ カティーフの
情勢は悪化している。入植者数百人が現地ではイスラエル治安部隊
とパレスチナ人と激しく衝突した。兵士が威嚇射撃を行なった。ラ
ジオ報道によれば、ユダヤ人急進派は、パレスチナ人の若者を襲
い、重傷を負わせた。入植者側にも負傷者が出ている。軍は、警察
と協力して、人が退去した建物に入りこんだ約50人のユダヤ人入
植者を追い出そうとした。イスラエル首相アリエル シャローン
は、この動きに断固対処する方針である。

     国内ニュース

迎撃戦闘機購入問題で社民・緑の党は会計検査委員会から退席

昨日の国会の会計検査委員会では小さないざこざがあった。国防大
臣ギュンター プラター(国民党)が、迎撃戦闘機オイロファイタ
ー購入契約の公開を拒否した後、社会民主党と緑の党は委員会を退
席した。同委員会の議事には、会計検査院の同機購入に関する報告
が含まれていた。プラターのほか、大蔵大臣カール・ハインツ グ
ラサーと別案担当の産業大臣マルティン バルテンシュタイン(国
民党)も情報をよせることになっている。野党側は最近、この購入
契約の公表を最近強く求めている。




6月30日(木)

     国外ニュース

独首相シュレーダーは信任投票を提案

ドイツ連邦首相ゲアハルト シュレーダーは金曜日、連邦議会に信
任投票を提案する。これにより彼は9月に国会議員選挙を実施する
方針である。601人の議員の過半数がシュレーダーを信任しないの
は確実である、と見られている。多くの与党社会民主党および緑の
党の国会議員は棄権する。連立与党内部から4人の棄権、ないし反
対票がでれば、必要な絶対多数には達しない。シュレーダーは午前
中に連立与党に、今回の信任投票の提案の理由を説明する。その
後、総会で彼は声明を発表し、引き続き70分間の議論が行なわれ
る。投票はただちに行なわれ、シュレーダーが信任を得られない場
合、彼は金曜日に連邦大統領ホルスト ケーラーに直接これについ
て報告する。ケーラーはその後、国会を解散し、選挙期日を設定す
るための時間的猶予3週間を持つ。彼は憲法違反の懸念があるた
め、これに反対する決定を下すことはできないものとみられてい
る。

     国内ニュース

地方駐在連邦警察隊は最後の時を刻む

市民が大規模な警察改革に関して、多くのことを記憶し続けること
はないにせよ、7月1日に地方駐在連邦警察隊の歴史のひとコマと
なる。その後存続するのは警官だけである。その背景には、新たに
警察機関全体が再構築されたことがある。ただし多くの再編が進行
中である。警察機構の全員が、この極めて短時間で行なわれた地方
駐在連邦警察隊と警察の合併で幸福になれたわけではない。




7月1日(金)

     国外ニュース

アッバスはハマースに大臣の椅子を提供

パレスチナ大統領マハムード アッバスは、イスラームのハマース
運動に、政府に即時参加するように提案した。ハマースによれば、
彼はその理由として、8月に計画されているイスラエルのガザ帯状
地帯からの撤退に際して、近東のすべての政治勢力を一つにまとめ
るべきである、ということをあげた。ハマースはこの提案を検討し
ている、と高官が昨日発表した。同組織は数日前に、ガザ帯状地帯
の権力移譲を監視する委員会の設置を要請していた。アッバスはこ
れを拒否したが、かわりに政府への参加を要請した。専門家はこれ
は、パレスチナ大統領が急進派組織を政府の中に取り込み、イスラ
エル軍が平和的に撤退できるようにしようとしているものと見てい
る。一方イスラエルは、テロ組織とみなしているハマースとの一切
の対話を拒否している。ハマースはイスラエルの存在権を一切承認
していない。EUは低い外交官による話し合いで、ハマースとの対
話の可能性があるかどうか、意向を打診している。1月にはハマー
スはガザ帯状地帯での地方選挙で明確な勝利を収めていた。

     国内ニュース

ニーダーエスターライヒ州自由党は党大会を実施

ニーダーエスターライヒ州自由党は今日、同州南部のテルニッツで
27回目の定例党大会を行なう。ここでは、同州同党主バルバラ ロ
ーゼンクランツが再選され、連邦同党主ハインツ・クリスティアン
 シュトラーヒェが報告を行なうことになっている。約350人の代
表が出席する予定である。その他に党幹部も選ばれるが、人事はあ
まり変わらない予定である。党首代理で、同州議会議員のトーマス
 ラムはすでに4月に、党首代理を辞任する、と予告していた。副
党首で州議会議員のゴットフリート ワルトホイスルは、同州同党
の7,500人の党員のうち、オーストリア未来連合に移ったのはわず
か15人である、と述べた。




7月2日(土)

     国外ニュース

トルコで列車爆破事件 死者6人

土曜日トルコ東部で郵便輸送列車が爆弾攻撃を受け、軍事筋の情報
では、6人が死亡、15人が負傷した。当局の代表は、活動が禁止さ
れているクルド労働党PKKの独立派が、プラスティック爆弾を線路
上に置き、遠隔操作で爆発したもの、と見ている。さらに続いてビ
ンゲル州の事件現場にやってきた別の列車も、反乱勢力の銃撃を受
けた。こちらの事件でさらに死傷者がでたかどうかは今のところ不
明である。負傷者のうち3人は重体であった。トルコの通信社アナ
トリアによれば、死亡したのは、エラツィヒとタトファンの両都市
間を移動していた兵士である。この列車には約百人が乗っていた。
また爆発現場から約500メートル離れたところでは別の爆弾が発見
された、と治安担当者は発表した。

     国内ニュース

ショイヒには2002年にハンガリーの逮捕命令

ハンガリー司法当局は2002年に、現在オーストリア未来連合の広
報を務めるウーウェ ショイヒに対する逮捕命令を出して行方を負
っていた模様である、と報道雑誌「プロフィル」は月曜号で報じて
いる。それによれば、彼は保険詐欺を犯した容疑ガも垂れているよ
うである。ショイヒは土曜日にAPA通信に対して、この逮捕命令に
ついては何も知らない、と述べた。彼はハンガリー警察当局から1
度だけハンガリー語で書かれた手紙を受け取っていたが、それによ
れば自分に対するかなり詳細な「調査」が行なわれたとは記されて
おらず、自分はオーストリアでもハンガリーでもこの事件に関して
尋問を受けたことは一度もない、と述べた。




7月3日(日)

     国外ニュース

アルバニアは社会党と民主党がそれぞれ自分が勝利と発表

アルバニア共和国では国会議員選挙が行なわれたが、与党社会党と
野党民主党が、それぞれ自分が勝利した、と発表した。首相ファト
ス ナノ率いる社会党は、直接選挙で選ばれる100議席中、最大で
71議席をえた、と昨日ティラナで同党広報が発表した。民主党党
首サリ ベリシャも時を同じくして、同党の支持者が「圧勝した」
と述べた。中央選挙委員会の正式の情報と400人を越える外国の選
挙監視団の情報はまだ出ていない。約290万人の有権者が国会議員
140人を選んだ。このうち100議席は直接選挙で、40議席は党の
名簿から出される。西側の外交官は選挙前に、選挙法が複雑である
ため、驚くようなことが起こりかねない、と警告していた。

     国内ニュース

ゴルバッハはEU憲法の批准を中止する方針

副首相フーバート ゴルバッハ(オーストリア未来連合)は、EU
憲法の批准手続きを中止することに賛成である、と述べた。これは
国民党の立場と反するものである。「新クローネン新聞」とのイン
タヴューでゴルバッハは、さらにトルコのEUへの完全加盟に反対
した。ルーマニア、ブルガリアのEU加盟は確実であり、クロアチ
アの加盟も時間の問題であるが、その後は「熟慮する時間が必要で
ある」と述べた。



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